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2014.06.30

思わず足がとまるヴァロットンの女性画!

Img_0001     ‘トルコ風呂’(1907年 ジュネーブ美術・歴史博)

Img ‘緑色のスカーフをまとう裸婦’(1914年 ラ・ショー・ド・フォン美)

Img_0004_2     ‘オウムと女性’(1909~13年)

Img_0002     ‘赤い服を着たルーマニア女性’(1925年 オルセー美)

三菱一号館で開催中の‘ヴァロットン展’(6/14~9/23)、最初の部屋にいきなりインパクトのある裸婦群像図が展示してあった。タイトルをみると‘トルコ風呂’、どこかで聞いた名前、そうアングルが83歳のとき描いた作品にこのタイトルがついている。

アングルの絵には数えきれないほどの女性がでてくるが、ヴァロットンのこの絵に描かれた女性は6人。ヴァロットンとアングルがどうつながっているのか全然知らないが、二つの絵を比べたらヴァロットンの絵の前に長くいたくなることだけはたしか。6人のうち中央にいる2人の女性に視線を向かわせる構成がなかなかいい。2人は左のほうをじっとみている。その緊張した雰囲気がすごくいい。

どの女性画よりも心をザワザワさせるのが‘緑のスカーフをまとう裸婦’、じっとみていてスイスのヴィンタートゥールにあるルノワールの‘眠る女’が重なってきた。裸婦の姿が印象深いのは頭と足の先が斜めに伸びているため。モデルをこのように対角線上に配置した絵ははじめてみた。

‘オウムと女性’にはすぐ反応した。思い出した絵は昨年メトロポリタンでみたクールベの‘女とオウム’、クールベは女性の手にオウムをとまらせているが、ヴァロットンはとまり木にいるオウムをえがいている。このオウムの緑がなんとも鮮やか。

この絵や‘緑のスカーフ’をみるとヴァロットンはクールベを相当意識している感じ。以前TVの美術番組でヴィンタートゥールにあるヴィラ・フローラ美がとりあげられたとき、ハーンローザ―夫妻がコレクションしたヴァロットン作品がでてきた。その絵は白人女性と黒人女性の同性愛を描写したもの、

このとき瞬時に頭をよぎったのはクールベの同じく女性の同性愛を描いた‘眠り’。ヴァロットンはこんな絵を描いていたのか、という感じで‘ボール’のイメージと離れすぎていたのでは少々戸惑った。今回裸婦図などと出会ったことで、ヴァロットンにクールベ的なところがあることがわかってきた。

‘赤い服を着たルーマニア女性’にも思わず足がとまった。赤い衣服、背景の赤、そして赤の口紅。そしてとても気になる目。この肖像画は目力の強さではベスト5に入るかもしれない。ルーマニア人についてのイメージがないのだが、この若い女性、ぱっとみる活発なアメリカ人の感じ。だから、すぐにうちとけて会話がはずみそう。

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2014.06.29

名勝負 ヤンキース対レッドソックス戦!

Img      オルティスと対戦するマー君

Img_0001     9回裏ヤンキースを3人でかたづけた上原

今日行われたヤンキース対レッドソックスの試合は大変おもしろかった。先発したマー君は9回まで投げたが2本のソロホームランを打たれ敗け投手になったが、レッドソックスの守護神上原はきっちりセーブをあげた。

普段はマー君を応援しているが、こういう試合のときは勝ち負けのことより野球のおもしろさを存分に味わったので気分はいつになくハイになっている。9回表レッドソックスの攻撃には微妙な勝負のあやがでた。3回ロスに一発を浴びたがそのあとはゼロ点に抑えたマー君。この回先頭の3番ペドロイアに3本目のヒットを許したが、続く4番のオルティスは変則守備体制によりダブルプレーにしとめ、この回も無得点でしめ降板するものと思わせた。

ところが、野球は筋書きのないドラマ、スプリットで2つ三振を奪っている5番のナポリにライトスタンドぎりぎりに入るホームランを打たれてしまった。4球目スプリットで三振かと思ったが、マー君の投げたのは高めのストレート。これをもっていかれた。オルティスを打ちとりランナーがいなくなって2アウト、これでマー君の投手魂が強気になり、‘ナポロはスプリットではなくてストレートで三振をとってやる’となったのかもしれない。

マー君、OK、OK。こういうのも野球、優れた投手でもたまにはドラマチックに敗けることもある。2点に抑えたのだから十分、レッドソックスのエース、レスターの出来がすごくよかったので勝利の女神は今日の試合はレッドソックスに味方したのだろう。次の登板に期待したい。

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2014.06.28

二重丸の‘ヴァロットン展’!

Img     ‘ボール’(1899年 パリ オルセー美)

Img_0002     ‘白い砂浜、ヴァスイ’(1913年)

Img_0001     ‘ロワール川岸の砂原’(1923年 チューリッヒ美)

Img_0004     ‘髪を整える女性’(1900年 オルセー美)

名前は知っているが描かれた作品をほんの少ししかみていない画家は何人もいる、ヴァロットン(1865~1925)もそのひとり、こういう画家の場合、回顧展が開かれるといっても胸が高まるということはない。その逆で、展示会場へ入るにもおそるおそるという感じになる。

三菱一号館美で現在開かれている‘ヴァロットン展’(6/14~9/23)の鑑賞はそんな思いではじまった。ところが、作品をみていくうちに不安な気分はすぐ取っ払われ、チラシに踊っていたコピー‘パリで31万人が熱狂’がストンと腹に落ちた。そして思った‘ヴァロットン、やるじゃない!’と、この回顧展は昨年ブリジストン美で行われた‘カイユボット展’に次いで画家の才能の高さを思い知らされる展覧会になった。

縁のうすい画家の作品をみるときはひとつのアンカーが必要、碇を降ろせばこれを基準作にして作品に近づける。そのアンカーの役割を果たしてくれたのがよく知っているうえに大好きな‘ボール’。オルセーではじめてナビ派の画家に会ったころは、ヴュィヤールとヴァロットンがこんがらがっていた。でも、この絵だけはよく覚えている。俯瞰の視点にはっとし女の子の背中にあたる光とその影が強く心に刻み込まれた。

ヴァロットンで魅せられるのはまずはこの光の描写、ほかにもぐっとくる作品があった。思わず足がとまった風景画2点、斜めにのびる砂浜を二人の男が歩いている姿を後ろの高台から描いた‘白い砂浜、ヴァスイ’、そして構図がとてもいい‘ロワール川岸の砂原’、砂がもこっと盛り上がったところが手前から平行的に三つならび、中央には葉を沢山つけた丸い木がぽんぽんと配置される、よくみると左に釣りを楽しむ人物がみえる。

‘髪を整える女性’も‘化粧台の前のミシア’同様、部屋の中に強い日差しが入り込んでいる。おもしろいのは女性の顔をあえて隠していること。だから、女性には視線がむかわず、後ろにのびる椅子の影を追っかけることになる。この絵は大きな収穫だった。

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2014.06.27

中国絵画の楽しみ!

Img      徽宗の‘渓山秋色図軸’(北宋時代 11~12世紀)    

Img_0001     馬遠の‘杏花図頁’(南宋時代 13世紀)

Img_0003_2        高克恭の‘雲横秀嶺図軸’(元時代 14世紀)

Img_0002        王蒙の‘具区林屋図軸’(元時代 14世紀)

24日からはじまった‘台北 国立故宮博物院展’は9/15までの会期中、一部の絵画を除いていつ行っても全部見ることができる。絵画は前期(6/24~8/3)24点でている。

中国絵画は関西に住んでいる人は大阪市美でよくみられると思うが、東京では東博の東洋館が定番。以前足繁く通い図録に載っているものはほとんど目のなかにいれた。だから、東博コレクションのことを思い浮かべながら故宮からやってきた作品をみた。

徽宗(1082~1135)の山水画ははじめてお目にかかった。この風流天子の描く絵というと鳥や梅の花が印象深いが、こんな霞が漂う詩情あふれる風景もてがけていた。単眼鏡と使ってしばらくみていた。

南宋の画家馬遠の‘杏花図頁’に思わず足がとまった。馬遠はこういう花の木や松の木を横にのばして見る者の視線をひきつける画面をつくるのが得意。このため杏の生命を感じついじっとみてしまう。息子の馬麟も同じように梅の枝と笹を右から真横に描いている。

元初の文人高克恭(1248~1310)が米法山水の画風で描いた‘雲横秀嶺図軸’、目は自然に上のもこもこした山にいく、そしてすぐ池大雅の絵が頭に浮かぶ。この絵の主役はこの青緑がかった山々、下からみあげると安定した三角形構図になっており堂々としている。中央が威厳のある父親でそのまわりに母親と子どもたちが寄り添っているよう。

朱に染まる葉が目を惹く王蒙(1308~85)の‘具区林屋図軸’を心地よくみていた。視線が向かうのはところどころ丸い穴の開いた岩、その奇岩ぶりは周囲の密に描き込まれた木々や切り立った岩肌によってちょっと目立たなくなっているが、ほかのものを消してみるとかなりアヴァンギャルドな形をしている。

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2014.06.26

汝窯の青磁を4点もみれる幸せ!

