« 2014年12月 | トップページ | 2015年2月 »

2015.01.31

ズームアップ 名作の響き合い! 1976年

Img_0003  ザオ・ウーキーの‘アンドレ・マルローに捧ぐ’(箱根 彫刻の森美)

Img     カルダーの‘赤い蜘蛛’(パリ ラ・デファンス)

Img_0001     ガボの‘球型のテーマ’(箱根 彫刻の森美)

Img_0002     ムーアの‘横たわる人体’(ブリジストン美)

2004年にブリジストン美でザオ・ウーキー(1921~2013)の回顧展をみた。10年位前のことだが、そのときの感動がいまでも強く蘇ってくる。それまでザオ・ウーキーの作品をみたことは一度もなし、だから、目の前に現れる抽象絵画はとても新鮮だった。こんなスゴイ中国の画家がいたのか!大きなサプライズ。

この展覧会のあと知ったことだが、堂本尚郎のパリにおける画家仲間のひとりだったそうだ。ともに抽象絵画の旗手だったが、同じ東洋人というのが興味深い。‘トリプティク アンドレ・マルローに捧ぐ’はとても魅了された作品。色面をきっちり重ねていくすっきり抽象画とは違い、水墨画の生まれた中国の画家ならではの色の濃淡やぼかしが深い刺激となって体のなかに入ってくる。

カルダー(1898~1976)の制作した野外彫刻をできるだけ多くみたいと思っているのに、まだ実現してない。亡くなった年につくられた‘赤い蜘蛛’はパリのラ・デファンスに設置してある。1991年にパリを旅行したとき、ラ・デファンスにも足を運んだ。ところが、新凱旋門をみるのに忙しく、ここにある野外彫刻は大好きなミロ以外はみたのかみなかったのか?マーク。

この‘赤い蜘蛛’もしかとみたという実感がない。この頃は今のように事前に作品情報をおさえて出かけるという鑑賞スタイルではなかったので見逃したのは悔やまれるがいたしかたない。またパリへ行ったときに楽しむことにする。

ナウム・ガボ(1890~1977)の‘球型のテーマ’はまさに新しい彫刻の世界に立ち会っているという感じ。丸いステンレスの板でできたこの球型は金属の持つ滑らかな質感に惹きつけられるが、それと同時にその造形が梟を連想させるので抽象彫刻なのにどこか親しみを覚える。

ムーア(1898~1986)の‘横たわる人体’はブリジストン美にあるもの。たしかにこの美術館でみたが、昨年末デ・クーニング展にでかけたときはみかけなかった。常設展示してないのだろうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.30

イチロー マーリンズと契約!

Img

Img_0003

イチローは今シーズンはナリーグのマーリンズでプレーすることになった。ヤンキースとの2年契約が終了しFAになったイチローの行き先がなかなか決まらずやきもきしたが、これでようやく大リーグの開幕へむかって気持ちが入っていく。

フロリダのマイアミを本拠地とするマーリンズはナリーグの東地区のチーム、昨年の成績は4位、この地区はナショナルズが圧倒的な強さで優勝を飾り、ブレーブズもメッツの歯が立たなかった。このチームでイチローは4番目の外野手、控えの外野手ではなく準レギュラーの扱い。

大リーグの試合数は162もあり長丁場だから、シーズン途中にはレギュラー3人のなかで誰かが打撃の調子を落としたり、ケガに見舞われたりすることもでてくる。こういうとき、外野のどこでも守れるイチローは貴重な選手。また、ナリーグは指名打者制がないため、投手にピンチヒッターが送られたときにはイチローの出番がある。

イチローがマーリンズに入団したので今年はナリーグの試合を多く楽しめそう。青木がロイヤルズからジャイアンツに移籍し、ピッチャーではシカゴカブスの和田が先発ローテーションの一人として期待されている。だから、3チームの試合があるときは中継がぐんと増えそう。ナリーグにはドジャーズのカーショーのようないいピッチャーは沢山いるからと彼らのピッチングがみれるのはとても楽しみ。

フロリダにはまったく縁がないが、マイアミは暖かくてディズニーのエプコットセンターなど娯楽施設が沢山あり楽しいところらしい。一度は観光で行ってみたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.29

ズームアップ 名作の響き合い! 1975年

Img_0002     デ・キリコの‘神秘的な動物の頭部’(パリ市立美)

Img_0003     デュビュッフェの‘派遣された大使たち’(箱根 彫刻の森美)

Img     ニキ・ド・サンファルの‘スフィンクス’(栃木県那須町 ニキ美)

Img_0001     カルロ・ザウリの‘白い形態’

昨年デ・キリコ展をみるため出かけた汐留ミュージアム(新橋)、今パスキンの回顧展が開かれているが、出かけるどうか迷っている。パスキンの絵の印象が薄いのはこれまでみた作品が少ないから、すぐ思い出せるのはポンピドーにある闘牛士の絵だけ。

その画風がどこかスーティンと重なるパスキン、心の半分はみていたほうがいいかなと思わせるのはデ・キリコ(1888~1978)の回顧展の効果。出品作の質が高く‘神秘的な動物の頭部’など気を引く作品が多くあった。だから、パスキン展もいい絵がやって来ているように思えてくる。悩ましいところ。

ずいぶん前になるがパリで回顧展を体験したデュビュッフェ(1901~1985)、日本では箱根の彫刻の森美にある‘美術館に派遣された大使たち’のほかにはみたという実感がない。この3人の大使は子どもたちにすぐ取り囲まれそう。これをみるたびに小さい頃遊んだロボットのおもちゃを思い出す。

最近、とても嬉しい展覧会情報が入ってきた。国立新美で秋にニキ・ド・サンファル(1930~2002)の回顧展(9/18~12/14)が開催される。回顧展には2回遭遇するのが理想。サンファル展は9年前大丸東京店で‘スフィンクス’などユニークな彫刻作品を目いっぱい楽しんだ。このときの印象が大変良かったのでいっぺんにファンになった。2度目はどんなプラスαに会えるだろうか。

カルロ・ザウリ(1926~2002)はイタリアの現代陶芸のビッグネーム、はじめて作品をみた2007年の回顧展(東近美)では表面に裂け目やひねりの入った力強いオブジェに圧倒されっぱなしだった。‘白い形態’は太古に生きた古生物の貝殻をも連想させる造形に魅了される。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.28

ズームアップ 名画の響き合い! 1974年

Img_0002  ヴァザルリの‘ビー・ヴェガ’(ロンドン ヘイワード・ギャラリー)

Img      フランシスの‘ワンオーシャン、ワンカップ’(川村記念美)

Img_0001     リキテンスタインの‘赤い騎士’(ウィーン 近代美)

Img_0004_2     コバチッチの‘木こりたち’(ザグレブ ナイーブアート美)

昨年放送大学で‘錯覚の科学’という講座を聴き、錯視アートに嵌った。これまで楽しんでいただまし絵はアンチボルトや国芳の絵に登場するような果物や野菜や人体を組み合わせて人の顔をつくっていくタイプの作品。

だまし絵にもいろいろなヴァリエーションがあり、最新の錯視アートは色も鮮やかで画面にでてくるモチーフが細密に表現され、その形が美しく滑らかに変化していく。だから、アートとしてみても十分に楽しい。

こうしたすっきり錯視アートの元祖みたいな作品がヴァザルリ(1908~1997)の‘ビー・ヴェガ’、天空を占領する黄色とピンクのアドバルーンのような物体、その球体の表面の丸は生き物のようにひっこんだり出てきたりする運動を繰り返している。二つの間にできた通り路を宇宙船でゆっくり奥のほうに進んでいるような感じ。

出光美にはサム・フランシス(1923~1994)の作品があるということは情報としては入っているが、お目にかかったことはない。美術館の性格上フランシスの回顧展を開催することは想像できないが、一度はみてみたい。

日本の美術館でこのアーチストの作品をみたのはごくわずか、東京都現美でみた大作と川村記念美にある‘ワンオーシャン、ワンカップ’、この作品は一見するとステラを思い浮かべるが、フランシスは菱形の帯のなかの色彩をにじみやぼかしを使って複雑にしている。水墨画のエッセンスを取り込んで色彩に動きを与えているところがおもしろい。

リキテンスタイン(1923~1997)の‘赤い騎士’はお気に入りの作品、本物はまだ縁がないが、ウイーンを再訪することがあったら近代美に足を運び対面を果たしたいと思っている。リキテンスタインの作品のなかでこうした未来派のような作品は珍しいので余計にみたくなる。

ミーヨ・コバチッチ(1935~)は昨日とりあげたクロアチアナイーブアート派のひとり。‘木こりたち’で目が点になるのは木々の描写、木の枝一本々が細い線でじつに緻密に描かれている。素朴派の作品には不思議な魅力がある。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.27

