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2014.10.31

親しみを覚えるホドラーの風景画!

Img_0001          ‘シェーブルから見たレマン湖’(1905年 ジュネーブ美術・歴博)

Img_0003 ‘白鳥のいるレマン湖とモンブラント’(1918年 ジュネーブ歴博)

Img_0002 ‘シャンベリーで見るダン・ブランシュ’(1916年 オスカーラインハルト美)

Img  ‘シャンベリーの渓谷’(1916年 ヴィンタートゥール美)

西洋美で開かれている‘ホドラー展’(10/7~1/21)に出品されている105点のうち特別に親しみを覚えるのが風景画、若い頃ジュネーブに住んでいたのでホドラー(1853~1918)の絵にレマン湖やモンブラントなどがでてくると思わずじっとみてしまう。

‘シェーブルから見たレマン湖’で強く印象に残るのはおもしろい形した雲、なにかキセルの先のようでもあるし取っ手をぐしゃっと押しつぶしたようにもみえる。この白い雲がペアとなって上と下に描かれている。雲だけをみるとこれは平面的な構成、でも湖岸に建ち並らぶ家々は上から見ているように描かれているのでこの部分は立体的になっている。このあたりには視線はあまりむかわない。だから、この絵は意匠性のあるポスターのような作品として記憶されることになる。

このデザイン的な感覚は最晩年に描かれた‘白鳥のいるレマン湖とモンブラント’の下にみられる白鳥でも同じ。手前は白鳥を同じフォルムで何度も描く一方で、レマン湖のむこうのモンブラント連峰は装飾性を排し一定のリズムに収まらない自然の生命力を象徴するかのように荒々しく表現している。

今回‘シャンベリーで見るダン・ブランシュ’と同じスタイルで描かれた山の絵が5点でている。共通するのは雲の描き方。画面の上部に描かれた雲の流れは部屋の窓につけられた白いカーテンのように思える。まさにカーテン越しに安定感のある二等辺三角形の山をみている感じ。アルプスの山々は険しい山なのにこういう装飾的な飾りがついていると優しい感じがするし、絵全体がデザイン的なイメージになる。

‘シャンベリーの渓谷’には自然を最接近してみるときに感じるおもしろさがある。並みの画家ならこういうごつごつした岩のある光景をこんなに近くに寄って描くことはしない。それよりはロングショットで渓谷の心惹かれる風景を描写する方がいい。ところが、ホドラーはこの迫力ある岩の姿に強いリズムを感じて形のそれぞれ違う大小の岩々を統一的に構成していく。不思議な魅力を発するこの絵をしばらくみていた。


 


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コメント

おはようございます。

私もホドラーの風景画に魅せられました! リズムとかパラレリズムとか統一性とかいう要素もあるのでしょうが、何よりも詩情ある、癒される要素があるようです。それは、第一に色の使い方でしょうか。

中でも奥さんを亡くした晩年の『白鳥のいるレマン湖とモンブラン』の色には目を見張りました。空に使われているピンクもとても美しいですね。

『シェーブルから見たレマン湖』の上下対称構図にも惹きつけられました。雲のとろりと柔らかな感じもいいですね。ソフトクリ―ムみたいです。(笑)
 

投稿: ケンスケ | 2014.11.01 08:03

to ケンスケさん
オルセーでもいい風景画が沢山でてました。
とくに印象深いのが雲の形ですね、ソフトク
リームとか石鹸の泡とかいろいろ連想します。

デザイン的な画面構成なのに空間は横に広
がり、遠くの風景との距離感もたっぷり感じ
ます。レマン湖やモンブラントをまたみたく
なります。

投稿: いづつや | 2014.11.02 00:54

谷筋の絵へのご感想に納得です。実際にこの絵を見ていると沢登りや沢下りをするときの視点がちょうどよく出ていると感じました。レマン湖の絵を見ているとトバ湖を思い出しました。いえ、文化と場所はまったく異なりますが。

投稿: 絵画好き | 2015.01.13 13:31

to 絵画好きさん
こういうごつごつした岩の組み合わさった自然の
光景にリズムとは調和を感じるのですから、
ホドラーの芸術心はすごいですね。

やはり心のなかに美を感じるものさしがないと
芸術というものは生まれませんね。この絵に教え
られました。

投稿: いづつや | 2015.01.13 21:01

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