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2013.08.31

‘カイユボット展’でお目当ての作品と会えるか?

Img_0001_2         ‘カフェにて’(1880年 リヨン美)

Img_0002_2     ‘ヨーロッパ橋’(1876年 ジュネーブ プティ・パレ美)

Img_0003_2     ‘床のかんなかけ’(1875年 パリ オルセー美)

10月になるとお楽しみの西洋絵画の展覧会が3つはじまる。‘ターナー展’(10/8~12/18、東京都美)、‘カイユボット展’(10/10~12/29 ブリジストン美)、‘印象派を超えて’(10/4~12/23、国立新美)。

このなかで思い入れの強いのがカイユボット(1848~1894)の回顧展、カイユボットは印象派・ポスト印象派の画家のなかでは準ビッグネームという位置づけ。野球でいうと、先発の9人には入らず、控えの一番手という感じ。これまでこの画家の回顧展が国内で開かれたことはない。だから、ブリジストンのチャレンジには素直に拍手を送りたい。

どんな作品がでてくるのかすごく期待しているのだが、美術館の案内ボックスなどにチラシが置いてないので展覧会の概要がまったくわからない。NO情報のまま八重洲に足を運び会場で大きなサプライズを味わうことになるかもしれない。それはそれで楽しいが。

みたい作品は‘カフェにて’と‘ヨーロッパ橋’。どちらも海外旅行ツアーではなかなか行けないところにある美術館の所蔵、滅多にない回顧展がなんと日本で企画されそこに2点があったりするとこれはサプライズ二段重ね、はたして?こういうときは優しいミューズにおすがりするほかない。

カイユボットという画家を知るきっかけになったのがオルセーでみた‘床のかんなかけ’。印象派以前だったら、こういう光景が絵になることはなかっただろう。かんなの削りかすのリアルな描写に目が釘づけになったことを今でも鮮明に覚えている。

この絵だけならカイユボットは‘ああ、そういう印象派の画家がいたな’で終わっていた。ところが、2008年シカゴ美で衝撃的な出会いがあった。それは大作‘雨のヨーロッパ広場’(拙ブログ08/4/3)。これをみたら誰でもカイユボットのファンになる。それ以来、カイユボットの作品は特別の関心をもってみるようになった。

さて、追っかけ画が何点でてくるか、開幕をワクワクしながら待っている。

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2013.08.30

来週から期待の‘竹内栖鳳展’!

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Img_0003               ‘おぼろ月’(1928年 京近美)

来週から東近美で‘竹内栖鳳展’(9/3~10/14)がはじまるので、忘れないうちにローソンで前売り券(1100円)を購入した。買ったのは一枚。前期・後期のどちらか、いの一番の追っかけ画があるほうへ出かける作戦。

で、美術館のHPで出品リストをみてみた。すると、予想の2倍くらいすごい回顧展であることがわかった。そのため、チケットをもう一枚手に入れることにした。赤丸の絵はチラシに載っている‘金獅’、この絵は通期展示される。リストにはほかにもびっくりする絵があった。

それは‘おぼろ月’、この作品は展覧会そのものは体験してないのだが1989年に日本橋の三越で開かれた‘昭和の日本画100選展’の図録(発行 朝日新聞社)で絵の存在を知った。竹内栖鳳(1864~1942)はこれと‘城外風薫’の2点が選ばれている。

じつはこの図録が近代日本画のバイブル、ここに載っている作品を20数年追っかけてきた。これまでみたの85点。そこにやっと‘おぼろ月’が加わることになった。この絵が東近美の回顧展には出てくることは想定してなかった。というのはこれは個人コレクションだから。ところが、リストをみると京近美の所蔵になっていた!?

所有者が京近美に売却したのか寄贈したのか、あるいは寄託しているのか、栖鳳は京都の画家だからこの絵をもっていた(いる)のは京都在住の人かもしれない。そうすると美術館に寄贈したということも十分ありうる。

いつかみたいと願っていた‘おぼろ月’(通期の展示)、ようやく対面が実現する。この絵の出現で展覧会に対するテンションがぐっと上がってきた。

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2013.08.29

‘印象派を超えて 点描の画家たち’展に注目!

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今年は1月にアメリカの美術館をまわったので、日本で開かれる展覧会をみているだけではほとんど縁のない画家との対面が実現した。二人いる。アンリ・ルソーと点描画のスーラ。

幸運にもお目にかかれたルソーは全部で8点、美術館の内訳はワシントンナショナル・ギャラリー3点、フィラデルフィア美とMoMA2点、そしてグッゲンハイム1点。主要な美術館をめぐるだけでこれだけのルソーがみれるのはアメリカのコレクターがルソーを熱心に蒐集してくれたお蔭。アメリカの美術館はまさにルソーの宝庫。MoMAでは大作の‘眠るボヘミアンヌ’と‘夢’の前に大勢の人がいた。この光景をみると時代の空気が人々の目をルソーの絵に向けさせるのか、ルソーの人気が相当高いことを実感する。

もうひとりのスーラは7点をみることができた。MoMAで追っかけ画3点がすべてみれたのは嬉しい誤算。ルソーと同じようにアメリカにはスーラの傑作がずらずらっとある。アメリカは国土が広いのでシカゴ、NY、フィラデルフィアを回るのは日数を要するが、この3都市でとびっきりの点描画をみればスーラの‘通’になれることは請け合い。

そんなわけで今年わが家はルソーイヤーであるとともにスーライヤー。ルソーは今開催中の‘プーシキン美展’でも‘詩人に霊感を与えるミューズ’にであった。縁があるときは縁が重なるもの。これはスーラにもいえる。国立新美の‘印象派を超えて 点描の画家たち’展(10/4~12/23)にはオランダのクレラー=ミュラー美からスーラがやってくる。

2年前訪問したクレラー=ミュラー美はゴッホの名画をいっぱいコレクションしているだけでなく、目を見張らせるスーラの点描画も揃えている。そのうち何点が出展されるかまだ情報を得てないが、下の画像の‘ポール=アン=ベッサンの日曜日’とプラスα、もう1点はくるだろう。これでも大変なこと。とても楽しみ!

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2013.08.28

ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美蔵の名画が来年やって来る!

Img_0003     Bunkamura ‘ポルディ・ペッツォーリ美展’(2014.4.4~5.25)

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美術好きになると一年の時間の流れは美術館で開催される展覧会によってつくられていく。アートと同じくらい大好きな野球も時の経過を意識させるが、こちらは4月からの半年だけ。サッカーファンにとってはヨーロッパで試合がはじまる8月から半年?はリーグ戦の日程に合わせて生活のリズムがつくられるのかもしれない。

今年の後半も2ヶ月がすぎた。9月、10月に予定している美術館巡りに心は大いに高まっているが、関心の的は来年にある展覧会にも少しづつ向かっている。今情報があるのは西洋美術関連が5つ、そして日本美術6つ。

西洋絵画の展覧会でびっくりしているのが、Bunkamuraで4/4~5/25に行われる‘華麗なる貴族コレクション展’。‘いつか行きたい美術館’(拙ブログ10/7/25)で書いたように、この美術館は2010年の1月にミラノを訪した際、入口のところまで行った。だが、残念なことにその日は休館だった。

この美術館のコレクションを日本にもってくるとは!流石、Bunkamura。ここのディレクターを木島俊介氏が務めているかぎり、Bukamuraはフルマークの美術館であり続ける。展覧会のチラシに載っているのはポッライウォーロの‘若い貴婦人の肖像’1点のみ。展示のラインナップはもう決まっているかもしれないが、そのなかに入って欲しいのはボッティチェッリとピエロ・デッラ・フランチェスカ、無理かな? さて、どんな作品構成になるのだろう。

6/28から開催される世田谷美の‘ボストン美 華麗なるジャポニスム展’も注目の展覧会。モネの人物画の傑作‘ラ・ジャポネーズ’が日本で公開されるのは確か2度目。この作品は現在修復作業が行われており、来年には色が鮮やかによみがえるとのこと。再会が楽しみ!

もう1点嬉しい作品がやって来る。ゴッホの‘ルーラン夫人’、5点ある‘ルーラン夫人’のなかで最初に描かれたのがボストン美が所蔵するもの。気に入っているのは10年前損保ジャパンで展示されたシカゴ美蔵とこのボストンにある原画。モネとゴッホの2点で美欲(My造語)は200%満たされそう。

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2013.08.27

ヤクルト宮本慎也 今季限りで現役引退!

