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2013.12.21

待望の‘下村観山展’!

Img_0001       ‘闍維(じゃい)’(1898年 横浜美)

Img_0003     ‘蒙古襲来図’(1895年 東京大学)

Img      ‘弱法師(よろぼし)’(重文 1915年 東博)

Img_0002             ‘酔李白’(1918年 北野美)

今年の後半、横浜では関心の高い日本画家の回顧展が3つ続いた。まず‘横山大観展’(横浜美)があり、次が‘今村紫紅展’(三渓園)、そして最後が‘下村観山展’(横浜美 12/7~2/11)。

下村観山(1873~1930)の回顧展を体験するのは2度目、はじめての観山展は7年前に三渓園で行われたもの。このときは重文の‘弱法師’や‘大原御幸’(東近美)などが25点出品された。今回横浜美が主催する回顧展は規模としては最大級、作品は前期(12/7~1/8)・後期(1/10~2/11)合わせて138点もでてくる。でかける前は三渓園でもみているから1回でいいかなと思ったが、図録をみると鑑賞欲をそそる作品が後期にも登場するので年が明けてからまた足を運ぶことになりそう。

展示室に入っていきなりいい絵と対面することになった。釈迦を荼毘にふすところを描いた‘闇維’、10年前はじめてこの絵をみたときなんて読むのはわからなかったが、今は‘じゃい’(荼毘のこと)とすっといえるようになった。やっぱりすごい絵。息を吞んで見入ってしまう。

次に足がとまったのが観山が22歳のときに描いた‘蒙古襲来図’、これは初見の絵だが迫力のある戦闘シーンは劇画をみているよう。視線がむかうのは日本の武者よりも攻めてくる蒙古軍のほう、円の陣形をつくり攻め立ててくるさまは強靭でスピード感が感じられ思わず唸ってしまった。収穫の一枚。

東博にある‘弱法師’をみるのは久しぶり、この絵がみるといつも3つのことを思う。失明した俊徳丸が御爺さんのように老けていることの不思議さ、地を這うような枝ぶりが目をひく臥龍梅、そして左の金地に映える大きな夕日。弱法師のストーリーを知っていなくても、この絵はじっとみていると心が揺さぶられる。

中国や日本の歴史上の人物を描いたものが沢山でているが、最も魅了されたのが‘酔李白’、西洋風にとらえると偉大な王が眠っている感じ。また、松岡美蔵の‘一休禅師’も見ごたえのある肖像画、一休は一度みたことのある永青文庫蔵のものが後期に展示されるが、好みは今回みたもの。

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コメント

今日行ってきました。
一番驚いたのは、ダヴィンチのモナリザを下敷きにした、魚藍観音様。
観山という人は、三猿、でも、猿を描かずに三老人を描くなど、冒険心に富んでいるなと感じました。
良い展覧会でしたね。
いづつやさんは、もう今年の展覧会は終わりですか?
僕はもう少し、良いクリスマスを!

投稿: oki | 2013.12.24 22:12

to okiさん
観山のモナリザみられましたか!
このモナリザ観音と会うのは2度目なのですが、
一瞬ぎょっとしますね。技量抜群なので、
ダヴィンチのスフマートが自分には描けるのだ
と筆をとったのかもしれませんね。

日本画家ですが、絵描きとして幅広く研究して
いるところがスゴイと思います。

今年は観山展でおしまいです。年が開けると
シャヴァンヌ展や大浮世絵展など期待の展覧会
がはじまりますから楽しみですね。
メリークリスマス!

投稿: いづつや | 2013.12.24 23:37

やっと時間ができて、本日、観山展に行ってまいりました。期待以上に素晴らしい展覧会で、多くの作品の前で足が止まりました。

ご紹介以外の作品についてコメントさせていただきますね。

『小倉』は、紅葉や木の描写に本当に惹かれます。以前から思っていたのですが観山の木立の描写は、『もののけ姫』の森の描写を思い出します! 宮崎監督は、観山にインスピレーションを受けていたのでは?と考えてしまうのですが。

大作の『老松白藤図』は、松と藤しか描かれていないのに松の幹から極細の枝、松ぼっくりに至るまで観山の技巧の集大成という感じで、見とれました。

人物の描き方も巧みで、上村松園を思い出すような美人画なども見事ですね。

投稿: ケンスケ | 2013.12.27 21:02

to ケンスケさん
観山は木が得意ですね。太い幹を琳派の技法たら
しこみなどで装飾的に描き、奥行きのある木立ち
の空間に仕上げています。

西洋画、大和絵、琳派、そして絵の手ほどきを
うけた狩野派を吸収して独自の画風をつくりま
した。ビッグな画家です。詩情あふれる古典画が
やはりぐっときますね。

投稿: いづつや | 2013.12.28 00:48

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