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2014.05.31

わくわくワールドツアー! トルコ‘セリミエ・モスク’

Img     トルコ・エディルネ

Img_0001     ‘セリミエ・モスク’(1574年)

Img_0002      ドーム天井 直径31m

Img_0003     イズニックタイル

数日前新聞のTV番組欄にトルコのモスクを特集した‘時を刻む’(BSプレミアム)が目に入った。イスタンブールを一度訪問したことがあるので、モスクには関心をもっており早速みた。じつはこれは再放送で昨年の2月に放送されたものだった。タイトルは‘トルコ 天才が創りだした神秘’。

天才とはオスマントルコ最高の建築家といわれるミマール・シナン(1489~1588)、そして番組が焦点をあてたモスクはシナンがエディルネに1574年創建した‘セリミエ・モスク’、このモスクはイスラム建築の最高傑作という。イスラム建築については極めて乏しい知識しかないのだが、手元にある‘岩波 世界の美術 イスラーム美術’(2001年)のなかにはこのモスクはでてこないので、番組に出てくる話は最初から最後まで新鮮そのもの。だから、食いつき200%といったところ。

トルコのモスクというとすぐイスタンブールで観光した‘アヤ・ソフィア’を思い出すが、この‘セリミエ・モスク’もすごくよさそう。2011年に世界遺産に登録されている。巨大なドームの直径は31m、同時代のモスクのなかでは一番の大きさ、ドームの下の赤と白の縞模様のアーチは虹を表している。

モスクのなかでとくに目を楽しませてくれたのが‘マクスーラ’とよばれる皇帝専用の礼拝席に装飾されたイズニックタイル、イスラム教では偶像崇拝が禁止されているので描かれているのは植物がほとんど、色は15世紀までは青、緑、黄色、紫くらいで赤は難しかった。それが16世紀以後鮮やかで盛り上がりのある独特の赤が使われるようになった。これをトマト赤という。

番組に刺激されて‘セリミエ・モスク’が俄然みたくなった。旅行会社が企画するトルコツアーにエディルネ訪問が入っているものがあるかチェックしてみようと思う。

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2014.05.30

わくわくワールドツアー! ローマ

Img     ボッロミーニの‘スパーダ宮 遠近法のギャラリー’(17世紀)

Img_0001     アゴーネ教会の‘だまし絵的装飾’(1653~57年)

Img_0002     パニーニ専門店‘ロゼッタ’

Img_0004        ロゼッタ=薔薇

今月中旬に放送された‘美の巨人たち 700回記念番組’を楽しくみた。ナレーションを担当している小林薫が今回訪れたのはローマ、最近は年に一回は海外取材に出かけている小林、もう何年も絵画や彫刻など傑作美術品のお話をしているので美術館で案内してくれる専門家に対しても美術評論家のような感じで質問をしたり目の前の作品に鋭い感想を述べている。

今回出かけたのはヴァチカンとローマの街にあるバロック美術、そのなかに新情報がいくつもあった。そのひとつが‘ヴァチカン庭園’、ここは予約をすればガイドツアーに参加できるらしい(30ユーロ)。ローマを再訪することがあったら寄ってみてもいいかなという気になっている。

ナボーナ広場に面して建っている‘サンタニェーゼ・イン・アゴーネ教会’のことは知ってはいるが、なかに入ったことがない。これはベルニーニのライバル、ボッロミーニ(1599~1667)の設計、関心を寄せている建築家だから今回映し出された天井画やだまし絵的に配置された彫像を食い入るようにみた。

ファルネーゼ宮殿の近くにあるスパーダ宮というと‘遠近法のギャラリー’が有名。4年前訪れたときは通路の遠くにみえる兵士の像を目をまるくしてみていた。番組のナレーションではここは非公開と説明していたが、これは間違い。中庭には入れる、ただしこの通路を歩くことができず、手前でみるだけ。そして写真撮影もNG。実際は9mしかない通路は30mくらいに見えるから不思議。このボッロミーニマジックは一生の思い出。

食べ物で興味を惹いたのがロゼッタというパン、モッティ地区にあるパニーニ専門店‘ロゼッタ’で売ってるのは小さいサイズのロゼッタ。このシュークリームのような形をしたパンはツアー旅行の食事タイムのときよく食べるが、ちょっとかたい。空洞になった部分に具を入れて食べる小サイズのロゼッタに次回のローマで挑戦してみたい。

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2014.05.29

黒田 なんとか頑張って4勝目!

Img     カージナルス打線相手に3点の失点にとどめた黒田

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今日セントルイスで行われたカージナルスとの交流戦で黒田は6回2/3を投げ3失点にとどめ勝ち投手になった。これで4勝目。

マー君、ダルビッシュ同様、黒田が登板する試合はBS1で8割方放送してくれるので、毎回みている。ところが今年の黒田のピッチング内容はあまりよくない。前回のときはあと一人抑えれば勝ち投手になるという場面で痛いホームランを打たれて逆転を許してしまうなど、これまで登板した試合はピンチになったとき、抑えるのと打たれるのと半々のことが多い。昨年の前半は見事に抑えきってチームの勝ちに貢献することを度々目にしたから、今の投球内容はいまひとつスカッとしない。