Img     ‘青磁楕円盤’(汝窯 北宋時代 11~12世紀)

Img_0001     ‘青磁輪花腕’(汝窯 北宋時代 11~12世紀)

Img_0003     ‘画琺瑯蟠龍瓶’(清時代 1723~35年)

Img_0002     ‘花卉堆朱長頸瓶’(明時代 1403~24年)

22年前台北の故宮を訪問したとき、最も感動したのは‘翠玉白菜’と珍玩、そしてやきもの。当時、書や中国絵画には関心が薄く時間をかけてみたのはこの三つだった。

ここにあるやきものの質の高さは噂に聞いていたので、目を輝かせてみた。まさに‘これが中国陶磁器の真髄か!’という感じ、これまでみたこともないような見事なやきものが次々に目の前に現れてくる。とくに興奮状態でみたのは今回再会した‘画琺瑯蟠龍瓶’や五彩といった明、清時代にやかれた瓶や盆、椀など。日本ではめったにお目にかかれない明るい黄色や薄緑、うすピンクそして目の覚めるような赤、深い青。噂通り故宮には最高のやきものが揃っていた。

このとき青花や青磁のような単色のやきものより多色のものに心がむかっていたので、今回やってきた北宋時代の汝窯でつくられた青磁はみたという実感がない。世界に70点くらいしか残っていないといわれる汝窯の青磁、このうちの21点が故宮にある。こういう話が頭のなかに入ったのは広島にいるとき山口県立萩美・浦上記念館で開催された‘宋磁’展(1999年)を体験したから。

サプライズの名品が世界中から集まったこのビッグなやきもの展には汝窯の青磁が4点あった。そして今回東博にやってきた汝窯の青磁、4点でているがどれも品がよく薄い青色が美しい名品揃い。貫入の入ってない‘楕円盤’、10枚の花弁をイメージした口縁部のやわらかい曲線に魅せられる‘輪花椀’、本当にいい青磁をみた。

12点が並んでいる漆器も食い入るようみた。そのなかでとくに惹かれたのが‘花卉堆朱長頸瓶’、形のいい砧形の瓶に牡丹や椿などがくっきりと彫られている。この見事な仕上がりの堆朱が生まれるのにどのくらいの時間がかかったのかと想像をめぐらしながらみていた。

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2014.06.25

絶品がずらっと揃う ‘台北故宮展’!

Img      ‘翠玉白菜’(清時代 18~19世紀)

Img_0003     葉の上にとまったキリギリス

Img_0002     ‘人と熊’(清時代 18~19世紀)

Img_0001     ‘藍地描金粉彩游魚文回転瓶’(清時代 1736~1795年)

待望の‘台北 国立故宮博物院展’(6/24~9/15)をみてきた。お目当ての‘翠玉白菜’(展示期間:6/24~7/7の2週間)をみるためいつもより20分家を出るのを早め東博には10時ちょっと前に到着。‘白菜’はただ1点キトラ古墳壁画の公開と同じ本館5室で展示されているので、待ち行列のイメージはできている。

待ち時間は開幕の翌日だからキトラのときのように1時間くらいかなと想定していたが、これが大きく狂って2時間待ち!予想をはるかに上回る人気、多くの美術ファンがこのお宝を待っていたということだろう。2時間はおおよそ玄関のところまで、展示室の中でみるまでさらに1時間かかりトータル3時間。

展覧会をみるのに3時間もかかったのは24年前ロンドンのロイヤルアカデミーでみた‘モネ連作展’以来のこと、長いこと並んでようやくみれた‘翠玉白菜’、22年ぶりの対面、随分前の鑑賞だったので覚えているのはこの‘白菜’がつややかに光っていたことと緑の葉っぱのところにキリギリスがいたこと。イナゴはみたという実感がない。

感心するのはその写実性、とくに根元から縦に彫られた幾本もの線で表現されるリアルな丸みに目が釘付けになる。本物の白菜にこれほど似ていると思わず手に取ってみたくなる。そして、緑の部分に彫られたキリギリスとイナゴでも見事な技が発揮されている。とても硬い玉をこのような形に仕上げるのに気の遠くなるような膨大な時間がかかっているはず。当時の職人の技術の高さには驚きを通りこえて唖然としてしまう。

昼食をとったあと平成館で2ランド目、こちらのほうはスムーズに流れていた。最後の部屋が楽しい。‘人と熊’、これも清時代につくられた玉彫、白いところは人、黒いところは熊に彫られている。高さは6センチ、この小ささなので余計に可愛い。これは現地でみてないので夢中になってみた。

この隣に飾ってある‘藍地描金粉彩游魚文回転瓶’には思わず目が点になる。ビデオをみると内側の魚が描かれている瓶がぐるぐる回転する仕掛けになっている。これは皇帝を喜ばすためにつくられた珍玩の一種、こんな遊び心を刺激する工芸品に囲まれていたら毎日がどんなに楽しいことか、夢でもいいから皇帝にならせてほしい。

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2014.06.24

ズームアップ 名画の響き合い! 1919年

Img_0001  モディリアーニの‘黄色いセーターのジャンヌ’(グッゲンハイム美)

Img     ボナールの‘緑のブラウス’(NY メトロポリタン美)

Img_0003     レジェの‘都会’(フィラデルフィア美)

Img_0002  オキーフの‘ブラック・スポットNO.3’(オルブライト=ノックス美)

画家が恋人や妻の肖像を描くことはよくある。ラファエロだとパン屋の娘マルゲリータ、レンブラントは妻サスキア、ロセッティはジェーン、そしてモディリアーニ(1884~1920)が何枚も描いたのはジャンヌ。

NYのグッゲンハイム美にある‘黄色いセーターのジャンヌ・エピュテルヌ’に魅せられているのはジャンヌが着ている黄色い服と安定感のある構図のため。この絵と出会ったのは1991年日本であった‘グッゲンハイムコレクション展’(セゾン美)、このときからモディとのつきあいがはじまった。

6年前名古屋市美で良質の回顧展を体験したからだいぶモデイに近づいてきたが、追っかけ画リストにはまだ数点残っている。そのなかでジャンヌの肖像はLAにあるものが見たい度の一番。もう一回日本で回顧展に遭遇すれば思いが叶えられるかもしれない。果たして、、

村上隆が好きなボナール(1867~1947)、日本でボナール展がこれまであっただろうか?一度マティスとのジョイントで展覧会があり、葉山の神奈川県近美へクルマを走らせたことがある。これでボナール作品の数は少し増えたが、まだ画業の全体がみえてない。数を多くこなしていないためなのか、ぐっとくるボナールは少ない。METが所蔵する‘緑のブラウス’が今のところベストワン。

昨年念願のフィラデルフィア美を訪れた。セザンヌの‘サント・ヴィクトワール山’など長年夢見た作品との対面を果たせたので用意した感動袋ははちきれんばかりだった。その袋のなかに入っていた一枚がレジェ(1881~1955)の‘都会’、予想以上に惹きつけられる作品でレジェはピカソやドローネーの画風を消化し独自の色使いとフォルムの表現で都市の景観を明るくリズミカルに描いている。

オキーフ(1887~1986)の‘ブラック・スポットNO.3’はまだ縁のない絵だか、やわらかい曲線と淡い色彩の色面で構成される画面は広い宇宙の神秘に誘われるようなイメージ、オキーフは今関心の高い画家の一人、Bunkamuraがオキーフの回顧展を開催してくれることを密かに期待している。

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2014.06.23

ズームアップ 名画の響き合い! 1918年

Img_0001     シーレの‘家族’(ウイーン べルヴェデーレ宮)

Img_0002    ヤウレンスキーの‘瞑想’(ミュンヘン レンバッハハウス美)

Img_0003     ベックマンの‘夜’(ノルトラン=ヴェストファーレン美)

Img_0004  グロスの‘オスカー・バニッツァに捧ぐ’(シュトゥットガルト州美)

歴史における年というのは覚えやすいものと頭によくはいらないものがある。1918年はよく記憶されている年。政治、社会的には第一次大戦が終結した年であるし、美術史における出来事としてはクリクトとシーレが死んだ年でもある。

クリムトは1月11日に脳卒中で倒れ、スペイン風邪による肺炎を併発し、2月6日に亡くなった。それから8か月後今度はシーレが10月31日スペイン風邪で28歳の短い生涯を閉じた。妻のエディットが同病で亡くなって3日後のことだった。そして、11月に第一次大戦が終わる。

シーレ(1890~1918)の最後の大作‘家族’は大変魅せられている一枚。3人の人物が中央で縦に重なるように描かれている、下に幼子がいて真ん中に女性、そしてこの二人を長い手で守っているような男性(シーレの自画像)。とくに印象的なのはシーレの顔、初期のころの苦悩がにじみでている顔つきとはうってかわって端正ですっきりした顔、エディットが妊娠したのでシーレはやがて生まれてくる子どもと妻のいる穏やかな家庭生活を夢見たのかもしれない。

青騎士のメンバーの一人だったヤウレンスキー(1864~1941)というとすぐ思い浮かべるのが‘顔の連作’、1917年から‘神秘的な顔’シリーズをスタートさせ、‘救世主の顔’、‘抽象的な顔’、‘瞑想’と続いていく。‘瞑想’をみているといろんな画家が目の前をよぎる。緑の鼻からはマティス、目や鼻、口の歪んだ配置はキュビストのピカソの描いた‘アヴィニョンの娘たち’の顔が連想される。

ドイツのダダイスト、グロス(1893~1959)の作品は実際にみたものをふくめて両手くらいしかないが、どの絵も心にぐさっとくる。未見の‘オスカー・バニッツァに捧ぐ’はなんとも騒々しい絵、一体ここに何人の人たちが描かれているのだろうか、左の窓ガラスのむこうでは火事が発生しているように赤々としており、斜めに誘導される人の流れではあちこちでいろんなことがおこっている。真ん中には骸骨がみえる。こういう絵は一度じっくりみてみたい。