ズームアップ 名作の響き合い! 1973年

Img     ゲネラリッチの‘ソフィア・ローレン’

Img_0002     スクリェニの‘人類の歴史’

Img_0001     ビュフェの‘ペロス・ギレック’(静岡県長泉町 ビュフェ美)

Img_0004     イサム・ノグチの‘オクテトラ’(箱根 彫刻の森美)

9年前の2006年、日本橋三越で‘原田泰治とクロアチアの仲間たち’展があった。原田泰治という画家の作品をみたのはほんの数点しかなかったが、その素朴な画風が気になっていたのですぐとびついた。クロアチアの仲間たち8人もクロアチアナイーブアート派の面々。

クロアチアという国にはまったく縁がないので村や町の風景がどんな感じなのかイメージできないが、素朴派の絵が少しは手助けになる。今でも強烈に記憶が残っているのがゲネラリッチ(1936~2004)の‘ソフィア・ローレンス’、雪化粧をした村を背景にして猫を抱えたあの女優ソフィア・ローレンスが描かれている。クロアチアの人々にとって海の向こうのイタリアは身近な国、だから、ソフィア・ローレンは憧れの女優だったのかもしれない。

スクリェニ(1898~1990)の描いた‘人類の歴史’も大変印象深い作品、ここには文明と社会の発展の歴史が細かくファンタスティックに描かれている。洞窟があり、現代の高層ビルがそびえ立ち、乗り物もボート、クルマ、船、飛行機、そして人間、動物全部でてくる。こういう絵がまたみてみたい。

ビュフェ(1928~1999)は世界各地を旅行して心にとまった街の風景や海の情景を描いている。それらは大きなキャンバスであることが多いので、いつもみとれてしまう。ブルターニュ地方の小さな漁港を描いた‘ペロス・ギレック’は高台から見下ろす構図に魅了されている。海の絵ではもうひとつ‘サン=トロペの港’もお気に入り。

箱根の彫刻の森美は一度訪問したことがある。でも、かなり前のことだからどこにどの彫刻があったか、そして誰の作品だったかは大半忘れている。そんななかでまだ記憶に残っているのがシンプルな形と赤色が目を惹くイサム・ノグチ(1904~1988)の‘オクテトラ’、これは子どもの遊び台にうってつけの作品。イサム・ノグチは子どもの気持ちがよくわかっている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.26

名刀鑑賞は楽し!

Img

Img_0001     備前長船博物館

Img_0002     国宝‘太刀 名物大包平’(平安時代11世紀)

Img_0003     国宝‘太刀 銘長光(大般若長光)’

デパートで展覧会が行われる場合、会期が短いことが多い。今月の美術館めぐりは銀座松屋と日本橋三越とデパートものが入りこれがうまく重ならなかったため、2度でかけることになった。

いつもは朝10時くらいから5時までの間に4~5つの美術館を回るのでかなり忙しく、ひとつの美術館にのんびりとはしていない。今月はこれとはちがい2回とも2つの美術館だけ。14日は日本橋三越のあとは東博だけ。みちのくの仏像を見終わったのは1時ころ、まだ時間がたっぷりあるので平常展示をじっくりみてまわった。

東博の本館の1階、2階をまわっているときいつも楽しみにしているのが日本刀が飾ってある部屋。以前はHPで展示されている刀剣をチェックしていたが、今はそれはなく目の前にあるものを楽しむことにしている。今回は名刀がでている(2/15まで)、ともに国宝の備前刀。

古備前派(平安時代)の鍛冶、包平(かねひら)のつくった‘銘備前国包平作(名物大包平)’と長船派の‘銘長光(大般若長光)’、東博には国宝の日本刀がたくさんあるがこの2口は定番の名刀、一時期この部屋に通って名刀の太刀姿や刃文の形、沸や匂の出来具合いを釘づけになってみた。久しぶりに会う‘大包平’と‘大般若長光’、やはりすばらしい傑作、いい刀をみるのは本当に楽しい!

広島に住んでいたとき、岡山の長船までクルマを走らせ備前長船博物館を訪問した。ここで備前刀をみてから日本刀に嵌った。以来国宝の刀剣を追っかけているが、まだコンプリートにはいたらない。刀剣の鑑賞はライフワーク。これからもい大いに楽しみたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.25

東博の観山、青邨、古径!

Img     下村観山の‘老子’(1915年)

Img_0002     前田青邨の‘竹取物語’(1911年)

Img_0001     小林古径の‘阿弥陀堂’(1915年)

Img_0003     ラグーザの‘日本婦人’(1881年)

東京で近代日本画の名品を楽しめるビッグな美術館は東近美と東博。平常展示で飾られている作品の数としては東近美のほうが多くいつも倍以上でている。東博にある作品の特徴は大作が多いこと。

今出品されているのも大変大きな掛け軸。2013年横浜美であった下村観山(1873~1930)の回顧展にも登場した‘老子’、この絵を含めて観山の描く僧侶などの老人の肖像画は魅力にあふれている。すっきり顔の老子みるというも背中がしゃんとする。

前田青邨(1885~1977)の‘竹取物語’は毎度夢中でみてしまう一枚。この絵ほど小さい頃目を輝かせて聞いた竹取物語の話をドラマチックに表現している絵はない。昨年アニメの‘かぐや姫’がつくられヒットしたが、一枚の絵画の力もアニメの映像に負けていない。

2006年に青邨の生誕120年を記念した回顧展が島根県美、岐阜美、そして浜松市美で行なわれ、岐阜と浜松までみに行った。来年は130年の節目の年、今度は東京で青邨展をやってほしい。となると、期待したくなるのは東近美、実現するだろうか。

東博が所蔵する小林古径(1883~1957)は名画がずらっと揃っている。宇治平等院の阿弥陀堂を描いた‘阿弥陀堂’、‘住吉詣図’、‘踏絵’、‘出湯図’、‘麦図’、‘芥子’、このなかで赤が目にやきつく‘阿弥陀堂’は心を打たれる一枚。息を吞んでみていた。

近代絵画が展示されている部屋には2年前に行われたリニューアルにより以前はなかった明治時代に焼かれたやきものや工芸なども展示されている。目を惹いたのが染付の大皿と柴田是真の蒔絵額。そして、お馴染みのラグーサ(1841~1927)の彫刻‘日本婦人’もしっかり楽しんだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.24

大観・観山・紫紅‣未醒の‘東海道五十三次合作絵巻’!

Img     横山大観の‘沼津’

Img_0001     今村紫紅の‘吉原’

Img_0002     小杉未醒の‘由比’

Img_0003     下村観山の‘興津’

東北からやって来た仏像を楽しんだあと、時間がたっぷりあったので平常展示をぐるっとみてまわった。最近は東博のHPで展示されている作品をチェックすることがないから、部屋にいくまでは頭のなかは空っぽ。

1階の近代日本画が飾ってある部屋にいいのがでていた。今月のBSプレミアムで特集された‘東海道五十三次合作絵巻’(1915年 全9巻)の第3巻、横山大観(当時46歳)、下村観山(41歳)、今村紫紅(34歳)、小杉未醒(33歳)の4人が東海道を旅しながら描いたこの‘合作絵巻’、9巻のうちこれまでお目にかかったのは5巻と7巻と9巻。

BSプレミアムの番組でみせてくれたのは1巻、2巻、3巻、4巻(最後だけ)、7巻、9巻、この番組のおかげで4人が分担して描いた東海道の風景をたっぷり楽しんだので、こういうタイミングで3巻が目の前に現れるともう夢中になってみてしまう。

2013年に横浜美で‘横山大観 良き師、良き友’展が開催されたが、この番組はこれに刺激をうけて企画されたのかもしれない。おもしろかったのが横山大観記念館、横浜美、三渓園、出光美から女性学芸員が三渓園に集まりこの合作絵巻について語り合うところ。

紫紅担当の三渓園の清水さんと未醒担当の出光美の出光さんはTVではじめてみたが、大観記念館の佐藤さんと観山を語った横浜美の八柳さんは以前から知っている。この4人をみて日本画研究者の世界も女性の時代になったなと思った。昨年東近美であった菱田春草展を担当したのも鶴見さんという優秀な女性学芸員。

来月は出光美で‘小杉放菴展’(2/21~3/29)が開かれる。出光さんの監修に期待したい。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2015.01.23

みちのくの仏像が東博に集結!