今日の試合も3回まではなんとかゼロにおさえたが、4、5、6回に1点ずつとられた。味方打線が3番エルズベリーの活躍などで4回までに7点とってくれたので勝ちはついたが、本人は6回2アウトまでいきながらヒットを打たれ失点をしたあと降板したことを悔やんでいるにちがいない。6回をほぼ投げて3失点ならクオリティースタートを達成しているので監督の目からするとよく投げてくれたということになるが、黒田自身は反省点のことで頭はいっぱいだろう。

ヤンキース・サムライトリオの一人、イチローは今日も先発出場、ここ数試合はよく使ってもらっている。ただ、バットは湿りがち、この試合は4打数でノーヒット、犠牲フライを期待された場面ではセカンドゴロに打ち取られたのが痛い。打点をあげるおいしいところで1本がでないのが気になる。

今年のイチローのバッティングは昨年までと明らかに異なる。それは投手の投げる球種をよく見極めており、難しい球にはバットをださず、四球を選んでいること。先発で出場する機会が極端に減ったので一打席々を大切にしているということが手にとるようにわかる。

以前のイチローはあんな難しいボールに手を出さず四球で出塁すればいいのにというのがよくあった。こういう打席が今は消えた。とにかく投手にボールを多く投げさせ、じっくり仕留める、あるいは四球を選ぶことを一番に考えている。これが3割を打てている最大の要因。これからはやはり体力との戦い、疲れを残さずいい状態で試合にでてくれれば3割はキープできる。頑張れ、イチロー!

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2014.05.28

ズームアップ 名画の響き合い! 1902年

Img_0002_2     クリムトの‘ベートーベン・フリーズ’(ウイーン 分離派館)

Img_0004_2          クリムトの‘金魚’(スイス ゾロトゥルン美)

Img_0001_2     ドニの‘家族の肖像’

Img_0003_2     ボナールの‘ミシアとタデ・ナタンソン’(ベルギー王立美)

お気に入りの画家の作品を沢山みる機会がときどきやって来る。それは回顧展に遭遇したときと海外の美術館をまわったとき。昨年はクリムト(1862~1918)に多く会えた年だった。

クリムト作品をコンプリートするためには個人蔵という大きな壁があるので、これが実現するのは無理と思っているが、その作品以外で狙っている作品3点については望みをもっている。だから、これと対面したら美味しい酒が飲める。

クリムトファンなら誰しもウイーンを目指す。ベルヴェデーレ宮に行き‘接吻’の前でうっとりし、そして分離派館にも足を運び‘ベートーベン・フリーズ’と対面する。これがクリムトロードのひとつの定番。ここに載せた‘ベートーベン・フリーズ’は壁画のなかで最もインパクトのある場面、‘敵意をもった勢力’

度肝をぬかれるのが中央のゴリラ、正直ここは動物園かいな!どうしてゴリラがでてくるの?という感じ。次に目に入ってくるのは右の相撲取りのような太った女、今風にいうならマツコデラックス。このゴリラとデブ女の間に妖艶な女がおりゾクゾクっとするほどの魔性をふりまいているのだが、周囲の圧倒的な存在感の前ではそのエロチシズムも薄められる。

スイスで美術館巡りをするとき是非訪問したいのがゾロトゥルン美、ここにある‘金魚’に長いことうなされている。クリムトがこの絵を制作するとき参考にしたと思われるルーベンスの‘凍えるヴィーナス’を運よく3年前アントワープのMASミュージアムでみたので、‘金魚’にもなんとしても会いたい。

3年前新宿の損保ジャパン美でモーリス・ドニ(1870~1943)の回顧展を楽しんだ。ドニの作品はそれまでまとまってみる機会がなかったので、収穫の多い展覧会となった。ここで多く展示されていたのが子供や妻の肖像画、とくに心をとらえてはなさなかったのが‘家族の肖像’、本当にいい絵をみた。

ボナール(1867~1947)の作品で記憶に残っているのはオルセーとメトロポリタンにあるもの。ブリュッセルの王立美が所蔵する‘ミシアとタデ・ナタンソン’は現地では2回とも姿をみせてくれなかった。気になる一枚なので次回訪問することがあったら、じっくりみてみたい。

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2014.05.27

ズームアップ 名作の響き合い! 1901年

Img_0002_3     ガレの‘フランスの薔薇’(諏訪市 北澤美)

Img_4     ミュシャの‘つた’(堺市)

Img_0001_4       クリムトの‘ユディットⅠ’(国立オーストリア美)

Img_0003_4     クプカの‘馬車の窓からの眺め’(NY MoMA)


10年前、長野県の諏訪湖のほとりにある北澤美を訪問した。お目当てはガレ、それまでガレ(1846~1904)の名前は知っていたが、そのガラス作品をみる機会に恵まれず、少しまとまった形でみたのは広島にいるときでかけたウッドワン美のコレクションのみ、だからガレの名作を沢山所蔵している北澤美は憧れの美術館だった。

作品の前では1点々唸り声をあげていたが、とりわけ感動したのがガレが亡くなる3年前に制作した‘フランスの薔薇’、美しいピンク色の花器に強く心を打たれた。こんな傑作が日本の美術館にあるのだから、日本のコレクターのガレに寄せる思いというのは半端ではない。中央高速を久しく走ってないので、また諏訪湖旅行をしてみたくなった。

