ズームアップ 名画の響き合い! 1938年
海外の都市で美術館巡りをしたのはパリが最初、1991年に二日かけて主だった美術館を目いっぱい回った。そのひとつがパリ市近美。
ここで印象に強く残ったのはマティスとルーマニア生まれのシュルレアリスト、ブローネル、そして抽象画のドローネー。ドローネー(1885~1941)の作品はエッフェル塔と円盤がすぐイメージされるが、パリ市近美にあるのは痺れるくらい美しく描かれた円盤、このシリーズはほかにもみる機会があったが、‘リズム’の完成度の高い抽象美が群を抜いている。
2002年Bunkamuraで開催されたエッシャー(1898~1972)の回顧展で最も魅了されたのが‘昼と夜’、とくに感心するのが左へ右へ飛んでいく黒と白の鳥、スタートした部分は野原の一角の横線の入った四角や三角なのにこれが移動するごとに鳥の胴体や羽に変容していく。しかも、夜と昼の風景に描き分けているところがスゴイ。本当にうまくできている。この作品でいっぺんにエッシャーのファンになった。
今年の大きな収穫はバルテュス(1905~2001)とヴァロットン。4月にみた‘夢見るテレーズ’がメトロポリタン美にあったとは知らなかった。MET蔵のバルテュスは日本であった展覧会に出品された‘目を覚ましたテレーズ’と‘山’だったが,‘夢見るテレーズ’までコレクションしているのだから流石ブランド美術館。また、MoMAでもバルテュスを楽しめる。‘街路’と‘居間’、‘アンドレ・ドランの肖像’、アメリカの美術館のコレクション力にはまったく恐れ入る。
メキシコ出身のの女流画家フリーダ・カーロ(1907~1954)には高い関心を寄せているが、これまでみたものは片手くらい。昨年MoMAで新規に2点が加わった。次のターゲットはポンピドーにある‘フレーム’、何年か前Bunkamuraでカーロ展があったそうなのだか、そのころ東京にいなかったからみること叶わなかった。当分回顧展にはめぐりあえそうもない。
| 固定リンク
コメント