ベックマン(1884~1950)の‘夜’はショッキングな絵、首を布かなにかで縛られ苦痛で顔をゆがめている男を画集でみて体がフリーズしたが、なんとこの絵は7,8年前Bunkamuraにやって来た!古典画のなかにも拷問に苦しむキリストを描いた絵があるが、この絵の感情表現も真に迫っている。

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2014.06.22

ズームアップ 名画の響き合い! 1917年

Img     ピカソの‘パラード’(パリ ポンピドー)

Img_0002     シャガールの‘杯を掲げる二重肖像’(ポンピドー)

Img_0003     シーレの‘4本の樹’(ウィーン ベルヴェデーレ宮)

Img_0004 マレーヴィチの‘シュプレマティスト・コンポジション’(NY MoMA)

大きな絵はみたあと長くその印象が残る。ピカソ(1881~1973)がバレエ劇‘パラード’のための舞台装置として描いたこの緞帳も東京都現美でお目にかかって以来ずっと目に焼きついている。

東京都現美へは昨年吉岡徳仁の作品を見るために例外的に訪問したが、最近はほとんど行かない。ここで17年前大規模なポンピドーコレクション展があり、ピカソのあっと驚くような緞帳が一番大きな展示室に飾られた。サイズは縦が10.5m。横が16.4m。描かれているのはピカソのバラ色の時代に登場する道化師やさサーカスの芸人たちと白いペガサス。息を吞んでみていた。

この展覧会にはシャガール(1887~1985)の愛の香りの漂う‘杯を掲げる二重肖像’もやって来た。ベラに肩車されたシャガール、その上には二人を祝福する天使がみえる。普通はシャガールがベラを肩の上に乗せる構図を思いつく、そのほうが天使だって‘ベラ、おめでとう’と声をかけやすい。でもシャガールは逆にした。

この絵の構成は基本的には古典画と同じ。ダ・ヴィンチの‘モナリザ’ではジョコンダ夫人が大きく描かれその背景は遠くにそびえる山や川が小さく描かれている。シャガールは野山を故郷ヴィテブスクに変え、自分とベラを縦に長く描いた。そして天使もしっかり描き込んでいる。

28歳の若さで亡くなったシーレ(1890~1918)、風景画の傑作‘4本の樹’が描かれたのは天国に召される1年前。この絵をウィーンではじめてみたときは体が震えるlくらい感動した。等間隔にならんでいる4本の木に向こうに秋の空を赤く染めた太陽は沈もうとしている。この美しい赤が忘れられない。

マレーヴィチ(1878~1935)の生み出したシュプレマティズムの絵画で最も心を打つのはアムステルダム美にあるものとここにあげたNYのMoMAが所蔵するもの。この絵は運がいいことに日本でみることができた。円や細長の四角形の配置はアムス美のものと同様完璧な美しさを生みだし、そして色彩がとても優しく柔らかい。まるで魂と自然界が溶け合った天上の世界をみているよう。

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2014.06.21

ズームアップ 名画の響き合い! 1916年

Img     モディリアーニの‘リプシッツ夫妻の肖像’(シカゴ美)

Img_0002     キスリングの‘ジャン・コクトー’(ジュネーヴ プティ・パレ美)

Img_0001     ホドラーの‘自画像’

Img_0004     マン・レイの‘女綱渡り芸人はその影を伴う’(MoMA)

2008年アメリカで美術館めぐりをしたとき収穫はいくつもあったが、そのなかでも特別嬉しかったのが美術本でよくながめていたモディリアーニとロートレックの作品が目の前に現れてくれたこと。

‘リプシッツ夫妻の肖像’は最初に訪問したシカゴ美でみたモディリアーニ、やっとこの絵をみれたなという感じで感激もひとしおだった。モディの肖像画は写実的とはとてもいえないが、モデルの表情を単純化することでその性格まで巧みに描写している。アーモンドのような顔をした妻の顔にとても魅せられる。同じ年にモディは‘新郎新婦’(MoMA)を仕上げている。昨年この絵と対面する予定だったがダメだった。世の中あれもこれも上手くいくわけではない。

7,8年前キスリング(1891~1953)の回顧展(横浜そごう)が開催され、ジュネーヴにあるプティ・パレ美が所蔵するキスリングコレクションがどっとやってきた。だが、‘ジャン・コクトー’はスイス居残り組だった。ジュネーブに住んでいたころは美術に今ほどのめり込んでいなかったので、プティ・パレ美には縁のなかった。それが今ではここにキスリングのいい絵はあることがわまるまでになったから、何年か先に予定しているスイスの美術館めぐりではここへも足を運ぶことにしている。

まだ夏がきてないのに秋の話をするのはちと早いが、楽しみにしているのが西洋美で開催される‘ホドラー展’(10/7~1/12)、チラシに載っている作品は6年前オルセーでみた回顧展には出品されてないものなのでプラスαがかなり期待できそう。オルセーでみたホドラー(1853~1918)は肖像画の前に長くいた。4点でていた自画像のなかで一番ぐっときたのがこの絵。これとよく似た絵がヴィンタートゥール美にあり世田谷美で展示された。

若い頃は絵を描き後に写真に没頭したマン・レイ(1890~1976)、これまでお目にかかった絵は数点にすぎないが、NYのMoMAにある‘女綱渡り芸人はその影を伴う’だけはおもしろい絵なので記憶によく残っている。一見すると器用な子どもが色紙を切って自由に貼っていった感じ。この色彩感覚には感心する。ところで、女綱渡り芸人はどこにいるの?よくみるとか上のほうに白い風車のように描かれている。

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2014.06.20

ズームアップ 名画の響き合い! 1915年

Img_0001     セヴェリーノの‘村を走る赤十字の汽車’(NY グッゲンハイム美)

Img_0002  マレーヴィチの‘シュプレマティズムの絵画’(アムステルダム市美)

Img     グリスの‘朝食’(パリ ポンピドー)

Img_0004     キルヒナーの‘兵士の自画像’(オハイオ アレン記念美)

以前池袋にあったセゾン美で忘れられない展覧会が二度あった。ひとつは‘クリムト展’でもう一つはこれまたビッグな‘グッゲンハイムコレクション展’(1991年)。

後者はNYとヴェネツィアにあるグッゲンハイム美が所蔵する作品で構成されたものだったが、いわゆる‘グッゲンハイムコレクションのいい絵全部みせます!’スタイルの豪華なラインナップだった。展示室にはピカソ、シャガール、ミロ、カンディンスキー、マルクなどのビッグネームがずらずらと並んでいるのでテンションははじめから上がりっぱなし。

そのとき、とくに印象的だった作品のひとつが未来派セヴェリーノ(1883~1966)の‘村を走る赤十字の汽車’、目に飛び込んでくる汽車が吐き出すもこもことした白い煙、まるでテニスの丸いボールがとんでいっているよう、そして汽車のまわりの田園風景を表す明快な緑や赤茶色の色面、忘れられない一枚になった。

未来派の影響をうけたマレーヴィチ(1878~1935)は1915年12月、はじめてシュプレマティズムの絵画を発表した。この絵はその39点の一枚。まだお目にかかってないが、幾何学形の四角形、三角形、細い線で構成された画面はその巧みな配置と互いの色彩を響かせ合う色使いによってえもいわれぬ抽象絵画の美しさに誘ってくれる。視線が釘付けのなるのが上部の黒の背景に浮かび上がる赤、青、黄色で彩られた大小の四角形。

同国人ピカソからその才能を高く評価されたグリス(1887~1927)は3年前、マドリードのソフィアセンターを訪問したときかなりの数の作品を見ることができた。そのため、グリスにだいぶ近づけた気がする。ポンピドーが所蔵する‘朝食’は日本であった展覧会でみた。、見慣れたキュビスム技法による静物画だが、おもしろいことに窓が描かれているので開放感のある朝のテーブルになっている。

圧倒的な存在感をもつ兵士が画面いっぱいに描かれているキルヒナー(1880~1938)の作品、この兵士よくみると右手がない。第一次大戦に志願兵として従軍したキルヒナーだったが、精神障害のためわずか2年で除隊された。この兵士は弱ったキルヒナーの自画像。でも、手がこのようになっているわけではない。

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2014.06.19

ズームアップ 名画の響き合い! 1914年

Img_0002     ココシュカの‘風の花嫁’(バーゼル美)

Img     シャガールの‘アクロバット’(オルブライト=ノックス美)

Img_0001     マレーヴィチの‘モスクワの英国人’(アムステルダム市美)

Img_0003     デ・キリコの‘アポリネールの肖像’(パリ ポンピドー)

ウイーン生まれの画家ココシュカ(1886~1980)の作品をみたのはせいぜい片手、だから生涯に制作された作品がどのくらいあってそのなかで何点くらいが惹きつけられるのかイメージがわいてこない。ココシュカとはそれくらい縁の薄い関係だが、スイスのバーゼル美にある‘風の花嫁’は大変気になっている一枚。

若いころスイスに住んでいたが当時絵画への関心は普通のちょっと上をいく程度だったから、バーゼル美にどんな名画があるかなど知る由はない。ここにココシュカの代表作‘風の花嫁’が所蔵されていることがわかったのはだいぶ後になってのこと。