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ヤクルトのベテラン宮本慎也が昨日今季限りでの現役引退を表明した。今野球は大リーグが中心でセリーグもパリーグも試合をはじめから終わりまでみることはほとんどないので、宮本のプレーはしばらくみてない。

今年はこの守備の名手の出番はぐっと減り、チームはバレンタティンのホームランの数と新人の和製ライアン小川の投法が注目されるものの、敗戦が多くボロボロ状態。

いい選手が引退するときチームが弱いとなにか淋しい。昨年2000本安打を達成し一流打者の称号を手に入れた宮本もこういうチームの成績は残念だろう。セリーグは昨年同様チーム力の差がありすぎて、まったくおもしろくない。リーグをとりまく環境は危機的状態なのに無能なセリーグの球団経営者たちは何もしないのだから、いつもながら呆れてものが言えない。

19年間ヤクルト一筋で活躍した宮本はとてもいい選手。42歳までよくがんばった、拍手々!守備は堅実でバッターとしてもいいところでよく打った。渋いプレイヤーの典型みたいな男。野村監督のもとで3度日本一を経験したから恵まれた野球人生だったにちがいない。

これからはヤクルトの監督になるため、ネット裏から野球をみることになる。06~07年の2年間選手のまま監督をつとめた古田は自己中と人望の無さを露呈してヤクルトを追い出されたが、宮本は地味だがほかの選手とのコミュニケーションがうまくやれリーダーシップがあるから、いい指導者になれる可能性は十分ある。

これからノムさんからコーチの役割、監督の心得をいろいろ教わってチームのマネージャーとしての能力を学ぶといい。監督としてデビューするのは4年後くらいか。

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2013.08.26

ダーウィンが来た!‘大研究 昆虫王者 カブトムシ&クワガタ’

Img_0001                       カブトムシ

Img_0003                     立った姿勢で飛ぶカブトムシ     

Img_0002                    ノコギリクワガタ

Img     喜多川歌麿の‘画本虫撰 蓑虫 兜虫’(1788年)

日曜の夜7時半に放送されるNHKの動物番組‘ダーウィンが来た!’は毎週欠かさずみている。チャンネルの主導権を握っているのは隣の方。とにかく長年の動物番組ファンだから、目の輝きが違う。その影響で鳥でも哺乳類でも生き物の生態の話がだいぶインプットされてきた。

昨日とりあげられたのは昆虫の王者カブトムシとクワガタ。夏休み中の子どもたちには大人気の昆虫だから、この時期定番のように特集される。といっても、過去見たものは記憶にとどまってないから、また登場したかと思っても情報はとても新鮮。

おもしろかった映像は夜雑木林を飛ぶカブトムシ、立った姿勢で飛んでいる。カブトムシはこんな飛び方をしていたのか!小さい頃このような姿のカブトムシを目にしたかもしれないが、大昔のことだから見たという実感がまったくない。

一方クワガタ、ノコギリクワガタがでてきた。クワガタの場合、ギザギザの刃を連想させる鋭いものはツノとはいわず、大アゴと呼ぶらしい。口の一部が変化したのでそう呼ばれている。ツノとばかり思っていたが、そうだったのか!この大アゴを指でつついて遊んでいたりすると、がぶっとやられて血がでることがよくあった。何度も痛い目にあっているのにこれがやめられない。

近くに住んでいた友人に大きなクワガタを誇らしげに見せびらかすクワガタ採りの達人がいた。一度誘われて達人が秘密にしている雑木林へ一緒にでかけた。朝の五時半、スズメバチが飛び交ったりしてちょっと怖かったが、あとをついて憧れのクワガタとの遭遇を夢見た。果たして、達人がもっている自慢のクワガタとまではいかなかったが、そこそこカッコしいクワガタをゲットすることができた。遊びにもハイリスク、ハイリターンの法則は当てはまる。その日は一日中有頂天だった。

手元の美術本に喜多川歌麿が描いた狂歌絵本‘画本虫撰’の全図(上巻八図、下巻七図)が載っている。この下巻にカブトムシがでてくる。若冲のカブトムシより歌麿のほうが生き生き感があり、つい手をのばしたくなる。本物の狂歌絵本をいつかみてみたい。

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2013.08.25

‘プーシキン美展’の観客数が20万人を突破!

Img_0004_2     モスクワ プーシキン美術館本館

Img_2     ロランの‘アポロとマルシュアスのいる風景’(1639年頃)

Img_0001_2     ミレーの‘薪を集める女たち’(1850年代前半)

Img_0002_2     シャガールの‘ノクターン’(1947年)

二日前のTVニュースで‘プーシキン美展’(横浜美 9/16まで)に足を運んだ人の数が20万人に達したことを報じていた。展覧会には頻繁に入っているが、それが終了した時累計の観客数がどのくらいだったのかについて注意をはらうことがないので、この20万人が人気度としてどのくらいの位置になるのかピンとこない。

開幕したのが7/6、休みを除くと40日、すると一日平均で5000人。これは観客動員数としてはかなり多い。閉幕まで20数日あるから最終的には30万人をこえるのは確実。この展覧会は実施のタイミングがとても良かった。展覧会がはじまる少し前に美術館の目と鼻の先にビッグなショッピングモール‘MARK IS’がオープン、そして地下鉄副都心線と東急線の相合乗り入れになり埼玉の人たちの横浜へのアクセスが飛躍的に向上した。中華街で食事したあと美術館に寄ってルノワールをみようかと思う人だっているかもしれない。

さらにいいことが重なった。8/20に放送されたBS日テレの‘ぶらぶら美術館・博物館’で知ったのだが、夏休みの子どもたちには楽しみな‘特別展 マンモス「YUKA」’がパシフィコ横浜展示ホールで同時開催されている(9/16まで)。だから、今美術館のある‘みなとみらい’は大勢の人が集うホットなエンターテイメントゾーンになっている。

‘ぶらぶら美術館’は2回くらいみたことはあるが、ふだんはみない美術番組。でも、今回はプーシキン美展をぶらぶらするのでチャンネルを回した。展覧会ではいい作品には多くの人が感激する。この感激を共有するというのがとても大事。案内役の山田五郎さんの好みとだいたい合ったのでにわか同士になった感じ。

感想記を3回綴ったのに、大変魅了されたロランの‘アポロとマルシュアスのいる風景’は割愛した。これには理由があり、今回図録を購入しなかったため載せる図版がなかったから。この絵の絵葉書がないので記憶を残すため新聞の切り抜きで納得させていたが、消化不良の感は否めない。この番組をみたのはロランを期待してのこと。これがぴたっと合った。のっけから絵の題材となったギリシャ神話を詳しく説明していた。デジカメで撮れば新聞よりは画質はいいのでおんの字。皮を剥がれるという過酷な運命が待っているマルシュアスに自然と目がいく。

ロランとともにありがたかったのが同じく絵葉書が用意されてないミレー(1814~1875)とシャガール(1887~1985)。とくに赤が印象深いシャガールの‘ノクターン’はこれで忘れられない絵になった。マティスの‘カラー、アイリス、ミモザ’では隣の方と好みが分かれたが、このシャガールは心が一致した。

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2013.08.24

アートに乾杯! 浮世絵 水と女性の抒情

Img_0005     鳥居清長の‘美南見十二候 六月’(1783年 ギメ美)

Img_0003     喜多川歌麿の‘大川端夕涼’(部分 1795~96年 ボストン美)

Img_0007     歌川広重の‘江戸名所四季の眺 高輪月の景’(部分 1847~51年)

Img_0006     歌川国芳の‘四季心女遊 夏’(1844年)

浮世絵のMy図録作りがようやく終わった。だから、今頭のなかは浮世絵だらけ。ジャンルでいうと美人画、役者絵、風景画、そして、浮世絵師は菱川師宣から歌川国芳までビッグネームがおおよそ揃っている。傑作がぎっしりつまったご機嫌な図録をいい気持でながめているだけでなく、思いつく切り口からお気に入りの作品をセレクトしてみたい。

