ボストン美 華麗なるジャポニスム展!
世田谷美に足を運んだ20日は猛暑だったのに、地下鉄用賀駅からでている美術館直行バスのなかは満員。国立新美のオルセー展同様、いつものことだが印象派と名のつく展覧会には大勢の人が押し寄せる。
今回、世田谷美の思い入れはジャポニスム、ボストン美が所蔵する日本の浮世絵や工芸、そしてモネやゴッホらの作品を贅沢に展示し、日本の美術品が西洋の芸術家たちにどのような影響を与えどんな作品が生み出されたかをみようというもの。会期は来月の15日まで。
目玉の作品はチラシにどーんと載っているモネ(1840~1926)の‘ラ・ジャポネーズ’、この絵の修復が完了したので日本の美術ファンには特別早くお見せしたいとボストン美はおっしゃる、日本との深い縁があればこそだろう。モデルはモネの妻カミーユ、こんなに綺麗だった?と思うほど完璧な化粧をしなんか分厚いどてらのような着物を着て笑顔を振りまいている。
この絵がすごく見栄えがするのはカミーユが身につけている着物の赤と金髪が強烈な印象を与えるから。そして日本趣味を演出するのは手に持っている扇子と背景の団扇。この素晴らしい肖像画をみるとモネが風景画だけでなく人物画にも力を注いでいたら、われわれはもっと楽しめたのにと思ってしまう。
今回もうひとつのお目当てはゴッホ(1853~1890)の‘ルーラン夫人’、ゴッホはこれを原画にして4点のヴァージョンを制作している。幸いにも5点全部みたのだが、好みの順番はシカゴ美のものが一番で次がこのボストンの原画。だから、絵の前ではいい気分でみていた。
ムンク(1863~1944)の‘夏の夜の夢(声)’をみるのは21年ぶり、6年前ボストンを再訪したときは展示室が修復工事中だったので対面が叶わなかった。ムンクの絵を見る機会は滅多にないのでこれは有難い。久しぶりにみる月光の柱を目に焼きつけた。
シスレー(1830~1903)の‘雪に映える朝日’はだいぶ前になるが定番のボストン美展が開催されたときお目にかかった。ピサロは雪とか霜の情景を描写するのが大変上手い。両手に桶をもった女性が立っている地面には雪が積もり高い木々の影が長くのびている。
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