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2014.12.20

心にとまった言葉! ‘ドガは人物に動物的な要素をとりいれた’

Img_0004     ダーウインの‘人間と動物の感情表現’(1872年)

Img_0003     ドガの‘黒い手袋の歌手’(1878年 フォッグ美)

Img_0002     レンブラントの‘驚いた表情の自画像’(1630年)

Img     フリートの‘嘆き悲しむ男’(1631年)

10月に放送された‘美の巨人たち’で衝撃を受けたドガの話の余韻がまだ残っている。番組で取り上げられたのはリヨン美にある‘カフェ・コンセール レ・ザンバサドゥールにて’、だが目が釘付けになったのはこの絵より1872年に発表されたダーウインの論文‘人間と動物の感情表現’(フランスでは1874年に出版)。

ドガはこの論文に大変刺激を受けたようで人間と動物の感情表現の仕方に共通点が多いことに驚いたという。そして、フランスの女性美術史家は‘ドガは描く人物に動物的な要素をとりいれた’という。この話を聞いてこれまでずっと頭のなかでくすぶっていたドガの人物描写に対する疑問が一気に解決した。

ハーバード大のフォッグ美にある女性歌手が大きく口を開けて歌う姿を描いた作品はその顔を意図的に猿の顔に似せていた!女性は感情が高まると男以上に野性的になり、それが見る者の心を揺すぶる。ドガはその一瞬を見事にとらえた。

こういうドキッとする異色の人物画がもう一点ある。‘犬の歌’、こちらは犬の顔を連想する。ダーウインの論文にとびついたドガ、常日頃人が発する感情に大いに関心がありそれをストレートに生々しく表現したいという思いを強くもっていたにちがいない。

西洋絵画にはドガと同じように感情表現に卓越した画家がいた。そう、オランダの巨匠、レンブラント、若いころの自画像では怒った顔、笑った顔、驚いた顔、苦しんでいる顔といろいろな表情をみせている。こういう驚いた顔や怒りの表情はたしかに猿とか獰猛な虎などが危機が迫ったときや獲物に襲いかかるときにみせる表情とも重なってくるところもある。

フリートはレンブラントが描いた‘銀貨30枚を返すユダ’にもとづいてユダを描き出しているが、この横顔がじつに荒々しく野性的。レンブラント、ドガ、そしてダーウインがつながっていたことがわかったのは‘美の巨人たち’のお蔭。やっぱりこの番組は毎週見逃せない。

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