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2013.12.22

模写でわかる観山の卓越した画技!

Img_0001_2     下村観山の‘遊歴の騎士(ミレイの模写)’(1904年 横浜美)

Img_0005_2     ミレイの‘遊歴の騎士’(1870年 ロンドン テート・ブリテン)

Img_0002     下村観山の‘椅子の聖母(ラファエロの模写)’(1904年 横浜美)

Img_0007_2     ラファエロの‘椅子の聖母’(1515~16年 フィレンツェ ピッティ美)

プロの画家になろうと思ったら優れた日曜画家がもっているテクニックのさらに上の技量を身につけないととても生きてはいけない。そうした確かな腕前をもった画家たちだけが顧客の注文に応えることができる。プロ同士の競争は大変厳しいが、仲間たちをうならせるほどのテクニックを発揮し独自の画業を切り開いていく画家も存在する。下村観山((1873~1930)もそんな画家のひとり。

横浜美で開催中の回顧展(12/7~2/11)には観山の技量が抜群だったことがすぐわかる作品がでている。それは西洋画の模写、観山は30歳のときイギリスへ2年間留学し、そのとき西洋画の技法を習得するため名画を貪欲に摸写した。その模写の一枚がミレイの描いた‘遊歴の騎士’。

原画は5年前Bunkamuraで開催された‘ミレイ展’に展示されたので、記憶に新しいところ。この油彩画を観山は水彩で描いている。じつはこの模写をみるのは3度目なのだが、手元にあるミレイ展の図録と一緒にならべてみるとびっくりするほどよく描けている。もう完璧な模写という感じ。日本画家の観山が描いたこの模写をみて当時の洋画家たちは‘参りました!’だったにちがいない。

横浜美はラファエロの作品を模写した2点も所蔵しており、今回一緒に展示してある。‘椅子の聖母’と‘まひわの聖母’。観山は2点ともラファエロの原画ではなくロンドンにあった模写を前にして描いたので原画とはすこしちがうが、どちらもラファエロの絵をみているような気分にさせてくれる。はじめて接する西洋画なのにこんなに原画の雰囲気を忠実に伝えられるのだから、観山の絵描きとしての才能は本当にスゴイなと思う。

模写ではない作品で西洋絵画の描き方がそのまま使われた異色の絵があった。‘魚籃観音’、中央の観音の顔がなんとあのダ・ヴィンチの‘モナリザ’、これには誰だって足がとまるし、誰だってモナリザだとわかる。日本画の展覧会をみにきて西洋絵画が楽しめるのは観山のほかには誰もいない。

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