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2013.10.10

‘京都展’ 洛中洛外図は楽し!

Img_0006_2   国宝‘洛中洛外図屏風 上杉本 御所’(室町時代・16世紀 米沢市上杉博)

Img_0005_2     ‘上杉本 子どもたちの綱引き’

Img_0004_2  ‘洛中洛外図屏風 歴博乙本 御霊祭’(重文 室町時代・16世紀 国立民俗博)

Img_0002_2 ‘洛中洛外図屏風 勝興寺本 二条城’(重文 江戸時代・17世紀 富山県勝興寺)

日本画の風俗画のなかでとりわけ脳を本気にさせるのが洛中洛外図屏風、室町時代から江戸時代にかけてかなりの数制作されたが、現在国宝、重文に指定されているのは7点。それらが全部結集する‘京都展’が10/8から東博ではじまった。

まず7点の展示日程のことを。
★前期展示(10/8~11/4):上杉本(国宝)、歴博乙本(重文)、舟木本(重文)、
                   勝興寺本(重文)
★後期展示(11/6~12/1):歴博甲本(重文)、舟木本、福岡市博本(重文)
                   池田本(重文)

今回の展覧会は前菜がなくいきなりメインディッシュをいただく感じ。また、食後のスイーツもなし。大作の洛中洛外図や壁画や襖絵なので作品の数は全部で20しかない。でも、ビフテキを食べるのに時間がかかるようにこれらをしっかり楽しんでいると館内に結構長くいることになる。

洛中洛外図をみるのはかなりしんどい。多くの方が同じ思いだろう。それは金雲の合い間に描かれているひとつ々の場面が小さいから。これが沢山あって京都の町の光景を余すところなく描写している。右から左へそして下から上へと視線を動かしていくが、描かれている日常生活の情報が多すぎるからおもしろいのに疲れる。

上杉本は以前米沢市へ遠征して時間をかけてみたので、どんな光景が描かれているかはしばらくみていると想い出す。この洛中洛外図は2000年に修理が完了したこともあって色彩が鮮やかなので、とても楽しめる。足が止まるのが御所での舞楽、武士の家の前で行われている闘鶏、将軍の邸宅、家の屋根葺き、子どもたちの綱引きや羽子突き遊びなど。

上杉本を単眼鏡を使って満喫したあと、目に力をいれたのは初見の‘歴博乙本’と‘勝興寺本’。通期展示の‘舟木本’は上杉本同様、何が描かれているかはわかっているので今回はパス。歴博乙本で興味深かったのは御霊祭の神輿、祭りの熱気が伝わってくるよう。

勝興寺本の見どころは左隻の中央に大きく描かれた二条城、当時は天守閣があり城の前を祇園祭の神輿が進んでいる。この洛中洛外図は人物が比較的大きく描かれているので、画面の隅から隅まで根気強くみた。注目したのは祭りの行列に舟木本でもみられる幌を担いだ母衣武者が登場するところ。また、猿曳きにも目がとまった。

後期も洛中洛外図を存分に楽しみたい。

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コメント

この展覧会は作品が多くなかったので、代わりに丁寧に見ました。本来まとめて見られない作品が終結しているということで、大変貴重な機会ですね。

それぞれの洛中洛外図は、細部を見ているといくらでも時間をかけてもいいですが、行商から猿回し、祭りに至るまで当時の世界を垣間見せてくれますね。なんだかピーテル・ブリューゲルの世界にも通ずるものがあるように思います。

投稿: ケンスケ | 2013.10.11 08:01

to ケンスケさん
洛中洛外図をみるのが日本画鑑賞の楽しみの
ひとつになってます。こまごまとしたことが
描かれた風俗画をじっくりみるには根気強さと
体力がいりますが、細部をみればみるほど
サプライズや小さな発見がありますからつい
ついのめりこんでしまいます。

仰るようにブリューゲルの子どもの遊びとか
農民の踊りを描いた作品をみますと洛中洛外図に
でてくる祭りや見世物、子どもの遊びなどと響き
あいますね。

投稿: いづつや | 2013.10.11 23:26

おはようございます。
前菜もなく、メインデイッシュ良い得て妙です。
いきなり映像で、舟木本の繊細をみせるんですから。
本当に目を皿のようにしないと、俯瞰図ですから、何処が御所?何処が清水寺?となってしまいますね。
混むと辛いでしょう。
ところで、何で富山の勝興寺というところに、重要文化財の洛中洛外図があるのでしょう?
江戸の鳥瞰図とはまた趣が違った洛中洛外図楽しみました。
図録が重い。

投稿: oki | 2013.10.12 05:56

to okiさん
洛中洛外図はいろんな場面が描かれていますから、
ひとつを見尽くすのにも時間がかかります。
解説文を参考にして京都の町の全体のイメージを
頭にいれることをまずやってそれから、個々の
描写に接近するのがいいでしょうね。

舟木本はちょっと暗いですから、これより上杉本
に時間をさいたほうが頭はスッキリします。富山の
寺は京都の公家とつながっていたんでしょうね。
図録に書かれている以上のことは知りません。

投稿: いづつや | 2013.10.12 15:38

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