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2013.10.02

日本の美 萩! 平安から描き継がれてきた秋の定番モチーフ

Img_0002     国宝‘源氏物語絵巻 御法’(復元模写 12世紀前半 五島美)

Img     長谷川等伯の‘萩芒図屏風’(右隻 17世紀初期 京都・相国寺)

Img_0005     酒井抱一の‘四季花鳥図巻’(部分 1818年 東博)

Img_0001     鈴木其一の‘萩月図襖’(19世紀 東京富士美)

風に吹かれる萩やすすきをみると秋の到来を実感する。萩もすすきも平安時代のころから描かれてきた。

名古屋にある徳川美と東京の五島美が所有する国宝‘源氏物語絵巻’、その復元模写19図が2005年11月徳川美でオリジナルと一緒に展示された。この模写は200%大拍手の労作、以来定期的にながめいい気持ちになっている。‘宿木三’と‘御法(みのり)’に心を揺すぶる萩がでてくる。

光源氏の妻、紫の上が亡くなる場面が描かれている‘御法’、桔梗とともに咲き誇る萩は茎が風に吹かれて大きくまがっているのが印象的。死がそこまで忍び寄っている紫の上のはかない命を暗示しているよう。

長谷川等伯(1539~1610)は六曲一双の金地の屏風に萩(右隻)とすすき(左隻)を装飾的に描いている。沢山描かれた萩は右から左へだんだんと横に傾いていく。背景の残された金地の部分のとりかたが絶妙なのでゆたっりとした気分で眺められる。こういう構成は並みの絵師には描けない。右の上では萩のてっぺんをあえて画面からはみださせ、広がりのある萩の姿にみせている。

酒井抱一(1761~1828)の‘四季花鳥図巻’は東博の‘秋の特別公開’(9/18~29)に展示されていたから楽しまれた方も多いかもしれない。大きな月と萩の組み合わせはこの図巻の見どころのひとつ。月にかかるように上から垂れさがる紅白の萩、そこに鈴虫がいる。まさに秋モード全開といったところ。

鈴木其一(1796~1858)も師匠に倣って襖に萩月図を描いた。ラグビーのボールのような月と紅白の萩の安定感を感じさせる配置がなんともすばらしい。この絵の前ではいつも隣の方と‘いいねえ!’を連発しながらみている。

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コメント

私も等伯のこの絵は印象に残っています。実を言うと、松林図を除くと等伯の作品は、すごいなとは思うものの、心に響くものがあまり記憶にないのですが、これはその数少ない例外なのです、私にとって。いづつやさんのおかげでこうして久しぶりに見ることができました、ありがとうございます。本当にうまく構成されていて惚れ惚れしますね。

投稿: みけ | 2013.10.05 00:27

to みけさん
等伯の萩はみていると画面が揺れてくる感じが
します。金地に描かれているのは萩だけなので
すが、ひとつの大きな世界のなかにいるようです。

装飾性でありながらものの実相にも心が吸い寄せ
られていくところにすごく惹かれます。

投稿: いづつや | 2013.10.05 01:06

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