« 印象派オールスター! | トップページ | ボストン美 華麗なるジャポニスム展! »

2014.08.24

カバネルのヴィーナスからホイッスラーの老母まで!

Img_0002     カバネルの‘ヴィーナスの誕生’(1863年)

Img     バジールの‘家族の集い’(1867年)

Img_0003     モリゾの‘ゆりかご’(1872年)

Img_0001     ホイッスラーの‘画家の母’(1872年)

オルセーに入館し作品をどういう順番でみていくか、これは美術館にやって来た回数により変わってくる。はじめてのときはガイダンス通りにまずは進んでみる。するとアングルの‘泉’が出迎えてくれる。この絵はつかみの作品としては最適。新規の美術館の場合、入館してしばらくはとても緊張しているからこういう美術の本に載っている有名な絵がでてくるとちょっと気が鎮まる。

この裸婦の前では心拍数はあまり上がらないのに、すこし行ったところに飾られているカバネル(1823~1889)の‘ヴィーナスの誕生’では状況は一転、心がザワザワしてくる。ボッテイチェリの立ち姿とはちがい、ヴィーナスは波の上に寝そべり、顔を手で覆いながらこちらをみている。

肌は抜けるように白くて気になる目つき、こんな官能的なヴィーナスなのに1863年のサロンで高く評価された。この人物描写と較べたら落選したマネの‘草上の昼食’の裸婦は穏やかなもの。

モネやルノワールと仲のよかったバジール(1841~1870)が描いた集団肖像画‘家族の集い’は日本発登場、印象派が好きになる最初の段階ではバジールの存在は薄い。現地にあった作品でどれがバジールだったけ?というのが正直なところ。今回‘家族の集い’とアトリエの様子を描いたものがでている。

バジールの顔は写真でみたことがあるが、アトリエにいるバジールはとても背が高い。2mくらいありそうだが、モネは実際は小さい男で、モネを脚色して大きめに描いたため自分がぐんと長身になったのかもしれない。

心が安まるのがモリゾ(1841~1895)の‘ゆりかご’、モリゾの姉がじっとみている赤ちゃんの寝姿がじつに可愛い。最近、散歩の途中このくらいの年の赤ちゃんと出会いあやしていたら、ニコッと笑ってくれた。小さな赤ちゃんが愛想よくしてくれると感激する。

12月横浜美で開催されるホイッスラー(1834~1903)の回顧展に大きな関心を寄せているが、そのプロローグといえる作品が国立新美に登場した。たしか以前日本でもお目にかかった‘画家の母’、真横の座像というのは珍しい肖像画。これにより存在感のある老母になっている。

|

« 印象派オールスター! | トップページ | ボストン美 華麗なるジャポニスム展! »

コメント

カバネルの作品は、いくらヴィーナス像という口実があるとはいえ、ご指摘のようにマネの『草上の昼食』よりずっと淫らな印象を与えますね。

この作品をじっと見ていて気付いたのですが、海の中から生まれたはずのヴィーナスの裸体にまったく水滴が付いていないのには違和感を覚えました。アカデミズムの厳しい審査は、どう捉えたのでしょう。

バジールは長生きしていたら、印象派の代表的画家の一人になっていたのではないでしょうか。ゲイの人だったようで男だけの水浴図や裸体画を描いていますが、光の描写は実にいいですね。

モリゾは、女性が自由に外出できなかった時代に男の画家が描かなかった家庭の情景を本当に優しく見せてくれますね。

ホイッスラー展には、ぜひ行ってみようと思います。

投稿: ケンスケ | 2014.08.25 23:13

to ケンスケさん
カバネルのヴィーナスはきわどいめ目つきをし
てますよね。理想美を描くのがアカデミーの基準
ですからリアルさはほどほどでいいのでしょう。

バジールとかカイユボットはお金に困りませんから
表現ものびのびするのでしょうね。
ホイッスラー展が待ち遠しいです。

投稿: いづつや | 2014.08.26 00:45

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: カバネルのヴィーナスからホイッスラーの老母まで!:

« 印象派オールスター! | トップページ | ボストン美 華麗なるジャポニスム展! »