ガレの命がつきようとしていたころ、パリのデザイン界の寵児になっていたミュシャ(1860~1939)は1901年に装飾パネル‘つた’と‘月桂樹’を描いている。つたの角々したフォルムと流麗な曲線で表現された髪の毛や衣装の肩あたりの模様はうまく溶け合い、女性の美をいっそう引き立てている。

クリムト(1862~11918)の‘ユディットⅠ’にはじめてお目にかかったのは日本の美術館、20年くらい前、池袋にあったセゾン美(現在は無い)、ここで大クリムト展があり、代表作の‘接吻’など魅了されるクリムト作品がずらずらっと展示された。‘ユディットⅠ’もその一枚、眩いばかりの黄金装飾に心を奪われていたので、右下の半分だけみえるホロフェルネスの顔はよく覚えていない。

カンディンスキーとともに抽象絵画の分野で最も魅かれているのがチェコのクプカ(1871~1957)、この画家にのめりこむきっかけとなったのが1994年に愛知県美で開かれた回顧展、このころ名古屋で仕事をしており運よくこの展覧会に遭遇した。‘馬車の窓からの眺め’はクプカ初期の作品、アールヌーヴォー調の装飾とシュールでファンタジックな世界に思わず足がとまった。今でも忘れられない一枚。

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2014.05.26

マー君 連敗せず7勝目!

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前回の登板で打ち込まれ連勝記録がとぎれたマー君、今日シカゴで行われたホワイトソックスとの試合は多くの大リーグファンの注目を集める一戦だったが、心配をよそに6回1/3を1失点で乗り切り勝ち投手になった。これで早くも7勝目。

今日は立ち上がりから慎重なピッチング、そのため3ボールになることが多く、四球の数もいつもより多い3つ、そして死球もひとつ与えてしまった。前回のようにヒットをばんばん打たれることがなく、順調に6回まで無失点で進んだ。

これは打線が2回4点、3回1点と援護してくれたのが大きい。その得点に大きく貢献したのが2番のジータ―、4安打と打ちまくり2回はお得意のライト前タイムリーヒットで2人を迎えいれた。3回の3塁打をはじめジータ―がこんなに活躍したのは今シーズンはじめてのこと。

ここ何試合ヤンキースは勝ったり敗けたりが続いており、東地区の順位は2位。現在首位に立っているのはトロント・ブリュージェイス、西地区1位のアスレチックスを本拠地に迎えての3連戦は絶好調のエンカルナシオンのホームランなどで打線と投手力がアスレチックスヲ上回り、まさかのスイープ!しばらくブリュージェイスの快進撃が続くかもしれない。

これに対してヤンキースは先発陣は黒田、マー君の日本人コンビしか開幕当初からローテーションを守ることができず、想定した投手力の3割くらいでしかない。またブルペンも安心してみていられる投球内容とはいえず、不安をかかえたままの状態。

投手陣がこういう状態のとき勝利を呼び込むためにはバッターが今日のジータ―のように打ちまくるしかない。そして、先発の出番がめっきり減ったが3割5分を打っているイチローをもっと試合で使い、サムライトリオの力と技量をチームの核にすること。でも、GMもジラルデイ監督も本音ではイチローをあまり評価してないから、そういうことにはならないだろう。となると、ヤンキースは3位くらいがいいところか。

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2014.05.25

白鵬 29回目の優勝!

Img   日馬富士を豪快な上手投げで破った白鵬

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大相撲夏場所はは大方の予想通り白鵬の優勝で幕を閉じた。優勝争いのトップに立っていた白鵬は日馬富士との相撲で立ち合い素早く左の上手をとり、有利な体勢から豪快な上手投げで日馬富士を土俵に転がした。白鵬の優勝回数はこれで29回。あの大横綱大鵬が達成した最多の32回にすぐ手が届くまでのところにきた。本当に強い横綱である。

今場所は関脇の豪栄道にちょっとしたはずみで敗れたが、ほかは安定した強さを発揮した。白鵬は今29歳だが、肉体的な衰えがみられず怪我がないのでまだまだこの強さは続きそう。過去に多くの優勝を重ねた横綱、例えば大鵬、北の湖、貴乃花でも横綱の在任期間が長くなると、怪我などにより数場所連続して休場することがよくあった、ところが白鵬はこういう休場がまるでない。

これは充実した稽古に加え体を動かした後のケアにも時間をかけるなど体調の維持管理に相当神経を使っているためではないかと思う。白鵬は相撲界のイチローといっていいかもしれない。優勝インタビューで‘疲れたから肉を沢山食べたい’と言っていたが、エネルギーの補給を欠かさず科学的な効果に裏打ちされたトレーニングを積み重ねていけば優勝は40回くらいまでいきそうな感じがする。

新横綱の鶴竜は滑り出しはよかったが、綱のプレッシャーがだんだん強くなってきたのか後半は体が思うように動かなくなった。来場所はそういうことはないだろうから、気持ちを切り替えがんばってもらいたい。もうひとり残念な成績で終わったのが髷がゆえるようになった遠藤、7勝8敗と負け越した。

まったく予想もしなかった敗けをみせられたのが大砂嵐との相撲、立ち会い大砂嵐の強烈なかちあげ一発で遠藤な腰から崩れ落ちた。これをみると遠藤の立ち合いの圧力は弱い、これからの課題はこのがちーんとあたったときのパワーをつけること。がむしゃらに前に出てくる相手に押し込まれないようになったら大関がみえてくるだろう。

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2014.05.24

6月以降に開催される期待の展覧会!