海や川をみているのが好きなので、浮世絵版画でも海や川が描かれた名作には目が吸い寄せられていく。絵は浮世絵に限らず、その構図にいっぺんに参ってしまう作品がある。鳥居清長(1752~1815)の‘美南見十二候 六月’はそんな一枚。海の近くの旅館に泊まったとき、部屋のむこうに海がこんな風に広がっていたら気分は最高。じつにいい絵。

喜多川歌麿(1753~1806)は浮世絵師のなかでは昔から最ものめり込んでいる絵師。北斎や広重とちがって、古本屋で手に入れた画集などにはまだみていない美人画がだいぶ残っている。こういう作品は一体どこにあるのか?海外の個人コレクターが所蔵し展覧会にはでてこないのかもしれない。ギメとかボストンにあるコレクションは日本に里帰りしたのでその摺りの状態のいい歌麿をみることができたが、こうした個人蔵はお手上げ。

‘大川端夕涼’は3年前に公開されたボストンのコレクションでお目にかかった。横に大きく描かれた女性や子どもたちの背景の大川と橋に見惚れてしまう。両国橋は女性の髪がかからないように緩く湾曲している。これにすごく惹かれる。そして、ちょうど真ん中には花火が上がっている。

歌川広重(1797~1858)が描く美人画には敏感に反応しないのだが、唯一の例外がこの‘江戸名所四季の眺め 高輪月の景’。清長の絵同様、開放的な部屋からこういう海の風景がみれれば、宴会を毎晩でもやりたくなる。

歌川国芳(1797~1861)の図録は6冊あったが、古いものをふたつ解体し新しい4冊に集約した。バラエティにとんだいい絵がびっしり詰まっているのでみてて楽しい。花火、虫かご、浴衣、団扇、夏の風物詩が描きこまれた‘四季心女遊 夏’は心がとてもリラックスする一枚。

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2013.08.23

イチローはメジャー3000本安打をどの球団で達成?

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昨日、日米通算4000本安打を達成したイチローのすごさはいくら語っても語りつくせないが、イチローにとってなんとしても打ちたいメジャー3000本安打のことを思うとスゴイ々とばかりいっておれない。

今シーズンは残り35ゲーム、仮に10ゲーム出場しないとするとイチローが打つヒットの数は25本前後、するとシーズン終了時点で3000本まで残り250本くらいになる。今のヒット率から判断するとイチローの3000本安打は2015年のシーズンで実現しそう。

問題はどの球団でこの大台を達成するかである。ヤンキースとの契約は来年までだが、今年で終りということもある。ヤンキースはこのままではワイルドカードはとれないだろう。そうなると、今オフは選手の大幅入れ替えをする。イチローの打率はヤンキースに移った昨年と較べ低下しているのは事実。だから、もしヤンキースで来年もプレーするとしても、先発出場する機会は今年より確実に減る。

今年のイチローの年間ヒット数は150本くらい、これが来年は120本程度になるかもしれない。そして、2015年はたぶんヤンキースの選手ではないはず。となると、3000本安打に必要な130本は別の球団で打つことになる。一つの可能性はアリーグの西地区、レンジャーズ、エンゼルス、アスレチックス、またナリーグのジャイアンツ、ドジャーズでプレーするのもひとつのオプション。打順は常時1,2番はムリかもしれないが、レギュラーとして先発することはこうしたチームならありうる。

イチローの気持ちはどこにあるのだろうか?ヤンキースにずっといることを希望し、のろのろと3000本を目指すのか。それともヤンキースよりは常時出場が期待できる西地区の球団で残りの野球人生をまっとうするのか。イチローファンとしてはエンゼルスとかアスレチックスとかジャイアンツに移ったほうがいいと思うのだが。

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2013.08.22

祝 前橋育英 初優勝!

Img     7回表 レフトにタイムリーヒットを放った前橋育英の荒井選手

Img_0001     優勝を喜ぶ前橋育英の選手たち

夏の高校野球の頂点に初出場の前橋育英高校が立った。拍手々!甲子園で行われた決勝戦、前橋育英 vs 延岡学園はここ数年では一番おもしろかった。結果は
4ー3の1点差で前橋育英の優勝。延岡学園もよく戦い、9回裏1、2塁と攻め立てたが、あと一歩で勝利を手繰り寄せられなかった。でも立派な戦い、こちらにも
拍手々!

今年の大会は連覇のかかった大阪桐蔭や横浜、常総学院、明徳義塾など強豪高校がベスト4に残れず、はじめての甲子園だった前橋育英があれよあれよという感じで栄光と勝ちとった。これだから高校野球はおもしろい。前橋育英はラッキーの連続で勝ち上がったのではない。実力を発揮して1999年の桐生第一以来の深紅の優勝旗を群馬県にもたらした。

このチームの特筆すべき強みは守備力、今日もショートの土谷選手がプロ並みの華麗なグラブさばきをみせた。中日で活躍した立浪は高校生のときから守備ではプロの選手とかわりないと高く評価されていたが、土谷選手も本当にすばらしいプレーをする。また、セカンドの高橋選手も準決勝で強烈なゴロをうまくさばきダブルプレーにしとめた。高校生がこんなに上手いプレーをするのだから日本の高校野球のレベルは高い。メジャーのスカウトも球場にいたはずだが、これには唸ったにちがいない。

打撃でカッコよかったのは4番サードの荒井選手、監督の次男だそうだ。この話はNHKの夕方のローカルニュースで放送されたから知っていたが、決勝戦に進むとは想像できなかった。7回表3塁にランナーをおいて荒井選手の打席、なんだか広島カープで活躍した山本浩二と似た雰囲気がただよう。体型は鋼のような筋肉質、インコースをたたくと三塁手の横を鋭く抜けていくタイムリーヒット。これで前橋育英は1点勝ち越した。痺れる一打だった。この選手はまちがいなくプロでやれる。

連投が続いた高橋投手は前半はコントロールが定まらず、今日は打たれるかなと思ったが、なんとか3点でもちこたえた。この大会での活躍でこれから注目されるだろうが、来年も是非甲子園に出場してもらいたい。

今年の甲子園は前橋育英のレベル高い守備力に目を見張らされた。すごい選手たちである。

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2013.08.21

メジャーに昇格できない日本人選手!

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インディアンス傘下の3Aでプレーしメジャーへの昇格をめざしていた松阪が20日、自由契約になったという。開幕からマイナーでの登板が続いていたが、投球感覚をとりもどし後半にはインディアンスの先発陣に加わるだろうと期待していただけにとても残念。

肘の手術を克服して元のようなピッチングをするのは傍でみているよりずっと大変なことなのだろう。松坂はもともとコントロールがいいほうではなく、ストレートで押し、最後はスライダーで打ち取るタイプのピッチャー、だから、ストレートが思うように投げられないと本来の力が発揮できない。

これから移籍先を探すことになるが、今地区優勝を争っているような強いチームからお呼びがかかることはない。誘ってくれるとしたら来シーズンのチーム編成に着手している下位の球団。マイナーで契約して来シーズンキャンプでの実績をみて先発投手にする。でも、声がかからず来春まで所属先が決まらないケースも十分ありうる。心配だが弱いチームにとって投手陣の強化は最も大事なことだから、松阪の実績に期待するところはあるはず。松阪にはなんとしても復活してもらいたいので、その日まで辛抱強く精進を重ねて欲しい。

オルオールズの和田も肘の手術のためまだメジャーのマウンドにあがれてない。前半はリハビリからの慣らし運転で本格的なピッチングは後半からというのがこの1年の投球プランのため、今年中のメジャー昇格はなさそう。コントロールが身上の投手なので、これが完璧にできないとメジャーの打者を抑えるのは難しい。自分の持ち味がだせれば、あとは打者との対戦の積み重ねだけ。来シーズンに期待したい。

西武からアスレチックスへ移籍した中島は想定外のマイナー暮らし。ショートのポジションをこなす守備力が信頼されてないのかもしれない。これがパンチ力のあるバッティングにも影響し、50人のロースターにも入れなかった。これは解雇通知に等しい。契約条件を下げて別の球団に移る道を選ぶことになるだろう。

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2013.08.20

美術に魅せられて! 新装ゴッホ美の壁の色

Img_2     2011年秋に全面リニューアルされたオルセー美

Img_0001_2      ゴッホルーム

Img_0002_2     2013年5月リニューアルオープンしたゴッホ美

Img_0003      壁の色が変わった展示室

7月13日に放送された‘美の巨人たち’はゴッホの絵をとりあげていた。5月にアムステルダムにあるゴッホ美はリニューアルオープンしたので、番組のスタッフはこれがみたくてここにある‘ゴーギャンの肘掛け椅子’に焦点をあてたゴッホ、ゴーギャン友情物語を思いついたのかもしれない。