恋人アルマと一緒にいるところが描かれているこの絵はバーゼル美の門外不出の一枚、そのため現地へいかないとみれない。二人がいるのは風が舞う大海原、森の中なら互いの感情の高まりが手にとるようのわかるのだは、ここは海の上、甘美な空気を感じるどころかココシュカとアルマはそのうち波間に消えてしまうのではないかとちょっと落ち着かない。本物を早くみてみたい。

シャガール(1887~1985)の‘アクロバット’は残念ながら未見。図版でこの絵を知ったときはハッとした。この女性は刺青をしているのかいな?という感じ、シャガールは‘私と村’でもみられるように人物や動物の体の一部にモチーフを描き込むのが得意、この描き方をシャガールは何からヒントを得たのだろうか。牛の顔の中にまた小さな牛がでてきたりすると不思議な感じはするが、どういうわけか見ているうちにその違和感はすっと消えていき、シャガールの夢の世界についつい遊んでしまう。

アムステルダムにある市立美は修復されていたとき美術館とは別のところでコレクションの一部を体験した。そのときマレーヴィチ(1878~1935)の‘モスクワの英国人’をチェックリストに入れていたが、姿を現してくれなかった。シュプレマティズムを創出する以前の作品としてはこの絵が最も鑑賞欲を駆り立てる。

パリのポンピドーにあるデ・キリコ(1888~1978)の作品では‘ギョーム・アポリネールの肖像’が強く印象に残っている。おもしろいのがアンリ・ルソーの描くアポリネールと似ても似つかぬこと。古代ギリシャ彫刻の胸像に黒メガネをかけさせてアポリネールに仕立てる謎の演出、デ・キリコの表現はやはり一筋縄ではいかない。

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2014.06.18

マー君 ブルージェイズ戦に好投し11勝目!

Img    メジャーに昇格した川崎を2三振にしとめたマー君

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ヤンキースはホームでのブルージェイズ3連戦の初戦をマー君の好投により勝利した。ヤンキースはマー君が投げる試合は高い勝率で勝っているので今日の試合も期待したが、ボチースタ、エンカルナシオンの強力打者がいる首位ブルージェイズが相手だからそろそろ敗けるかなとも思ったりする。

その予感があたるかのよう先頭打者レイエスがいきなりホームラン。初球の外角の球をきれいに引っ張られてライトスタントにもっていかれた。マー君は投げた後、あれがライトに打たれるの?!大リーグの打者はすげえや、という顔つき。

が、マー君はここからがすごかった。2番のカブレラの放った打球はグラブが手から外れるほど強い当たりだったが、これを素早く拾い一塁に投げアウトにした。ダルビッシュも優れた運動神経を発揮していい守備をするが、マー君の俊敏な動きも本当にすばらしい。今日の試合ではもう一度同じような守備でピンチを凌いだ。

マー君の失点は一回のホームランによる1点のみ。6回を投げたところで球数が104球になったので交替、これで両リーグトップの11勝目、防御率も1.99になった。これもリーグ1位。奪った三振は10、そのなかには今日メジャーに昇格した川崎から奪った2つが入っている。パリーグ時代何度も顔を合わせたマー君と川崎の対戦をレフトの守備位置からイチローがみつめている。とてもいい光景。

ブルージェイズのセカンド(8番)で先発した川崎、初回一番のガードナーの放った難しいゴロを好捕して新人投手を助けた。この守備だけでも監督には高く評価されたと思うが、9回裏2アウトのあとの打席では抑えのロバートソンにボールを沢山投げさせ最後はレフトに3塁打を放った。まさにガッツで打ったヒット。このひたむきさが川崎の魅力、セカンド川崎を熱く応援していきたい。

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2014.06.17

青木がプレーするロイヤルズ 8連勝!

Img     バーランダーからヒット1本を打った青木

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現在いる日本人大リーガーでレギュラーとして試合にでている野手はアリーグ・ロイヤルズに所属する青木(ライト)一人、その青木が出場する試合がBS1で放送されたので熱心にみた。

ロイヤルズの相手はホームのタイガース、今中地区はタイガースが首位をキープしているが、このところ好調なロイヤルズが7連勝したためゲーム差は1.5に縮っている。タイガースとしてはここでロイヤルズをたたいておきたいところ。

試合は4回まではタイガースが2点リード、ところが5回エースバーランダーの投球内容が安定せず、ロイヤルズが4番バトラーの走者一掃のセンターオーバー2塁打などで一気に4点を入れ逆転した。これで流れはロイヤルズにいき次の回には2番インファンテが3ランホームランを放ち、バーランダーをKO、さらに7回には4点をもぎとり大差でリードした。

9回にタイガースは4番のマルチネスが満塁ホームランを放ち6点をとりロイヤルズのブルペンを慌てさせたが3点差ままゲームは終了。これでロイヤルズは8連勝、明日また勝つと首位が入れ替わる。

ライトを守り一番を打つ青木は昨年いたナリーグのブリュワーズから今年ロイヤルズに移ってきた。GMにその能力を高く評価されての移籍なので、青木はプレーへのモチベーションを前チーム以上にもてるはず。そしてチームは投打が機能し首位のタイガースを猛追、毎試合ぐんと気合が入っているにちがいない。

今日はバーランダーからヒット1本を放ち、次の打席は四球を選びまずまずの出塁率。現在の打率は.259、日本人のファンからすれば青木には3割を打ってもらいたい。まあ、それはなかなか難しいことなのでせめて2割8分くらいまであげてくれたら申し分ない。チームの勝利には青木の活躍は絶対必要、ヒットでも四球でもとにかく出塁し得点の機会をつくること。

今日本の投手陣はみないい成績を残しているので野手の青木も遅れをとってはいけない、頑張れ青木!

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2014.06.16

ズームアップ 名画の響き合い! 1913年

Img_0001     ボッチョーニの‘サッカー選手のダイナミズム’(NY MoMA)

Img     ピカビアの‘ウドニー’(パリ ポンピドー)

Img_0002     クプカの‘垂直の面Ⅰ’(パリ ポンピドー)

Img_0003        キルヒナーの‘街路、ベルリン’(NY MoMA)

絵画にはいろいろなタイプがあり、ものの形がはっきりわかる具象100%の絵もあれば色面だけで画面が構成される抽象100%の作品もある。何が描いてあるのかよくわからない絵がまったく関心を惹かないことはなく、具象画と同じように美しさを感じそして楽しくなることも度々ある。

未来派のボッチョーニ(1882~1916)が描いた‘サッカー選手のダイナミズム’、今W杯に出場した日本チームを応援するためブラジルへ行っている熱烈サッカーファンでもこの絵をみてすぐサッカー選手がいると気づくことはないだろう、おそらく誰がみても頭とか足とか手の一部がかすかにわかるだけ。

この絵をはじめたときは中央のまるで回転しているようなかたまりが薔薇の花にみえた。そして、そこにスポットライトが何本かあたっている。ボッチョーニは彫刻作品もてがけているので、部分々のフォルムは立体感を強く感じさせる表現、なにかがうごめいていることはイメージできるがサッカー選手の全体像は何度みても浮かび上がってこない。

パリのポンピドーセンターは3度訪問した。これに日本でみた大規模なポンピドー展(1997年 東京都現美)が加わるので、コレクションの全貌はだいぶつかめている。1913年に誕生したものではピカビア(1879~1953)の‘ウドニー’とクプカ(1871~1957)の‘垂直の面Ⅰ’に魅了されている。

‘ウドニー(若いアメリカの少女:ダンス)’は3m四方の大きな作品、ピカビアもキュビスムの影響を受けているが、ピカソやブラックのガラスの破片が散らばったような鋭角的な印象を与えるキュビスムとちがって、柔らかい曲面や角々した感じを抑えたフォルムがしなやかに絡まり天空にふわりと浮いているような感じ。キュビスムもここまで洗練されると長くみてられる。

1910年頃から抽象画を描きはじめるクプカ、シンプルな抽象美をみせてくれる‘垂直の面Ⅰ’は遠くにいくほど小さくなる垂直面が全部で7つ青の地に描かれている。こういう絵をみると不遜にも自分にも描けそうな気持になるが、それは素人のたわごととすぐ反省。手前に3つ配置し真ん中に白い垂直面を挟んでいるが、これはなかなか思いつかない。

キルヒナー(1880~1938)に興味をもっているのは人物の顔がピンクっぽい赤や紫などで表現されているから。これにより女性の快活さやごゴージャスな雰囲気をストレートに伝わってくる。‘街路、ベルリン’では硬い表情の男性に比べ豪華な衣装に身をつつんだ女性の華やかさが際立っている。

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2014.06.15

ズームアップ 名画の響き合い! 1912年

Img_0003     ルドンの‘長首の壺の草花’(パリ オルセー美)

Img_0001     フォーゲラーの‘夢Ⅱ’(ニュルンベルク ゲルマン国立美)

Img バッラの‘犬のダイナミズム’(バッファロー オルブライト=ノックス美)

Img_0002     セヴェリーノの‘バル・タバランの象形文字’(NY MoMA)

フランス象徴派の画家 ルドン(1840~1916)の作風は画業の前半と後半ではガラッと変わる。そのドラスチックな変わりようはおおげさにいうと西洋絵画の7不思議のひとつといっていい。結婚を機にルドンのアトリエからは静かでちょっと不気味な‘黒’の世界を描いた作品は姿を消し、かわって色彩が輝く花の絵や神話から題材をとった幻想的な作品が次から次と生み出されていく。

