« ビッグニュース! Bunkamuraで‘シャヴァンヌ展’ | トップページ | ‘京都展’ 洛中洛外図は楽し! »

2013.10.09

名画がずらっと揃った‘ターナー展’!

Img     ‘スピットヘッド’(1808年)

Img_0003     ‘レグルス’(1828年)

Img_0007     ‘平和ー水葬’(1842年)

Img_0004     ‘湖に沈む夕陽’(1840~45年)

上野へ出かけ待望の‘ターナー展’(10/8~12/8)をみてきた。開幕するまで展覧会の内容を知らせるチラシが複数つくられ主だった出品が両手くらい載っていたから、この日本初の回顧展に対する期待値がどんどんあがっていた。その絵と次々遭遇し館内では終始ご機嫌だった。

作品は2点を除きすべてロンドンにあるテートブリテンが所蔵するもの。油彩、水彩、スケッチブックなどが110点。展示の仕方はオーソドックスに若い頃の作品から順番に飾られ最後に晩年のものが6点でてくる。

手元に現地で購入した美術館がつくったターナー(1775~1851)の画集があり、家に帰ったあとそこに載っている作品と今回出品されているものをつきあわせてみた。125点のうち20点がやってきた。だから、ラインナップはかなり見ごたえがある。

テートブリテンのターナールームは定期的に作品をローテーションしているので、4,5回くらい足を運ばないと全部をみとどけることはできない。今回はそのローテーション1回分をみた感じ。日本に居ながらターナーの傑作を体験できるのだから、これは一つの‘事件’といっていい。

33歳のころに描かれた‘スピットヘッド:ポーツマス港に入る拿捕された二隻のデンマーク船’は画面の下1/3の波の表現に目が釘づけになった。中央に拿捕されたデンマークの船やイギリス海軍の船が横一線にきれいに配置されており、そこがまるで崖の上のほうにみえ小舟が波にゆれているところまで岩がどどっと崩れ落ちたような感じ。

最も心を奪われたのが‘レグルス’、絵からだいぶ離れたところからでも吸い寄せられそうになるくらい強い磁力を発していた。絵自体がまるで発光体のよう。こういう強い光を感じさせる絵はそうない。風景画では印象派のモネとカイユボット、そして人物画ではフェルメール、ルノワールとサージェントの女性の肖像画など。全部あわせても片手くらい。この神々しいくらいまぶしい光を息を呑んでみていた。

最後の部屋にぐっとくる作品が3点ある。対になっている‘平和ー水葬’と‘戦争、流刑者とカサ貝’、‘湖に沈む夕陽’。船体の黒の輝きに強いインパクトがあり、銀が塗りこめられたようにみえる光が海面に反射する光景が目を惹く‘平和ー水葬’。思わず背筋がしゃんとした。ナポレオンが描かれた‘戦争’は現地でみたことがあるので、このペアとなる絵が日本でみれたのは幸運だった。

‘湖に沈む夕陽’をながめていてすぐ頭をよぎったのがブリジストン美にあるザオ・ウーキーの作品。こういう画風になるともう抽象画の世界にかなり足をつっこんでいる。ウーキーはモネよりもターナーのほうに影響を受けたのかもしれない。

満足度200%の展覧会だった。ミューズに感謝!

|

« ビッグニュース! Bunkamuraで‘シャヴァンヌ展’ | トップページ | ‘京都展’ 洛中洛外図は楽し! »

コメント

私も初日に行ってまいりました。

作品数が本当に多くて、ちょっと疲れてしまいましたが、これほどまとまってターナーの作品が日本で見られるのは、もうこの先長いことないかもしれませんね。

ご紹介作品以外にも、今回ヴェネツィアを初めイタリアの風景画にいい作品が何点かあり、見とれました。

また人物などを加えるだけにして未完のまま残された作品群も興味深く見ました。

モネもそうですが最後に抽象の世界に足を踏み入れているのは、光を極限まで描写しようとした結果なのでしょうか。

それにしてもモネと比べても何十年も前に、こんなに近代的な作風を持っていたなんて驚きです。

投稿: ケンスケ | 2013.10.09 23:00

to ケンスケさん
みたかったターナー作品がいくつもでてきまし
たから、満ち足りた気分になってます。

今年は1月にフィラデルフィア美で‘国会議事堂
の炎上’と対面し、今回‘レグルス’など名作が
ごそっとみれましたから、これ以上の幸せはあり
ません。

これで次のターゲットが決まりました。‘吹雪’
をなんとしてもみたいですね。

投稿: いづつや | 2013.10.09 23:29

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 名画がずらっと揃った‘ターナー展’!:

« ビッグニュース! Bunkamuraで‘シャヴァンヌ展’ | トップページ | ‘京都展’ 洛中洛外図は楽し! »