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2014.11.19

やさしい大観の富士!

Img_0001     ‘秋之霊峰’(1941年 山梨県美)

Img_0002   ‘山に因む十題 砂丘に聳ゆ’(1940年 霊友会妙一コレクション)

Img     ‘群青富士’(1917~18年 静岡県美)

Img_0003     ‘富士山’(1943年 慶應義塾幼稚舎)

会期の終了が近づいてきた‘横山大観の富士’(平塚市美 11/24まで)、二度目の出動のタイミングをはかっていたが午前中にあった所要がスムーズにいったのでささっと出かけてきた。

お目当ては後期に展示される6点。そのなかでとくに気になっていたのが‘秋之霊峰’、タイトルの漢字4文字からすると重々しいイメージだが、画面はじつにやわらかくてやさしい色合いで彩られている。横山大観(1868~1958)が長い画家人生のなかで数多く描いたのが富士、そのなかで1940年と1941年に描かれたものは色彩的な魅力が際立っている。大観はこのとき73歳、富士や裾野の木々、草花をやさしくほわっと描いている。

再会した山十題の‘砂丘に聳ゆ’の前でも長くいた。画面構成がとてもいい。視線はまず手前の波にいき、次に小山のような砂丘、そこにのびる松の木を横にみて最後に雄大な頂をみせる富士山へと吸い込まれる。波と松の‘動’に対する富士の‘静’、この見事なコントラストにより魅力あふれる吉祥画に仕上がっている。

会期中出っ放しの‘群青富士’、このみごたえのある屏風は静岡県美のお宝のひとつ。目の覚める群青の富士と緑の山々を斜めに配置し、そのまわりはもこもこした雲でおおいつくす。そして雲のむこうにはここが天界のようにおもわせる黄金の輝き、一見すると装飾性豊かな琳派の絵のよう、無駄なものを一切排除し富士の美を象徴的にみせる大観の表現力には真に圧倒される。

慶応義塾幼稚舎にも富士の絵があった。富士は雲海に囲まれて姿を見せるのはてっぺんのところだけ。黒い部分はよくみると墨の上から濃い群青が塗りこめられており、その深い色合いからは富士の神々しさ厳しさというものがひしひしと伝わってくる。

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