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2014.10.28

ホドラーの回顧展で‘リズム’を体感!

Img_0003     ‘遠方からの歌Ⅲ’(1906~07年 ジュネーブ美・歴博)

Img_0002     ‘昼Ⅲ’1900~10年 ルツェルン美)

Img     ‘感情Ⅲ’(1905年 ベルン州美術コレクション)

Img_0001     ‘オイリュトミー’(1895年 ベルン美)

国立新美で行われている‘チューリヒ美展’をみたあと、上野へむかいホドラー、パート2を楽しんだ。今西洋美で40年ぶりとなる‘ホドラー展’(10/7~1/12)が開かれている。

2008年オルセーで幸運なことにフェルナンド・ホドラー(1853~1918)の大回顧展に遭遇した。それまでこの画家の作品は大原美にある‘木を伐る人’と風景画を数点みたくらいだから、なにか気になる画家という認識でしかなく、画業についてはよくわからなかった。だから、この回顧展で一気にホドラーに近づいた。

でも、作品は目のなかに入ったが、手に入れた図録がフランス語版だったためスイスのベルンで生まれたホドラーの画家人生はわからずじまいのまま、そのことは作品を楽しめればそれで十分という考えだから、それほど気にはならない。

今回の回顧展は当たり前だが日本語のタイトル、前と違って絵のイメージをつくるのがとても楽。いつものように作品の解説は眼を通さない。展示の最後あたりにチューリヒ美に飾られている壁画‘無限へのまなざし’のための習作が並んでいた。それを軽くみていたらふと囲みの説明文が目に入った。作品のことを書いたものではない。

それはダルクローズというスイス人音楽家がつくった‘リトミック体操’のこと、女性たちが体を動かしている写真が載っている。この‘リトミック’がホドラーの絵についてずっと抱いていた疑問を解いてくれた。

その疑問というのは‘遠方からの歌Ⅲ’にも‘昼Ⅲ’にもみられる女性が両腕を横にのばし手首を曲げるポーズ、オルセーの回顧展のとき、このポーズが度々でてくるのでこれは一体何を表しているのか、宗教的な意味をもたせているのか?と思った。今やっとわかった。

ホドラーは音楽家が生み出すモダンダンスに共感していた!音楽とダンスと絵画がこんな形でコラボしていたとは。このポーズは内からわきでる感情をダンスの身振りによってリズミカルに表現したものだった。そういう話だったのか、とても新鮮でおもしろい。

これがわかったのは大収穫、最初のコーナーに飾ってある再会した‘オイリュトミー’や‘感情Ⅲ’をひきかえしてまたじっくりみた。ここに描かれている淋しそうな老人や女性たちは両腕をのばすポーズはとっていないが、体の動きからは‘死のリズム’、‘生のリズム’が感じとれる。クリムトに影響を与えた‘パラレリズム(平行主義)’が深くわかったので爽快な気分だった。

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コメント

ホドラー展をとても興味深く見ました。

これだけまとまってホドラーの作品を見たのは初めてだったので、はっきりとした個人的印象を持ちました。

リズム、パラレリズムといった解説に何度も登場した言葉を別として、初期の人物画に見る強い表現主義的な面や強烈な色彩はゴッホを想起しました。また、つや消しされたフレスコ画的な色はシャヴァンヌを思い出し、自然の風景から抽出された秩序ある形態は、ちょっとセザンヌ的かなと感じました。

とはいえ、それらのどの画家とも違う、繰り返しのフォルムが生み出す統一感ある画面、装飾的な要素はまったく独自のものですね!

投稿: ケンスケ | 2014.10.29 23:05

to ケンスケさん
ホドラーの肖像画、リズムが表現された人物画
や風景画、どれも強く惹きこまれます。大きな画家
ですね。スイスに住んでいたので親しみがわきます。

自画像や女性の絵は仰る通りゴッホを思わせますね、
そして岩や山々の描き方はセザンヌ的でもあります。
平行主義というのは装飾的な要素が入りユニークな
表現方法ですね。

投稿: いづつや | 2014.10.30 00:17

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