ズームアップ 名画の響き合い! 1899年
積み藁からはじまったモネ(1840~1926)の連作シリーズ、モチーフはそのあと‘ルーアン大聖堂’、‘ポプラ’などにひろがり、1899年からは‘睡蓮’がスタートする。
モネの睡蓮は日本の美術館にもいい絵がいくつもあり、国内で行われる展覧会でよく展示されるから、作品への愛着度でいえば一番強いかもしれない。すぐ思いつく美術館は、西洋美、大原美、アサヒビール大山崎山荘美、ポーラ美、東京富士美。最も気にいっているのは大山崎山荘美にあるもの。
睡蓮と太鼓橋が描かれた作品は日本の美術館にはなく、海外のブランド美術館におさまっている。色合いでいうと緑一色という感じのものと緑に赤茶色がまじったものの二つのタイプがある。オルセーにはどちらのタイプもあり、この2点とロンドンのナショナルギャラリーにある緑タイプのものが2010年パリのクランパレで開催されたモネ大回顧展に出品された。
作品を単独でみるとそれぞれいい絵だなと大変魅了され、感動の袋はずっと膨らんだまま。が、それが回顧展に一緒にみると見方が変わる。いい絵の上にはさらにいい絵がある。このように3点が横に並ぶと絵の魅力度に差があることがすぐわかる。最も心をとらえたのはナショナルギャラリーのもの。美しすぎる睡蓮だった!
セザンヌ(1839~1906)が描いた静物画の最高傑作‘りんごとオレンジ’ははじてみたときからずっと魅せられ続けている。セザンヌの絵のなかでこの絵は文句なしのランキング一位。過去日本でセザンヌ展を2度みる機会があったが、横浜美でも国立新美にも登場してくれた。オルセーでも数回みたが、この絵の前に立つたびにセザンヌのスゴさを思い知る。
セガンティーニ(1858~1899)の大作‘アルプス三部作 生 自然 夜’と対面するのは生涯の夢、この絵は門外不出だから、スイスのサン・モリッツにある美術館まで足を運ばないと思いの丈は叶えられない。夢をいつか実現させたい。
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