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2013.11.20

‘光の賛歌 印象派展’ セーヌ・ノルマンディーの水辺!

Img_2     シスレーの‘モレの橋’(1893年 オルセー美)

Img_0001  ピサロの‘ルーアンのポワエルデュー橋、日没’(1896年 バーミンガム美)

Img_0002     モネの‘荒天のエトルタ’(1883年 ヴィクトリア国立美)

Img_0003     カイユボットの‘トゥルーヴィルのレガッタ’(1884年 トリード美)

印象派の画家たちが光をもとめて出かけたところはセーヌ川沿いの町や切り立った断崖や海水浴場のあるノルマンディー海岸、‘光の賛歌 印象派展’(10/22~1/5)では作品約80点はこの二つの水辺の風景という切り口によって構成されている。

数の多いのがモネ、全部で27点でている。その次がシスレー、16点。そしてピサロは8点ある。展示はセーヌ川の水辺を光景を描いたシスレー(1839~1899)からはじまる。これまでシスレーというと光の描写が控えめな画家というイメージがあり、このため色彩が光り輝くモネに対する愛着度を10とするとシスレーは6くらいというのが正直なところ。

だから、16点ある作品のなかでぐっと惹きつけられたのは3点だった。昨日とりあげた‘春の小さな草地’とオルセーの‘モレの橋’、そして‘サン=マメスのロワン川’(ボストン美)。オルセーはシスレーを35点以上所蔵しているが、これまで何点みただろうか、常時展示されているのは‘ポール・マルリーの洪水’とか‘アルジャントゥイユの歩道橋’など数点だからせいぜい片手くらい。この明るい空の青と建物の赤橙色のコントラストが目を惹く‘モレの橋’も初見の一枚。これは大きな収穫だった。

光の輝き具合に圧倒されるのがピサロ(1830~1903)の‘ルーアンのボワエルデュー橋、日没’。ピサロの作品には結構出会ったが、これほど太陽の光が強烈に目にはいってきたのははじめて。橋の向こうの川の様子がよくつかめないほど馬車や人の行き交う橋と川と煙をあげる列車?がひとつに溶け合って描かれている。

このピサロの作品と同じくらい強いインパクトをもっているのがモネ(1840~1926)の描いた‘荒天のエトルタ’、海岸にうちよせる荒々しい波を表す白の激しいタッチがじつに印象深く、体全体が自然への畏怖の念でつつまれる。この絵は2010年パリのグランパレで行われたモネの大回顧展(拙ブログ10/12/2)にも出品された。

チラシをみて是非とも本物をと思ったのがカイユボット(1848~1894)の‘トゥルーヴィルのレガッタ’、魅了されるのはそのスッキリした構図と明るい色彩。図録にはもう一点、同じ建物を別のところから描いた‘トゥルーヴィルの別荘’(東京富士美蔵)が載っている。この絵は今ブリジストン美で開催中の‘カイユボット展’(12/29まで)に出品されているため、ここでは展示されない。

見終わっていつものように図録を買い、頁をぱらぱらめくっているとびっくり仰天の絵が目にとびこんできた。それはマネの画集に必ず載っている‘アルジャントゥイユ’(トゥルネー美)。ええー、この絵もやって来るの!?別の展示期間?一瞬あせった。でも、ここでの展示はなし。東京富士美、福岡市博のあとに巡回する京都文化博のみの展示だった。俄然追っかけたくなった。

・福岡市博 2014/1/15~3/2
・京都文化博 3/11~5/11

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コメント

明日行く予定です。ですので、今日は早寝。
いづつやさん、横浜から八王子って、JRでも簡単に行けるんじゃないかと。
まあともかく、ここは、常設も凄くて、カナレットなんかもありますからね。
世田谷の僕のいえからだと、一日がかり、ということで、お休みなさい。

投稿: oki | 2013.11.21 22:25

to okiさん
セーヌ川、ノルマンディー海岸の旅をどうか
お楽しみ下さい。印象派に乾杯です。

投稿: いづつや | 2013.11.22 00:02

時間を見つけ、ようやく富士美術館に行ってまいりました。期待通りの粒ぞろいの作品群でした。

シスレーが多いですが、モネ、ルノワール、ピサロ、モリゾなどもいい作品がありますね。

ルノワールの『ブ―ジヴァルのダンス』とは9年ぶりくらいの再会でしたが、やはり色彩が光っています。カイユボットの『トゥルーヴィルのレガッタ』の前でも立ち止りましたが、カイユボット展を見た後だけに興味深かったです。

常設展もゆっくり見たのですが作品数も多く、とても充実した作品鑑賞になりました。改めて、ラ・トゥールの『煙草を吸う男』に魅せられましたし、ハルス、ゲインズバラ、ターナーなども堪能しました。

疲れてしまったことだけが問題の贅沢な経験でした。

投稿: ケンスケ | 2013.11.29 21:02

to ケンスケさん
久しぶりに行われた本格的な印象派展でしたね。
見逃したら悔いの残る展覧会でした。‘ブージヴァ
ルのダンス’のあの圧倒的な存在感、まさに傑作
ですね。3点のダンスの絵のなかではこれに最も
痺れてます。

カイユボットの絵はおっしゃるとおりブリジストン
の回顧展をみたあとですから、過剰なほどに反応
しますね。これは大収穫でした。

ラ・トゥールが日本の美術館でみれるのですから、
たまりません。常設展と特別展をみて1200円は
安いですね。箱根のポーラ美のように駐車料金を
とられることもありませんし。

投稿: いづつや | 2013.11.29 23:32

今日行ってきました。
印象派イヤーの最後を飾るに相応しい素晴らしい企画展でしたね。
シスレーが初めの方にたくさん出ているのでビックリしたのと、ルノワールの後のヴァラドンを描いた絵にビックリしたのと、モネのデビュー作を日本の丸沼芸術の森が持っているのにビックリしたのと、まあビックリしどおしでしたね。
会場並びに図録の地図を丹念に眺めました。
本当八王子の山奥まで行って良かったです。

投稿: oki | 2013.12.11 22:10

to okiさん
図録に載っている地図が作品の描かれた場所を
イメージするのに大変役立ってます。印象派展、
モネ展の図録が何冊もありますが、この地図
が最も詳しいです。ノルマンディーの海岸への
旅心がむくむくと湧いてきました。

富士美は今回とてもいい印象派展を開催してく
れましたね。これだけの作品を集めてくるのは
大変だと思います。でも、日本には印象派が大好
きな人が沢山いますから、質の高いものをやろう
となるのでしょうね。大拍手です。

マネの有名な絵がみれなかったのは残念でしたが、
これは来年京都まで追っかけるつもりです。

投稿: いづつや | 2013.12.12 09:51

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