ズームアップ 名画の響き合い! 1936年
カンディンスキー(1866~1944)の作品ではバウハウスで教鞭をとっていたころ描かれたものにとびっきり心を奪われるがが、それと同じくらい完璧な抽象美に魅せられるのが1933年パリに移ってから制作された作品。お気に入りの筆頭は‘主調曲線’。
この作品を日本で開催されたグッゲンハイム美展(1991年)でみたとき、即座にカンディンスキーの抽象絵画のとりこになった。こんなに美しくて心をふわふわさせる抽象絵画があったのか!申し分のない形のハーモニーとやさしい色彩の組み合わせ、円や矩形があり細い紙の帯がゆらゆら風になびいている。
23年前、パリを訪問したとき市立近代美術館へ足を運んだ。デュフィ(1877~1953)の‘電気の精’はそのとき記憶に残っている作品のひとつ。なにしろ大変大きな壁画だから忘れようがない。ちょっと前までBunkamuraで回顧展が開かれていたが、今回は出かけなかった。
パスした理由はデュフィがモネやゴッホほど好きではないから。最も有名な‘電気の精’は現地でみたし、1995年新宿の伊勢丹美であったデュフィ展でも質のいい作品が結構でてきた。そして、鎌倉大谷記念館のコレクションも目のなかに入れているから、同じような絵をみるより和幸のとんかつを食べたほうがいいという気分があったのが正直なところ。
オキーフ(1887~1986)の‘夏の日々’とダリ(1904~1989)の‘ゆでたインゲン豆のある柔らかい構造:内乱の予感’は残念ながらまだ縁がない。昨年フィラデルフィア美へ行ったのにどういうわけかダリのこの絵が展示されてなかった。長年追っかけていた作品だから、ガックリ。この絵とデュシャン、そしてセザンヌの‘大水浴’をリカバリーするためフィラデルフィアを再訪するつもり。
オキーフの空中に舞う牛の骸骨とホイットニー美で運よく遭遇できるかわからないが、この絵にはなんとしてもお目にかかりたい。
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