Img_0001     国宝‘薬師如来坐像’(平安時代9世紀 福島・勝常寺)

Img_0002     ‘薬師如来坐像’(重文 平安時代862年 岩手・黒石寺)     

Img_0003     ‘十一面観音菩薩立像’(重文 14世紀 給分浜観音堂)

Img     ‘聖観音菩薩立像’(重文 平安時代11世紀 岩手・天台寺)

東博で行われている‘みちのくの仏像’展(1/14~4/5)をみてきた。会場は本館1階の特別5室、この場所のイメージがちがっていた。大々的な仏像展を想像してっきり平成館が舞台だと思っていた。

現在休館中の平成館ではなく5室ならみれる仏像の数もぐっと少なくなる。全部で19点。こういうときはすぐ頭を切り替える。いい仏像が東北からやって来ていることはチラシでわかっているからみるぞモードになるのも早い。お目当てはすでに国宝の‘薬師如来坐像と両脇侍立像’と決めてある。

長年国宝ウオッチャーをしているから、この仏像が福島県の勝常寺にあることは以前から知っている。でも、東北をクルマで走る計画はポンポンとは進まないので、本物をみるには大きなエネルギーがいる。だから、このようにわざわざおでましいただけると大変ありがたい。じっくり時間をかけてみた。

螺髪の部分の白が顔から下を彩色された黒と金色と重厚なコントラストをなし、この仏像に強烈な存在感を与えている。やはり本物の仏像には圧倒される。東北にあるお宝はなかなかみれないから喜びも大きい。

岩手県奥州市の黒石寺にある‘薬師如来坐像’も心をとらえて離さない。目じりをあげた厳しい表情からは仏様の偉さがひしひしと伝わってくる感じ。この薬師如来坐像が男性的なのに対し、三大薬師といわれるもうひとつの薬師如来(宮城・双林寺)は顔がぽっちゃりと丸く女性そのもの。3つ一緒にみれたのは幸運だった。

今回大きな仏像に出くわした。奈良や京都の寺で仏像をみているような気分にさせてくれたのが高さが3メートル近くもある‘十一面観音菩薩立像’、あまりの大きさにあっけにとられてみていた。牡鹿半島の給分浜の高台にまつられているそうだ。

最初のコーナーにあった‘聖観音菩薩立像’も忘れられない仏像、ノミのあとがそのまま残る鉈彫の仏像をみた回数は少ないので敏感に反応、目をこらして体の隅から隅までみていた。これは貴重な出会い。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.22

尾形乾山の名品を揃える岡田コレクション!

Img     尾形乾山の‘色絵絵替角皿’(18世紀)

Img_0001     尾形乾山の‘色絵春草図角皿’(18世紀)

Img_0002     尾形乾山・光琳の‘銹絵白梅図角皿’(18世紀)

Img_0003     尾形光琳の‘椿若松蒔絵螺鈿硯箱’(18世紀)

昨年春、新発見された歌麿の‘深川の雪’をみるため箱根にある岡田美を訪問した。お目当ての歌麿の大きな肉筆画に会えたので大感激だったが、同じ部屋に飾られていたやきものの数々にも目を奪われた。

そのなかでとくに惹かれたのが深い緑や青が魅力の古九谷と尾形乾山(1663~1743)の作品。ともに数が多いのでびっくりした。今、日本橋三越で開かれている‘岡田美蔵 琳派展’(1/21~2/2)にもその自慢の乾山がでている。いいもの全部みてくださいと9点、そして絵画も2点ある。この絵がまたいい。

一皿々をじっくりみていくと味わい深いのが‘色絵絵替角皿’(10枚)、角皿はほかに2点あり大きいほうの‘色絵春草図’にぐっと引き込まれた。さらに香合2点、茶碗2点、菊文の透彫反鉢1点。そして、兄の光琳が絵付けした‘銹絵白梅図角皿’、まさにフルピースの品揃えの豪華なラインナップ。

今年は光琳と乾山の合作による‘角皿’との出会いをひそかに期待している。というのも出品される可能性のある展覧会が3つあるから。さて何点みれるか?
★燕子花と紅白梅   4/18~5/17     根津美
★乾山展       5/27~7/20     サントリー美
★藤田美蔵名品展   8/5~9/27      サントリー美

はじめてみる光琳の蒔絵螺鈿の硯箱。岡田美はこうした光琳の工芸もしっかりコレクションしている。隣にある‘蜻蛉蒔絵螺鈿合子’、永田友治の‘八橋流水蒔絵螺鈿乱箱書’ともどもじっくり楽しんだ。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2015.01.21

心を奪われる岡田美の琳派コレクション!

Img_0001     尾形光琳の‘雪松群禽図屏風’(18世紀初頭)

Img_0002     俵屋宗達の‘烏図’(17世紀前半)

Img     酒井抱一の‘檜に啄木鳥・紅梅に鴛鴦図’(19世紀前半)

Img_0003     加山又造の‘初月屏風’(1967年)

今日から日本橋三越ではじまった‘岡田美蔵 琳派名品展’(1/21~2/2)、展覧会の初日に出かけるのは久しぶり、しかも出足は早く10時の開店直後に会場に入った。とくに意気込んだというのではないが、琳派狂いだから自然にそうなった。

箱根にある岡田美が所蔵する琳派作品のコレクションが今回43点でている。数としては多くないが、一点々質が高いので感動袋が大き膨らむ。一番のお目当ては尾形光琳(1658~1716)の‘雪松群禽図屏風’、この屏風の存在を知ったのは岡田美が2013年の10月に開館したとき。チラシでみて箱根へクルマを走らせようかとちょっと心が動いたが、そのときはパスした。

その絵がわざわざ日本橋までやって来てくれた。構図がなかなかおもしろい。流水がロケットの先端のような形をして左から右に突き出ており、その一部を背景にして雪を被った松がどんと描かれている。この松、下のほうがなんだか変、中央の松に右の松が倒れかかるように絡まっている。光琳にしてはすっきり感がやや欠けるところ。

もうひとつ気になることがある。それは松のまわりにいる鴨や雁などがちょっと多いこと。このビジーさのため意匠性豊かな雪松の美しさに心が集中しない。だから、三羽くらい間引いたほうがいいかもしれない。

俵屋宗達の収穫はたらしこみの技法が冴える‘烏図’、横にも‘白鷺図’がある。ええー、宗達の水墨画が2点もあるの!岡田美がこれほど熱心に琳派の作品を集めていたとは知らなかった。そして、お馴染みの本阿弥光悦の書との共演が目を楽しませてくれる。3点ある。みてのお楽しみ!

酒井抱一(1761~1828)は全部で6点あるが、そのうち‘風神図’と‘月に秋草図屏風’は2011年千葉市美で開かれた‘酒井抱一展’でもお目にかかった。今回魅了されたのは‘檜に啄木鳥・紅梅に鴛鴦図’、こういうモチーフを描かせたら抱一の右にでるものはいない。

現代琳派のなかで抜きんでているのが加山又造(1927~2004)、はじめてみる‘初月屏風’。東近美にある‘千羽鶴’を思い起こさせるしなやかに美しく曲がる波の線が画面に夢中にさせる。この波と大きく描かれた三日月、そして秋のススキが繰り広げる優雅なコラボ、立ちつくしてみていた。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2015.01.20

‘御所丸茶碗 銘古田高麗’がみたい!

Img_2     朝鮮半島と日本の窯址分布図(拡大地図で)

Img_0001_2     ‘御所丸茶碗 銘古田高麗 朝鮮’(17世紀初期)

Img_0003_2     ‘御所丸茶碗 銘葵’(17世紀初期)

Img_0004_2     ‘御所丸茶碗’(17世紀初期 根津美)

昨日終了した‘古田織部展’(松屋銀座)、みてから2週間ほどたつがまだ感動の余韻に浸っている。このビッグなやきもの展、みたあと購入した図録にサプライズの茶碗が載っていた。

それは‘御所丸茶碗 銘古田高麗’、昨年12月日曜美術館にこの名碗が登場したとき、展覧会には出品されないとテロップで断り書きがしてあった。でも図録には会場でお目にかかった同じ御所丸茶碗の‘葵’の隣の頁にしっかり載っている。

ということは次の奥田元宋・小由女美での開催(3/2~4/12)かその後の佐川美(10/10~11/23)に展示される。まったく勝手な想像だが‘古田高麗’をもっているのは京都あたりに住んでいる人で佐川美でお披露目されるのではなかろうか。

日曜美術館で目を釘付けにしてみたこの名碗、2002年五島美であった‘茶の湯 名碗’展のときお目にかかった根津美蔵の御所丸茶碗より確かにずっと惹かれる。こんないい茶碗があったのか!という感じ。おそらく滅多にでない一品なのだろう。

