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2014.04.28

バルテュス VS カラヴァッジョ プッサン

Img_0001     バルテュスの‘夏’(1935年 NY メトロポリタン美)

Img_0006 プッサンの‘エコーとナルキッソス’(1630年 パリ ルーヴル美)

Img_0004     バルテュスの‘目ざめ(Ⅰ)’(1955年 スコットランド近美)

Img_0005  カラヴァッジョの‘勝ちを誇るアモール’(1601年 ベルリン美)

展覧会を開催するとき製作される図録は見終わったあとしばらくは手元において感動した作品を中心によくながめている。だが、そこに書かれている論考はほとんど読まない。そして、作品毎に記述されている解説文についても気に入っているものにさらっと目を通すだけ。

今回のバルテュス(1908~2001)の回顧展についてもこのスタイルは変わらない。東京都美を退館したあと隣の方と感想を言い合いながら歩いていたら、絵の前についているプレートを読んだのか‘バルテュスはカラヴァッジョの影響を受けているのね’という、ええー、カラヴァッジョにも影響されていたの?そのあと別行動になったので電車のなかで図録をみてみた。

その絵は‘目ざめ(Ⅰ)’、その解説を読むとカラヴァッジョの‘勝ち誇るアモール’に想を得たとある。絵をみたときは変な顔だなというイメージが強く、惹かれないのであまりみず次の作品に移動した。この図録にはカラヴァッジョの絵がもう一点でてくる。‘おやつの時間’で参考にされている静物画の傑作‘果物籠’。

バルテュスが影響を受けた画家の話で知っているのはこの展覧会にもその作品の模写が出品されているピエロ・デッラ・フランチェスカだけ。だから、バルテュスとカラヴァッジョ(1571~1610)やプッサン(1594~1665)とのつながりはまったく気がつかなかった。とくにカラヴァッジョとの関連はとても興味深い。

今回の回顧展で心を強く打たれたのはバルテュスの光と影の表現、そのためカラヴァッジョのことがでてくるとすぐ合点がいく。バルテュスはカラヴァッジョが好きだったのだと。もう一人、プッサンの影響もあったのか!という感じ。‘夏’の手前に描かれている女性の姿、この大地に横たわるポーズはプッサンの‘エコーとナルキッソス’に登場するナルキッソスによく似ている。これも図録をみて目が覚めた。

図録のお蔭でバルテュスがフランチェスカだけでなくカラヴァッジョ、プッサン、そしてクールベともつながっていたことがわかった。才能のある画家は過去の偉大な画家から多くを学びそれをしっかり消化して自分流の表現を生み出す。バルテュスもその例にもれない。そして、バルテュスはカラヴァッジェスキでもあった!

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コメント

近々バルテュス展に行こうと思っております。

確かに『夏』の女性の姿は、プッサンの『エコーとナルキッソス』に感化されているのがわかりますね。

プッサンは、実際の人物をモデルにして描いたのではなく、古代彫刻をモデルに人物像を描いたそうですが、バルテュスの人物像にも、そうした人工的なものを感じます。

フランチェスカの人物像は幾何学的ですが、それがやはりバルテュス作品の人工的な人物像につながっていくのでしょうか。

『目ざめI』の女性像は、カラヴァッジョの『勝ち誇るアモール』と同じポーズですね。やはり演劇的な印象を持ちます。

プレートの解説をゆっくり読みながら、一作一作を味わってみようと思います。

投稿: ケンスケ | 2014.04.29 20:58

to ケンスケさん
バルテュスの光と影の表現を1点々じっくりみ
ました。光の描写は色彩とともに絵をみる楽しみ
ですから、この光の輝きには大変魅せられます。

そして、‘地中海の猫’のシュールさ、この2点が
大きな発見でした。

そしてカラヴァッジョ、プッサン、クールベとの
つながり。バルテュスの大きさがわかりました。
お楽しみください。

投稿: いづつや | 2014.04.30 01:29

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