« 開運! なんでも鑑定団 放送1000回 | トップページ | 三渓園で待望の‘今村紫紅展’! »

2013.11.14

大観の傑作‘夜桜’と再会!

Img_0001     横山大観の‘夜桜’(左隻 1929年 大倉集古館)

Img_0011              横山大観の‘井筒’(1897年 広島県美)

Img_0009     富田渓仙の‘若菜摘’(1912年 京近美)

Img_0007                今村紫紅の‘細雨’(1915年 横浜美)

横浜美で行なわれている‘横山大観展’の後期(11/1~11/24)に展示される作品をみてきた。今回の大観展は‘大観プラスフォー’というこれまでとちがったタイプの回顧展。だから、作品がバラエティに富んでいてとても楽しい。以前出光美で‘小杉放菴と大観’(2009年)をみたが、横浜美はこれにヒントを得たのかもしれない。

作品の数(通期)でいうと、
★横山大観  81点
★大観&ほかの画家の合作 4点
★今村紫紅  12点
★小杉放菴  13点
★小川芋銭  15点
★富田渓仙  16点

後期にでている横山大観(1868~1958)の目玉作品は昭和4年に描かれた‘夜桜’、5年ぶりにみた。大観作品のなかでこの絵に最も魅せられているから、いい気分でみていた。琳派狂いの目からするとこの‘夜桜’は加山又造の‘千羽鶴’(東近美)とともに琳派のDNAを受け継ぐ大傑作。

盟友の菱田春草が長谷川等伯の描いた‘松林図’を思わせるような静謐な世界を象徴的に表現した‘落葉’(重文 永青文庫)を残したのに対し、大観は琳派の意匠性や生き生きとしたリズム感をしっかり吸収し、赤いかがり火に照らされて浮かび上がる夜の山桜を装飾性豊かに描き上げた。これをみるたびに大観の画技の高さに感服させられる。

今回嬉しい絵と再会した。広島に住んでいるときにみた‘井筒’。拙ブログの名前が‘いづつや’になっているのはこの井筒が苗字だから。そのためこの絵には特別の思い入れがある。井筒とは井戸のまわりの囲いのこと。‘伊勢物語’にでてくる幼き恋の物語が絵画化されている。なんとも微笑ましい光景、もじもじする気持ちはよくわかる。

‘井筒’と同じくらいかわいらしい絵がある。それは富田渓仙(1879~1936)の‘若菜摘’、これは5,6年前にあった渓仙の‘回顧展’でお目にかかった。舟に乗っている3人の女は大人にはとてもみえない。その柿のように四角で丸い顔がとても愛らしい、舟のむこうの岩のところでは水が激しく流れ落ち緊張感があるのに、舟のまわりはほわっとした空気が流れている。このアンバランスな構成にわけもなく惹かれる。

今村紫紅(1880~1916)の‘細雨’にも思わず足がとまる。あまりみかけない雨の絵。雨はうす緑や茶色の細い線で表現されている。よくみるとこの線は縦長の掛け軸の上から下まで途切れることなく無数に引かれている。確かに雨はまっすぐ落ちているのだからこのような描き方は不思議でもなんでもないのだが、雨の絵というすぐ広重の‘大はしあたけの夕立’にみられる斜めの線を連想するから、この雨の表現は新鮮に感じられる。

|

« 開運! なんでも鑑定団 放送1000回 | トップページ | 三渓園で待望の‘今村紫紅展’! »

コメント

横山大観展は前期に行ってきました。『千与四郎』や『野の花』が出ていた前期以上に、後期は充実した内容なのでしょうか。いづれにしても『夜桜』は実見したことがないので、ぜひ見たいのですが。ご紹介の『井筒』や富田渓仙の『若菜摘』も魅力的ですね!

私には横浜はちょっと遠いのですが、なんとか時間を作って、もう一度行ってみようかと思います。

投稿: ケンスケ | 2013.11.15 08:08

to ケンスケさん
展示作品は前期後期でバランスをとってますから、
後期にもいい絵がいくつもあります。

‘夜桜’は以前にも書いたのですか1989年に
‘昭和の日本画100選展’(朝日新聞主催)が
あり、美術史家、文芸評論家など200人が選ん
だ100点の中でベスト1になった絵です。
専門家の折り紙付きですから是非お楽しみください。

また、‘若菜摘’は大作でして、いいですよ。
大観はもう一点すばらしい滝の絵‘雲揺らぐ’を
お見逃しなく。

投稿: いづつや | 2013.11.15 10:35

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 大観の傑作‘夜桜’と再会!:

« 開運! なんでも鑑定団 放送1000回 | トップページ | 三渓園で待望の‘今村紫紅展’! »