これは古田織部(1544~1615)の依頼により韓国の釜山の西にある金海(拡大地図で)の窯でやかれたもの。解説をしていた専門家はもっと踏み込んで織部がひそかに朝鮮に渡って作陶にかかわったともいっていた。金海では白磁系のやきものが多くやかれていた。この‘古田高麗’の白はとても魅力がある。

もしこれが佐川美に展示されるのなら、同じ会期に開かれる‘琳派展’(京博)には出かけることにしているので一緒にみるというオプションもある。検討してみたい。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2015.01.19

ミューズに願いを! 近代日本画

Img     加山又造の‘群鶴図’(左隻 1988年)

Img_0001     横山操の‘ふるさと’(1920年)

Img_0002     稗田一穂の‘帰り路’(1981年 和歌山県近美)

Img_0003     寺島紫明の‘彼岸’(1946年 京近美)

絵画や仏像、やきものなどの工芸品でとびっきりの名品を楽しむためにはまずそれらがどこの美術館やお寺にあるかを知る必要がある。その情報は画集とか美術本にでているから、これを手に入れればいい。美術の本を定期的に購入しているのはまだ知らない作品の情報が得られるから。

明治以降に活躍した日本画家が残した名画に関しては、わが家には一冊のバイブルがある。それは1989年に刊行された‘昭和の日本画100選展’(朝日新聞社)、展覧会は鑑賞しなかったががこの図録が運よく手に入った。以来この本に載っている作品を全点みることをライフワークにしている。

現在までに86点みることができた。残り14点のなかでみたい度の上位にあるのが稗田一穂(1920~)の‘帰り路’と寺島紫明(1892~1975)の‘彼岸’、ともに関西の美術館が所蔵している。京近美は結構足を運んでいるが、紫明のこの絵とは相性が悪く予想外に手間取っている。

‘帰り路’があるのは和歌山県近美、和歌山へ旅行する計画は今のところないので、稗田一穂の回顧展にでも遭遇しないかぎりみれない。ちょっとデ・キリコの画風を感じさせるこの絵との対面はいつやって来るのだろうか。

‘100選’に選ばれた加山又造(1927~2004)の作品は‘千羽鶴’(東近美)と‘白い・黒いバラの裸婦’、過去3回回顧展を体験したから美術本にのっているものはかなり済マークがついた。今、追っかけているのは‘群鶴図’、又造は鶴の名手なのでこの絵ともいつかお目にかかりたい。

加山又造とうまが合った横山操(1920~1973)、回顧展の開催を待ち望んでいるがまだ実現しない。横山操も又造同様‘100選’に‘ウオール街’(東近美)と傑作の‘雪原’(佐久市近美)の2点が選ばれている。回顧展に縁がないので見残している作品が多くあるが、最も魅せられているのは個人が所蔵している‘ふるさと’。会えるだろうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.18

ミューズに願いを! 洋画

Img_0001     藤島武二の‘芳蕙(ほうけい)’(1926年)

Img_0002     藤島武二の‘チョチャラ’(1908~09年 ブリジストン美)

Img     中沢弘光の‘かきつばた’(1918年 東近美)

Img_0003     梅原龍三郎の‘裸婦扇’(1938年 倉敷 大原美)

東近美へ出かけるのは今は年に1回か2回、そのためこの美術館が所蔵している定番の洋画の傑作に会う回数が減少している。これに対し大いに楽しませてもらっているのが近代に活躍した日本画家、上村松園、竹内栖鳳、そして、菱田春草。今年は片岡球子が夏に登場する。

これだけ日本画家の回顧展が続くと、東近美は洋画家の回顧展は企画する気がないのかなと思ってしまう。例えば、ビッグネームの藤島武二(1867~1943)、安井曾太郎(1888~1955)、梅原龍三郎(1888~1986)の順番は回ってこないのだろうか。この3人の回顧展をずっと待っているから気持ちが晴れないまま。

藤島武二の作品でまだ縁がないのが‘芳蕙’、中国服を身に着けた女性のモデルは竹久夢二のモデルをつとめたお葉、この絵の存在知ってからもうずいぶんになるのにまったく姿をみせてくれない。個人の所蔵となっているが、これまで展覧会に出品されたことがある?なんだか鏑木清方の‘築地明石町’と同様、夢の絵で終わりそうな感じ。

もう一点みたくてしょうがないのが‘チョチャラ’、これはブリジストンの所蔵。ここにある武二のほかの作品‘天平の面影’や‘黒扇’(ともに重文)はしっかり目のなかにいれたのに、どういうわけかこの‘チョチャラ’との対面が遅れている。久留米にある作品は東京にもってくることが決まったのでいずれ平常展示でみれるだろう。もう少しの辛抱。

東近美にある中沢弘光の‘かきつばた’もずっと追っかけているいる一枚。2007年に開催された‘日展100年展’に出品されたが東京では展示されなかった。残念!ずっと気になっているが、平常展示に足を運ばなくなったので鑑賞の可能性は小さい。片岡球子展のとき展示してあればいいのだが。

大原美にある梅原龍三郎の‘裸婦扇’、広島にいるとき3回くらい訪問したのになぜかこの絵をみたという実感がない。たぶんみているはずだが、ほかの絵に注意がむかっていたのかもしれない。東近美で龍三郎の回顧展があると一気にリカバリーできる。ミューズにお願いすることにした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.17

芸域の広い仁阿弥道八!

Img_0002_2     ‘富岳文黒茶碗’(江戸時代 19世紀 野崎家塩業歴史館)

Img_0003_2     ‘色絵筋文入子茶碗’(19世紀 逸翁美)

Img_0001_2     ‘色絵寿星立像’(19世紀 野崎家塩業歴史館)

Img_2     ‘色絵猿置物’(19世紀)

天才と呼ばれる芸術家に共通する特徴はその作風の幅が広いこと。仁阿弥道八(1783~1855)の生み出すやきものもバラエティに富んでいる。これほどなんでもこなせる陶工とは思わなかった。

入館してすぐ度肝を抜かされたのは楽焼と野々村仁清の写し。200%参った!本歌の楽道入の‘黒楽四方茶碗 銘山里’が横に並ぶ‘富岳文黒茶碗’、写しの技術の高さだけでなく本歌を上回るほどの輝きをみせる豊かな芸術性にはほとほと感服させられる。

そして、‘色絵筋文入子茶碗’の美しいこと、まさに仁清が生き返ってまた作陶している感じ。この煌びやかさにあふれる意匠を釘付けになってみていた。楽焼も仁清もこれほど高いレベルで写すことができれば、茶道具の注文が殺到したにちがいない。

道八の彫塑的作品は京博であった京焼展(2006年)で少し目が慣れている。今回はそのヴァリエーションがぐんとふえた。全部で16点でている。肩の力が抜けリラックスした気分でみれる作品ばかり。そのなかでとくに楽しかったのがチラシに大きく載っている‘色絵寿星立像’と猿の置物。

愛嬌のある顔をした寿星(寿老人)、大きな頭は一度見たら忘れられない。また大きな福耳と左手にもつ桃をみるのも縁起がいい。正月にこんないい寿星に出会ったから今年は幸運がやってくるかもしれない。

そして、長くみていたのが可愛い小猿の置物。近づいてみるとふさふさした毛の感じがじつによく表現されている。これは心が和らぐ。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2015.01.16

期待値を大きく上回る‘仁阿弥道八展’!

Img_0001     ‘銹絵雪竹文手鉢’(江戸時代・19世紀 湯木美)

Img_0002     ‘色絵桜透文深鉢’(19世紀 湯木美)

Img     ‘色絵桜楓文鉢’(19世紀 サントリー美)

Img_0003     ‘色絵大根文鉢’(19世紀 逸翁美)

銀座で古田織部展をみたあと次に向かったのはサントリー美、今ここで‘仁阿弥道八展’(3/1まで)が開催されている。

京焼の陶工、仁阿弥道八(1783~1855)、同世代の絵師というと江戸に浮世絵の歌川国貞(1786~1864)がいる。これまでお目にかかった道八のやきものは多くない。すこしまとまってみたのは9年前京博であった‘京焼展’、ほかは東博やMOA美などでひとつふたつみたくらい。

回顧展というのはありがたい、今回160点くらいどっとでてきた。足を進めるうちにチラシのキャッチコピー‘天才陶工’は本当だなと思えてきた。最も楽しませてくれたのが鉢。仁阿弥道八のイメージは尾形乾山の鉢の写しでできあがっているので、この華やかな鉢を前にするととてもいい気分になる。

絵柄で惹かれるのは今の季節にぴったりの‘銹絵雪竹文手鉢’、4点あり雪のかかり具合を比べながらじっくりみた。雪の印象が強いのが湯木美にあるもの。この心に響く雪の白さとコラボするのが‘色絵桜透文深鉢’、これは3点プラス本歌の乾山(MOA美)。3つの深鉢、本歌と同じ大きさなのが東博と個人が所蔵するもの。湯木美にあるのは一回り小さいが出来栄えはこちらに軍配が上がる。

楓の赤が目に飛び込んでくる‘色絵桜楓文鉢’、全部で5点でている。初見はボストン美から里帰りしたものをふくむ3点、MOAとサントリーにあるものは過去にみた。みごたえがあるのはやはり最も大きいサントリーのもの。じっとみていると魯山人が同じ絵柄でつくった深鉢が頭に浮かんだ。

大根をモチーフにした鉢ははじめてみたが、太い大根も絵柄としては悪くない。道八は花や雪の華やかな気分を表現するだけでなく野菜の生き生きとした感じもしっかりとらえている。どうみても並の才能ではない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.15

すごい伊賀、備前、唐津があった!

