« ‘大浮世絵展’は浮世絵のオールスターゲーム! 歌麿 | トップページ | 北斎・広重の定番風景画! »

2014.01.09

国宝‘彦根屏風’と春信の傑作に再会!

Img     国宝‘彦根屏風’(1624~44年 彦根城博)

Img_0001      鈴木春信の‘雪中相合傘’(1767年頃 大英博)

Img_0002 勝川春潮の‘田圃道の遊山’(1781~1801年 ベルリンアジア美)

Img_0003_2     歌川豊国の‘三代目瀬川菊之丞’(1796年頃 大英博)

江戸東博で2日からはじまった‘大浮世絵展’、展示室に入ってすぐ国宝‘彦根屏風’が出迎えてくれる。いきなり風俗画の傑作がみれるのだから豪華な演出。これをみるのは二度目なのだが、この前いつどこでみたのかどうしても記憶が戻ってこない。

六曲一双の屏風は一部コンディションの悪い所がある。だから、はじめてみる人はこれが国宝?と違和感を感じるかもしれない。右と左では人物の恰好が違う。右の4人が立ち姿であるのに対し、左は皆座って双六遊びをしたり三味線をひいたり、また文を書いたりしている。

視線が向かうのが左の若衆、刀を支えにして腰を極端に曲げるインパクトのあるポーズをとっているので一度みたら忘れられない。風俗画をみる楽しみのひとつが描かれている人物が身に着けている着物の柄、いずれもはっとするような斬新な意匠、日本はきもの文化があるおかげで装飾的な意匠が非常に発達した。

今回みた鈴木春信(1725~1770)は3点、そのなかに跳びあがるほど嬉しい傑作があった。12年前行われた回顧展でお目にかかった‘雪中相合傘’。相合傘という抒情的な描写に心がぐっと惹きつけられ雪や衣装に施された空摺にも目が釘付けになる。これは歌麿の‘四季遊花之色香 上下’とともに大英博自慢のお宝浮世絵。会期中ずっとでているのでいつ出かけてもみれる。ご安心を。

ベルリンからやって来た勝川春潮(1781~1801)の‘田圃道の遊山’の前にも長くいた。絵は過去に2度くらいみたことがあるが、いつも手前横に並んだ女性たちよりもその背景に描かれた田圃の情景を人物が小さくなる遠くまで追っかけてしまう。

歌川派の総帥豊国(1769~1825)はまだ回顧展を一度も体験してないが、浮世絵の展覧会を度重ねることにより作品の数がだいぶふえてきた。3点みたなかで収穫は役者絵の‘三代目瀬川菊之丞’。図録にはとても気になる‘雨乞い小まち’(ギメ美)が載ってるが、これは残念ながら東京展では展示されない。

|

« ‘大浮世絵展’は浮世絵のオールスターゲーム! 歌麿 | トップページ | 北斎・広重の定番風景画! »

コメント

今晩は。

しんしんと降りつむ雪の中「三人相合傘」の暖かく親密な幸福感よ、とでも言いましょうか。
あるいはまた、白刃のような柳の枝に見守られつつ、耽美の死地へ赴く二人の密やかな道行… とでも言いましょうか。
春信の「雪中相合傘」いいですね。
美しさの故にあれこれ想像させられてしまう春信の絵の「思わせ振り」は、フェルメールともちょっと似た感じがします。
もっともフェルメールと違って、こちらは主におじさん達が振り回されているようですが(笑)。
しかしそれにしても江戸時代、大衆文化というものが、これ程の品格ある小宇宙を生み出し得たとは! 
世界に誇りうる日本美術の逸品ですね。

私もこの絵は何度か見ているのですが、いづつやさんに刺激を受けて、今回再び見に行くことにしました。
栄之の肉筆や祇園井特(是非一点欲しい!)なども楽しみです。
お陰様で財布も軽くなりますです(笑)。ではまた。

投稿: minchou | 2014.01.12 00:59

to minchouさん
春信の浮世絵は幼っぽいというかやさしくて重く
ないところがいいですね。この春信の描く文学的
な浮世絵がとても気に入ってます。仰る通り世界
に誇れる文化遺産ですね。

大英博の‘相合傘’があったのにはびっくりです。
物語を勝手に想像してしまいますよね。そして
白と黒のコントラスト、西洋絵画ではマネの黒
に惹かれますが、浮世絵では春信の黒がぐっと
きます。

後期にでてくる2点も期待してます。minchou
さんもどうかお楽しみください。

投稿: いづつや | 2014.01.12 10:09

大浮世絵展に行ってまいりました。

これまで浮世絵はずいぶん見てきましたが、今回の展覧会はやはり必見のものですね。

あいにく彦根屏風は展示されていませんでしたが、その分、洛中洛外図のように江戸を描いた屏風が展示してあり、全体として期待を上回る充実した作品群でした。

勝川春潮の『田圃道の遊山』には江戸近郊の光景だとのことですが、新たな市民社会ができて大都市の郊外に遊びに出るというのは、印象派の画家たちの描いた行楽の絵と重なりました。江戸時代の日本は、本当に進んでいたのですね。

個人的には、藍摺り絵などにも非常に惹かれましたが、何といっても展示されている索引の多様さに感嘆しました。発想の豊かさ、無限さ・・・当時の絵師たちは、本当に想像力の限りを尽くして制作したのですね。

投稿: ケンスケ | 2014.01.31 22:26

to ケンスケさん
出光美の江戸名所図は色がよく残り人物描写も
大きいのでじっくりみるとおもしろいですね。

出品リストをみて出動するタイミングを調整し
てますが、チケットは開幕前に3枚買っておき
ましたので、もう2回でかけます。こういう
ビックな浮世絵展に遭遇する機会はなかなかあ
りませんから、できるだけ多くの作品を目に
焼きつける作戦です。

印象派が新しい都市に生きる人々の光景を活写
したのと日本の浮世絵に描かれた人物や風景は
つながっていますね。フランス人の日本好きは
このころからはじまってます。ともに100万
都市のパリと江戸、文化や芸術の花が咲くはず
ですね。

投稿: いづつや | 2014.02.01 14:45

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 国宝‘彦根屏風’と春信の傑作に再会!:

« ‘大浮世絵展’は浮世絵のオールスターゲーム! 歌麿 | トップページ | 北斎・広重の定番風景画! »