今日の話はこの絵のことではなく、展示室の変更された壁の色のこと。展示室の映像は‘火のついた煙草をくわえる骸骨’と‘ゴーギャンの肘掛け椅子’の2ヶ所だったが、壁の色は青紫に変わっていた。この色をみてすぐ思い出したのが、2011年秋にリニューアルが完成した新装オルセー美。壁の色は以前のものから印象派がよく使った色が最も引き立てられる青みがかった濃いグレーに変わった。変更の効果は昨年の2月にあったBSプレミアムの特集番組で詳しく解説していた。

オルセーにあるゴッホの作品が展示してあるのはルノワールの‘ムーラン・ド・ラ・ギャレット’などのある5階ではなく2階だが、壁の色は同じ。この新オルセーの壁の色に刺激されてゴッホ美はリニューアルにあたって同じ色か似たような色を採用したのだろう。

オルセーの展示室と同じような感じになっているの日本の美術館にもある。それはで東近美の平常展示の部屋。特別展をみたあと、いつものように近代日本画にある部屋に足を運んだらまったく展示の仕方が変わっていた。しかも壁の色はオルセーとそっくり。この効果は大きく、これまで見慣れた作品が全然違う作品のように輝いていた。新オルセーはまだ体験してないが、現地ではたぶん東近美で味わったのと同じことを感じるにちがいない。

次のパリやアムステルダムがいつになるかわからないが、オルセー、ゴッホ美では輝きを取り戻した印象派の作品をまたじっくりみてみたい。印象派とのつきあいはライフワーク、楽しみはつきることがない。

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2013.08.19

もっとみたい歌麿の狂歌絵本!

Img_0003     ‘潮干のつと あし貝、蛤’(1789年 千葉市美)

Img_0002     ‘潮干のつと’(拡大図)

Img_0001     ‘画本虫撰 蝶、蜻蛉’(1788年 千葉市美 )

Img_0005     ‘百千鳥狂歌合 鵜、鷺’(部分 1790年 東洋文庫)

今年は浮世絵の展覧会はお休み、これは予定通りでその溜まった鑑賞エネルギーは来年1月2日から江戸東博ではじまる‘大浮世絵展’(3/2まで)にぶつけようと思っている。これは国際浮世絵学会の創立50周年を記念した特別展で、チラシのキャッチコピーには‘浮世絵の傑作、大集合’とあるのでかなり期待できそう。

こうした美術館の開館○○周年タイプの記念展の場合、主催者の気持ちの入り方がいつもの2倍以上あるから、集めてくる作品もいいものが揃うことが多い。国内の美術館や海外の浮世絵コレクションで名が知られた美術館から画集に載っている傑作がどのくらい集結するか、今から楽しみ!

そのなかに入っていることを強く願っているのは喜多川歌麿(1753~1806)の美人画と珠玉の狂歌絵本。この展覧会だけでなく、歌麿の大回顧展を東博で開催してくれないかとずっと思っている。2年前すごい写楽展があったから、次は歌麿展、再来年あたりにはあるだろうと勝手に妄想している。

狂歌絵本は‘画本虫撰’、‘潮干のつと’、‘百千鳥狂歌合’の三部作が有名。これまでどれも部分的にはみているが、全画はまだ目のなかに入ってない。これらが‘大浮世絵展’で展示されたら最高だが。描かれた貝やとんぼ、鳥の描写などをみるたびに歌麿は真に天才画家だなと思う。色っぽい美人画だけでなく、生き物や花、鳥でも緻密な筆使いで生き生きと描いている。

‘潮干のつと’の三角岩にくっついた貝や鮑の質感のリアルなこと、潮の香がする海辺に足を入れ思わずこの貝や蛤を手でつかみたくなる。‘画本虫撰’では雲母摺りにより輝く蜻蛉(とんぼ)の羽に目が点になる。蝶ととんぼが飛ぶ姿は自然ドキュメンタリーの映像をみているよう。

まだお目にかかってないのが‘百千鳥狂歌合’の鵜と鷺、画集でみてびっくり仰天なのが鷺の羽の描き方。白い羽毛が細い線の空摺りで表現されている。これをまじかでみてみたい。さて、来年夢が叶うだろうか?

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2013.08.18

アートに乾杯! 海で働く女

Img_0003     葛飾北斎の‘百人一首乳母か絵とき’(1835年頃)

Img_0002     喜多川歌麿の‘鮑取り’(部分 1797~98年 ギメ美)

Img_0008          鳥居清長の‘汐汲み’(1783~84年 メトロポリタン美)

Img_0004     歌川広重の‘海苔採り’(1830~39年 ハンブルク美術工芸博)

NHKの‘あまちゃん’を毎週楽しくみている。今コメディはNHKが断トツにいい。‘サラリーマンネオ’に続いて‘あまちゃん’も大ヒット。天野アキが連発する‘じぇじぇじぇ’は今年の流行大賞に林先生の‘やるのは今でしょう!’と一緒に選ばれる可能性が大。

ドラマの舞台となった岩手北三陸に位置する久慈市には観光客がどっと押し寄せ、現役の海女さんたちの実演パフォ-マンスが大ウケらしい。浮世絵版画にも鮑をとる海女の絵がある。葛飾北斎(1760~1849)の絵は海のなかに3人、岩の上に3人海女が描かfれており、左の海女は大きな鮑を手にしている。北斎はどこの海で海女たちの仕事をみたのだろうか。

喜多川歌麿(1753~1806)の‘鮑取り’も傑作の一枚。3枚続のワイド画面で画像は真ん中と左の2枚。今日の素潜りは終わったところで、母親は子どもに乳をやっている。‘ああー、疲れた。でも、鮑は沢山取れたから気分よく家に帰れるわ、辰吉ちゃん’。歌麿の風俗画には一枚々物語がある。

6年前千葉市美で大規模な‘鳥居清長展’が開催され、浮世絵コレクションで定評のある世界中の美術館から鳥居清長(1752~1815)の名品がやってきた。そのなかに品のいい二人の女性が汐汲みをする作品があった。これは古典のテーマ‘松風村雨’を題材としており、二人は須磨に流された在原行平が寵愛した汐汲みの海女の姉妹、松風と村雨。画面の上から垂れている松の枝の配置がじつにいい。

歌川広重(1797~1858)の‘海苔採り’は肩の力が自然とぬける絵。これは新年の祝いに贈られた摺物で裕福な浮世絵通の注文により制作された特別な版画。

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2013.08.17

アートに乾杯! 夏の小さないきものたち

Img_0001                英一蝶の‘檜に蝉図’(倉敷 萩野美)

Img_0005     伊藤若冲の‘菜蟲譜’(部分 1790年 佐野市立吉澤記念美)

Img_0003     歌川国芳の‘萩にとんぼに美人’(1844~45年)

Img_0002     葛飾北斎の‘かわらと蛙’(1836年 小布施 北斎館)

散歩中は家を出たときから帰ってくるときまでずっと蝉の鳴く音が耳のなかに入ってくる。今は大半がミンミンゼミとアブラゼミ、まだツクツクボウシは鳴いていない。木が高いので蝉の姿はしっかりとらえられないが、この大音響で蝉族の存在感は今ピークに達している。

蝉の絵ですぐ思い浮かべるのはこれまでにも紹介した伊藤若冲の‘動植綵絵’(三の丸尚蔵館)と鈴木其一の‘夏秋渓流図屏風’(根津美)、そしてもう一枚、まだお目にかかってない英一蝶(1652~1724)の‘檜に蝉図’。3点ともアブラゼミ、江戸時代にどんな種類の蝉がいたのか情報がないが、今確認できるものはみないたのだろうか、アブラゼミは絵でわかるが、ミンミンゼミとかツクツクボウシ、クマゼミも鳴いていた?