Img     ‘焼締芋頭水指 伊賀’(桃山時代 17世紀初期)

Img_0001     ‘焼締三角花生 備前’(桃山時代 17世紀初期)

Img_0002     ‘掛分釉一重口水指(朝鮮唐津)唐津’(17世紀初期 北村美)

Img_0004     ‘肩衝茶入 銘霜枯 唐津’(桃山時代 17世紀初期)

銀座松屋で行われている‘古田織部展’(1/19まで)は織部焼の茶碗や香合だけでなく、織部が茶会で使ったいわゆる‘織部好み’の茶道具の名品がいくつもでている。いずれもこうした特別なやきもの展でしかみれないもの、その印象深い形や景色、奥深い色合いにテンションが上がりっ放しだった。

立ちつくしてみていたのが伊賀の‘焼締芋頭水指’、すごい存在感を放つこの水指、伊賀の名品といえばすぐ五島美にある‘古伊賀水指 銘破袋’を思い浮かべるが、ほかにもこんな力強い造形をもった水指があったとは!

専門家や焼き物コレクターの間ではどこの誰がこうした傑作を所蔵しているかはわかっている、イベント的なやきもの展が見逃せないのは主催者の強い依頼に応えて知る人ぞ知る名品が姿をみせてくれるから。本当にいいものをみた。

備前の三角花生にも心を奪われた。手元のやきもの本にこの花生が載っているが、本物でないとやはりその鋭い造形の魅力は伝わってこない。これにお目にかかれたのは大収穫、また唐津の‘掛分釉一重口水指’もうれしい一品。

これは追っかけやきもののひとつ。だから、目の前に現れたときはびっくりした。北村美にあるこの水指、二層になった鉄釉と白釉、鉄釉が下の白釉のところに滝のように流れ落ちる景色が心を打つ。幸運な出会いが用意されていたのはついている。

今回目を楽しませてくれたのが茶入の名品。全部で8点でていた。とくに気に入ったのが唐津の‘肩衝茶入 銘霜枯’、息をしずめてみていた。また、同じ唐津の肩衝、岩を水が幾筋も流れるようにみえるなだれが気を惹く‘肩衝茶入 銘岩清水’の前にも長くいた。茶入の生み出す‘こげ茶色の美’にまたまた魅せられた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.14

‘古田織部展’は一級のやきもの展!

Img     ‘織部扇面形蓋物’(桃山時代 17世紀初期)

Img_0001     ‘織部州浜形手付鉢’(桃山時代 17世紀初期)

Img_0002     ‘黒織部百合文茶碗’(桃山時代 17世紀初期 梅澤記念館)

Img_0003     ‘黒織部茶碗’(桃山時代 17世紀初期)

銀座の松屋へでかけ‘没後400年 古田織部展’(19日まで)をみてきた。10時の開店と同時に入って30分も経つと館内には続々と人が入っ来た。日曜美術館でとりあげられたので織部人気に一層拍車がかかった感じ。

この展覧会はこのあと2か所を巡回する、まずそのことを。
★奥田元宋・小由女美(広島県三次市) 3/2~4/12
★佐川美(滋賀県守山市)      10/10~11/23

銀座松屋は立派なやきもの展を開催することで定評がある。今回も大ヒット、古田織部(1544~1615)が亡くなってから400年が経つ。こういう年に行われる展覧会では主催者も相当力が入る。織部に対するオマージュの強さが作品のラインナップに表れている。サプライズがとぎれないすごいラインナップ、これほどいいものが集まっていたとは!

とくに長くみていたのが最後の部屋に飾られている‘織部扇面形蓋物’と‘織部州浜形手付鉢’。この扇面形はこれまでみたなかでは一番いい。目が点になるのがぐるぐる巻きの文様と丸のへこみ、こんなに手の込んだ絵柄を生み出す陶工の感性と技に200%KOされた。

州浜形がおもしろいのは把手が波打っているところ。その下にある瓢箪の形がこの造形とぴったり合う感じ。Myカラーが緑&黄色なのはグレコの緑と織部の緑に魅せられているから。緑と目を引く文様、最高の織部に出会い腹の底から喜んでいる。

茶碗の形がぐにゃっと曲げられ楕円形になっている‘黒織部百合文茶碗’、以前出光美であった‘志野と織部’(2007年)でみたときは個人蔵となっていたが、今回梅澤記念館に変わっている。梅澤記念館は以前調べたことがあるが存在しているのかよくわからなかった。現在は出かけるとコレクションが展示してあるのだろうか?

初見で収穫は‘黒織部茶碗’、織部が高台の脇に名前を入れている様子をつい想像してしまう。その茶碗を今みているのだから目に力が入る。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.13

ミューズに願いを! 浮世絵

Img_0001     菱川師宣の‘すねた女’(1673~81年)

Img     鈴木春信の‘虫撰び’(1765~70年 ロンドン 大英博)

Img_0002     葛飾北斎の‘雪中虎図’(1849年)

Img_0003     歌川広重の‘六郷渡船’(1853年 平木浮世絵財団)

昨年浮世絵の展覧会は年初の大浮世絵展とか歌麿の‘深川の雪’の公開などで大いに盛り上がった。海外から日本にやってくる観光客が増えているので浮世絵の展覧会を増やしてもらいたいところだが、今年は期待に反して少ない。目を引くのは6月に三井記念美で開かれるフィラデルフィア美が所蔵する浮世絵展のみ。だから、本物ではなく画集をみていることが多くなりそう。

人気を博した浮世絵師のなかで大きな回顧展を体験してないのが3人いる。菱川師宣、喜多川歌麿、歌川豊国、これまでここに歌川国貞も入っていたが、嬉しいことに太田記念美が昨年とてもいい回顧展を開催してくれた。歌麿については10年ちょっと前、千葉市美が開館記念にビッグな歌麿展を行った。だが、師宣の回顧展があったという話は入ってこない。東博あたりで過去に開催したのだろうか?

初期の菱川師宣(?~1694年)の作品でまだ縁がないのが‘すねた女’、これは12枚の揃いものの一枚だが、個人蔵だから夢のままで終わるかもしれない。画集でみたのは4点、ほかの8枚は存在している?

大英博にある鈴木春信(1725~1770)の傑作中の傑作が昨年日本にやって来た。‘雪中相合傘’、出品された大浮世絵展では会期中ずっとでていたから、3回も楽しんだ。大英博にはもう一点、‘虫撰び’がある。これもいつか里帰りしてほしい。

葛飾北斎(1760~1849)の描いた肉筆画‘雪中虎図’という絵の存在を知ってからもうだいぶ経つが、この虎なかなか姿を見せてくれない。10年前東博であった回顧展にもでなかったから秘蔵されている可能性が大、魅力のある構図のため一度は目にしたいのだが、はたして願いはミューズにとどくか。

いい浮世絵が揃っている平木コレクション。そのなかに歌川広重(1797~1858)の‘武相名所手鑑’(肉筆画)がある。これまで‘浦賀総図’と‘従能見堂金沢八景一覧’を幸運にもみることができた。富士山を背景に描いた‘六郷渡船’もみれたら言うことなし。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2015.01.12

ミューズに願いを! 江戸絵画

Img_0002     与謝蕪村の‘武陵桃源図’(1781年 京都 角屋保存会)

Img_0001           長沢蘆雪の‘降雪狗児図’(18世紀 大阪 逸翁美)

Img     呉春の‘白梅図屏風’(右隻 重文 1790年 大阪 逸翁美)

Img_0003     英一蝶の‘松風村雨図’(17世紀)

3月18日からサントリー美ではじまる‘若冲と蕪村展’、まだチラシを手に入れてないのでどんな作品がでてくるのか情報がない。わかっているのは新聞に載った与謝蕪村(1716~1783)晩年の大作のみ、この絵はなんとシンガポールで発見されたらしい。展覧会にでるのは92年ぶりというから目をかっと見開いてみたい。

