2013年感動の展覧会 ベスト10!
今年みた展覧会のベスト10を選んだ。出動回数は40ちょっとだから、以前ほど10に絞りむのに苦労しなくなった。でかける展覧会は減っているけれど、それによってアートライフのテンションが下がっているわけではない。その逆でいい展覧会を心の底から楽しむことが多く、芸術の力が日々のくらしを豊かなものにしてくれている。いつものように選んだ10の展覧会には順位はつけない。開催された順番に並んでいる。
★‘エル・グレコ展’ 1/9~4/7 東京都美
★‘円空展’ 1/12~4/7 東博
★‘狩野山楽・山雪展’ 3/30~5/12 京博
★‘貴婦人と一角獣展’ 4/25~7/15 国立新美
★‘プーシキン美展’ 7/6~9/16 横浜美
★‘アメリカン・ポップ・アート展’ 8/7~10/21 国立新美
★‘竹内栖鳳展’ 9/3~10/14 東近美
★‘ターナー展’ 10/8~12/8 東京都美
★‘カイユボット展’ 10/10~12/29 ブリジストン美
★‘光悦展’ 10/26~12/1 五島美
展覧会のタイプとしては一人の作家に光をあてる回顧展に鑑賞エネルギーの大半が注がれており、テーマ型のものにでかけるのは追っかけ画が出品されているときだけ。だから、感動の総量が大きい回顧展がずらっと並ぶ。
そして、これが一番の決め手なのだが、追っかけ画をはじめとして初見の作品が沢山でていたものは感動が最高に高まる。このためすでにみている作品が多い‘ラファエロ展’(西洋美)はすばらしい回顧展だったが、選から外れる。
今年ははじめて体験する回顧展が3つあった。カイユボット、竹内栖鳳、そして今村紫紅。夢中になってみたのが竹内栖鳳とカイユボット。栖鳳展を開催した東近美は上村松園展と同様実力をみせつけた。そしてカイユボット展を企画したブリジストン美、予想を大きく上回るいい作品が次から次とでてくるのでびっくりした。忘れられない展覧会になった。
ビッグネームのエル・グレコとターナーの回顧展をみれたのも特筆もの。グレコの晩年の傑作‘無原罪のお宿り’とターナーの光輝く‘レグルス’には体が震えた。こうした傑作が日本でみれたことを心から喜んでいる。そして日本の展覧会シーンはすごいなと思わずにはいられないのがパリのクリュニー中世美からやって来た‘貴婦人と一角獣’。噂通りの美しいタピスリーに心を奪われた。
日本画の大収穫はなんといっても京博で行われた‘狩野山楽・山雪展’、一度みている作品もかなりあったが、アイルランドから里帰りした‘長恨歌図巻’などがみれたので大満足。山雪のすごさを再認識した。京博に次期待したいのは池大雅展、これも是非実現して欲しい。
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コメント
おっ、さすがいづつやさん。
僕とは、ターナーと貴婦人と一角獣、が重なりました。
僕はベストスリーに、夏目漱石の美術世界展をあげました。
そうそう、カイユボットと、五島の光悦も素晴らしかったですね。
来年は、浮世絵がいっぱい来るのと、日本美術の祭典とか、ラファエル前派とか次々に、きますね。
お金がまたかかりますが楽しみましょう、来年もよろしくお願いします。
投稿: oki | 2013.12.27 23:41
to okiさん
今年は西洋絵画のほうに関心のウエートが寄って
ました。新鮮度でいうと一番はカイユボットですね。
これほどいい作品が集まったのですからブリジス
トンもたいしたものです。ターナーもテートブリ
テンの図録に載っているいい絵が沢山でてきまし
たから申し分ありません。
来年はスタートは日本画、浮世絵がいいですね。
楽しみです。そして、Bunkamuraのシャヴァンヌ展
も期待大です。もうすぐはじまりますね。忙しく
なりそうです。
投稿: いづつや | 2013.12.28 00:57
今年の美術展は、素晴らしいものが多かったですね。いづつやさんのベスト10の中で『円空展』と『光悦展』は、見ていないのですが、そのほかの展覧会はそれぞれ印象に残っています。
さて日本美術の中では、いづつやさんのご紹介で京都まで行って見た『山楽・山雪展』にもっとも感銘を受けました。何といっても代表作がずらりと揃っていたのは圧巻でした。
そのほか私にはファインバーグ・コレクションの江戸絵画も珠玉の作品群で思い出になっています。
西洋の美術展では、やはり代表作が多かった『エル・グレコ展』が迫力があったように思います。ターナーの作品をまとめて見ることができた『ターナー展』も貴重でした。
ラファエロ展は小品が主体でしたが、それでも日本では『貴婦人と一角獣展』同様、今後二度とないかもしれない有難い機会だったと思います。
ルノワールの作品がたくさん見られたクラーク・コレクションも素晴らしかったですね。
投稿: ケンスケ | 2013.12.29 21:05
to ケンスケさん
日本画は山楽・山雪展と竹内栖鳳展が心に残り
ます。こういう代表作全部みせますという回顧展
は本当に感動しますね。
今年は印象深い西洋絵画展が多かったですね。
エル・グレコ、クラークコレクション、ラファエロ、
ターナー、カイユボット、そして傑作が集結した
プーシキン美、
来年は日本画展や中国の美術品の傑作で構成される
故宮展が楽しみですが、西洋絵画もシャヴァンヌ、
バルテュス、ウォーホル、ロセッティ、ルソー、
ホイッスラーがきますから期待で胸が高まります。
投稿: いづつや | 2013.12.29 23:46