ズームアップ 名画の響き合い! 1902年
お気に入りの画家の作品を沢山みる機会がときどきやって来る。それは回顧展に遭遇したときと海外の美術館をまわったとき。昨年はクリムト(1862~1918)に多く会えた年だった。
クリムト作品をコンプリートするためには個人蔵という大きな壁があるので、これが実現するのは無理と思っているが、その作品以外で狙っている作品3点については望みをもっている。だから、これと対面したら美味しい酒が飲める。
クリムトファンなら誰しもウイーンを目指す。ベルヴェデーレ宮に行き‘接吻’の前でうっとりし、そして分離派館にも足を運び‘ベートーベン・フリーズ’と対面する。これがクリムトロードのひとつの定番。ここに載せた‘ベートーベン・フリーズ’は壁画のなかで最もインパクトのある場面、‘敵意をもった勢力’
度肝をぬかれるのが中央のゴリラ、正直ここは動物園かいな!どうしてゴリラがでてくるの?という感じ。次に目に入ってくるのは右の相撲取りのような太った女、今風にいうならマツコデラックス。このゴリラとデブ女の間に妖艶な女がおりゾクゾクっとするほどの魔性をふりまいているのだが、周囲の圧倒的な存在感の前ではそのエロチシズムも薄められる。
スイスで美術館巡りをするとき是非訪問したいのがゾロトゥルン美、ここにある‘金魚’に長いことうなされている。クリムトがこの絵を制作するとき参考にしたと思われるルーベンスの‘凍えるヴィーナス’を運よく3年前アントワープのMASミュージアムでみたので、‘金魚’にもなんとしても会いたい。
3年前新宿の損保ジャパン美でモーリス・ドニ(1870~1943)の回顧展を楽しんだ。ドニの作品はそれまでまとまってみる機会がなかったので、収穫の多い展覧会となった。ここで多く展示されていたのが子供や妻の肖像画、とくに心をとらえてはなさなかったのが‘家族の肖像’、本当にいい絵をみた。
ボナール(1867~1947)の作品で記憶に残っているのはオルセーとメトロポリタンにあるもの。ブリュッセルの王立美が所蔵する‘ミシアとタデ・ナタンソン’は現地では2回とも姿をみせてくれなかった。気になる一枚なので次回訪問することがあったら、じっくりみてみたい。
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