同じ年に生まれた与謝蕪村と伊藤若冲(1716~1800)、若冲のほうが17年も長生きしている。二人の絵に魅了されてされいるが、今回は蕪村のほうに思い入れが強い。それは若冲の回顧展は数回みているのに対し、蕪村はまだ一回しかないから。新たに発見された大作のほかにどの追っかけ画がみられるか、気になるところ。

京都の角屋保存会が所蔵する‘武陵桃源図’はでてこないことはわかっている。こういう絵がみれるのは専門家とか俳句の愛好家ぐらいなもので、普通の美術ファンには縁がない。角屋には蕪村のいい絵がこの絵のほかに数点ある、残念でならない。

円山応挙の描く仔犬とよく似ているのが長沢蘆雪(1754~1799)の‘降雪狗児図’、この絵のある逸翁美は貸し出しをしないことを決めているのかしかとしたことはわからないが、展覧会になかなかでてこない。過去2回体験した芦雪の回顧展はいずれも出品されなかった。どうやら現地へ出かけるしかなさそう。そうすれば一緒に呉春(1752~1811)の‘白梅図屏風’にも会えるかもしれない。

6年前、板橋区立美で英一蝶(1652~1724)の中規模の回顧展があった。このとき‘松風村雨図’を期待したが出品されず。画集にはみたい絵がまだ数点載っている。だから、池大雅や渡辺崋山同様、東博が英一蝶展を開催してくいれることを強く望んでいる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.11

ミューズに願いを! やきもの

Img_0001     国宝‘曜変天目茶碗’(南宋時代・12~13世紀 龍光院)

Img     ‘青磁壺’(重文 13~14世紀 金沢文庫)

Img_0002     ‘織部松皮菱手鉢’(重文 17世紀 北村美)

Img_0003     ‘唐津鉄絵松文大皿’(重文 17世紀初 梅澤記念館)

現在銀座松屋で‘古田織部展’が開かれている。今年最初の展覧会は来週出かけることにしているこのやきもの展。先行してみてきた隣の方の話だと日曜美術館で取り上げられた効果もあるのか盛況らしい。会期は19日までだから、混雑のなかでの鑑賞になりそう。

この展覧会のあと注目しているのは夏にサントリー美で行われる‘藤田美蔵名品展’(8/5~9/27)、大阪にある藤田美は一度訪問したことがある。お楽しみはこのときお目にかかったお宝、‘曜変天目茶碗’との再会、久しぶりの対面だから星の輝きをじっくりみたい。

日本に三つある国宝の‘曜変天目茶碗’、静嘉堂文庫と藤田美にあるものは目のなかにいれることができたが、京都の龍光院が所蔵するものとはまったく縁がない。一度すれ違った。1999年に山口県立萩美・浦上記念館でビッグな‘宋磁展’があり、展覧会の図録には龍光院のものが載っている。ところが、このお宝は大阪市立東洋陶磁美のみの展示で萩にはやって来なかった。

この曜変天目茶碗はこのとき公開されて以降、一度も展覧会にでていない。どんな特別なやきもの展のとき出品されるのか皆目見当がつかない。だから、この先も夢の名品のままかもしれない。

やきものの名品をみる機会は本当に少ないので、追っかけリストに済マークがつくのにえらく時間がかかる。今青磁で国宝(3点)、重文(18点)に指定されているものはコンプリートにあと1点まできている。残っているのは金沢文庫にあるもの。どういうわけかこの青磁が姿をみせてくれない。家から気軽にいける美術館で楽にみれそうなのだが、意外と手間取っている。

気になっているのはもう2点。京都の北村美にある織部と梅澤記念館の唐津鉄絵、北村美は今年京都へ行ったとき訪問しようと思っているから、みれる可能性がある。だが、梅澤記念館は難しい。ここは謎の美術館、松の絵柄がすばらしいこの大皿に大変魅了されているが、本物の鑑賞はいつになるやら。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.10

ミューズに願いを! 絵巻

Img  国宝‘北野天神縁起絵巻 巻六’(部分 13世紀前半 北野天満宮)

Img_0001     ‘駒競行幸絵巻’(部分 重文 13世紀 和泉市久保惣記念美)

Img_0002     ‘西行物語絵巻’(部分 重文 13世紀 文化庁)

日本画追っかけ作品リストのなかで昨年は‘仏画’に大きな収穫があった。長いこと待った‘阿弥陀聖衆来迎図’と‘孔雀明王図’が嬉しいことに‘日本国宝展’(東博)にでてきた。これで仏画には済みマークがつけられる。なんだか大仕事をしたような感じ。

また、三井記念美の‘東山御物の美’では徽宗の‘桃鳩図’という傑作中の傑作にもやっとお目にかかれた。だから、日本画および中国の絵全体でみると、みたかった作品はほぼ目のなかに入った。長い時間がかかったが、ようやくゴール近くまでこれた。これもミューズの微笑みのおかげ。

だが、追っかけはまだ終わっていない。数点残っている。そのなかでみたくてたまらないのが国宝の‘北野天神縁起絵巻 承久本’、この絵巻を全八巻通しでみることが生涯の夢なのだが、なかなか実現しない。これまで縁があったのは一度だけ。

3年くらい前東博の展覧会でみたが、最もみたかった雷神がでてくる場面ではなく別の場面だった。雷神は九博での展示、ついてない。夢が遠ざかった感は否めないが日本画の鑑賞は長期戦、気楽に待ちたい。

‘駒競行幸絵巻’と‘西行物語絵巻’は過去にあった‘やまと絵展’(1993年 東博)、‘大絵巻展’(2006年 京博)に出品されたが、運悪く展示替えで見逃した。そのリカバリーの機会がまだ来ない。

この3点に遭遇すると主要な絵巻はほぼコンプリート、さてあと何年かかるか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.09

ミューズに願いを! 尾形光琳

Img_0002     ‘維摩図’(重文)

Img_0001     ‘梅図’(大阪市美)

Img_0003     ‘百人一首歌留多’

今年は琳派の誕生から400年という節目の年あたる。京都では街全体で琳派イヤーを盛り上げるというし、光悦の書ややきもの、宗達、光琳などの名画を所蔵している美術館でも気合の入った特別展が開かれる。

★THE 琳派展      1/17~3/15     畠山記念美
★岡田美蔵琳派展     1/21~2/2      日本橋三越
★燕子花と紅白梅     2/4~3/3       MOA美
★燕子花と紅白梅     4/18~5/17     根津美
★琳派展         10/10~11/23   京博
★宗達展         10/24~1/31    フリーア美

このうち畠山記念の琳派コレクションはすでにみているのでパス、そしてMOAも根津で楽しむことにしているのでクルマは走らせない。

京博で開かれる琳派展はビッグなものになりそう。こういう特別の年に開かれるイベント的な展覧会は追っかけ作品に出会える最大のチャンス。リストのなかに長年残っているのが尾形光琳(1658~1716)の3つの絵、個人が所蔵する‘維摩図’、‘百人一首歌留多’と大阪市美にある‘梅図’。はたしてみれるだろうか?

乾山にも狙っている絵が2点、ひとつは個人蔵でもうひとつは根津美にあるもの。こちらはサントリー美で開催される乾山展(5/27~7/20)と京博、そして根津でめぐり合う可能性があるので光琳よりは祝杯をあげられるかもしれない。

秋にはワシントンのフリーア美でも宗達展がはじまるので琳派モードは内外で全開になる。とても楽しみ。琳派狂いだから今年はミューズにずっと祈りをささげることにしている。
       

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.08

池大雅、渡辺崋山の回顧展はいつみれるのか?

