ズームアップ 名画の響き合い! 1967年
ホックニーの‘大きなスプラッシュ’(ロンドン テートブリテン)
マザーウェルの‘スペイン共和国へのエレジー’(NY MoMA)
昨年国立新美で開催された‘アメリカン・ポップ・アート展’で大収穫だったのがウェッセルマン(1931~2004)、それまでお目にかかった作品は片手くらいしかなかったのに一気に14点プラスされた。お蔭でリキテンスタインやウォーホルと並んで気になる作家になってきた。
‘スモーカー1’はMoMAのコレクション、ドキッとするセクシーな絵柄は強いインパクトをもっている。顔の全体は描かれず、タバコとそれをくわえる真っ赤な唇だけが白の背景に浮かび上がる。扉を開け暗いバーに入ったら女性がタバコを吸う姿を脳は案外こういう風に認識してるのかもしれない。
文字が画面のなかに登場する作品で最初に出会ったのはピカソのコラージュ、次がクレーの作品、現代アートになるとすぐ思いつくのがロバート・インディアナ(1928~)、でも知っているのはこの‘LOVE’だけ。文字の赤色が強い磁力を放っているのは青と緑との組み合わせがいいから。この作品を立体化したものがNYの街中に設置されていた。一度みてみたい。
明るい日差しが画面をあふれる作品が心をひきつけるホックニー(1937~)、昨年だったか?2年前だったか?ロンドンでこの作家の大規模な回顧展があった。そのときそこへ居合わせられないことが恨めしく思われた。ホックニーが気になりはじめたのは2008年にボストン美を訪問したとき。美術館のパンフレットにホックニーのモダンな風景画が使われており、ほかの作品もみたいと思うようになった。
その2年後ロンドンのテートモダンへ足を運んだ際は、ホックニーに会えるものと期待した。ところが、どういうわけか‘大きなスプラッシュ’は姿を見せてくれなかった。何年か先、お目にかかれるといいのだが。Bunkamuraとか国立新美でホックニー展が望めないだろうか、やっぱり無理か。
マザーウェル(1915~1991)は勝手に分類している黒の画家のうちのひとり、1949年から描きはじめたシリーズ‘スペイン共和国へのエレジー’はスペインの市民戦争にインスパイアーされて描いたものだが、タイトルと絵は直接結びつかず翼を広げた大きな黒い鳥が右から左へ飛んでいるイメージが強い。
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