ズームアップ 名作の響き合い! 1973年
9年前の2006年、日本橋三越で‘原田泰治とクロアチアの仲間たち’展があった。原田泰治という画家の作品をみたのはほんの数点しかなかったが、その素朴な画風が気になっていたのですぐとびついた。クロアチアの仲間たち8人もクロアチアナイーブアート派の面々。
クロアチアという国にはまったく縁がないので村や町の風景がどんな感じなのかイメージできないが、素朴派の絵が少しは手助けになる。今でも強烈に記憶が残っているのがゲネラリッチ(1936~2004)の‘ソフィア・ローレンス’、雪化粧をした村を背景にして猫を抱えたあの女優ソフィア・ローレンスが描かれている。クロアチアの人々にとって海の向こうのイタリアは身近な国、だから、ソフィア・ローレンは憧れの女優だったのかもしれない。
スクリェニ(1898~1990)の描いた‘人類の歴史’も大変印象深い作品、ここには文明と社会の発展の歴史が細かくファンタスティックに描かれている。洞窟があり、現代の高層ビルがそびえ立ち、乗り物もボート、クルマ、船、飛行機、そして人間、動物全部でてくる。こういう絵がまたみてみたい。
ビュフェ(1928~1999)は世界各地を旅行して心にとまった街の風景や海の情景を描いている。それらは大きなキャンバスであることが多いので、いつもみとれてしまう。ブルターニュ地方の小さな漁港を描いた‘ペロス・ギレック’は高台から見下ろす構図に魅了されている。海の絵ではもうひとつ‘サン=トロペの港’もお気に入り。
箱根の彫刻の森美は一度訪問したことがある。でも、かなり前のことだからどこにどの彫刻があったか、そして誰の作品だったかは大半忘れている。そんななかでまだ記憶に残っているのがシンプルな形と赤色が目を惹くイサム・ノグチ(1904~1988)の‘オクテトラ’、これは子どもの遊び台にうってつけの作品。イサム・ノグチは子どもの気持ちがよくわかっている。
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