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2014.11.06

菱田春草と下村観山!

Img_0003     菱田春草の‘落葉’(重文 左隻 1909年 永青文庫)

Img     下村観山の‘木の間の秋’(1907年 東近美)

Img_0001  俵屋宗理の‘楓図屏風’(18世紀後半 ファインバーグコレクション)

Img_0002     鈴木其一の‘夏秋山水図屏風’(左隻 19世紀中頃 根津美)

東近美で行われた菱田春草(1874~1911)の大回顧展で落葉のタイトルがついた作品が5点展示された。これが回顧展の醍醐味であり、主催者の春草に対するオマージュの強さを表している。

重文に指定されている永青文庫蔵をはじめ一点々はすでにみたものであるが、展覧会がこの風景画と同じ秋に実施されたことでいっそう‘落葉’への愛着が深まった。

5点を見比べてみるとやはり永青文庫にあるものに一番体が反応する。これは絵のなかにすっと入っていけるから。静けさにつつまれた雑木林を歩いているような気分になり、足は自然に枯れた葉っぱをながめながら落葉を踏みしめ奥のほうへむかっていく。

琳派のたらし込みの技法で描かれた太い幹が同じようにでてくるのが下村観山(1873~1930)の‘木の間の秋’、この絵の前ではどうしても立ち尽くしてしまう。ここは森の奥にある神秘の世界にむかう入口みたいな感じ、すすきの折れ曲がる姿に心が寄っていき、緑の葉の葉脈に用いられた金の装飾的な仕上げに一瞬はっとする。写実と装飾を見事に融合させる観山の画技はほかの画家はまねすることができない。

江戸時代に描かれた作品にも垂直に立つ幹が印象深いものがある。18世紀の後半に俵屋宗理(~1782?)によって描かれた‘楓図屏風’と鈴木其一(1796~1858)の代表作‘夏秋山水図屏風’。‘楓図屏風’は装飾性の強い琳派そのものの一枚、金地に映える真っ赤な楓が心を打つ。

‘夏秋山水図屏風’は大変魅了されている作品。奥行きを感じさせる木々の配置がじつに巧妙で広々とした空間のなかを青々とした川の水が勢いよく流れている。この空間構成は春草の‘落葉’と相通じるものがある。

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