一蝶の蝉を所蔵している荻野(おぎの)美は岡山の倉敷市にある。羽鷹山のすぐ近くで瀬戸大橋がはじまるところ。広島にいるとき倉敷はクルマでよくでかけたが、瀬戸内海がすぐ見えるところまで行ったのは四国へ渡った2回だけで荻野美を訪問する機会はなかった。今となっては遠い美術館になってしまった。

小学男子にとってカブトムシやクワガタムシは特別な昆虫かもしれない。小さい頃カッコいいクワガタを手に入れたときの興奮は格別大きかった。ときどき角で指を挟まれて痛い目にあった。ところが、この昆虫の王者クワガタムシを描いた絵に遭遇したことがない。

伊藤若冲(1716~1800)の作品にはカブトムシは‘動植綵絵’と‘菜蟲譜’に描かれている。そして、円山応挙の‘写生図’にもカブトムシはでてくる。が、クワガタムシはない。江戸時代クワガタはまだ日本には存在しなかったのだろうか?

歌川国芳(1797~1861)は団扇絵に愛嬌のある女性を沢山描いたが、その一枚にとんぼがでてくる。浮世絵版画でとんぼの絵をみたのはこれだけ。国芳の日常生活の一コマを切り取った美人風俗画は魅力に富んでおり、スイカを食べているものもある。

蛙は若冲も蘆雪も描いているが、葛飾北斎(1760~1849)の蛙は生な感じがして親しみがわく。かわらを右足からよいしょ!と登る感じがじつにいい。こういう蛙のリアルな動きが描けるのはしっかり目に焼きつけた蛙のいろいろの動きやポーズがお手本帖の北斎漫画にファイル化されているから。とにかく北斎の観察力は半端ではない。

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2013.08.16

わくわくワールドツアー! トルコ カッパドキア

Img_0002     トルコの中央にあるカッパドキア

Img_0005            ‘キノコ岩’

Img_0004             ‘らくだ岩’     

Img_0003             ‘スリービューティー’

2年前にTVを買い替えて以降、ビデオ機能がTVに内臓されているため大変楽になった。以前のようにビデオテープを入れたり出したりすることもなく、番組の予約も画面にでてくる番組表で簡単にできる。収録できる時間は120時間。今のところディスク化はせず、この時間内で消したり保存したりしている。

映像の画質がとてもいいので、一部の映像は永久保存扱いにしている。好きなアーティストを特集したときの美術番組とかクラシックの名演奏、過去行った名所観光、そして、これから行く可能性のある観光地。美術番組で訪問した海外の美術館が登場する場合、映像は絵の前に立ったときの感覚そのままだから、ガイドブックの図版や絵葉書と較べて作品の色合い、大きさに格段のリアリティがある。

この感じは名所観光でも同じ。先週BS日テレで放送された‘絶景・世界自然 トルコのカッパドキア’は12年前に体験した楽しい思い出を蘇らせてくれた。トルコの中央、アナトリア高原に位置するカッパドキア、ここの奇岩群をみるために出かける日本人観光客は20万人(昨年)、ほかの国を含める年間250万人がやってくるという。

カッパドキアの中心、ギョレメの町やパシャバーなどをどの順番でまわったのかはよく覚えていないが、ガイドに説明してもらった有名な奇岩は目に焼きついている。見るからに名前の通りなのが‘キノコ岩’、下の白いところは火山灰がつもってできた凝灰岩で、上の黒いところは溶岩が固まってできた玄武岩。柔らかい凝灰岩と硬い玄武岩は風や雨の浸食によってこんなおもしろい形になった。

‘らくだ岩’はこれを背景に記写真を撮ったところ、アルバムをみるとほかに‘ナポレオンハット’などもみている。番組には‘オットセイ岩’や‘キスする岩’が登場したが、これはみなかった。‘スリービューティー’は眼前にすばらしい眺めが広がる高台にあった。ガイドは‘親子’といっていたが、今は‘スリービューティー’らしい。

二度目のカッパドキアはないが、この番組のおかげで不思議な奇岩群がリアルな映像でまた楽しめることになった。素直に喜んでいる。

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2013.08.15

アートに乾杯! 数の少ないスイカの絵

Img          葛飾北斎の‘西瓜図’(1839年 三の丸尚蔵館)

Img_0001     葛飾北斎の‘西瓜と包丁’(小布施 北斎館)

Img_0004     速水御舟の‘西瓜図’(1923年)

Img_0002     山口蓬春の‘オランダ皿の静物’(1957年 松岡美)

夏になると美味しくいただいているスイカ、好きな食べ物のことになると家族でも友人でも話がはずむし、とびっきり美味しかったときのことをよく覚えている。海外では01年トルコ旅行をしたとき、イスタンブールのホテルで食べたスイカのことが忘れられない。

国内だと広島に9年住んでいた時、山陰に出張した際よく買っていた山陰の大栄町(鳥取県)の大きなスイカ。とにかく甘い。このスイカはこれまで食べたなかではベスト1、横浜に帰ってから一度電話で注文し送ってもらったが、やはり最高の味だった。

リンゴや葡萄とちがってスイカの絵は数が少ない。知っているのはわずか4点。うち2点は葛飾北斎(1760~1849)が描いたもの。ひとつは三の丸尚蔵館にある‘西瓜図’、これは幸いにも2度みる機会があったが、もう1枚小布施の北斎館が所蔵する‘西瓜と包丁’は何年か前北斎館を訪問したとき展示されてなかった。

二つのスイカはともに薄い半紙が被せられ包丁も一緒に描かれている。静物画なら包丁は要らないはずだが、この包丁があるため、スカイが口に入るまでの時間の流れが思い起こされる。そう、こうやって大きなスイカをまな板において包丁で半分に切り、またその半分に切って、三角になったスイカをてっぺんからかぶりつく。小さい頃は塩をかけていたが、今はそれはしない。

速水御舟(1894~1935)の西瓜は拙ブログ(07/8/12)でとりあげたときは未見だったが、翌年平塚市美で開催された回顧展で運よくお目にかかることができた。この形は真っ二つという感じがしないが、美味しそうにみえる。山口蓬春(1893~1970)はレモンを横におき小さなスイカを描いた。静物画のモチーフのイメージが強く、食欲はあまり掻き立てられない。

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2013.08.14

アートに乾杯! 涼しさを呼ぶ円山応挙の絵

Img          ‘青楓瀑布図’(18世紀後半 サントリー美)

Img_0001     ‘龍門鯉魚図’(1789年 兵庫・大乗寺)

Img_0002     ‘保津川図屏風’(右隻 1795年 千總)

Img_0003     ‘保津川図屏風’(左隻)

連日暑い日が続くので、外にでるのは極力控えている。小さい頃は夏というとアイスクリームかかき氷を毎日食べていたが、今はそういうこともなく涼しさを感じるのは冷たいそーめんを食べるときと冷えた麦茶を飲むときくらい。元来汗がでることがあまり苦にならない体だが、この暑さはこたえる。で、水分補給を絶えずしている。

夏は山で過ごすより海の近くにいたい海派、これは暑さに強かったから自然にそうなったといえる。でも今はとびっきりの涼しさが欲しいので山奥に入り渓流に沿って歩きたくなる。山好きの人はお気に入りの涼しさスポットに足を運んでいるにちがいない。そして、滝があればいうことなし。滝つぼの近くで水しぶきをあびたら気分爽快だろう。

暑いときによくみる絵がある。それは瀑布を描かせたら右にでる者がいない円山応挙(1733~1795)の絵。サントリー美が所蔵する‘青楓瀑布図’をみていると、涼しさが200%感じられ暑さが和らぐ。同じような構図の滝の絵を2点三井記念美でみたことがあるが、涼しさを感じるのはこれが一番。

応挙の鯉の絵もひんやり感を味わえる。一度訪問したことのある大乗寺にある‘龍門鯉魚図’は透明度のある水中を泳ぐ鯉とどこかシュールな絵を見ている気分になる鯉の滝のぼり。この絵をみるたびに応挙ってスゴイなと思う。

7,8年前念願の‘保津川部屏風’をみることができた。応挙の絵のなかで最も魅かれているのがこれ。年に一度のペースでみたいと願っているが、こういう傑作はそうそうでてこない。もう2回くらいこの勢いのある水流をずっとみていたいのだが、、これほど涼しさと水の美を感じる絵はほかにない。

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2013.08.13

ダルビッシュ、黒田の投球術は一級品!

