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2014.09.10

ズームアップ 名画の響き合い! 1949年

Img_0002     レジェの‘余暇’(パリ ポンピドー)

Img_0004     レンピッカの‘手と花’(メキシコ コントレラス財団)

Img_0001     バルテュスの‘地中海の猫’

Img      ビュフェの‘肉屋の少年’(神奈川県長泉町 ビュフェ美)

パリにあるポンピドーが所蔵する数々の名作のなかで最も魅せられているのは3つ、カンディンスキーの‘黄ー赤ー青’、レジェの‘余暇’、そしてまだ本物にお目にかかってないマティスの切り絵‘王の悲しみ’。カンディンスキーとレジェは1997年東京都現美で行われたポンピドー・コレクション展に出品された。

余暇をテーマにした作品は印象派の画家たちもセーヌ川沿いの店で食事を楽しんだり、ボート漕ぎを楽しむ人々の光景を描いているが、レジェ(1881~1955)の関心を引いたのはサイクリングやサーカスのパレードに目を輝かせる人たち。ここに登場する人物は彫刻のような形をし皆正面を向いている。こういう群像図はアンリ・ルソーのイメージと重なってくる。

フランスの女流画家レンピッカ(1898~1980)が戦後に描いた‘手と花’は忘れられない作品。ドキッとするのが手首から先が切断された手、この手と花を組み合わせるシュールな感覚はどこから生まれたのか、思い当たる絵が二つある。

ジョットがアッシジの聖堂の壁画に描いた‘聖フランチェスコ伝’の一枚には画面上部に神の手が描かれいる。そして、フィレンツェのサン・マルコ美にあるフラ・アンジェリコの一連の宗教画、その一枚‘キリストへの嘲笑’では空中に手が浮かぶ。レンピッカはアメリカからフランスへ戻ったあとイタリアを旅行している。ひょっとするとそこでこうした絵をみたのかもしれない。

今年大回顧展があったバルテュス(1908~2001)、抽象画やシュルレアリスムが隆盛を極める画壇のなかにあってもこの動きに関心を示さなかったバルテュスだが、すごいシュールな絵を残していた。東京都美で飛び上がるほどびっくりしたのが‘地中海の猫’、虹の先から魚が連続して飛び出してくる!バルテュスが本気でシュールな絵にとりくんでいたら、ダリやマグリットは焦っただろう。

行きつけの歯医者さんには複製の絵が数点飾ってあるが、その一枚がビュフェ(1928~1999)。17歳でその才能を高く評価されたビュフェが21歳のときてがけたのが‘肉屋の少年’、額にしわを寄せている少年はビュフェの自画像。

奥行きのない平板な空間描写とジャコメッテイの極端に細長い彫刻を連想させる人物がビュフェの特徴、ぶら下げられている牛の肉がボリューム感があるのにこの少年の存在感の薄さ、不安な心情をうかがわせる。

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