ズームアップ 名作の響き合い! 1964年
ポモドーロの‘球体No.4’(ヴェネツィア グッゲンハイム美)
NYで近現代アートを楽しめる美術館というとMoMA、グッゲンハイム、そしてホイットニー、現地で豪華なコレクションと対面するのがベストだが、所蔵作品が日本にやって来てくれるとコスト的には助かる。
10年?くらい前府中市美でホイットニー美展があり、遠出をした。一番のお目当てはオキーフだったが、展示室にはぐっと惹きこまれる作品が結構な数あった。そのひとつがジム・ダイン(1935~)の‘等身大の二重自画像’。
目を奪われたのはバスローズに使われている色彩の取り合わせ、ぱっとみるとデパートとかスーパーの子ども服売り場に紛れ込んだ感じ。ダインのほかの作品は片手もみてないのにこの1点でその名前が深く胸に刻まれている。
千葉の佐倉にある川村記念美はステラ(1936~)とロスコ、そしてニューマン(今はなし)の作品で世界中に誇れる美術館。ステラの‘同心正方形’の前ではいつも心が弾む。色彩学の本によくでてくる沈む色と飛び出す色をこの絵は実感させてくれる。ケリーやアルバースと比べステラが選択する色は多い、ここでは一番外側の枠には紫色が使れている。
リキテンスタイン(1923~1997)は一生つきあっていこうと思っている現代アーテイスト、だから、その作品情報は手に入る限り集めている。昨年はワシントンナショナルギャラリーで嬉しいことに2点みることができた。でも、まだとても少ない。
いつかリキテンスタイン作品にぐるっと囲まれるのが夢、そのなか入っているのが‘アポロン神殿 Ⅳ’、神殿の背景になっている海と空はいつものドット、これによって生まれる揺れ動くような感じがアポロン神殿の姿をいっそう荘厳なものにしている。
イタリアの彫刻家アルナルド・ポモドーロ(1926~)の名前はローマのヴァチカン美を訪問したときに覚えた。‘ピーニャの中庭’に展示してある黄金の球体‘球のある球体’をつくったのがこの人物。ここ数年火山のことに関心を寄せているので、この大地の割れ目をイメージさせる球体にはことのほか興味がある。
ヴェネツィアで訪問したグッゲンハイムではどういうわけか目にしなかった。どこにあったのだろう?日本では福山美にあるらしい。そして、東京にあるのか調べてみたい。
| 固定リンク
コメント
倉敷市の一美術ファンです。貴殿のブログをいつも楽しみにしてます。
ふくやま美術館を入ると、すぐにアルナルド・ポモドーロの「球体」が迎えてくれますよ。小ぶりですが存在感あります。
投稿: 妹尾 真吾 | 2014.11.10 08:46
to 妹尾真吾さん
以前仕事で広島に住んでいたとき、ふくやま美
に3回行ったのですが、ポモドーロを知らなか
ったので、見れど見えず状態でした。
こういう作家とのすれちがいが長い美術鑑賞の
なかにはよくあります。福山へ行く機会ができ
ましたら、しっかりみようと思います。情報あり
がとうございました。
投稿: いづつや | 2014.11.10 14:40