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Img_0001

BSプレミアムでは昨日、映画‘グラディエーター’をやっていたが、本日の大リーグ中継はアカデミー賞クラスの良質の映画を2本みたような気分、惚れ惚れするような主役を演じたのはダルビッシュと黒田。

ダルビッシュが登板したレンジャーズとアストロズの試合は午前3時スタートだったので、ビデオに撮り朝食後にみた。ビデオ撮りのときは目が覚めるとPCで試合の結果をみて、勝っているときはみることにしている。ゲームの経過をみると2-1でレンジャーズの勝利。ダルビッシュの投球内容はまったくスゴイ。8回をヒット1本(ホームラン)、1失点、三振は自己最高の15。8回1アウトをとるまでノーヒットの抑えていた。

今日のダルビッシュは前回の登板と同様、ストレート、変化球を自在にコントロールしていた。鋭く曲がるスライダーにアストロズの打者はきりきりまい。おもしろいように三振の山が築かれていく。打者はストレートの場合、剛速球だったらバットにかすりもしないが、そこそこの速さだっから目がだんだん慣れてくるので、ストレートだけで三振をとるのは難しい。ダルビッシュが三振を沢山とれるのは変化球が一級品だから。

野茂のフォークでもダルビッシュのスライダーでも落差があり曲りの鋭い変化球は打者にとって相当やっかい。今大リーグNO.1のバッター、カブレラでもダルビッシュのスライダーは打てないだろう。ダルビッシュはこれで12勝目。防御率は2.64にあがり(アリーグ4位)、三振の数は207。後半戦の投球内容はどんどんよくなっており、この調子が続くと三振の数だけでなく防御率もトップに立つかもしれない。

レンジャーズは今勢いがあり6ゲーム差あったアスレチックスに追いつき、再び首位に返り咲いた。2チームのマッチレースはシーズン終盤まで続きそうで、どっちが地区優勝するかわらなくなった。レンジャーズのクルーズは予想通り禁止薬物問題で出場停止になったが、球団はその代役としてWソックスからリオスを獲得したので打撃陣への影響は軽減されそう。レンジャーズ優勝は投のダルビッシュ、打のベルトレイの活躍にかかっている。さて、どうなるか。

黒田はエンゼルス相手に8回を3ヒット0点に抑えたのに、9回に登場したリリーフ陣にあやうく勝ちを消されそうになった。2点のリードが1点差になり、2アウト満塁、ボールカウントは3-2までいき押し出し四球がありそうな感じになってきた。が、高めに投げた球をバッターが空振りしてくれゲームセット。黒田に11勝目がついた。防御率は2.33まであがり、マリナーズのヘルナンデスに次いで2位。

ダルビッシュ、黒田、ともに思わず拍手をしてしまうほどすばらしい投球だった。

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2013.08.12

美術に魅せられて! My図録作りの楽しみ

Img_0007     ‘大琳派展’(08年 東博)の図録

Img_0004     酒井抱一の作品が掲載された頁

Img_0008     ワシントン・ナショナル・ギャラリーの図録

Img_0006     ロスコ作品が掲載された頁

展覧会へ出かけると見終わったあと図録を購入する。以前は100%手に入れていたが、最近は図録を保管するスペースをつくりだすのに苦労することが多くなったので、10回に2回くらいはチラシ、絵葉書、展示リストの3点セットだけで済ますことにしている。

美術本、画集、美術館のガイドブック、展覧会の図録、とにかく美術にかんする印刷物はかなりの数にのぼる。そこで、わが家では図録の整理を定期的に行なっている。ある画家の回顧展を体験する回数が多くなると、図録もだんだんたまってくるので古いものとか魅力度の落ちるものを処分する。

そのときの方法はほかの図録とダブっている図版をまずばんばん捨てる。そして、その図録にしか載ってないものは残し、市販のファイルブックに入れておく。ファイルは作家ごとに作ってあり、回顧展とかテーマ型の展覧会の図録からこちらに移ってくる。で、美術館が作る図録とMyファイル図録が本棚を飾ることになる。

このふたつはどちらも宝物、いろんな図録から寄せ集めてきたMyファイル図録も手作りだけに愛着がある。その青や赤や緑のファイルに収まっている作品を1年前から残していた図録のほうにペタペタ貼っている。例えばこんな具合。

08年東博であった‘大琳派展’は優れものの図録だから大事に々扱っている。図録は本屋に並んでいる画集などとはちがって白紙の頁が多く、作品の図版が載っている頁でも余白を広くとっているところも結構ある。そこにファイルにあった図版を貼っていく。

酒井抱一の‘新撰六歌仙・四季草花図屏風’の下にちょうどいいスペースがあったので、名古屋市博で94年に開催された‘琳派展’(94年)でお目にかかった‘桜楓図屏風’(フレミングコレクション デンバー美寄託)を配置した。作品自体も味のないファイルの一角におさまっているよりはこの図録にいるほうが気分はいいだろう。この作品を含めて選りすぐりの琳派を10点くらい加えたので、図録を広げる楽しみが一段とましてきた。

同じようなことを西洋絵画、浮世絵、近代日本画、洋画、彫刻で行なってきた。作家ごとのMY図録が多くできたが、海外の美術館の図録(ガイドブック)も白紙にどんどんいい作品を貼っていったので、すごく愛着のある図録になってきた。

一例がワシントンンナショナルギャラリーの図録。画像はロスコの頁だが、ここの左の空きスペースに1月現地を訪問したとき撮影した2枚の作品を載せた。画質は少し落ちるがリアりティがあるから、脳はすごく本気になる。手書きの名前の横に鑑賞した日付を入れているのは見たときの感激を長く保つための工夫。

ファイルは100冊くらいあり、まだやきもの、工芸、近代日本画の残りなど30冊残っている。図録に移しかえるのは時間がかかるが、My図録ができあがるとすごくいい気持ちになるので、手に糊をつけながらせっせと励んでいる。

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2013.08.11

ウェッセルマン、ローゼンクイストにもご機嫌!

Img_0004_2     ウェッセルマンの‘グレート・アメリカン・ヌード#50’(1963年)

Img_0005_2     ウェッセルマンの‘ヌード’(1965年)

Img_2     ローゼンクイストの‘ラナイ’(1964年)

Img_0007_2     オルデンバーグの‘ジャイアント・ソフト・ドラム・セット’(1967年)

1960年代にアメリカで一斉を風靡したポップアート、ウォーホルとリキテンスタインは最接近とはいかないが少しは馴染みがある。でも、ほかのアーティストは作品に出会った回数が極めて限られているので知らないに等しい。この状態を早く解消しアメリカの現代アートをもっと楽しみたいと思っているので、国立新美の広い展示空間に飾られている刺激的な作品は1点々がどどーんと体の中に入ってくる。

これまでとは違うアートの世界が開けてくる感じがして気分がいつになくハイになったのがウェッセルマン(1931~2004)の作品。数も多く最後の部屋に15点ある。過去にみたウェッセルマンは‘浴槽コラージュ’が最も印象深いが、‘グレート・アメリカン・ヌード#50’ にもトイレットペーパーに替わってラジオやオレンジジュースの瓶、リンゴが置かれている。横にまわってみたが本物のラジオ。

赤いガウンを身につけた金髪の女性はいかにもアメリカの女性という感じでとてもチャーミング、思わず笑ってしまうのが背景のルノワールの描いた女性と同じように手を顔にあてていること。これは一種のパロディ。ルノワールの絵の下にはセザンヌの静物画とルドンの花瓶がみえる。今となっては古典ともいえる印象派の作品をアメリカの家庭のリビングのなかに違和感なく溶け込ませ、芸術と日用品を一体化させる表現がとても新鮮に映る。

‘ヌード’シリーズは全部で4点あった。ハッとするおもしろい絵で一瞬マグリットが頭をよぎった。顔の口から上をカットし強調された乳房の下もなし。そして、風になびく髪は明るい黄色で平板に表しその向こうにはむくむくとした白い雲と青い空が広がる。こうした余分なものを大胆にカットしたグラフィックな感覚はまさに現代アートの真骨頂。200%KOされた。マグリットがこの絵をみたら裸足で逃げるかもしれない。

ローゼンクイスト(1933~)の‘ラナイ’にも大変魅了された。この絵こそアメリカ版のマグリット。マグリットとの違いはひとつひとつのモチーフが大きいことと重なり合っていること。缶詰の桃、お馴染みの逆さになったクルマ、プールサイドにいる女性、そして鉛筆の一部、これらは一体どう関係しているのか?意表を突くモチーフの組み合わせはマグリットの頭のなかとまったく一緒。ここには自然はでてこず、どれも日常生活で見慣れたもの。1月MoMAとMETでもシャープでモダンシュール全開の作品と遭遇したが、ローゼンクイストにだんだん嵌ってきた。

オルデンバーグ(1929~)のビニールでつくられたドラムセットの前に長くいた。シンバルや太鼓をこのようにぐにゃぐにゃにする衝動はどこからやってくるのだろうか、この作家の作品ではMoMAにある‘フロア・コーン’と名づけられた巨大なアイスクリームが目に焼きついている。今回、ソフト・スカルプチャーの作品などいくつもをみたから、次にオルデンバーグと会うときは目をキョロキョロさせないですみそう。

満足度200%のポップアート展だった。ミューズに感謝!