花の絵はこれまでオルセー、ボストン、メトロポリタン、そして国内の岐阜美やひろしま美などでお目にかかったが、一番のお気に入りはオルセーでみた‘長首の壺の草花’、赤や黄色の花びらが鮮やかに輝いており、パステルの魅力が存分にでている。

花に囲まれた人物を描いた作品ですぐ思い浮かぶのはクリムトの‘接吻’とホドラー、そしてフォーゲラー(1872~1942)の‘夢Ⅱ’、美しい女性を横向きに座らせてメルヘンチックに描いたこの‘夢Ⅱ’はまだ本物はみていない。そもそもドイツ人のフォーゲラーが描いた作品をこれまで体験したことがない。見忘れたかもしれないと思いドイツの美術館関連の展覧会を静かに記憶をたどってみてもやはり1点もでてこない。

フォーゲラーがどういう画家人生を送ったかは以前みたTVの美術番組から少しだけわかっているが、作品との縁はさっぱりない。Bunkamuraあたりがフォーゲラーに光をあててくれたら本物にあう機会が生まれるのだが、果たして。

未来派のバッラ(1871~1958)やボッチョーニ、そしてセヴェリーノはイタリア本国以外ではアメリカの美術館が多く所蔵している。そのひとつがバッファローにあるオルブライト=ノックス美がコレクションしている‘鎖につながれた犬のダイナミズム’、黒い犬は高速度撮影で写した写真をみるように足や尾っぽが何本も描かれており、まさに運動表現そのもの。未来派には不思議な魅力がある。

セヴェリーノ(1883~1966)の‘バル・タバランのダイナミックな象形文字’は長いこと追っかけ画リストに入っていたが、昨年ようやく対面することができた。密度の濃い作品でキュビスムをベースにして舞踏会の様子が複雑に重ね合わされて描かれている。ふとメリーゴーランドをみるような感覚になった。そして、ところどころに‘POLKA’などの文字がみえる、これはピカソが展開した総合キュビスムの影響。

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2014.06.14

ズームアップ 名画の響き合い! 1911年

Img_0002     カンディンスキーの‘印象Ⅲ’(ミュンヘン レンバッハハウス美)

Img_0004     マッケの‘小舟に乗った3人の少女’(レンバッハハウス美)

Img_0005     ボッチョーニの‘笑い’(NY MoMA)

Img_0001     ムンクの‘太陽’(部分 オスロ大学講堂)

1911年は1888年同様お気に入りの絵画が多くある。カンディンスキー(1866~1944)の‘印象Ⅲ(コンサート)’が描かれたのもこの年。

カンディンスキーの回顧展はこれまで4回体験した。そのなかでまだ記憶に新しいのは4年前三菱1号館美で開催されたもの。ミュンヘンにあるレンバッハハウス美からカンディンスキーだけでなくマルクやマッケなどの作品も一緒にやってきた。

‘印象Ⅲ’は中央の黒い部分がグランドピアノというのはなんとかイメージできるのでここはコンサート会場なんだいうのは伝わってくる。印象深いのは画面の多くを占める黄色、カンディンスキーが聴いたシェーンベルクの音楽は黄色で満たされた世界だったのだろうか。

青騎士の仲間だったマッケ(1887~1914)はカンディンスキーよりふたまわり年下、マルク同様第一次大戦に志願兵として従軍し27歳の若さで戦死した。これまで対面した作品は少ないが、まだ縁のない‘小舟に乗った3人の少女’はとても気になる一枚。

NYのMoMAにボッチョーニ(1882~1916)のいい絵が結構ある。そのなかで一番最初にみたのが‘笑い’、幸運なことにこの絵は上野の森美に展示された。日常生活で体感するスピード感を表現した未来派の作品に笑いのモチーフがでてくるとすぐには腹に落ちないが、笑うときは確かに体に勢いがある。手のあう人とゲラゲラ笑いあうときくらい楽しいことはない。また、この絵のように太った人物の笑いは愛嬌があってリズミカルだから画面がぐらぐらと動く。

ムンク(1863~1944)の‘太陽’は西洋絵画の追っかけリストの上位に要録している作品。現在修復作業が完了しオスロ大学の講堂で公開されているようなので、数年後に計画している北欧旅行の際は足を運んでみたい。

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2014.06.13

レッドソックス 田沢 上原勝ちゲームで登板!

Img  好投のレスターのあと登板した田沢

Img_0001    14セーブをあげた上原

昨年のワールドチャンピオン、レッドソックスとインディアンスの試合が中継されたので田沢と上原の登板を願いながらずっとみていた。

レッドソックスは現在東地区で4位、勝率は五割を切っているので昨年のような勝ちムードがない。でも今日の試合はレッドソックスのいいところが全部でた申し分ないものだった。打線がオルティスの2点ホームランなどで5点とり、エースの左腕レスターが8回2死まで好投し、インディアンス打線を2失点に抑えた。このあとを引き継いだ田沢は1人を見事三振にしとめ、最後は守護神上原が3人をなんなくうちとった。

上原のセーブはこれで14、リーグ全体の5位につけている。1位の19セーブより5つ少ないが、防御率は0.63と抜群の成績。レッドソックスが昨年のようにどんどん勝っていたら上原のセーブ数も1位を上回っているだろうが、今年は苦戦が続いているからこの差は埋まらないかもしれない。

レッドソックスの調子があがらないのは先発投手陣がガタガタだから。昨年前半連勝を続けたバックホルツが故障でDL入りするなど想定した投手力の半分しか発揮できていない。エースのレスターは今日のピッチングは本来の姿だったが、昨年のような安定した投球内容には遠く及ばず勝ったり敗けたりの状態。今ある借金6つを返すには投手陣の立て直しが急務、オールスターまでに5割に戻せばまだ優勝のチャンスはある。

東地区は戦前の予想で優勝候補の筆頭にあげられたレイズが先発陣の故郷続きにより最下位に沈み、今、2~4位をしめるオリオールズ、ヤンキース、レッドソックスはどこも投手力が弱いためブルージェイズに首位の座を奪われている。

その首位を走るブルージェイズはここ数試合は勝ち疲れのためか連敗しており、2位とのゲーム差は3.5に縮まった。レギュラーシーズンはまだ100試合弱あるから、東地区は最後まで混戦がつづくことが予想される。だから、レイズを除く4チームは早く先発陣を立て直したところが優勝争いに食い込める。はたしてそのチームはどこか。

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2014.06.12

マー君 リーグ二人目の10勝!

Img     マリナーズ戦で完投し10勝目をあげたマー君

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昨日行われたマリナーズ(ホーム)とヤンキースの試合ではもと楽天の同僚、岩隈とマー君の夢の対決は残念ながらヤンキースの事情で実現しなかった。そのため、今日はマー君の登板が気楽にみれた。

相変わらずマー君の投球内容がいい。9回まで投げたからまた完封勝利かなと思ったが、1死後主砲のカノーにセンターへ2点ホームランを食らい2度目の完封はならなかった。本人は反省しきりのようだったが、8回までの投球はもう完璧、堂々たるピッチングだった。

いつも感心するのが立ち上がり、力みがなくスピードを抑えて狙ったコースへ投げ込んでくる。マリナーズの打者は追い込まれると決め球のスプリットがくるから早めにバットを振ってくる。でも、マー君の球はそう簡単に打てるコースには投げてこないからヒットにならない。だから、ポンポンとアウトがとれる。そして球数も少ない。

日本で投げていたときとのちがいは三振やスリーアウトをとったとき大声で吠えないこと。鋭く落ちるスプリットで三振にとってその回を終わらせたときは静かにマウンドを降りて自軍のダッグアウトに戻っていく。このスタイルが大リーグ新人のマー君にはとてもいいのだと思う。

マー君は顔は怖い顔をしているが心はやさしくまじめで謙虚な人間だから、元来は感情を過剰に高ぶらせて投げるタイプの投手ではないのだが、楽天では三振をとったあと吠えるのがトレードマークのようになっていた。ところが、大リーグでこれをやるとバッターから恨みを買う。だから、人間性のいいマー君はそういうことはしない。

吠えて感情を高ぶらせることがない分、かえって自分のピッチングを冷静に分析でき打たれたときでもすぐ投球内容を変え連打を未然に防止する。冷静なピッチングスタイルが本来の強みであるコントロールのよさを一層ひきだし安定した投球を生んでいる。もしこれに狂いが生じるとしたら体力面の疲れとか怪我からくるもの。

マー君に懸念材料があるとしたらこの体力的な心配だけ。うまく体調管理をすれば、20勝にとどくかもしれない。とにかく今は順調すぎるほど順調。みてて惚れ惚れするようなピッチング、本当にすばらしい。

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2014.06.11

ズームアップ 名画の響き合い! 1911年

Img_0003     マティスの‘金魚’(モスクワ プーシキン美)

Img_0001     ドンゲンの‘画家の妻’(アムステルダム ゴッホ美)

Img     シャガールの‘私と村’(NY MoMA)

Img_0002     マルクの‘黄色い牝牛’(NY グッゲンハイム美)

マティス(1869~1954)の回顧展は10年前西洋美で開催されたものしか体験してない。マティスのようなビッグネームの作品を世界中から集めてくるのは大変なことだと思うが、流石西洋美、美術の本に載っている有名な絵がここにもあそこにもあるという感じの豪華なラインナップだった。

