心を奪われる岡田美の琳派コレクション!
今日から日本橋三越ではじまった‘岡田美蔵 琳派名品展’(1/21~2/2)、展覧会の初日に出かけるのは久しぶり、しかも出足は早く10時の開店直後に会場に入った。とくに意気込んだというのではないが、琳派狂いだから自然にそうなった。
箱根にある岡田美が所蔵する琳派作品のコレクションが今回43点でている。数としては多くないが、一点々質が高いので感動袋が大き膨らむ。一番のお目当ては尾形光琳(1658~1716)の‘雪松群禽図屏風’、この屏風の存在を知ったのは岡田美が2013年の10月に開館したとき。チラシでみて箱根へクルマを走らせようかとちょっと心が動いたが、そのときはパスした。
その絵がわざわざ日本橋までやって来てくれた。構図がなかなかおもしろい。流水がロケットの先端のような形をして左から右に突き出ており、その一部を背景にして雪を被った松がどんと描かれている。この松、下のほうがなんだか変、中央の松に右の松が倒れかかるように絡まっている。光琳にしてはすっきり感がやや欠けるところ。
もうひとつ気になることがある。それは松のまわりにいる鴨や雁などがちょっと多いこと。このビジーさのため意匠性豊かな雪松の美しさに心が集中しない。だから、三羽くらい間引いたほうがいいかもしれない。
俵屋宗達の収穫はたらしこみの技法が冴える‘烏図’、横にも‘白鷺図’がある。ええー、宗達の水墨画が2点もあるの!岡田美がこれほど熱心に琳派の作品を集めていたとは知らなかった。そして、お馴染みの本阿弥光悦の書との共演が目を楽しませてくれる。3点ある。みてのお楽しみ!
酒井抱一(1761~1828)は全部で6点あるが、そのうち‘風神図’と‘月に秋草図屏風’は2011年千葉市美で開かれた‘酒井抱一展’でもお目にかかった。今回魅了されたのは‘檜に啄木鳥・紅梅に鴛鴦図’、こういうモチーフを描かせたら抱一の右にでるものはいない。
現代琳派のなかで抜きんでているのが加山又造(1927~2004)、はじめてみる‘初月屏風’。東近美にある‘千羽鶴’を思い起こさせるしなやかに美しく曲がる波の線が画面に夢中にさせる。この波と大きく描かれた三日月、そして秋のススキが繰り広げる優雅なコラボ、立ちつくしてみていた。
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コメント
日本橋三越の『岡田美術館蔵琳派名品展』の情報ありがとうございます。
岡田美術館は遠くて、いまだに足を運んでいないので今回の三越の展覧会にはぜひ行ってみようと思います!
加山又造は私も大好きですが、初月屏風は見たことがありません。他に尾形光琳、酒井抱一のご紹介作品もいいですね! 期間が短いようなので、できるだけ早く行ってみます。
投稿: ケンスケ | 2015.01.21 22:53
to ケンスケさん
昨年箱根へ行き岡田美のコレクションの質の高さ
を目に焼き付けましたから、今回の琳派展もよさ
そうな気がしてましたが、期待値を大きく上回
ってました。
一級の琳派の作品が集まってます。どうかお楽しみ
ください。
投稿: いづつや | 2015.01.21 23:30
今日、琳派展に行ってまいりました。私にとっても期待を大きく上回る作品群でした。岡田美術館は、すばらしい琳派作品を持っているのですね。
ご紹介作品のほかにも、いろいろといい作品が並んでいて、説明文も丁寧に読みながら、じっくり観賞しました。
本当に行ってよかったです! ご紹介ありがとうございました。
投稿: ケンスケ | 2015.01.25 21:26
to ケンスケさん
岡田美の琳派コレクションまったくスゴイですね。
箱根でみた乾山のやきものだけでなくほかにも宗達
、光琳から雪佳までずらずらとでてくのですから
たまりません。琳派イヤーの幕開けにふさわしい
展覧会ですね。
投稿: いづつや | 2015.01.25 23:35