Img_0001     池大雅の国宝‘十便帖・釣便図’(1771年 川端康成記念会)

Img_0002     池大雅の‘五百羅漢図’(重文 1764年 京都・萬福寺)

Img_0003     渡辺崋山の国宝‘鷹見泉石像’(19世紀 東博)

今年は関心を寄せている日本画家の回顧展がいくつかある。はじめて体験するのは3人、
★小杉放庵展    2/21~3/29    出光美
★田能村竹田展   6/20~8/2     出光美
★久隅守景展    10/10~11/29  サントリー美

そして、過去にみたことのあるのは
★若冲と蕪村展   3/18~5/10    サントリー美
★片岡球子展    4/7~5/17     東近美
★河鍋暁斎展    6/26~9/6     三菱一号館美

展覧会の華はやはり一人の作家の作品をどっと展示する回顧展、江戸時代や近代に活躍した主要な画家の回顧展を一貫して追い求めているが、リストアップしている画家の図録もかなりたまってきた。現在残っているのは片手くらい。

小杉放庵と田能村竹田は以前から出光で回顧展が行われるのを待っていた。放庵については2009年に横山大観とのペア展があった。だから今年は第2弾、注目はプラスαとしてほかの美術館や個人が所蔵しているものがどれくらいでてくるか、とても楽しみ。

出光の田能村竹田展、サントリーの久隅守景展も期待の回顧展だが、もう二人みたくてしょうがない画家がいる。池大雅(1723~1776)と渡辺崋山(1793~1841)。どういうわけか回顧展になかなか巡り会えない。

2011年ホテルニューオータニ美で展示作品があまり多くない池大雅展があった。国宝の‘十便図’を鑑賞し、ミニ回顧展も体験したので池大雅との馴染み度はだいぶ上がっているのだが、大きな回顧展をみないと満腹にはならない。京博へ行くたびにアンケートに‘池大雅展を熱く希望!’と書いているが企画案が実施の到達ラインを超えないのか朗報はまだ来ず。

そこで東博にも渡辺崋山と同様願いを出すことにした。渡辺崋山については2,3年前たしか崋山の故郷である愛知県の田原市美で回顧展が開催された。東博には有名な肖像画‘鷹見泉石像’や片岡鶴太郎を思い出させる‘佐藤一斎像’がある。だから、渡辺崋山展にはうってつけの美術館。いつみれるのだろうか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.07

6月 三井記念美で‘フィラデルフィア美蔵浮世絵展’!

Img_0003     鈴木春信の‘見立羽衣’(1767年 フィラデルフィア美)

Img_0002  鈴木春信の‘風俗四季哥仙 五月雨’(1768年 フィラデルフィア美)

Img     勝川春章の‘美人鑑賞図’(江戸時代18世紀 出光美)

今年前半は浮世絵の展覧会がみあたらないなと思っていたら、ひとつ見逃していた。三井記念美でまたまた嬉しくなる里帰り展、‘フィラデルフィア美蔵浮世絵展’(6/20~8/26)が開かれる。

2年前はじめて訪問したフィラデルフィア美、これまで西洋絵画の本にこの美術館が所蔵する作品が度々でてくるので一度は足を運びたいと願っていた。じっさい館内をまわってみると古典から印象派、そし現代アートまで傑作が次々目の前に現れてくる。まさにメトロポリタン美やシカゴ美、ワシントンナショナルギャラリー、ボストン美と並ぶ超一級の美術館だった。

ここには日本美術を展示する部屋がある。ひそかに若冲が展示されてることを期待したが、ダメだった。また浮世絵も展示されてなかった。浮世絵は4000点以上所蔵しているという、その一部を日本でみたことがある。13年前、山口県立萩美術館・浦上記念館で‘鈴木春信展’が開催され、フィラデルフィアから8点が里帰りした。

そのため、三井記念美で開かれる展覧会のタイトルに‘春信一番!写楽二番!’がついているのはすぐピンとくる。どうやら自慢の浮世絵コレクションは春信と写楽が目玉の感じ。ほかに歌麿、北斎など全部で150点くらい展示されるらしい。これは期待できそう。

出光美の展覧会スケジュールをチェックしていたら待望の浮世絵展が目に入った。時期は今年ではなくて来年、2/20~3/27に‘勝川春章と肉筆美人画’が行われる。これはずっと前から望んでいたもの、ようやく願いが叶う。

勝川春章(1726~1792)の魅力はなんといっても肉筆の美人画、その美形で品のある顔立ちと身につけている着物の精緻な描写には200%心を奪われる。日本の美術館ではMOA美と出光美がいい絵を所蔵している。おそらくこの回顧展にはMOAにある作品もでてくると思われるので、でかけたときは頭がくらくら状態になりそう。待てば海路の日和ありとはこのこと。楽しみがひとつ増えた。

  


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.06

夢の展覧会! オキーフをもっとみたい

Img_0001     ‘夏の日々’(1936年 NY ホイットニー美)

Img_0002     ‘湖からNo.1’(1924年 デスモニアートセンター)

Img     ‘ケシ’(1950年 ミルウォーキー美)

今から11年前NHKに‘世界美術館紀行’という番組があり、アメリカのニューメキシコ州の州都サンタフェにあるジョージア・オキーフ美(1997年に開館)がとりあげられた。女流画家オキーフ(1887~1986)に関心をもつようになったのはこのころから。

仕事でも遊びでもすべて思った通りにはいかない。絵画の鑑賞でもお気に入りの画家をみつけテンションがあがっても肝心の作品に巡り会えないことがよくある。オキーフもそのひとり。2008年と2013年に訪問したNYのメトロポリタン美でオキーフを全部で20点くらいみた。

だが、その思い出を定着させることができない。理由は展示されていた作品を掲載した図録が用意されてなく、絵はがきもないから。そのため、オキーフをみたという実感がうすれたままで、彼女との距離がなかなか縮まらない。

これまで日本の美術館であった展覧会でお目にかかったオキーフは片手くらい、これにアメリカでみた26点を加えると30点ほど。これくらいの数ではオキーフはまだ遠い。一度回顧展を体験するとこの状況ががらっと変わる。図録も入るしオキーフ物語にもより興味が湧く。

オキーフの回顧展を開催してくれないかと願い続けているのはBunkamura、この美術館は見逃したフリーダ・カーロをやり、2010年にはレンピッカを沢山みせてくれた。オキーフも期待できそうな感じがしてならない。さて、どうなるか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.05

夢の展覧会! 二度目のカラヴァッジョ展があるか

Img_0001     西洋美で3月からはじまる‘グエルチーノ展’

Img     2001年に開催された‘カラヴァッジョ展’の図録

年の初めなので夢を思いっきり膨らませている。だから、まだみてないあの画家の回顧展をやってほしい、好きな画家にまた遭遇したいと夢の展覧会はいろいろ広がっていく。今日の夢はカラヴァッジョ展

今、心の大半を占めているのは3/3から西洋美ではじまる‘グエルチーノ展’、出品作は40点、その大半はボローニャとフェラーラの間に位置するチエントの美術館が所蔵しているもの。これまでグエルチーノ(1591~1666)の作品をみたのは片手くらい、だから今回公開されるものはすべて初対面となる。

縁の薄い画家の場合、昨年のヴァロットンのように開幕するまでは期待と不安が入り混じるものだが、グエルチーノに関しては初物の不安はまったくなく期待値が大きい。それは5年前ローマのカピトリーニ美で最高傑作といわれている‘聖ペトロニラの埋葬’をみたから。この作品でグエルチーノに開眼した。

もうひとつこの画家に関心が高いのはその画風がカラヴァッジョ(1571~1616)の影響を受けているため。だから、どこがカラヴァッジョ風でグエルチーノの独自性がでている描き方がどんなものか、とても興味がある。1点々じっくりみようと思っている。

この展覧会を企画した西洋美、4年前にレンブラント展をやり今年はグエルチーノ展とバロック絵画には目を見張らせるものがある。となると、次はカラヴァッジョを期待したくなる。カラヴァッジョが好きな人は日本でカラヴァッジョ展が開かれることを心から願っているはず。

2001年にその夢は東京都庭園美と愛知県の岡崎市美術博で実現した。それから14年経った。そろそろ二度目のカラヴァッジョ展をみてみたい。

人気の高いカラヴァッジョだからグエルチーノのように40点なんて全然無理だということはわかっている。2001年とかぶらなければ5点もあれば十分。カラヴァッジョにかぎっては5点も展示されればもうビッグイベント。2点でもいい。

まあ1点や2点ではカラヴァッジョ展にはならないが、展覧会の名前はなんとでもつけられる。一つのアイデアはカラヴァッジョの作品を所蔵している美術館の名品展を開催する。例えば2点もっているローマのドーリア・パンフィーリ美、またマドリードにあるティッセン・ボルネミッサ美にも‘アレクサンドリアの聖カタリナ’といういい絵があるしほかにも傑作が沢山揃っている。

とにかく二度目のカラヴァッジョ展は西洋美のほかには考えられない。ぜひ実現してほしい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.04

夢の展覧会!サージェント、コンスタブルは実現するか

Img_0002     サージェントの‘マダムX’(1884年 メトロポリタン美)

Img_0003   サージェントの‘バラを持つ婦人’(1882年 メトロポリタン美)

Img_0001     コンスタブルの‘干草車’(1821年 ナショナルギャラリー)

Img コンスタブルの‘フラットフォードの製粉場’(1817年 テートブリテン)