こういう沢山の作品を楽しめる回顧展に一度遭遇すると作家との距離が一気に縮まるとともになぜマティスに惹きつけられるのかについて一つの答がえられる。そして、数ある名画のなかでどの作品の色が一番輝いていたかがわかるようになる。これに気付くとその次にマティスの作品と会ったとき、それを参照にして目の前の作品の出来栄えをはかることができる。

‘金魚’は嬉しいことに2005年にあったプーシキン美展(東京都美)でお目にかかった。小さい頃はよく金魚をみたが、普段はみる機会がほとんどないから赤が目に焼きつくこの金魚を食い入るようにみた。これまで魚の絵で心を奪われたのはクレーとマティス、日本では生き生きとした鯉を描いた棟方志功。いずれも忘れられない絵になった。

同じフォービズムの画家、ドンゲン(1877~1968)の赤も強いインパクトをもっている。ドンゲンはこの赤をモデルをつとめた妻の背景に使っている。この絵をアムステルダムではじめてみたとき、ドンゲンに開眼した。以後こうした女性の肖像画を何点かみたが、この絵が長くベストワンを続けている。右手を腰にあてるポーズがなんともいい。

シャガール(1887~1985)というとやはりこの‘私と村’、美術の教科書でこの絵がシャガールの絵としてインプットされたのでMoMAで対面したときは‘シャガールの代表作をみた、みた!’と大興奮、昨年、ひさしぶりに会う予定だったが、どういうわけか展示されてなかった。他館へ貸出し中だったのかどうか不明だが、直感的にシャガールの人気が落ちているため常時展示せず替わってアンリ・ルソーのほうにシフトしているのかなと思った。

というのは、最近日本でシャガールの展覧会があまり開かれないし、そのためかTVの美術番組でも例えば‘美の巨人たち’ではシャガールはほとんど登場しなくなったから。シャガール好きだから、これはちょっと残念。

1991年池袋にあったセゾン美でグッゲンハイム美展というすごい展覧会が開かれた。このとき感動した作品のひとつがマルク(1880~1916)の‘黄色い牝牛’、その絵と昨年NYで再会した。この躍動感あふれる牛の姿をみるたびにマルクの豊かな絵心に感心させられる。

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2014.06.10

ズームアップ 名画の響き合い! 1910年

Img_0003     アンリ・ルソーの‘夢’(NY MoMA)

Img     マティスの‘ダンス’(サンクトペテルブルグ エルミタージュ美)

Img_0004     ルドンの‘ヴィオレット・ハイマンの肖像’(クリーブランド美)

Img_0002     ノルデの‘子どもたち中のキリスト’(NY MoMA)

ここ10年くらいクラシック音楽やオペラを聴く時間が極端に減り、美術のほうへどっぷりのめり込んでいる。クラシックへの興味がなくなったというのではなく、モーツアルトやマーラーなどクラシック全般にわたって名曲といわれるものはだいたい聴いたので正直なところクラシックもオペラもわかったという気分があるため。

世の中には筋金入りのクラシック通がごまんといる。こういう耳が肥えてる人はN響の音楽会に必ず出かけたり、同じ曲を別の交響楽団が演奏するものと聴き比べるためCDを買い揃えるのは当たり前、このAランク上クラスのひとにはとても敵わないし、またなろうとも思ってない。だから、当面は音楽を聴く時間は今の少ないままで増えていかない。

でも、これもあと1,2年くらい。美術のまとめがあるていど出来たらまた名曲の数々に一日中聴こうと思っている。じゃあ、そのとき美術はどうなるのか、もちろん美術との関わりはライフワークだからまだまだ続く、これまでとの違いは楽しむ作品が名画中の名画に絞り込まれるだけ。モーツアルトのジュピターを聴きながらヴァトーの絵をみる、またドビッシーのときは北斎の‘神奈川沖浪裏’とセットで楽しむ。

じつはそんな楽しみ方のためにこの‘ズームアップ’をつくっている。1910年も1907年同様この年にどんな名画が登場したかはすぐ思い浮かぶ。アンリ・ルソー(1844~1910)の作品のなかで最も大きな絵が‘夢’、昨年NYで久しぶりに対面し、その大きさと作品の完成度の高さに感動した。と同時にこれと‘蛇使いの女’がルソーの最高傑作であることを確信した。

エルミタージュ美でみたマティス(1862~1954)の‘ダンス’も忘れられない一枚、目の前に現れた裸の男女の体は赤色。たしかに生命の力を象徴的に表わす血の色に全身が染まったとみれば赤い体も納得がいく。その赤を引き立てるのが背景の青と緑。使われた色はたった3色、色彩のもっている力をこれほど感じる絵はほかにない。色彩の魔術師マティスここにあり!という感じ。

日本画のコレクションで有名なクリーブラン美は昨年名品展を開催するにあたってビッグなオマケとしてルソーの絵なども披露してくれた。とても有難い展示だったが、密かに期待していたのがルドン(1840~1916)の描いた‘ヴィオレット・ハイマンの肖像’、残念ながらこれはダメだった。いつか現地にみてみたい。

ノルデ(1867~1956)の描く人物は顔などが大きくはっきり描かれているので絵の中にぐっと惹きこまれる。キリストが登場しても宗教臭くなくがやがやしているため親しみを覚える。このあたりの雰囲気はアンソールの絵とちょっと似ている。

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2014.06.09

ズームアップ 名画の響き合い! 1909年

Img_0001     バッラの‘街灯’(NY MoMA)

Img     ボッチョーニの‘朝’

Img_0003     ミュンターの‘マリアンネ・フォン・ヴェレフキンの肖像’

Img_0002     マルケの‘ナポリ湾’

画家の描いた作品を多く所蔵しているのは一般的にはその画家が生まれた国の主要都市、あるいは生地にある美術館。日本で開かれる展覧会ではなかなか見る機会のないイタリア未来派と縁ができたのはローマにある国立近代美を2度訪れたから。

未来派と縁が深くなったのはローマでの美術館めぐりだったが、未来派に関心をもつきっかけになったのは20年くらい前上野の森美で開かれた‘ニューヨーク近代美術館展’、このときはじめてバッラ、ボッチョーニ、セヴェリーニの作品をみていっぺんに好きになった。

そのときの一枚がバッラ(1871~1958)の‘街灯’、全体のフォルムですぐイメージしたのは逆さまになった落花生、そして槍の先のような形をした黄色や赤の模様が放射状にででいるのはなぜか蛾と結びついた。未来派の絵は抽象度が7割、具象度が3割という感じだが、100%抽象画ではないからとっつきやすさはある。人々が生活のなかで頻繁に体感するスピード感を鮮やかな色彩とシャープなフォルムで表現する未来派、この絵をみるたびに動きの美、時間の速さを感じる。

バッラ同様心がぐっとむかっているボッチョーニ(1882~1916)、昨年でかけたMoMAでは念願の‘精神状態シリーズ’が幸運なことに3点全部展示してあった。長年の思いの丈が叶えられていうことなし。‘朝’の存在を知ってかなりの時間が経つがこれは個人蔵なのでこれからもお目にかかれることはないかもしれない。ほんの少しばかりの可能性を勝手ながらBunkamuraの‘ボッチョーニ展’?に託している。

カンディンスキーと恋仲にあったミュンター(1877~1962)の描いた女性画家の肖像を所蔵しているのはミュンヘンにあるレンバッハハウス美。かなり前‘カンディンスキー&ミュンター展’があり、ミュンターの作品を沢山体験した。お蔭で女性画家というとロ―ランサンやオキーフと一緒にその名前が頭に浮かぶようになった。最も惹かれているのがこのマリアンネの肖像、存在感のある姿を見事に表現している。

マルケ(1875~1947)というとすぐ思い浮かべるのが‘ナポリ湾’、これは個人蔵だがエルミタージュ美にも一枚ある。山より海のほうが好きなのでこういう海洋画遭遇すると心もはずむ。‘マルケ展’をどこかの美術館で企画してくれると嬉しいのだが。

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2014.06.08

ズームアップ 名画の響き合い! 1908年

Img_0002     クリムトの‘接吻’(ウイーン ベルヴェデーレ宮)

Img  マティスの‘赤い調和’(サンクトペテルブルグ エルミタージュ美)

Img_0001     ドンゲンの‘黒い帽子の女’(エルミタージュ美)

Img_0003     ノルデの‘花園’(メルツバッハ―コレクション)

画家が画壇にデビューするとき描いた作品から亡くなる寸前まで手をいれた作品まで画業全般をみわたしてどの作品が最高傑作なのか、これを人に教えてもらうのではなく自分の目でいろいろな作品をみたあとイメージできるようになると日々のアートライフも充実してくる。

クリムト(1862~1918)の場合、なんといっても‘接吻’が最も心を揺るがす、この絵は嬉しいことに20数年前日本にやって来た!展覧会が開催された池袋のセゾン美(今はない)にはクリムトファンが大勢おしよせ、‘接吻’の前では皆目を輝かせてみていた。こういう美術の教科書にでている絵にでくわすと、絵を鑑賞したことを人に自慢したくなる。クリムトの最高傑作をみちゃったんだ!と

マティス(1869~1954)の作品をコンプリートするには多くの時間が捻出でき幸運なめぐりあわせに恵まれることが必要なのだが、エルミタージュのすばらしいマティスコレクションを体験したため残っている名画の追っかけは自然体モードのままでいいやという気持ちになっている。

プーシキンの集めたマティスはどれも一級品、‘ダンス’、‘赤い調和’などこれぞマティス!という感じでテンションはずっとプラトー状態だった。2年前日本にやって来た‘赤い調和’、再度強烈な赤の力にKOされた。

ベルギー人画家のドンゲン(1877~1968)が気になりだしたのは、エルミタージュを訪問した1999年よりあとのこと。だから、図録に載っている‘黒い帽子の女‘をしっかりみたという実感がない。絵の前を通ったのかもしれないが、頭のなかはダヴィンチやレンブラント、そしてマティスで占領されていたからドンゲンなんて記憶のどこにもでてこない。サンクトペテルブルグへもう一度足を運ぶことがあったら、このチャーミングな女性に真っ先に会いに行こうと思う。

ドイツ表現主義の中心人物、ノルデ(1867~1956)の作品をみているとはとてもいえないが、ドイツにある美術館の名品展があるときにはちょくちょくでくわす。ゴッホの絵をすぐ連想させる‘花園’はメルツバッハ―コレクションの一枚。花の力強い生命力を感じさせるのびのびとした赤や黄色の色使いに思わず惹きこまれる。

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2014.06.07

ダルビッシュ 苦しい投球ながらも6勝目!