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来月はサッカーのW杯がはじまるので展覧会巡りや大リーグ観戦にたいする思い入れは通常の時期に比べるとだいぶ低下することになりそう。6月にみる展覧会とでかけるタイミングについてはW杯一次リーグで日本代表が出場する試合を最優先に考えて出動する日を決めることにしている。

6月に開幕する展覧会で出かけることにしているのは、
★‘ヴァロットン展’ 6/14~9/23  三菱一号館美
★‘板谷波山展’  6/14~8/24  泉屋博古館分館
★‘台北故宮展’  6/24~9/15  東博
★‘ボストン美 ジャポニスム展’ 6/28~9/15 世田谷美

このなかで最も期待値の大きいのはなんといっても東博の‘台北故宮展’、博物院のお宝中のお宝である‘白菜’が展示される期間は6/24~7/7、6/24は確か日本がコロンビアと戦う日だから、出動は25日か26日、キトラ古墳壁画は2日目にでかけて1時間の待ち時間でみれたので、朝早く並ぶ作戦を実行するつもり。でも、関心のある人は同じように行動するだろうから、2時間の待ち時間は覚悟している。

この‘白菜’をはじめてみたのは22年前、二度目の鑑賞があと1ヶ月で実現すると思うと心が踊る。台北の故宮博物院が所蔵する中国の美術品のスゴさを体験しているのでこの展覧会だけは特別、だからサッカーの試合の興奮によって美術品の感動が薄められることはないだろう。

秋に東近美で行われる‘菱田春草展’(9/23~11/3)にはまだ4ヶ月あるのだか、5/7からお得なペアチケット(2000円)が発売になったので、この回顧展へ思いをはせることが多くなってきた。

なにしろ、4点の重文が全部出品される上、100点をこえる作品を集めてくるというからいやがおうでも期待は高まる。追っかけ画が全部入っているような気がしてならない。おそらく‘上村松園展’(2010年)、昨年の‘竹内栖鳳展’同様、‘春草の名画全部みせます!’スタイルの大回顧展、開幕が待ち遠しい。

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2014.05.23

ダルビッシュ 強打のタイガース戦で好投 4勝目!

Img     タイガースの主砲カブレラと対戦するダルビッシュ

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本日タイガース戦に先発したダルビッシュは味方打線が序盤に大量得点をとってくれたこともあり楽な展開、リーグトップを誇る強力打線を7回2失点に抑えレンジャーズの勝利に貢献した。これで4勝目(2敗)。

ヤンキースのマー君(6勝1敗)の活躍ばかりにスポットが当たっているが、ダルビッシュのピッチングも例年以上にいい。今年のダルビッシュの課題は投球数を少なくしてなるべく長いイニング投げること、そのため三振をとることにあまりこだわらず、ピッチングを打者にゴロを打たせてしとめるように組み立てている。今日の試合は三振の数は6つ。

ダルビッシュは野球選手としても身体能力が大変優れているので、最高のレベルの投球術を身につけることにすごく貪欲、だから投球フォームをチェックし球種の投げ方に工夫をこらしている。投球フォームでいうと今年はテイクバックを小さくしている、これはコントロールの精度あげるため。キャンプから取り組んできたこのピッチングフォームがだんだん自分のものになりつつある。

このように高みをめざして進化しようとするダルビッシュ、でも、今年は勝ち星は12、3勝どまりかもしれない。というのも、今年のレンジャーズは投打とも期待通りに機能せず、現在西地区の4位に低迷しており、首位のアスレチックスから7ゲームも離されている。

先発陣に故障者が続出し頼りになるのはダルビッシュだけ、しかも打線の得点力が昨年にくらべだいぶ落ちている。誤算の筆頭がタイガースからキンスラーとの交換で獲得したフィルダー、首を痛めたため試合数が激減することになりそう、これは痛い。キンスラーが3割を打って打線の火つけ役になっているのでフィルダーの状態の悪さが余計に目立つ。

今のレンジャーズの戦力ではポストシーズンへの進出は無理、そうなるとダルビッシュが登板するゲームは勝ちと敗けが半々となる可能性が高い。熱い応援はこれからも変わりないが、過去2年とは違い消化不良の思いがつのる試合が多くなりそう。

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2014.05.22

マネの‘アルジャントゥイユ’と対面!

