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2014.06.23

ズームアップ 名画の響き合い! 1918年

Img_0001     シーレの‘家族’(ウイーン べルヴェデーレ宮)

Img_0002    ヤウレンスキーの‘瞑想’(ミュンヘン レンバッハハウス美)

Img_0003     ベックマンの‘夜’(ノルトラン=ヴェストファーレン美)

Img_0004  グロスの‘オスカー・バニッツァに捧ぐ’(シュトゥットガルト州美)

歴史における年というのは覚えやすいものと頭によくはいらないものがある。1918年はよく記憶されている年。政治、社会的には第一次大戦が終結した年であるし、美術史における出来事としてはクリクトとシーレが死んだ年でもある。

クリムトは1月11日に脳卒中で倒れ、スペイン風邪による肺炎を併発し、2月6日に亡くなった。それから8か月後今度はシーレが10月31日スペイン風邪で28歳の短い生涯を閉じた。妻のエディットが同病で亡くなって3日後のことだった。そして、11月に第一次大戦が終わる。

シーレ(1890~1918)の最後の大作‘家族’は大変魅せられている一枚。3人の人物が中央で縦に重なるように描かれている、下に幼子がいて真ん中に女性、そしてこの二人を長い手で守っているような男性(シーレの自画像)。とくに印象的なのはシーレの顔、初期のころの苦悩がにじみでている顔つきとはうってかわって端正ですっきりした顔、エディットが妊娠したのでシーレはやがて生まれてくる子どもと妻のいる穏やかな家庭生活を夢見たのかもしれない。

青騎士のメンバーの一人だったヤウレンスキー(1864~1941)というとすぐ思い浮かべるのが‘顔の連作’、1917年から‘神秘的な顔’シリーズをスタートさせ、‘救世主の顔’、‘抽象的な顔’、‘瞑想’と続いていく。‘瞑想’をみているといろんな画家が目の前をよぎる。緑の鼻からはマティス、目や鼻、口の歪んだ配置はキュビストのピカソの描いた‘アヴィニョンの娘たち’の顔が連想される。

ドイツのダダイスト、グロス(1893~1959)の作品は実際にみたものをふくめて両手くらいしかないが、どの絵も心にぐさっとくる。未見の‘オスカー・バニッツァに捧ぐ’はなんとも騒々しい絵、一体ここに何人の人たちが描かれているのだろうか、左の窓ガラスのむこうでは火事が発生しているように赤々としており、斜めに誘導される人の流れではあちこちでいろんなことがおこっている。真ん中には骸骨がみえる。こういう絵は一度じっくりみてみたい。

ベックマン(1884~1950)の‘夜’はショッキングな絵、首を布かなにかで縛られ苦痛で顔をゆがめている男を画集でみて体がフリーズしたが、なんとこの絵は7,8年前Bunkamuraにやって来た!古典画のなかにも拷問に苦しむキリストを描いた絵があるが、この絵の感情表現も真に迫っている。

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