小田原の外郎は薬だった!
数日前TV番組‘江戸のススメ’(BSTBS)でテーマにしていた‘江戸の値段’のことをアップしたが、その前の週にあった‘宣伝と広告’も興味深い話がいくつもでてきた。
小田原は伊豆をめぐるバスツアーに参加したとき、お土産購入タイムでかまぼこの‘鈴廣’に立ち寄ったくらいで、観光名所の小田原城などへは行ったことがない。だから、小田原というとすぐかまぼこというイメージができている。
‘江戸のススメ’に小田原の外郎がでてきた。まだこの外郎を食べたことがないのだが、もち米と砂糖を原料とする蒸し菓子ではない。薬、ええー!?これははじめて知った。薬の‘ういろう’は江戸時代、胃痛や腹痛などに効くといわれる道中常備薬だった。今でも小田原城の近く国道1号線に面しているお店‘ういろう’で対面販売されているという。
知らないついでが歌舞伎十八番のひとつ‘外郎売’。享保3年(1718)二代目市川団十郎が初演したこの芝居のなかに‘ういろう’の行商人が登場し、薬の効用やら名前の由来やらを早口で歯切れよくまくしたてる。テンポのいい長セリフに観客は拍手喝采したという。二代目団十郎がこの狂言を演じたのはこの薬が長らく患っていた喉の痛みを治してくれたから。
薬は実際には行商人が売ることはなかったのだが、二代目団十郎が感謝の気持ちをこめてこういう芝居に仕立て‘ういろう’を大いに宣伝した。葛飾北斎の絵はこの芝居をもとにして描いたもの。
では菓子の‘ういろう’はいつから売られたのか、こちらのほうは外郎家が来客の接待用につくったもので二代目が売り出した。まだ口のなかに入れてないので、今度東京駅のえきなかにあるお土産屋をさがしてみようと思う。もともと外郎とかカステラは好物なのでちょっと楽しみ。
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