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2014.07.05

出光美の‘鉄斎展’!

Img_0003     ‘口出蓬莱図’(1893年)

Img     ‘放牛桃林図・太平有象図’(部分 明治時代)

Img_0002           ‘柳塘銷夏図’(1911年)     

Img_0001     ‘旭光照波図’(1922年)

久しぶりに出光美を訪問し‘鉄斎展’(6/14~8/3)をみてきた。ここが所蔵する富岡鉄斎(1836~1924)の作品をこれまで見たのは肩手くらい。だから、今回70点近くでてきたのはちょっと驚き、美術館との付き合いは長いのに、意外だが鉄斎の作品を多くみる機会がなかった。

出光コレクションで一番のお気に入りはとてもユーモラスな‘口出蓬莱図’、道士は後ろ姿という意表をつく姿で口から天にむけて理想郷の情景を吐き出している。夢でみた世界を頭からでた吹き出しのなかに描く浮世絵を数点みたことがあるが、ユートピアの世界がこのように口からでてくるというのがおもしろい。

出光にある日本画のコレクションは質の高いことで有名だが、流石に鉄斎もいいのを集めている。1996年愛知県美で開催された大規模な‘富岡鉄斎展’を体験し、鉄斎の画業全体がおおよそ頭のなかに入ったが、出品作は清荒神清澄寺、東博、京近美、京都市美、大和文華館などからやってきたものでどういうわけか出光のものは一点もなかった。そのため今回の回顧展にでている作品一点々に強く反応した。

見ごたえのあるのは六曲一双の屏風に描かれた桃の花と牛、量感あふれる牛たちは桃の香りに上機嫌の様子、肩の力がすっと抜ける一枚、しばらく心安らかにみていた。

理想的な山を鮮やかな群青と緑青で表した‘青緑山水’の作品には体がぐっと寄っていく。どの絵もつい画面の上から下までじっくりみてしまう。‘柳塘銷夏図’は足の指先みたいな形をした緑の山々のすぐ横に帆舟が描かれている。こんな高い所を流れる川を舟が進んでいるのをみるとなにかファンタジックな気分になるが、中央あたりでは東屋にいる文士に視線をやる男を乗せた川舟がさらに下って行く。

鉄斎が亡くなる2年前に描いた‘旭光照波図’に大変魅了された。下に描かれた川の波が飛び散るダイナミックな光景とは対照的に上部の山々はまわりに霞がたなびく静謐な世界。いい絵に出会った。

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