日本で名品展が行われないロンドンナショナルギャラリー!
日本の美術館が実施する展覧会でお馴染みなのが海外の有名美術館から名品をもってくる特別展。浮世絵の里帰り展を横におくと今年は昨日取り上げたリバプール国立美を含めて6回ある。
★ワシントンナショナルギャラリー展 (2/7~5/24 三菱一号館美)
★ルーヴル美展 (2/21~6/1 国立新美)
★大英博美 (4/18~6/28 東京都美)
★ウィーン美術史美 (9/9~12/6 Bunkamura)
★プラド美 (10/10~1/31 三菱一号館美)
毎年こうした美術館ものの展覧会が多く開かれるので西洋美術好きならしっかりインプットされているヨーロッパやアメリカにある人気の美術館はほとんど紹介されたと思ってしまう。ところが、まったく実現しない美術館がひとつある。お気づきのとおり、ロンドンのナショナルギャラリー!
ナショナルギャラリーが超一流の美術館であることはここを一度でも訪れたことのある人ならすぐ納得してもらえるはず。とにかく西洋絵画史における傑作がここにもあそこにもあるという感じで、絵画の魅力に満ち溢れた展示空間ですごす時間は特別な思い出として胸に強く刻みこまれる。
この美術館は所蔵する作品が充実しているだけでなく、ミュージアムショップで販売されている図録などもじつによくできている。一流の美術史家が執筆している‘コンパニオンガイド’と名画の見どころをコンパクトにまとめた‘ビジターガイド’。
好感度の高いこのナショナルギャラリーはそのコレクションをまとまった形で日本で公開したことがない。同じロンドンにあるテートやパリのルーヴルやマドリードのプラドは何度も名品展を開催してくれてるのに、なぜかナショナルギャラリーは実現しない。
ハードルが高い理由は?展示してある作品がどれもレベルが高いのでナショナルギャラリー物語をつくっているワンピースが長期間消えるのは嫌なのかもしれない。映画‘ナショナルギャラリー’が公開され、美術館への関心は高まっている。一度でいいから日本でナショナルギャラリー名品展をみてみたい。
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コメント
おはようございます。私も、世界の主要美術館の中でロンドンのナショナルギャラリー展だけが日本で開催されないのは、どうしてなのかとずっと思っていました。
イギリス国外で特別展があると数点貸し出すようですが、まとまって貸し出すことはないようです。何十点も一度に貸し出すとリスクが大きいからでしょうか。飛行機事故に備えて、貴重な美術品にかける保険も相当なものだと読んだことがあります。
しかしルーヴル、プラドなども貴重な作品を貸し出してくれるので、やはりロンドンのナショナルギャラリーのポリシーとして数十点を一度に貸し出さないのかもしれませんね。
ちなみにナショナルギャラリーのコンパニオンガイドは、私も持っていて、何度も作品解説を読み返して楽しんでいます。著者のラングミュアという人は著名な美術史家のようですが、説明はとても興味深いです。他にも世界の主要美術館のガイドブックを読むのが好きですが、このナショナルギャラリーのものは素晴らしいと思います!
投稿: ケンスケ | 2015.02.05 08:08
to ケンスケさん
ナショナルギャラリーは海外のブランド美術館の
なかでは例外的に作品を貸し出ししませんね。
内規でそう決めているのでしょうね。ここの印象派
展なんかがあったら最高なんですが。
コンパニオンガイドはいい図録ですね。よく読ん
でます。
投稿: いづつや | 2015.02.05 22:57