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レンジャーズは今日からホームにインディアンスを迎えての3連戦、その初戦にダルビッシュが登板した。ダルビッシュはここまで5勝(2敗)、今日のゲームに勝ってマーク君の9勝に近づきたいところ。

対戦相手の中地区のインディアンスはここ数試合は連勝が続き、最近調子を落として敗けが多くなった首位のタイガースとのゲーム差を3に縮めている。だから、油断のならない相手。こういうチーム全体がいいムードにある相手だと簡単には勝てない。ところが、レンジャーズは2回9番の若手オドールの2ランなどで4点を入れ先手をとった。序盤で4点も入れば今日は安心してみてられるなと思った。

ダルビッシュもよーし勝つぞと、気持ちが楽になったにちがいない。でも、ピッチング内容はいいときのダルビッシュとく較べると安定感がなく思うようにボールがいかない。3回に2アウト1,3塁のピンチをむかえ5番に高めのスライダーをライトにもっていかれた。まさかの3ランホームラン。

この一球は明らかにダルビッシュの投げミス、ボールが先行し3ボールまでいったので四球をだして満塁になりそうな雰囲気。ダルビッシュはこれをなんとか避けようと1,2回にはほとんど投げなかった決め球のスラーダーで勝負した。えてしてこういうときに落とし穴があるもの、投じた球は威力のない高めのスライダー、難なくライトポールまで運ばれた。

今日のダルビッシュが投球全般に力がなく、4回さらに2番のカブレラにソロホームランを食らい同点に追いつかれた。こういう流れだと勝ち星はつかないことが多いが、エースらしく5~7回をふんばり無失点に抑えたのが運を呼び込んだのか、7回の裏8番のチョイスに一発がでて勝ち投手の権利をつかんだ。そのあとブルペンピッチャーが2点差を守りきってくれることを祈っていたがうまく期待に応えてくれてチームは勝利、これでダルビッシュの勝ち星は6つになった。

ダルビッシュだっていつもいつも三振の山の築きを相手をねじ伏せるというわけにはいかない。こういう調子が悪いときでもなんとかふんばり勝ちゲームにつなげていくのがエースの証。オールスターまでに10勝してもらいたいのだが、今年のレンジャーズは例年のように連勝ができないからあと2つがいいとこかもしれない。

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2014.06.06

マー君 はやくも9勝目!

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マー君の安定したピッピングが依然続いており、今日西地区首位のアスレチックスとの試合でも6回を5安打1失点と好投し、9勝目をあげた。あんまり順調すぎるのでその反動が心配になってくる。

対戦相手のアスレチックスは対戦する投手の特徴や決め球をよく研究し、1番から9番まで粘り強いバッティングをしてくるのが特徴、とくに感心するのが3、4番の主軸バッターでも四球をしっかり選んで得点の可能性を広げること。とにかく、打者の評価は出塁率で評価することを徹底している。

このしぶとい攻撃のためマー君は6回を投げ終わったところで球数が104球に達した。これまで勝ち星がついた試合では相手チームに6回までにこれほど球を投げさせられたチームはない。すでにマー君の決め球であるスプリットは振らなければボールだということはわかっているので、アスレチックスの打者は低めのボールには手を出さない。バットを振らなくて見逃し三振になってもOKという了解が監督選手の間でできているので、投手にとっては嫌な打線。

このゲームでマー君は初回2番のジェイソに高めにはいった初球をライトスタンドにもっていかれた。これは仕方がないところ。マー君のいいところはガツンと打たれてもすぐ気持ちをきりかえ、次の打者を抑えるところ。とにかく大きく乱れることがなく、連打に四球がからんで4,5点とられることがないのだからまったくすごい。まだ、大リーグで2ヶ月投げただけなのにもうこんな見事な投球が続けられる。

これができるのはマー君のボールを狙ったところに投げる能力が群を抜いて高いから。制球力に自信があるので、ホームランをドカーンと打たれても動じない。ここの高さに甘く入ると打たれるなと学習するから、すぐ球の軌道を修正する。制球力がいいためこれでバッターを抑える球のイメージが再構築される。こうした細かな制球力をもってない投手の場合、ピッチングのスタイルを変えようとしても技術的にそれができないから、調子が悪いときはずっとバッターに打ち込まれる。

ヤンキースはマー君の好投とブルペンのふんばりにより5連敗を免れた。だが、投手陣が揃ってないのでこれからも苦しい戦いが続きそう。

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2014.06.05

ズームアップ 名画の響き合い! 1907年

Img_0002     アンリ・ルソーの‘蛇使いの女’(パリ オルセー美)

Img_0003     ピカソの‘アヴィニョンの娘たち’(NY MoMA)

Img     ドニの‘ポリュフェモス’(モスクワ プーシキン美)

Img_0001  カンディンスキーの‘馬上の二人’(ミュンヘン レンバッハハウス美)

六本木の森アーツセンターで今子供の絵を集めた展覧会が行われており、アンリ・ルソー(1844~1910)の描いた‘人形を抱く子供’が展示されていることは知っているが、この絵は見たことがあるので今回はパス。

ルソーの人気は近年ぐんぐん高まってきているような気がする。4年前にはオルセーから‘蛇使いの女’がはじめて日本にやって来た。この絵は多くの美術ファンの心をとらえたようで絵画好きの友人も大変魅了されたといっていた。

ルソーの画集に載っている作品をみてみるといい絵がこれまで結構日本に来ている。昨年MoMAで再会した‘夢’も10年以上前になるが上野の森美術館で公開された。ほかに記憶しているものをあげてみると、
★‘花瓶の花’(オルブライト=ノックス美)
★‘戦争’(オルセー美)
★‘眠るジプシー女’(MoMA)
★‘詩人に霊感を与えるミューズ’(プーシキン美)
★‘ライオンの食事’(メトロポリタン美)
★‘虎と水牛の戦い’(クリーブランド美)
★‘陽気なおどけものたち’(フラデルフィア美)
★‘砲兵たち’(グッゲンハイム美)

そして、嬉しいことに今秋開催される‘チューリヒ美展’(国立新美)には‘ピエール・ロティの肖像’が出品される。

西洋絵画史のなかで1907年という年が強く心に刻まれているのはピカソの‘アヴィニョンの娘たち’をみたから。24年前、NYのMoMAでみたときはこれが美術の本に載っていたピカソの絵か、と素直に興奮した。キュビスムでは人物の顔はいろんな視点から描かれるということを本物で確信して絵画がちょっとわかったような気になった。

昨年横浜美で行われた‘プーシキン美展’でドニ(1870~1943)の色彩が輝く明るい作品に遭遇して、この美術館にはドニのすばらしいコレクションがあることに気がついた。みてて楽しい絵‘ポリュフェモス’は10数年前にあったプーシキン美展に出品されたもの。

ミュンヘンのレンバッハハウス美というとすぐカンディンスキー(1866~1944)の絵を思い浮かべるが、‘馬上の二人’はお気に入りの一枚。森美術館が開館したとき、この絵を見る幸運に恵まれた。カンディンスキーの初期の具象作品のなかでは物語性に富んだ傑作ではなかろうか。

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2014.06.04

ズームアップ 名画の響き合い! 1906年

Img     セザンヌの‘サント=ヴィクトワール山’(フィラデルフィア美)

Img_0004 マティスの‘生きる喜び’(フィラデルフィア バーンズ・コレクション)

Img_0002     ドランの‘ロンドン・ブリッジ’(NY MoMA)

Img_0001     シュトゥックの‘サロメ’(ミュンヘン レンバッハハウス美)

セザンヌ(1839~1906)の描いた風景画のうちもっとも多く取り組んだのが故郷の山、サント=ヴィクトワール山、生涯に60点以上も描いている。

1904年から2年間でこの連作を6点制作したが、そのうちの3点を昨年フラデルフィア美で2点、メトロポリタン美で1点みた。フィラデルフィアのものは長年対面を願っていたものだから、感慨深かった。初めのころに描かれたものとはちがい対象の形は大まかにわかる程度にし色面をリズムよく重ねていった感じ。並んで展示してある2点は構図、色使いがよく似ているので戸惑うが、ここにあげた絵のほうが山が大きく描かれている分みている時間が長くなる。

フィラデルフィアではちょっと残念なことがあった。ツアーに参加した一組の夫婦がホテルの夕食のとき姿がみえない。次の日の朝、どこへ行かれたのかと尋ねたところ、‘バーンズコレクションに行ってきました。ホテルから15分のくらいのところにありましたから’、ええー、それならわれわれも一緒に行くんだったのに!