現在、ロンドンのナショナルギャラリーでは‘レンブラント展’(1/18まで)が開催されている。このことを知ったのは昨年12月の放送でアムステルダム美蔵の‘イサクとリベカ’を取り上げた‘美の巨人たち’、美術雑誌を定期的に読む習慣がないので海外の美術館で行われる展覧会の情報が入ってくるのが遅れがち。

今年は主要な美術館のHPをお気に入りに登録しておいて展覧会の開催スケジュールを定点観測することにした。これをすれば日本の美術館が最接近しようと考えている作家のことがすこしあたりがつくかもしれない。昨年三菱一号館美が開催した‘ヴァロットン展’はパリ、アムステルダムとまわってきた巡回展だった。

だから、ヨーロッパやアメリカで今現在進行中の展覧会、そしてこれから予定されている展覧会は日本の美術館が検討している展覧会にもなにがしか関連してくるし、こうした情報を知ること自体がアートライフを楽しくしてくれる。

今日本で回顧展を開催してくれないかなと思っているのはサージェント(1856~1925)とコンスタブル(1776~1837)、開催が実現する可能性は30%くらいあるとふんでいる。その理由はサージェントについては同じアメリカ人のホイッスラーが横浜美で行われたから。

そして、コンスタブルも2013年にターナーの回顧展があったから。そしてもうひとつ昨年ロンドンで大きな回顧展が行われたことも勝手な妄想に一役買っている。その風が日本にも吹いてくるのではないかと。

2年前から、ゴッホやモネやフェルメール、ピカソではないほかの画家の回顧展が続いている。2年前がカイユボット(ブリジストン美)、昨年がシャヴァンヌ(Bunkamura)、バルテュス(東京都美)、ヴァロットン(三菱一号館美)、ホドラー(西洋美)、そしてホイッスラー(横浜美)。

この流れに続いてほしいビッグネームがサージェントとコンスタブル、果たして実現するだろうか

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.03

夢の展覧会!ファン・エイク、ボス、ブリューゲルがみたい

Img_0002 ファン・エイクの‘宰相ニコロ・ロランの聖母子’(1435年 ルーヴル美)

Img     ボスの‘愚者の石の切除’(1515年 プラド美)

Img_0001     ブリューゲルの‘子供の遊戯’(1560年 ウィーン美術史美)

昨年12月、人気の美術番組‘美の巨人たち’にブリューゲル(1525~1569)の‘子供の遊戯’が登場した。この絵をウイーンでみたのは12年前、だから、番組にでてきた遊びがひとつ々どこに描かれていたかは記憶がだいぶ薄くなっている。でも、みてて楽しかったことはしっかり覚えている。

そして、番組をみながら強く思った。この絵を含めてウイーン美術史美にあるブリューゲルコレクションが1点でも2点でもいいから日本にやって来てくれないかと。ウイーン美術史美展は過去数回開かれベラスケスの‘王女マルゲリータの肖像’などの名画が展示されたが、ブリューゲルはまったくダメ。

日本で公開されたブリューゲルの作品は5年前にみた版画を除くと2点のみ。‘干草の収穫’(プラハ国立美)と‘絞首台の上のカササギ’(タルムシュタット ヘッセン州立美)。もうひとつ‘イカロスの墜落’(ベルギー王立美)もやって来たが、この絵は今では?がついている。

ブリューゲルの作品を所蔵する美術館はどこもなかなか貸し出してくれないのはわかっているが、‘干草’と‘カササギ’の公開からもう20年近くたつ。日本の美術館には粘り強く交渉をしてもらって3点目4点目を是非実現してほしい。

ファン・エイク(1390~1441)とボス(1450~1516)もブリューゲと同じく、日本ではほとんどみる機会がない。2月にルーヴル美展がはじまるが目玉は日本人の好きなフェルメールの絵、フェルメールよりファン・エイクの‘宰相ニコロ・ロランの聖母子’やボスの‘愚者の船’のほうがずっとみたいのだが、こうした絵はハードルが高く交渉すらさせてもらえないのだろう。

ボスについてはグッドニュースがある。ケンスケさんの話だと秋に三菱一号館美で開催される‘プラド美展’(10/10~1/31)にボスの‘愚者の石の切除’が公開される。これまで日本でボスの絵が公開されたことはない。流石、三菱一号館美。ほかの美術館もボスやファン・エイクにもっとチャレンジしてくれるとこちらも元気がでる。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2015.01.02

美術に魅せられて! ‘BBC地球伝説’の楽しみ

Img       ‘ファイアンス製のカバ像’(エジプト考古学博)

Img_0001     ‘魚形ガラス容器’(大英博)

Img_0002     ‘ラモーゼの墓の壁画’(エジプト ルクソール)

内外のTV局では美術や歴史を題材にした番組が数多く制作されている。そのため、わが家ではこれらの番組をみることが展覧会鑑賞同様大きな楽しみになっている。

番組表を入念にチェックしている番組はいろいろあるが、BS朝日で放送される‘BBC地球伝説’もそのひとつ。2年くらい前までは平日夜の7時から流れていたが、今は火曜の7~9時の2時間枠で一つのシリーズを連続で放送している。

昨年は11月に放送された‘古代エジプトの至宝’(2014年制作)が大変おもしろかった。番組の案内役は30代くらいの若い美術評論家、アラステア・スーク氏、2012年につくられた‘古代ローマの至宝’にも登場し、これが第2弾。

日本では古代エジプトの話となれば必ずでてくるのが吉村作治さん、この学者にエジプトのことはいっぱい教えてもらった。何度も古代エジプトをとりあげているのがTBSの‘ふしぎ発見’、だから、この番組が耳学問の情報源。

こうした日本で制作されるエジプトものは良くできているが、BBCの‘古代エジプトの至宝’で感心するのは日本の番組ではとりあげないものがいろいろでてくること。こういうエジプト物語があったのか!流石BBC目のつけどころが違うという感じ。

興味深くみたのはファイアンス製のウシャブティやガラスの魚の形をした容器を再現してみせるところ。これによってどんな材料が使われ、どうやってつくられるのかがよくわかるので古代エジプトの美術品がとても身近に感じられるようになる。

また、ルクソールにある墓の壁に刻まれた人物のレリーフにも目を奪われた。こんなすばらしい壁画の話は日本の番組ではお目にかかったことがない。

こういうシリーズは3弾まである。次が‘イスラム美術’とか‘ルネサンス’だったら嬉しいのだが。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2015.01.01

謹賀新年 2015年前半展覧会プレビュー!

Img_0001_2      葛飾北斎の‘北斎漫画 羊’

今年も拙ブログをよろしくお願いします。まずはいつものように前半に行われる展覧会の概要から。

★西洋美術
 新印象派展        1/24~3/27      東京都美
 ワシントンナショナルギャラリー展    2/7~5/24       三菱一号館美
 ルーヴル美展       2/21~6/1       国立新美 
 グエルチーノ展      3/3~5/31       西洋美
 
 ボッチチェリ展      3/21~6/28      Bunkamura
 ピカソ展          3/21~5/17    東京ステーションギャラリー
 マグリット展       3/25~6/29      国立新美
 ボルドー展        6/23~9/23      西洋美 

★日本美術    
 古田織部展       12/30~1/19      銀座松屋
 みちのくの仏像     1/14~4/5        東博
 岡田美蔵琳派展     1/21~2/2        日本橋三越
 小杉放庵展       2/21~3/29       出光美
 
 動物絵画の250年   3/7~4/6         府中市美
 インドの仏       3/17~5/17       東博
 若冲と蕪村展      3/18~5/10       サントリー美
 明治ニッポンの美    4/4~5/17        東京芸大美
 片岡球子展       4/7~5/17        東近美
 
 燕子花と紅白梅     4/18~5/17       根津美
 鳥獣戯画        4/28~6/7        東博
 乾山展         5/27~7/20       サントリー美
 河鍋暁斎展       6/26~9/6        三菱一号館美

(注目の展覧会)
最も期待しているのはぐグエルチーノ展、日本でこのバロック画家の回顧展を本当にやるの?という感じ。ローマのカピトリーノ美でサプライズの大作をみてグエルチーノの画力の高さに開眼した。3月大きな感動が待ち受けているような予感がする。

新印象派展のお目当ては美の巨人たちで取り上げられたシニャックの蜜蝋画。日本画ではやはり若冲と蕪村展が楽しみ。いくつプラスαがあるだろうか。

今年は後半に ビッグな展覧会がある。森美の‘村上隆 五百羅漢図’、もうひとつはワシントンのフリーア美で開かれる‘宗達展’(10/24~1/31)、念願の‘松島図’が展示されるので再度のワシントン旅行を計画している。

今年の干支は羊、北斎漫画に描かれた羊しか頭に浮かばなかった。             

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2014年12月 | トップページ | 2015年2月 »