Img     マネの‘アルジャントゥイユ’(1874年 トゥルネー美)

Img_0002     ルノワールの‘ブージヴァルのダンス’(1883年 ボストン美)

Img_0003     シスレーの‘マルリーの堰’(1876年 ボストン美)

昨年の秋、八王子の東京富士美で開催された‘光の賛歌 印象派展’は今年福岡市博でも開かれ、そのあと京都文化博(3/11~5/11)に巡回した。複数の美術館を巡回する展覧会を別の会場まで追っかけることは最近ではほとんどないのだが、今回はどうしてもみたい絵があったので京都にまで足をのばした。

その心を強く突き動かした絵とは、それはマネ(1832~1883)が1874年に描いた‘アルジャントゥイユ’。富士美でルノワール(1841~1919)の‘ブージヴァルのダンス’をみて気分が高揚したあと、ミュージアムショップで買い求めた図録をパラパラめくっていたら、このマネの絵が載っていた。ええー、マネの絵があったの?いつ展示されるの、そのときは正直出動のタイミングを間違ったかなと思った。ちょっとあたふたしたが、図録をよく読むとこの絵は富士美も福岡市博もパスして京都会場のみに展示されることがわかった。

京都文化博のラインナップは豪華このうえない、この‘アルジャントゥイユ’と‘ブージヴァル’が一緒に展示されている!まず、‘ブージヴァル’に挨拶をしてすぐ‘アルジャントゥイユ’を探した。2点の前を通りすぎるとありました!ありました!

図版ではイメージできないが大きな絵。マネは男女を描くとき体の寄せ合わせ方がじつに上手い、だから二人の関係をつい想像してしまう。ここでは女性の表情はあまりくだけてなく一途に正面を見ている感じ、そのため右の男性は話すタイミングをはかっているようにみえる。強い光の描写が印象的で、男性の肩のあたりや帽子にあたる明るい光に目を奪われた。念願の絵をみたあとはなにか大仕事をしたような気分だった。

会期も残りわずかなので展示室には大勢の人がいた。やはり印象派の人気は全国どこでも絶大、ほかの作品は富士美でじっくりみたのでさらさらとみた。そのなかで足がとまったのがシスレー(1839~1899)の‘マルリーの堰’、すっきりした構図と水面の静けさに深く魅了された。

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2014.05.21

もっと見たいバルテュスの名画!

Img_0001    ‘ブランシャール家の子どもたち’(1937年 ピカソ美)

Img     ‘長椅子のテレーズ’(1939年)

Img_0002         ‘窓辺の少女’(1955年)

Img_0005     ‘読書するカティア’(1968~76年)

現在、頭の中はかなりの部分が東京都美で回顧展が開かれているバルテュス(1908~2001)で占められている。だから、先週の17日(土)にBSプレミアムで放送された‘バルテュスと彼女たちの関係’への食いつきがとてもいい。

バルテュスに心が向かいはじめたのは10年とちょっと前からだが、今思うと悔やまれてならないのが東京駅前の丸善とか横浜美のミュージアムショップで目に入ったTASCHENの‘バルテュス’(日本語版)を買いそびれたこと。こうした画家本はどうしても好きな画家とか関心の高い順に買い揃えていくので、さあ、バルテュスを買うぞと思った時にはもう本棚には残ってない。

このようにバルテュス物語を聞いておらず、まだ回顧展で手に入れた図録にも目を通していないので、豊川悦二が案内役をつとめたこの番組から流れてくるバルテュスと女性たちの話は実に興味深く感じられ体のなかにどんどん吸収されていく。そして、手元の美術本や図録に載っていない作品の情報にも脳は敏感に反応する。

番組のお蔭でこれから追っかけたい作品や海外で美術館巡りをしたときみられる可能性があるかもしれない絵というのがおおよそイメージできた。魅せられる作品は‘ブランシャール家の子どもたち’、‘長椅子のテレーズ’、そしてシャシー時代に描かれた‘窓辺の少女’と‘赤いセーターを着たフレデリック’

バルテュスがローマでヴィラ・メディチの館長をしていたときに描いた‘読書するカティア’は回顧展でその光の描写に200%KOされた一枚、この時期、バルテュスは館の壁画などの修復に多くのエネルギーを注いだため手がけた作品は少ない。

この番組にでてきたり図録に載っている作品で今後美術館を訪れたとき対面できるかもしれないものをあげてみると、
★シカゴ美:‘猫と少女’(1937年) ‘トランプ占い’(1943年)
★メトロポリタン美:‘窓辺の少女’(1957年)
★ポンピドー:‘蛾’(1959年) ‘画家とモデル’(1980~81年)

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2014.05.08

お知らせ

拙ブログはしばらくお休みします。

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2014.05.07

北斎漫画は楽し!

Img     ‘北斎漫画 Ⅰ 江戸百態’(2010年 青幻舎)

Img_0004  ドガの‘浴槽’(1885~86年 ファーミントン ヒルステッド美)

Img_0003      ‘北斎漫画九編’

Img_0002      ‘北斎漫画十編’

TVのガイドブックで日曜美術館が‘北斎漫画’(5/4)をとりあげることを知ったとき、なぜこのタイミングなの?という感じだったが、番組の冒頭で今年がこの初版が1814年に出版されてから200年なるというナレーションが流れたので即納得した。

2010年の暮れから翌年の3月にかけて青幻舎から‘北斎漫画 Ⅰ江戸百態 Ⅱ森羅万象 Ⅲ奇想天外’が出版されたのですぐ手に入れた。以来ときどきページをめくり楽しんでいる。番組のお蔭でこの3冊にでてくる絵が前よりぐっと身近なものになった。興味深い話があったのでそのことを少々。

