指揮者クラウディオ・アバド 死去!
今日はイタリアからとても悲しいニュースが入ってきた。指揮者のクラウディオ・アバドが胃がんのため亡くなった。享年80、大好きな指揮者だったので残念でならない。心からご冥福をお祈りしたい。合掌!
この十年くらい美術の鑑賞に多くの時間を割いているため、クラシック音楽やオペラを聴く機会がぐっと減っている。だから、アバドが指揮する演奏会をTVでみたのはルツェルン音楽祭と2011年5月にあったベルリンフィルのマーラー没後100年記念演奏会の3回くらいしかない。
このマーラーの演奏会は運よく2012年10月BSプレミアムシアターに登場した。アバドがベルリンフィルを指揮し、演目がアバド得意のマーラーとくれば高いクオリティは保障されているから見逃すわけにはいかない。ぬかりなくビデオ撮りし、拙ブログでもアップした(12/10/30)。このころのアバドは元気そうだったので、2000年に手術した胃がんからはもう十分に回復したように思えた。でも、実際は癌との戦いは続いていた。
世の中に大勢いる筋金入りのクラシックファンほどモーツァルトやベートーベンなどの音楽に精通しているわけではないが、20年くらいNHKのクラシック番組をビデオ収録し大変な数のテープを保有しているので有名な名曲はおおよそインプットされている。
そのビデオテープで再生回数が最も多いのは指揮者ならカルロス・クライバーとアバド。とにかくこの二人が別格の指揮者。アバドはオペラを指揮したものも数本あるが、もう数えきれないほど聴いたのはマーラー、社会人になってからのめり込んだマーラーをアバドの指揮で聴く、これは最高の楽しみだった。
クラシックは生の演奏を聴くのが最もいいことはわかっているが、そこまでのクラシック通ではないので通常はCDかビデオで楽しむ。マーラーを聴きはじめたころはCDを沢山集めた。それがクラシックの第一ステージ、次はN響アワーのビデオ化。この第ニステージからCDは聴かなくなりクラシックは収録ビデオコレクションを聴くことが習慣になった。
演奏会をビデオ化したものはCDに比べると音質は落ちるが、演奏に臨場感があり指揮者の身振り手振りや奏者の渾身の演奏ぶりがじかに伝わってくるからクラシックを体全体で楽しむことができる。アバド指揮ベルリフィルの演奏するマーラーの交響曲1番、2番‘復活’、5番はお宝ビデオのひとつ。これからはこれを聴いて大指揮者アバドを偲びたい。
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コメント
全くいづつやさんと同感です。
アバドのマーラー、最高ですね。
21世紀になってから、アバドが録音した、ベートーベンの交響曲全集をタワレコなどだと輸入盤なら、3000円くらいで売っているのですが、今度行って買おうかと。マーラーは持ってますから。
カラヤンや、ジュリーニの時と同じく、追悼と称して、まだCD化されてないアバド録音がいろいろ出てくるでしょうね。
アバド、ジュリーニ、イタリアの二大巨匠を失いましたね。
投稿: oki | 2014.01.21 23:12
to okiさん
アバドのマーラーを本当によく聴きました。
音が爆発する感じと弦楽器の静かな音が上手い
ぐあいに絡み合いながら進行していくところに
魅了されます。
あのげっそり痩せたアバドの顔をみたときは
ショックを受けましたが、やはり回復しきれ
ませんでしたね。残念でなりません。
投稿: いづつや | 2014.01.22 01:03
ショルティ、ベーム、ジュリーニ、皆年をとると、テンポが遅くなるのですが、カラヤンとアバドは、遅くなりませんでしたね。
凄いことだと思います。
アバドのマーラー9番なんかも一枚のデスクに納まりましたね。
ベートーヴェンなんかは逆にテンポが速くなった。
あと、アバドはモーツァルトも良いと思います。
ソニー時代、グラモフォンに移ってからも、しばしばモーツァルト録音してますよね。イタリア指揮者ですから、歌わせることはやはり上手い。
投稿: oki | 2014.01.22 23:11
to okiさん
アバドでおもしろいのは指揮台にあがるとすぐ
はじめることです。ベルリンフィルはそれを
知っているから敏感に反応して演奏がスタートする。
とにかくテンポがスピーディですね。これは性分
なので変わりようがないのでしょう。
またどの作曲家のものでも解釈が深くて明快な
演奏ぶりにはほとほと感服させられます。そして
誰からも愛される人間性のよさ。偉大な指揮者
ですね。
投稿: いづつや | 2014.01.23 01:04