ズームアップ 名画の響き合い! 1916年
キスリングの‘ジャン・コクトー’(ジュネーヴ プティ・パレ美)
2008年アメリカで美術館めぐりをしたとき収穫はいくつもあったが、そのなかでも特別嬉しかったのが美術本でよくながめていたモディリアーニとロートレックの作品が目の前に現れてくれたこと。
‘リプシッツ夫妻の肖像’は最初に訪問したシカゴ美でみたモディリアーニ、やっとこの絵をみれたなという感じで感激もひとしおだった。モディの肖像画は写実的とはとてもいえないが、モデルの表情を単純化することでその性格まで巧みに描写している。アーモンドのような顔をした妻の顔にとても魅せられる。同じ年にモディは‘新郎新婦’(MoMA)を仕上げている。昨年この絵と対面する予定だったがダメだった。世の中あれもこれも上手くいくわけではない。
7,8年前キスリング(1891~1953)の回顧展(横浜そごう)が開催され、ジュネーヴにあるプティ・パレ美が所蔵するキスリングコレクションがどっとやってきた。だが、‘ジャン・コクトー’はスイス居残り組だった。ジュネーブに住んでいたころは美術に今ほどのめり込んでいなかったので、プティ・パレ美には縁のなかった。それが今ではここにキスリングのいい絵はあることがわまるまでになったから、何年か先に予定しているスイスの美術館めぐりではここへも足を運ぶことにしている。
まだ夏がきてないのに秋の話をするのはちと早いが、楽しみにしているのが西洋美で開催される‘ホドラー展’(10/7~1/12)、チラシに載っている作品は6年前オルセーでみた回顧展には出品されてないものなのでプラスαがかなり期待できそう。オルセーでみたホドラー(1853~1918)は肖像画の前に長くいた。4点でていた自画像のなかで一番ぐっときたのがこの絵。これとよく似た絵がヴィンタートゥール美にあり世田谷美で展示された。
若い頃は絵を描き後に写真に没頭したマン・レイ(1890~1976)、これまでお目にかかった絵は数点にすぎないが、NYのMoMAにある‘女綱渡り芸人はその影を伴う’だけはおもしろい絵なので記憶によく残っている。一見すると器用な子どもが色紙を切って自由に貼っていった感じ。この色彩感覚には感心する。ところで、女綱渡り芸人はどこにいるの?よくみるとか上のほうに白い風車のように描かれている。
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