印象派の画家たちの作品にこの‘北斎漫画’がどんな風に取り込まれているのか、ゴーギャンとドガの絵がでてきたが、新鮮だったのがドガ、体を曲げた裸の女性を描いた‘浴槽’はお気に入りの一枚だが、この絵が北斎漫画を参考にしていたとは気がつかなかった。でぶっちょの男の姿はいわれてみると顔はみえないが、確かにドガの描く女性と重なる。

もう2点紹介された‘ルーヴル美のメアリー・カサット’と‘起床 パン屋の娘’もなるほどね!という感じ。ほかにも北斎漫画の影響がみられるものがありそうだから、しっかり比べてみようと思う。

今回大きな収穫だったのがことわざの絵。今は使われてないものを含めて8つでてきた。
‘鰻のぼり’、‘顔に泥を塗る’、‘笑う門には福来る’、‘餅は餅屋’、‘無芸大食’、そして今は使われてない‘灰吹きから大蛇’(突拍子のないことが起きる)、‘胆が芋になる’(びっくりする)、‘立臼に菰(こも)を巻く’(太った女性が腰に幅の広い帯を巻いた姿を揶揄したもの)

ことわざというものは文字で覚えているから、このように笑いを誘うような絵で示されるとことわざのイメージがいっそう心に刻み込まれる。なるほどねと唸ったのが‘無芸大食’、普通ならこのことわざは何のとりえもないのに食べることだけは一人前以上という人物をさすが、こうして四人を一緒にならべてみるとものを沢山食べられるというのも一つの芸なんだとつい思ってしまう。

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2014.05.06

打者を抑える直球の威力!

Img_2     同じ球速の直球で回転数が違うときの球の軌道。

Img_0001_2      マー君の最大外旋角度

5/1の夕方、たまたま回したBS1でおもしろい野球の番組をやっていた。はじめてみる‘ザ・データマン’(5時~5時50分)、30分くらいたってみたので全体のテーマがよくわかなかったが、あとでネットで調べると‘0.44秒 打者をねじ伏せる直球劇場’だった。

後半の内容から察するとヤンキースのマー君の投げる直球の威力に焦点をあてたもの。みはじめたときは直球の球速と球の回転数の話だった。これは剛速球でもない投手がどうして打者をうまく打ちとれるかということ、いい例がレッドソックスの上原、ストレートの球速は130キロ台後半から140キロ台前半だが、打者はこの球をしっかり打ち返せない。これを‘球を速くみせている’とか‘のびる球’という。

番組ではピッチングマシーンを使い同じ球速で回転数をあげたときと回転数が落ちたときで球の軌道がどう変化するかを実験する。20回転の球はマウンドの中間で落ちはじめているが、40回転の球はそのままのびていく。これがのびる球!

150キロを投げられない投手でも、球を離すとき指をうまく使って回転数をあげる技術を身につければバッターを十分に抑えられる。要するに直球の威力は球速より回転速度によって決まるということ。打者の手元でぐっとのびる球を投げられる投手がいいピッチャーの証。

マー君の直球をなげる投球フォームがここ数年ですごく良くなっているという。これをいろんな角度から分析していた。そのひとつが最大外旋角度(体幹に対しての腕の角度)、マー君はこれが107.04°で平均的な投手より5°多い。外旋が大きくなると腕を振る距離が長くなり伝わるエネルギーが増す。また、このフォームだと腕が体の後ろに隠れるので打者は球種の判断が遅れ、その分スイングを狂わされる。

そのほかにもマー君は直球とスプリットを同じフォームで投げられるという高い技術を持っている。これは打者にとっては厄介、直球がくると思ってバットを振ったらベースのところで球がすっと消える。持ち前の強い精神力に加え、マー君の投球術は急速に進化していた。ますます期待したくなる。

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2014.05.05

ダルビッシュ 2勝目!

Img     ダルビッシュ 1回裏 プホルスにホームランを打たれる

レンジャーズのダルビッシュがエンゼルスとの試合に登板し、7回3失点とまずまずの出来で2勝目をあげた。最近の2試合、ダルビッシュのピッチングは球が走らず、ライバルチームのアスレチックスにKOを食らうなど調子を落としていたからちょっと心配だったが、この勝利でもやもやがふっきれた。

試合は味方の打撃陣が初回に3点、2回にも2点をとってくれ早々と試合の主導権を握ることができたのダルビッシュにとっては楽な展開だった。しかし、1回の裏先頭打者にいきなりホームランを食らい、1アウト後主砲プホルスのまたもセンターに見事なホームランを打たれてしまった。これでリードは1点、だから2回以降はどうなることやらという感じだった。

それを自軍に勝機を呼び込んだのは2回裏のダルビッシュ自らのすばらしい守備だった。1アウト1,2塁で打席はホームランを打っている1番アイバー、うまくうちとったがボールはぼてぼての三塁ゴロ、これをダルビッシュは素早くとり三塁のベルトレ―にバックトス、きわどいタイミングだったが塁審の判定はセーフ、

これはレンジャーズは黙っておれない、当然今シーズンから採用されたチャレンジを使う。TVで繰り返し再生されるる映像をみてもアウト、チャレンジは認められアウト、この回は無得点で終わった。これで気を良くしたダルビッシュは調子をとり戻し、3回以降もエンゼルスの強力打線を無失点に抑えた。

