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2013.08.08

予想に反して収穫の多かった‘ルーヴル美展’!

Img_0006_2     ‘アラバストロン(壺)’紀元前874~850年)

Img_0005_2     ‘ローマ皇帝ハドリアヌスの胸像’(127~28年)

Img_2     ‘ギャビーのディアナ’(100年頃)

Img_0001         コローの‘ギリシャの若い女’(1870~72年)

東京都美で開かれている‘ルーヴル美展 地中海四千年のものがたり’(7/20~9/23)、これまで何度かこのブランド美術館の所蔵展を体験したから今回はお休みにするつもりだった。ところが、ひょんなことで招待券が手に入ったので気が変わり出動することにした。

展覧会の目玉はチラシに大きく載っている‘ギャビーのディアナ’、現地でみた覚えがないのでまずはこの大理石彫刻との対面に鑑賞エネルギーの多くを注ごうと思っていた。ふつう自慢のお宝は展示全体の真ん中あたりにでてくるが、序と4章からなるテーマ‘地中海’の3章に進んでもまだお目にかかれない。これまでみた部屋で見逃したのかなと不安な気持ちになっていたら、最後の4章に特別のしつらえで展示してあった。

そのため、ここへ着くまでにギリシャの赤像式の壺やら古代エジプトの石像、ローマ皇帝の胸像、北アフリカのモザイクなどを結構熱心にみることになった。歴史好きにとって、‘地中海’という枠組みで四千年の歴史をみたとき、どの民族や国が主役の座につき、それがどのように変わっていったのかが残された文物によって知ることができるのは大きな収穫。各章の冒頭に飾ってある地図をじっくりみたあと、作品と対面した。

そのなかで足がとまったのは量感たっぷりの方解石でできたエジプトの大きな壺。表面のツルツル感がいい。ローマ皇帝の胸像は3つ、アウグストゥス、ハドリアヌス、セプティミウス・セウェルス、はじめて髭をはやしたハドリアヌスに引き寄せられたが、残念なことに顔の両サイドが欠けている。このあと、びっくりする彫刻が待っている。何がサプライズだったかは見てのお楽しみ!

さて、お目当ての‘ギャビーのディアナ’は狩りの女神アルテミス、ぐるぐるまわってみたが、みればみるほどその美しい顔に惹かれた。顔の長さを2本の指で測り、身長に対していくつあるかチェックしたら理想的な八頭身になっていた。美しいはずである。現地ではギリシャローマ彫刻の部屋はもう何年もみていないから、こうしたローマ時代につくられた傑作模刻に会えるのは幸運なめぐりあわせ。ミューズに感謝!

絵画作品ではコロー(1796~1875)の‘ギリシャの若い娘’の前に長くいた。日本であったコローの回顧展(08年 西洋美)でもみたが、ここで再会するとは思ってもみなかった。見終わったあと購入した図録は宝物を手にいれたような気分、じっくり読み込むつもり。

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コメント

やはり招待券が入ると気が向かなくても、じゃあ観てみるか、となりますよね。
僕はエウロペの略奪、これ壺にもあって、絵にもあって、広まっているんだなあと。ヨーロッパが自らのルーツをフェニキアに見ていたとは。
絵では何と言ってもクレオパトラの自殺、乳房を蛇に噛ませる、クレオパトラ、美しいのになんて事を!
って、結構発見あるものですよね。

投稿: oki | 2013.08.09 00:27

to okiさん
地中海というテーマ設定が興味を惹きますから、
図録が歴史書の一冊に加わった感じです。

古代ローマの領土拡大、スペインのイスラム化
、十字軍の侵攻とイスラム文化の吸収などこれま
で関心の深かった話がいろいろでてきましたので
収穫の多い展覧会になりました。

投稿: いづつや | 2013.08.09 15:22

予想以上に楽しめる展覧会でした。『ギャビーのディアナ』は、まさに西洋の美の原型。。。ギリシャで確立された規範はイタリア・ルネサンスを経て、アングルやフランスのアカデミズム絵画にまで受け継がれたのですね。

展覧会は、西欧世界が抱いていた、古代のイタリアやエジプトの遺跡への関心からオスマン・トルコの風俗への好奇心までよくわかる構成でした。

リオタールのトルコ人の絵などは、西欧世界がいかにエキゾチックなものに惹かれたか教えてくれますね。

最後の展示室にあったコンスタンチノープルのパノラマも新鮮でした。パノラマ絵画について知りませんでしたし、見るのもこれが初めてでした。


投稿: ケンスケ | 2013.08.14 23:04

to ケンスケさん
‘ギャビーのディアナ’はルーヴルのどこに
あった?という感じなので、日本でみられたの
は幸運でした。

グランドツアー、オリエント趣味、こういう話
はこんな流れでうごいていたのかがよくわかり
ました。地中海のくくりで歴史の変遷をみせて
くれたのは助かりますね。とても興味深く、
知識がだいぶ増えました。

コンスタンチノープルのパノラマ画、博覧会の
大壁画はこれが原点だったのですね。現地に行か
なくても行ったような気分で風景が疑似体験で
きるのですから、おもしろいですね。

投稿: いづつや | 2013.08.15 00:50

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