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2013.08.10

わぉー、リキテンスタイン! 日本へようこそ

Img_0001     ‘鏡の中の少女’(1964年)

Img_0009     ‘ブルーン’(1964年)

Img_0005     ‘化学による平和Ⅰ’(1970年)

Img_0003     ‘セラミック スカルプチャー#12’(1965年)

今回日本にやって来た絵画、彫刻、素描など約200点のポップアート作品はすべてジョン・アンド・キミコパワーズのコレクション、ウォーホルと並ぶポップアートの大スター、リキテンスタイン(1923~1997)もしっかり蒐集しており全部で22点飾られている。日本へよくぞお越しいただきました!

リキテンスタインというとすぐ思い浮かべるのが少女の絵。4点もあるのだから頬が緩みっぱなし。このうち‘バーン’は一度みたことがあるが、‘鏡の中の少女’、‘空想’、‘船上の少女’ははじめての対面。1月フィラデルフィア美で1点みたので、これまでお目にかかったのはトータルすると8点。この少女のヴァージョンが一体何点あるのかわからないが、半分をこえたかもしれない。

‘鏡の中の少女’はとびっきりの笑顔に心がポップする。この笑顔に誘われて視線は鏡の中に向かうが、左の太い黒の線で輪郭された黄色の色面がぱっとみて少女の頭にはみえない。黄色の帽子を被った海坊主のように思えてならない。リキテンスタインのトレードマークとなった点々、顔と指、そして爪に使われているが、赤い唇はこの絵のように塗りつぶすときもあれば点で描かれる場合もある。

展示室の最初に飾ってあるのが大きな‘ブルーン’はお馴染みのアメリカンコミックの吹き出し擬音語‘VAROOM!’音がある絵画はみているだけ活気づく。コミックの小さな一コマが赤や黒の線で構成された大きなアートに変わり爆発の生み出す強烈なエネルギーを表現している。

レジェの絵を彷彿とさせるのが‘化学による平和Ⅰ’、歯車が出てくるとチャップリンの映画‘モダンタイムズ’ではないが機械化された工業社会の断面がすぐイメージされる。この絵には白黒のみと白黒プラス青の2つのヴァージョンがある。

今回の収穫は陶器と真鍮と木を使ったオブジェ、リキテンスタインが絵画以外に‘セラミック スカルプチャー#12’のような陶器やオブジェも手がけていたとは知らなかった。3つのカップがぐにゃぐにゃと重なり合った‘セラミック’は赤や黄色が目に心地いいから自室に飾っておきたくなった。

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2013.08.09

暑さがふっとぶ‘アメリカン・ポップ・アート展’! ウォーホル

Img_0002     ‘200個のキャンベルスープ缶’(部分 1962年)

Img_0001     ‘マリリン’(1967年)

Img_0003     ‘キミコ・パワーズ’(1972年)

Img_0007     ‘花’(1970年)

今年、わが家はアメリカンアートの年だから、国立新美で行われる‘アメリカン・ポップ・アート展’(8/7~10/21)への期待値は特別高い。その気持ちに駆られて初日に出かけた。最近は以前のように開幕する日に足を運ぶことがないので、目に力が入った。

ポップアートを象徴する作家、ウォーホル(1928~1987)は37点でている。これほどの多くのウォーホル作品をみることができるのだから、日本は真に美術大国。だから、作品の前では大興奮ということになるはずなのだが、1月MoMA、MET、そしてワシントンのナショナルギャラリーとハーシュホーンで‘ゴールドマリリンモンロー’など4点で目慣らしができていたので、人物の顔の色使いやそのヴァリエーションのつけ方などに注意を払ってじっくりみることができた。

ウォーホルは小さいころから毎日食べていたというキャンベルスープ、ところがアメリカに住んだことがないのでこのスープにはまったく縁がない。そのスープ缶がなんと200個も繰り返し描かれている。缶がひとつだけだと、インパクトは薄い存在なのにこれほど大量に並んでいると、記号化されたアメリカの消費生活が強くイメージづけられる。

スープ缶の連続表現は人物の肖像にも使われた。マリリン・モンロー、ミキコ・パワーズ、毛沢東夫々の顔の肌や目や唇、髪の色、衣装や着物の色合い、そして背景の色との関係はどうなっているかを時間をかけてみた。

マリリンの場合、地の色とアイシャドーの色は一致している。髪の色はゴールドや茶色などいろいろな色が使われているのに対し、ミキコのほうは東洋人を意識してか目、眉毛、髪はみな黒、そして地の色と着物の色はゴッホのひまわりの絵のように同じで、同時にこの色が口紅の色になっている。感心するのがアクセントを効かせている着物の襟の色。上段右の赤に映えるゴールドの襟が目に焼きつく。

ハーシュホーンでみた‘花’は1点だったのに、ここでは10点が一堂に並んでいる。黄色や赤やピンクなど明るい色でべたっと彩られた大きな花弁はこちらに飛び出してくるよう。熱帯の花園に紛れ込んだような感じで浮き浮きした気分になる。

ウォーホルは天性のカラリスト、生き生きとした色彩の力をこれほど強く感じたことはない。こういう作品をまじかにみると、多くのコレクターがウォーホルの作品に夢中になるのがよくわかる。

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2013.08.08

予想に反して収穫の多かった‘ルーヴル美展’!

Img_0006_2     ‘アラバストロン(壺)’紀元前874~850年)

Img_0005_2     ‘ローマ皇帝ハドリアヌスの胸像’(127~28年)

Img_2     ‘ギャビーのディアナ’(100年頃)

Img_0001         コローの‘ギリシャの若い女’(1870~72年)

東京都美で開かれている‘ルーヴル美展 地中海四千年のものがたり’(7/20~9/23)、これまで何度かこのブランド美術館の所蔵展を体験したから今回はお休みにするつもりだった。ところが、ひょんなことで招待券が手に入ったので気が変わり出動することにした。

展覧会の目玉はチラシに大きく載っている‘ギャビーのディアナ’、現地でみた覚えがないのでまずはこの大理石彫刻との対面に鑑賞エネルギーの多くを注ごうと思っていた。ふつう自慢のお宝は展示全体の真ん中あたりにでてくるが、序と4章からなるテーマ‘地中海’の3章に進んでもまだお目にかかれない。これまでみた部屋で見逃したのかなと不安な気持ちになっていたら、最後の4章に特別のしつらえで展示してあった。

そのため、ここへ着くまでにギリシャの赤像式の壺やら古代エジプトの石像、ローマ皇帝の胸像、北アフリカのモザイクなどを結構熱心にみることになった。歴史好きにとって、‘地中海’という枠組みで四千年の歴史をみたとき、どの民族や国が主役の座につき、それがどのように変わっていったのかが残された文物によって知ることができるのは大きな収穫。各章の冒頭に飾ってある地図をじっくりみたあと、作品と対面した。

そのなかで足がとまったのは量感たっぷりの方解石でできたエジプトの大きな壺。表面のツルツル感がいい。ローマ皇帝の胸像は3つ、アウグストゥス、ハドリアヌス、セプティミウス・セウェルス、はじめて髭をはやしたハドリアヌスに引き寄せられたが、残念なことに顔の両サイドが欠けている。このあと、びっくりする彫刻が待っている。何がサプライズだったかは見てのお楽しみ!

