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2013.09.07

‘竹内栖鳳展’ ここは動物園?!

Img_2       ‘蹴合’(1926年)

Img_0001_2       ‘海幸’(1942年 東近美)

Img_0003_2       ‘雪中噪雀図’(1900年 海の見える杜美)

Img_0005_2        ‘爈邊’(1935年)

竹内栖鳳の絵で最も有名なのは猫を描いた‘斑猫’(重文 山種美、後期展示)だが、猫のほかにもいろいろな動物や魚などを描いている。会場にいるとここは動物園かいなと錯覚するほど。栖鳳はいきものたちが腹の底から好きだったにちがいない。

今回登場するいきものをあげてみると、ライオン、虎、龍、熊、象、牛、馬、犬、鹿、狐、猿、兎、ネズミ、ヘビ、蛙、トンボ、ハチ、キリギリス、鳥は鷲、白鷺、カモメ、軍鶏(しゃも)、アヒル、雀、そして魚は鯛、鯖、エイ、鯉。数が多いのがライオン、鴉、雀で4作品。狐、アヒルもよく描かれ3点づつ。

そのなかでとくに惹かれているのが軍鶏の争いをモチーフにした‘蹴合’、軍鶏の絵はもう1点あり大倉集古館が所蔵しているが、今回これは東京ではみられずこのあと巡回する京都市美のみの展示。個人蔵の‘蹴合’とははじめて対面したが、二羽ともに体を曲げて戦闘態勢に入っており、戦いの激しさはこちらの方に軍配があがる。

鯛の作品はてっきり以前みたことのあるMOAの鯛だと思った。これは東近美にあるもので、よくみると子どもの鯛が一緒に描かれている。栖鳳の描くいきものは匂いまで伝わってくるとよくいわれるが、それを最初に感じたのが鯛の絵。その印象が体のなかにしっかり残っているので、今回出会った鯛からも潮の香りと甘い鯛の刺身の匂いが伝わってきた。

雀を描かせたら右にでる者がいないのは江戸絵画では長沢蘆雪、そして近代日本画では竹内栖鳳と菱田春草。この回顧展で雀は前期に2点‘百騒一睡’、‘喜雀図’と後期に‘雪中噪雀図’が展示される。愛らしい雀をみると自然と肩の力が抜ける。‘雪中噪雀図’も楽しみ。

足立美にある二匹の子犬を久しぶりにみた。手前の犬は体を洗ってもらったところで、ストーブのそばで体を温めている。なぜストーブのそばかというと火かき棒と石炭のかけらが描かれているから。あえてストーブをださないところがおもしろい。この犬の表情をみたとき、やはり栖鳳は円山応挙の流れをくむ京都の画家だなと思った。

後期にも足を運ぶつもり。チケットはすでに手当してある。画集に載っている作品がまたぞろぞろ登場するので楽しみは尽きない。

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コメント

もう期待以上に素晴らしくて、驚きです!おっしゃる通り、栖鳳は動物が好きだったんだろうなあと思わされましたね。それもカワイイだけではない、岩合光昭さんの写真に通じるまなざしを感じました。
また栖鳳は、日本画も西洋画も飲み込んで俯瞰しているような、圧倒的な立ち位置にいたのではないかなと。形態や色彩への感覚には、例えばセザンヌやマティスを連想させられましたが、いかがでしょうか?とても理知的な作品のように見えました。

投稿: みけ | 2013.09.14 01:16

to みけさん
栖鳳の絵で最も魅かれているのは動物や魚の絵
なんです。この生き生きとした描写がとにかく
魅力です。

栖鳳はラファエロ的なところがあるのではないで
しょうか、古典画、江戸絵画と西洋画のいいところ
をいろいろ吸収して自分の絵をつくっていく。

高い技術を身につけていたからそれができたの
でしょうね。対象の輪郭がしっかりとらえられ、
空間構成にも遠近感覚を使えるというのは栖鳳の
頭がかなり緻密だったいうことですね。

ライオンがよっかかっている岩が立体になってない
のは確かにセザンヌ的ですね。そして、色使い
では栖鳳はマティス同様、天性のカラリストかも
しれませんね。黄色や緑の使い方がじつにいい
です。また、軍鶏のとさかの赤なんか本物その
ものです。

投稿: いづつや | 2013.09.14 10:01

本当におっしゃるとおりです。ラファエロ的とは言い得て妙ですね。重文などにもっと指定されていていい人なのにな、と思ったりしました。あれから近代日本画を見ては、栖鳳ならどう描いただろう、と考えてしまいます。お言葉通りものすごく緻密でいながら、驚くほどに大胆な筆致に、ただ感嘆するばかりです。私も栖鳳の魚の絵、大好きです!

投稿: みけ | 2013.09.16 22:40

to みけさん
後期に出てくる作品も美術本に載っているもの
がいくつもありますから、出かけるのが楽しみ
です。動物画ではアヒルに注目してます。

投稿: いづつや | 2013.09.17 01:09

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