打たれたヒットは7本、奪った三振が9個、四球は1つだから、一回にホームランで2失点した投球内容をうまく修正したといえる。これで調子を上げてきそう。

昨日はマー君がまた勝ち投手になり早くも4勝、そして指のけがで出遅れていたマリナーズの岩隈も先に点を許したものの味方打線が大量得点で逆転してくれたため待望の1勝をあげることができた。岩隈の復帰で日本人先発投手カルテットがいよいよ前へ進む。みんなのいいピッチングを期待したい。

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2014.05.04

ズームアップ 名画の響き合い! 1900年

Img  ピカソの‘ムーラン・ド・ラ・ギャレット’(NY グッゲンハイム美)

Img_0002     ムンクの‘生命のダンス’(オスロ国立美)

Img_0005  トーロップの‘版画愛好家’(オッテルロー クレラー=ミュラー美)

Img_0003     ルドンの‘キュクロプス’(クレラー=ミュラー美)

この‘ズームアップ 名画の響き合い!’シリーズも回を重ねること27回目、この回から時代は20世紀に入っていく。

拙ブログは美術のことを多く書いているので、おつきあいいただいているのは時間の費やし方にはちがいはあるかもしれないがアートとかかわっていることが楽しいと感じられる人ではないかと思っている。となると、TVの美術番組、例えば‘日曜美術館’、‘美の巨人たち’を熱心に見られているのではなかろうか。

この定番の番組、お気づきのように西洋絵画でとりあげられる画家はどうしても人気の高いルネサンス、印象派の画家たちに集中する。ところが、20世紀以降に活躍した近現代アートの作家となると、登場する頻度はガクンと落ちる。

気になっているのがここ数年シャガールの作品がとんとでてこないこと、以前は民放などでもシャガール物語を制作していたのに、今は番組スタッフの好みがシャガールから離れているのだろうか。そして、ピカソやマティスの名画に焦点があたることも少ない。こうしたビッグネームの作品がもっと掘り下げられると絵画の幅が広がっておもしろいのだが。

ピカソ(1881~1973)の描いた‘ムーラン・ド・ラ・ギャレット’は21年前はじめてグッゲンハイム美を訪れたときに遭遇した。ピカソもルノワールのようにムーラン・ド・ラ・ギャレットで繰り広げられる楽しいダンスを描いていたのか!という感じ。ピントのずれた映像をみるようで人々の顔はぼやけているが、手前の左端にいる女性だけは顔の輪郭がはっきりしていたのをよく覚えている。

ムンク(1863~1944)の‘生命のダンス’はお気に入りNO.1の絵。この絵とは幸運な出会いをした。フィレンツェのピッティ美を訪れた際運よくミニムンク展と巡り合い、そのなかに含まれていた。みごたえのある大作なので息を吞んでみていた。

トーロップ(1858~1928)とルドン(1840~1916)の絵は2011年に出かけたクレラー=ミュラー美でおおいに楽しませてもらった。点描法で描かれた‘版画愛好家’は昨年国立新美のやって来てくれたので再度いい気持になった。

ルドンの描く一つ目巨人キュクロプスはあまり怖くない、愛嬌さえ感じるユニークな怪獣。この造形ならちょっと手を加えれば今流行りのゆるキャラの仲間入りができる。

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2014.05.03

散歩で街角ウオッチング! ツツジが満開

Img    歩道に咲き誇るツツジ

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広島に住んでいたときGWは恒例のイベント‘フラワーフェスティバル’を楽しんだ。今でも続いているはずだが(?)、このイベントは雨で中止になることもよくあった。GW期間は雨に降られることが多い、だから‘フラワーフェスティバル’は3年に一度は雨で流れたとかいうイメージが強く残っている。今年は大丈夫そう。

動植物の名前に詳しい人が世の中にはいる。そういう人の知識に較べたら植物に関しては相当低いレベルにある。散歩をしていて、道端にある植物の名前は90%くらいわからない。色が鮮やかな花が目にとまったときは隣の方にすぐ聞くことにしている。

でも、今毎日の散歩コースで目を楽しませてくれるツツジは誰に教えてもらわなくてもわかる。毎年この時期散歩道は途中から道路の両サイドが美しいツツジで埋まる。直方体にきれいに整えられたツツジ垣は白い花と赤い花が上手い具合に組み合わされている。

あるところは赤花だけで、またあるところは白花だけ、そして赤と白が交互に配置されたところもある。このアレンジにはいつも感心させられる。ツツジの美しさを知り尽くした職人が手がけたに違いない。まさに小さな美の発見といったところ。

桜とかツツジ、そして紫陽花は庭園のような特別のところへ出かけなくても家のまわりでみることができるから親しみがわき、生活にリズムをつくってくれる。花を沢山みるといっそう美しさを実感することがある。広島に住んでいるときツツジで有名な音戸の瀬戸へクルマを走らせた。記憶がだいぶ薄れているが、目に心地よい赤や白のツツジがどっと咲いていたことは強く心に刻まれている。

もっと昔にさかのぼると小さい頃、家族でツツジの花見をしたことがある。桜とツツジの花見が毎年セットだった。父親はお酒を飲む機会をつくるのが本当にうまかった。

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2014.05.02

アートに乾杯! フランチェスカ、スーラ、バルテュスのコラボ

Imgピエロ・デッラ・フランチェスカの‘キリストの鞭打ち’(1458~60年 ウルビーノ マルケ美)

