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2014.05.02

アートに乾杯! フランチェスカ、スーラ、バルテュスのコラボ

Imgピエロ・デッラ・フランチェスカの‘キリストの鞭打ち’(1458~60年 ウルビーノ マルケ美)

Img_0003 スーラの‘グランド・ジャット島の日曜日の午後’(1886年 シカゴ美)

Img_0001     バルテュスの‘街路’(1933年 NY MoMA)

Img_0002     バルテュスの‘コメルス・サンタンドレ小路’(1952~54年)

関心を寄せている画家についての情報が作品をみることで増えてくると、画家の創作活動における思いや刺激を受けた先行画についてあれこれ推測したくなる。

今心のなかにドーンと居座っているのは東京都美で回顧展が開かれているバルテュス(1908~2001)、そのきっかけとなったのが昨年1月、NYのMoMAで対面した‘街路’。この絵を何度もみているとバルテュスはピエロ・デッラ・フランチェスカ(1416~1492)のDNAを引き継いだ画家であることがわかってくる。

絵に登場する人物の姿のバリエーションはピエロの描いた‘キリストの鞭打ち’にでてくる男たちを踏襲している。これは古典絵画を見慣れている方なら容易に気がつくはず。‘鞭打ち’では右手前に3人が正面向きと横向き、そして、奥のキリストが鞭打たれているところには後ろ向きの男が2人、体を斜めにして動きを出しているキリスト、あとは横向きが2人、ひとりは椅子に座っている。

‘街路’でも正面向き、後ろ向き、左右横向きの人物がそれぞれ遠近法でつくられた奥行きのある路にバランスよく配置されている。ピエロが人物を二つのグループに分けて静かな画面をつくりだしたのに対し、バルテュスは手前のほうに子供や大人を集め通りの活気さをだしている。

バルテュスはこの絵の21年後に‘コメルス・サンタンドレ小路’を完成させた。ここでは街路の雰囲気はがらっと変わってとても静か。その静けさを生み出しているのは‘キリストの鞭打ち’に近づけた人物の配置と路の中央を向こう側にむかって歩いているスリムな男性(バルテュスの自画像)、‘街路’との違いはもうひとつある。‘街路’では感じられなかった時間がここでは静かに流れている。

このゆっくりと流れる時間を感じるところはスーラ(1859~1891)の代表作‘グランド・ジャット島の日曜日の午後’と似ている。だから、‘コメルス・サンタンドレ小路’はバルテュスがフランチェスカとスーラの画風を吸収して自分の表現を生みだしたようにうつる。

‘グランド・ジャット島’は人物の描き方は一見すると横向きばかりのイメージが強いが、よーくみると正面をむいている母親と女の子がおり、画面の上部には向こうのほうへ歩いている二人連れが2組描き込まれている。対象の描き方は点描法であるが、遠近法を使った画面構成や人物のポーズのとりかたはピエロの作品を参考にしているのは確か。

‘グランド・ジャット島’と‘コメルス・サンタンドレ小路’がピエロから生み出された双子のように思えてならない。

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コメント

ピエロ大好きBaroqueです。
(ジョットも好きです・・・)
お写真拝見できてうれしいです。
私なんか
この絵は
画面の奥の方で
何が行われてるのか分かってるのかしらと
思ってしまうほどクールな画面です。
十字架と同じように象徴的な‘場面’なのでしょうか。
冷たく、静謐な画面はたまりません。

投稿: Baroque | 2014.05.05 22:05

to Baroqueさん
私もピエロが好きでヤン・ファン・エイク同様
別格扱いの存在としてみています。

この‘キリストの鞭打ち’をみればみるほど、
スーラの絵もバルテュスの絵もこの絵を下敷きに
していることを200%確信してます。

ですから、‘コメルス・サンタンドレ小路’が
みたくて仕方がありません。これがバルテュス
の絵では最も魅かれます。

投稿: いづつや | 2014.05.05 23:26

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