バーンズコレクションがフィラデルフィアに移転したことは情報としてはおさえていたが、この旅行がはじまる前パソコンが故障したので、正確な場所は確認できてなかった。美術館の近くのホテルに宿泊するという幸運なめぐりあわせにライドできなかったことが悔やまれてならない。

もし出かけていたらマティス(1869~1954)の‘生きる喜び’とも再会できたはず。20年前西洋美で開かれた‘バーンズコレクション展’はこれまで体験した西洋絵画の展覧会で5本の指にはいるビッグな絵画展だった。その目玉のひとつがこの‘生きる喜び’、図録の表紙にも使われた。画集に必ず載っているマティスの大作が日本でみれたのだから、満足度200%、一生忘れられない作品になった。

マティスのフォーヴィスム仲間、ドラン(1880~1954)の絵を何枚もみていることはないのだが、数点例えばMoMAにある‘ロンドン・ブリッジ’などは強く印象に残っている。日本の美術館でドンゲンなども加えた‘フォーヴヴィスム展’を企画してくれたら初日に顔を出すのだが、でも今はフォーヴィスム単独では人が集まらないかな。

ミュンヘンへ旅行する計画がのびのびになっており、新装なったレンバッハハウス美との距離が縮まらない。シュトゥック(1863~1928)はカンディンスキーがミュンヘンにやって来たころミュンヘン美術界の帝王のような存在だった。絵画はドキッとする作品が多く、この‘サロメ’もそのひとつ。よくみるとヨハネの首の上にゴリラがいる。ゴリラをサロメとコラボさせることで耽美趣味と怪奇性を同時にみせるシュトゥックの奥深い美意識、本物をみてみたい。

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2014.06.03

ズームアップ 名画の響き合い! 1905年

Img  ピカソの‘サルタンバンクの一家’(ワシントンナショナル・ギャラリー)

Img_0001     マティスの‘緑の筋のある女’(コペンハーゲン国立美)

Img_0004     ルドンの‘仏陀’(パリ オルセー美)

Img_0003     ヴラマンクの‘シャトゥー近郊風景’(アムステルダム市美)

20世紀の初頭、ヨーロッパの絵画界には若い才能が台頭してきた。その筆頭がピカソ(1881~1973)、ピカソの初期の作品が好きだという人は多いが、24歳のとき描いた‘サンタンバンクの一家’はなかなかの傑作。昨年ワシントンへ行ったとき再会した。

ピカソは1905年ころから青一色の画面から多くの色を使う画風に転換していく。ここでは太った道化が身につけた赤の衣装が目にとびこんでくる。人物の視線が交錯する画面構成が秀逸、中央の男の子二人と右の女は右のほうへ視線をやり、道化はその逆の左をみている。そして背の高い若者は真横のほうを鋭く眺めている。

マティス(1869~1954)の‘緑の筋のある女’をはじめて画集でみたとき、半端ではない衝撃が走った。なんと女性の顔に緑の太い線が額の中央から鼻にかけてのびている! この絵こそがフォーヴィスムというものを認識させてくれた絵、顔が緑色ということはないが緑で表現したいと思ったら絵筆に緑色をつければいい。色彩を自由に使い色彩の美しさをストレートにだす。こうして色彩の革命がはじまった。

ルドン((1840~1916)に開眼したのは二度目のオルセーのとき。瞑想する女性、色彩鮮やかな花の絵、ギリシャ神話から題材をとったもの、そしてなんと仏陀まで描いていた。黄金に彩られた仏ではないから、こんな仏もありかな、という感じだが、照明を落とした部屋に展示してあったのでしばらくすると不思議と心が穏やかになった。

ヴラマンク(1876~1958)の色鮮やかな風景画はマティスの絵同様まだ縁がない。一度ヴラマンクの回顧展をみたことがあるが、これほど色彩が踊っている絵は少なくだいたいが空の曇った激しく重たい絵だった。ヴラマンクはゴッホに心酔していたから色彩に力強さが感じされる。アムステルダム市美はまだ訪問していない美術館、2年前新装なったというから、次のオランダ旅行では足を運ぶつもり。そうするとヴラマンクのこの絵にも会える。

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2014.06.02

ズームアップ 名作の響き合い! 1904年

Img     ガレの‘彫刻 手’(パリ オルセー美)

Img_0001     ガレの‘ひとよ茸ランプ’(諏訪市 北澤美)

Img_0002     ホドラーの‘春Ⅱ’

Img_0003     クノップフの‘見捨てられた町’(ブリュッセル ベルギー王立美)

ガレ(1846~1904)の作品を十二分に堪能できたのはやはり2005年江戸東博で開かれた‘ガレ展’、前年諏訪湖のほとりにある北澤美で‘フランスの薔薇’や‘ひとよ茸ランプ’といった名品をみていたからこの回顧展はだガレに最接近するまたとないチャンス、おかげでガレワールドを満喫することができた。

海外の美術館からもやってきた名品が並ぶなかで、一際オーラを放ってきたのが最晩年につくられた‘手’、これは本場のオルセーでみたことがなかったので、貴重な鑑賞体験となった。この手はただの手ではない、手のフォルムが波のようにもみえるし、指のところには貝や海藻がこびりついている。これは何を意味しているのか?

会場では照明を落としてあったので、神秘的な美しさを感じると同時に不気味な手にも思えた。夜暗い部屋でこれをみたらちょっと怖くて眠れなくなるかもしれないと正直思った。3年前、‘美の巨人たち’でこの‘手’はとりあげられ、創作にまつわる話は頭に入った。ガレは習作を2点つくっており、これれは今ナンシー美に所蔵されている。この美術館はいつか行ってみたいところ、訪問が実現したら習作の‘手’にもあえるだろう。

今秋開かれる展覧会で◎をつけているのが‘ホドラー展’(10/7~1/12 西洋美)、どの作家でも回顧展を2度体験するのが理想、ホドラー(1853~1918)については7年前オルセーで開かれた回顧展に運よく遭遇したので1ラウンドはこなした。だから、西洋美のものをみると喜び二段重ねとなる。

ホドラーは春をテーマにした作品を合計4点描いており、オルセーでみた‘春Ⅱ’は2番目の作、最初と3番目のものは幸運にも日本で縁があった。描かれているのは思春期をむかえた若い男女、少女は目をつぶり横向きに座っており、若い男は裸姿でロダンの‘考える人’風のポーズで正面をみている。クリムトの‘接吻’の青春版のような画面構成に大変魅せられた。

ベルギー象徴派のクノップフ(1848~1921)はとても気になる画家、Bunkamuraがこの画家の回顧展をやってくれないかと密かに期待している。無理?チャレンジして欲しいのだが、‘見捨てられた町’はタイトルのイメージが深く感じとれる作品、王立美には2度でかけたのにこの絵には縁がなかった。次回の楽しみのひとつ。

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2014.06.01

ズームアップ 名画の響き合い! 1903年

Img_0002     アンリ・ルソーの‘子どものお祝い’(ヴィンタートゥール美)

Img_0006     レーピンの‘何という広がりだ’(部分 国立ロシア美)

Img_0003     クプカの‘波’(チェコ オストラヴァ絵画芸術館)

Img     ヴァロットンの‘アルク・ラ・バタイユ風景’(エルミタージュ美)

歴史好きだからといって西暦19XX年に日本や世界で何が起こったかすらすらいえるわけではない。自分が生きた時代だってしっかり覚えていないのだから、20世紀のはじめのことは歴史年表の助けを借りてようやく小さなイメージができてくる。

美術ファンにとって1903年が記憶にひっかかるかもしれないのはこの年にゴーギャンが死んでいるから。そして、鉄道マニアなら1903年はピンとくるだろう。日本は明治36年、8月に新橋ー品川間を電車が走った。西洋絵画の世界ではアンリ・ルソー(1844~1910)が大変おもしろい絵を描いている。6年位前世田谷美にやってきた‘子どものお祝い’、このときスイスにあるヴィンタートゥール美のことを知った。以来この美術館やもうひとつあるヴィンタートゥール・コレクションを訪問することを夢見るようになった。

ロシアの大画家イアン・レーピン(1844~1930)はルソーと同じ年に生まれている。‘何という広がりだ’は7年前あった‘国立ロシア美展’(東京都美)で大変魅せられた一枚、モスクワにあるトレチャコフ美は幸いにも足を運ぶことが出来たが、サンクトペテルブルクにある国立ロシア美はまだ縁がない。でも、この展覧会でレーピンの肖像画の傑作やアイヴァゾフスキーの心を奪われる海洋画の大作をみせてもらったから、美術館自慢の名画のいあまり残っていなかったりして?

クプカ(1871~1957)の‘波’は全体の色彩がとても明るい作品だが、波頭の描写がクールベの絵を連想させる。抽象主義のグループに参加して美しい抽象画の制作につき進んでいくクプカがその前に描いていたのはこうした象徴主義的な作品。みていると想像力をいろいろと掻き立てられる。

ヴァロットン(1865~1925)が‘アルタ・ラ・バタイユ風景’で表現した川の水流も沃躍動感に満ち溢れている。そして、絵のなかにぐっと惹きつけられるのがボリューム感のあるうす緑の葉をつけた木々、川の流れに呼応して左右にゆれている感じ。

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