Img_0003 スーラの‘グランド・ジャット島の日曜日の午後’(1886年 シカゴ美)

Img_0001     バルテュスの‘街路’(1933年 NY MoMA)

Img_0002     バルテュスの‘コメルス・サンタンドレ小路’(1952~54年)

関心を寄せている画家についての情報が作品をみることで増えてくると、画家の創作活動における思いや刺激を受けた先行画についてあれこれ推測したくなる。

今心のなかにドーンと居座っているのは東京都美で回顧展が開かれているバルテュス(1908~2001)、そのきっかけとなったのが昨年1月、NYのMoMAで対面した‘街路’。この絵を何度もみているとバルテュスはピエロ・デッラ・フランチェスカ(1416~1492)のDNAを引き継いだ画家であることがわかってくる。

絵に登場する人物の姿のバリエーションはピエロの描いた‘キリストの鞭打ち’にでてくる男たちを踏襲している。これは古典絵画を見慣れている方なら容易に気がつくはず。‘鞭打ち’では右手前に3人が正面向きと横向き、そして、奥のキリストが鞭打たれているところには後ろ向きの男が2人、体を斜めにして動きを出しているキリスト、あとは横向きが2人、ひとりは椅子に座っている。

‘街路’でも正面向き、後ろ向き、左右横向きの人物がそれぞれ遠近法でつくられた奥行きのある路にバランスよく配置されている。ピエロが人物を二つのグループに分けて静かな画面をつくりだしたのに対し、バルテュスは手前のほうに子供や大人を集め通りの活気さをだしている。

バルテュスはこの絵の21年後に‘コメルス・サンタンドレ小路’を完成させた。ここでは街路の雰囲気はがらっと変わってとても静か。その静けさを生み出しているのは‘キリストの鞭打ち’に近づけた人物の配置と路の中央を向こう側にむかって歩いているスリムな男性(バルテュスの自画像)、‘街路’との違いはもうひとつある。‘街路’では感じられなかった時間がここでは静かに流れている。

このゆっくりと流れる時間を感じるところはスーラ(1859~1891)の代表作‘グランド・ジャット島の日曜日の午後’と似ている。だから、‘コメルス・サンタンドレ小路’はバルテュスがフランチェスカとスーラの画風を吸収して自分の表現を生みだしたようにうつる。

‘グランド・ジャット島’は人物の描き方は一見すると横向きばかりのイメージが強いが、よーくみると正面をむいている母親と女の子がおり、画面の上部には向こうのほうへ歩いている二人連れが2組描き込まれている。対象の描き方は点描法であるが、遠近法を使った画面構成や人物のポーズのとりかたはピエロの作品を参考にしているのは確か。

‘グランド・ジャット島’と‘コメルス・サンタンドレ小路’がピエロから生み出された双子のように思えてならない。

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2014.05.01

ズームアップ 名画の響き合い! 1899年

Img_0001     モネの‘睡蓮の池’(ロンドン ナショナルギャラリー)

Img      セザンヌの‘りんごとオレンジ’(パリ オルセー美)

Img_0003     セガンティーニの‘アルプス三部作 生’(セガンティーニ美)

Img_0002       ‘死’

積み藁からはじまったモネ(1840~1926)の連作シリーズ、モチーフはそのあと‘ルーアン大聖堂’、‘ポプラ’などにひろがり、1899年からは‘睡蓮’がスタートする。

モネの睡蓮は日本の美術館にもいい絵がいくつもあり、国内で行われる展覧会でよく展示されるから、作品への愛着度でいえば一番強いかもしれない。すぐ思いつく美術館は、西洋美、大原美、アサヒビール大山崎山荘美、ポーラ美、東京富士美。最も気にいっているのは大山崎山荘美にあるもの。

睡蓮と太鼓橋が描かれた作品は日本の美術館にはなく、海外のブランド美術館におさまっている。色合いでいうと緑一色という感じのものと緑に赤茶色がまじったものの二つのタイプがある。オルセーにはどちらのタイプもあり、この2点とロンドンのナショナルギャラリーにある緑タイプのものが2010年パリのクランパレで開催されたモネ大回顧展に出品された。

作品を単独でみるとそれぞれいい絵だなと大変魅了され、感動の袋はずっと膨らんだまま。が、それが回顧展に一緒にみると見方が変わる。いい絵の上にはさらにいい絵がある。このように3点が横に並ぶと絵の魅力度に差があることがすぐわかる。最も心をとらえたのはナショナルギャラリーのもの。美しすぎる睡蓮だった!

セザンヌ(1839~1906)が描いた静物画の最高傑作‘りんごとオレンジ’ははじてみたときからずっと魅せられ続けている。セザンヌの絵のなかでこの絵は文句なしのランキング一位。過去日本でセザンヌ展を2度みる機会があったが、横浜美でも国立新美にも登場してくれた。オルセーでも数回みたが、この絵の前に立つたびにセザンヌのスゴさを思い知る。

セガンティーニ(1858~1899)の大作‘アルプス三部作 生 自然 夜’と対面するのは生涯の夢、この絵は門外不出だから、スイスのサン・モリッツにある美術館まで足を運ばないと思いの丈は叶えられない。夢をいつか実現させたい。

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