バルテュスと節子夫人!
‘朱色の机の日本の女’(1967~76年 ハリス・コレクション)
今から17年前の1997年に東京都現美で大規模な‘ポンピドー・コレクション展’があり、美術の本に載っているマティやレジェらの有名な絵が沢山やってきた。そのとき2点目のバルテュス(1908~2001)と遭遇した。日本の女性をモデルにして描いた‘トルコ風の部屋’。
最初に出会ったバルテュスの絵は‘コメルス・サンタンドレ小路’、1987年の頃だが、それ以来本の図版でながめているが本物にはとんと縁がない。本物の作品と対面したのはそれから3年後、足を運んだメトロポリタン美にあった‘山’、その次に目の前に現れたのが大きな絵の‘トルコ風の部屋’。このときバルテュスが日本の女性と結婚したことを知った。
その節子夫人の美貌に仰天したのが2000年に放送されたNHKのバルテュスを特集した番組。二人の出会いはバルテュスが54歳で夫人が20歳のとき、年の差34歳!結婚はその5年後。着物がよく似合う節子夫人はフィギュアの真央ちゃんのように卵形の顔、番組に登場したころが58歳で画像でも十分に伝わってくる美しさ、若い頃は誰もが振り返る天使のような存在だったに違いない。
バルテュスの妻になった節子夫人をみてすぐ連想するのが女優の岸恵子、大変美しい彼女も25歳のときフランス人映画監督イヴ・シャンピと結婚している。若い岸恵子は世代がだいぶ違うから知らないが、‘金田一シリーズ’に出演したり日曜美術館にゲストでよく登場していたので関心の高い女優だった、今81歳だがお元気だろうか?
今回‘朱色の机の日本の女’をみることができた。平板な描き方も体を横向きにし丸い顔は正面性をだしているところも‘トルコ風の部屋’と同じ。節子夫人をモデルにした作品はもう一枚‘黒い鏡を見る日本の女’があるが、好みは今回出品されているほう。
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