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2014.11.08

ズームアップ 名画の響き合い! 1963年

Img_0002     マグリットの‘大家族’(宇都宮美)

Img     デルヴォーの‘行列’(ポール・デルヴォー財団)

Img_0001     フランケンサーラーの‘湾’(デトロイト美)

Img_0003     ケリーの‘青・緑・赤’(メトロポリタン美)

マグリット(1898~1967)が亡くなる4年前に描いた‘大家族’、この絵によってマグリットの虜になった。絵の存在を知ったのは今から30年近く前のことで、朝日新聞の日曜版に連載されていた‘世界名画の旅’にこの絵が登場した。

このときは絵の所有者は個人となっていたが、2002年Bunkamuraで開かれた‘マグリット展’ではじめて本物と対面したときは宇都宮美となっていた。だから、こんないいマグリットが日本にあることがわけもなく嬉しくなった。どのくらいの値段で買い取ったのだろうか。

マグリットはシュルレアリスムの画家、でもダリとはちがって画面から感じるシュールさは重くない。そのため絵の中に意外なほど入っていける。‘大家族’というタイトルと海上に現れた巨大な鳥とはすぐにはつながらないが、白い雲が鳥の体とダブルイメージになっていることにはそれほど違和感はない。空に浮かぶ雲の形が普段見慣れたものに似ていることがよくあるから、そんなことを思って作品をみるとマグリットとは長くつきあえる。

マグリットについての情報をひとつ、すでに情報を入手されている方もいるかもしれないが、来年国立新美で‘マグリット展’(3/25~6/29)が開催される。監修は2011年に訪問したベルギー王立美(ブリュッセル)のなかにあるマグリット館なので、充実したラインナップになるのではと大いに期待している。

デルヴォー(1897~1994)は大変長生きをした画家、60歳をすぎてもその創作活動は旺盛で1963年には‘行列’を描き上げている。2年前府中美であった回顧展ではこの絵に最も魅せられた。遠近法によってつくられた広々とした空間の中央を上半身裸の女性たちがこちらに向かってくる。その横を列車が走っているが、これはあまり気にならず、圧倒的な存在感をもつ女性たちと右半分に描かれた太い木の幹に視線は釘付けになる。

アメリカの女流画家フランケンサーラー(1928~2011)はオキーフ同様気になる存在、でもこれまで体験した作品は片手くらいしかない。昨年はワシントンのナショナルギャラリーで一点遭遇した。カンバスに絵の具をにじませる手法が墨のたらし込みなどと似ているから抽象絵画なのにやさしい感じのする色面に親近感を覚える。‘湾’をみる機会があるといいのだが。

これに対し、ケリー(1923~)の‘青・緑・赤’は色を感じる楽しさが見た瞬間に得られる作品。大作なので目に飛び込んでくる緑の画面に体全体がつつみ込まれる感じ。絵画に期待するのは古典画でも抽象画でも色のもつ力、だから、大きな画面で濁りのない緑や青や赤をみると爽快な気分になる。

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