さて、お目当ての‘ギャビーのディアナ’は狩りの女神アルテミス、ぐるぐるまわってみたが、みればみるほどその美しい顔に惹かれた。顔の長さを2本の指で測り、身長に対していくつあるかチェックしたら理想的な八頭身になっていた。美しいはずである。現地ではギリシャローマ彫刻の部屋はもう何年もみていないから、こうしたローマ時代につくられた傑作模刻に会えるのは幸運なめぐりあわせ。ミューズに感謝!

絵画作品ではコロー(1796~1875)の‘ギリシャの若い娘’の前に長くいた。日本であったコローの回顧展(08年 西洋美)でもみたが、ここで再会するとは思ってもみなかった。見終わったあと購入した図録は宝物を手にいれたような気分、じっくり読み込むつもり。

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2013.08.07

一回だけの‘谷文晁展’!

Img_0003_2        ‘青緑山水図’(1822年 東京富士美)     

Img_0004_2             ‘米法山水図’

Img_2             ‘弁材天図’

Img_0001_2         ‘富嶽図屏風’(上野記念館)

サントリー美で行われている‘谷文晁展’の後期(7/31~8/25)をみてきた。谷文晁(1763~1840)の大規模な回顧展ははじめてのことだし、注目していた展覧会であることは確かにそうなのだが、一回で十分ということにしていた。で、図録を入手することを主たる目的としてさらさらとみた。

文晁の山水画には北宋風の山が垂直にきり立ってる絵と池大雅を思わせるもこもこ山の二つがあるが、好みとしては黒で量感豊かに描かれたもこもこ山のほうに惹かれている。この黒が強いインパクトを持っている山水で一番のお気に入りは東博にある‘彦山真景図’。‘米法山水図’は板橋区美で6年前にあった‘谷文晁とその一門’で遭遇し魅了された作品。

東京富士美はまだ訪問してないが、そのコレクションは西洋絵画から日本画まで幅が広い。文晁のこんな緑と青が強く印象づけられる山水画を持っていたとは。北宋タイプは板橋区美でも数点みたが、この絵が最もいいかもしれない。

今回の収穫は‘弁財天図’、参考として酒井抱一の‘妙音天像’の図版があったが、どちらも甲乙つけがたいほどいい出来。この‘弁財天図’は山谷にあった有名な料理屋‘八百善’に伝来したものらしい。文晁は画家であると同時に趣味人、大田南畝、山東京伝、酒井抱一らと文化サークルをつくり八百善で集っていた。

文晁の富士山はこれまで2点ほどみたが、別ヴァージョンの‘富嶽図屏風’も悪くない。静岡県美にあるものは日曜美術館の‘富士山 10選’にとりあげられていたので期待していたが、やはり前期のみの展示だった。惜しいことをしたが、‘大富士山展’(どこかの美術館が企画している!?)があればみる機会があるだろう。

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2013.08.06

わくわくワールドツアー! クロアチア プリトゥヴィツェ湖群国立公園

Img_2     クロアチア プリトゥヴィツェ湖群国立公園

Img_0001_2         階段状の湖と滝

Img_0002_2        炭酸カルシウムが固まってできる石灰華

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2年前、BSプレミアムで放送された‘世界遺産 一万年の叙事詩’(90分、9集)を熱心にみた。1回々収穫の多い番組だったが、その最終回にとても美しい景観がでてきた。1979年世界遺産に登録されたクロアチアのプリトゥヴィツェ湖群国立公園。以来その映像が目に焼きついていたが、嬉しいことに先月BS日テレの‘絶景 世界自然’が詳しくとりあげてくれた。

クロアチアの首都ザクレブヘの飛行ルートはまずウイーンへ飛びここで乗り換えてザグレブへ入る。約14時間だそうだ。そして、プリトゥヴィツェまではさらに南下しクルマで3時間。人口428万人のクロアチアの主要産業は観光らしい。年間900万人もの観光客が世界中からやって来るとのこと、このうちプリトゥヴィツェ湖群公立公園にでかける人々は80万人。公園の広さは琵琶湖の半分くらい。

この世界遺産でとても惹きつけられるのは階段状になった湖とみているだけで涼しくなる多くの滝。湖は大小16,、滝は92あるという。いくつものトレッキングコースが用意されていて下流から上流までは歩いて3時間、湖のなかには遊覧船から景観を楽しめるところもある。

青く輝く湖の色がびっくりするほど美しいが、その透明度に目を奪われる。そして、湖はおもしろいことに階段状になってできている。上の湖の水は滝となって下の湖へと落ちていく、その水の流れはまた下の湖にたまりまた滝に変わり流れ落ちていく。

ここの地層は石灰層でできており、藻や水におちた木やバクテリアに炭酸カルシウムが付着しそれが堆積して石灰華が形成される。この岩や大木に少しづつ堆積した石灰華が何千年もかけて巨大化し、水をせき止め棚状の湖が生まれた。トルコのパムッカレで石灰質の棚をみたことがあるが、ここの湖も形成の仕方は同じこと。

多くの滝が流れ落ちる景観は心を大きく揺るがす。一度みてみたい!

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2013.08.05

わくわくワールドツアー! スペイン 銀の道

Img_2     

Img_0005_3       セビリアとヒホンを結ぶ‘銀の道’

Img_0006_2     世界遺産 ラス メドゥラス(ローマ帝国による金採遺跡)

Img_0004_3        高いところから注ぐリンゴ酒

昔の職場仲間にスペインが大好きな女性がいた。いい人がみつかり会社をやめたのだが、結婚する前にスペイン語をもっと学びたいとサマランカ大学に半年くらい通っていた。スペインの北部についてはこのサマランカとTV番組で特集していた巡礼の道の終着点サンティアゴ・デ・コンポステラ、そしてアルタミラ洞窟くらいしかインプットされてない。

先月、たまたまみたBS日テレの‘世界水紀行’でスペインの西を南北に結ぶ‘銀の道’というものがあることを知った。‘銀の道’はセビリアとカンブリア海沿の港町ヒホンを結ぶ古代ローマから続く交易ルート。全長800㎞。番組はこの道を北上しサマランカ、アストルガ、金鉱山ラス・メドゥラス、オビエドにスポットを当てていた。

このなかで最も関心が高かったのは世界遺産にもなっているラス メドゥラスの金鉱山。じつはこの古代ローマによる金採遺跡は2月に放送されたTBS‘世界遺産’でその存在を知ったが、場所がはっきりしなかった。ここは金の集積地アストルガの近郊の山岳地帯にある。

目が点になるのが奇岩が連続する風景、トルコのカッパドキアをすぐ連想したが、これは台地の隆起とか雨による浸食といった自然現象によって生まれたものではなく、古代ローマ時代に行われた金の採掘によってできたものとわかり二度びっくり。

土木技術に長けた古代ローマ人のやることはスケールがでかい。赤茶けた山肌がこんな形になっているのは山をどどどっと破壊したから。金鉱山の山頂に貯水槽をつくり水源から水を集めてくる。そして、その大量の水を鉱山のなかに蟻の巣のように掘られたトンネルに一気に流し、その力で山を崩した。崩れた山からでた土をふるいにかけ金を採取した。こうした方法でローマ帝国は紀元前1世紀から紀元後3世紀まで金を採り続けた。

ローマ時代の話はライフワークなのでこの遺跡はとても興味がある。個人旅行で行ってみたい気もする。番組の後半、オビエドのレストランでおもしろい光景に出くわした。それはリンゴ酒のカップへの注ぎ方。手を高くあげてそこから下に注いでいる。こうするのはガスを抜くため、そうすると香りと味がでるそうだ。フランスのモンサンミッシェルを訪問した時、昼食にリンゴ酒を飲んだ。テーブルに持ってくる前はこんな格好で注いでいたのだろう。

スペインをまた旅行することがあったら、ラス・メドゥラスの奇岩とリンゴ酒のことを頭のなかにいれておきたい。

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2013.08.04

エンジョイ 海百景! 広重、北斎、国芳、国貞

Img_0003     歌川広重の‘六十余州名所図会 薩摩 坊ノ浦 双剣石’(嘉永6年)

Img_0004     葛飾北斎の‘琉球八景 臨海湖声’(天保3~4年)

Img_0002     歌川国芳の‘高祖御一代略図’(天保中期)

Img_0001      歌川国貞の‘二見浦曙の図’(天保年間)

5年前、神奈川県歴博で歌川広重(1797~1858)の没後150年を記念した展覧会があり、‘六十余州名所図会’全点と出会った。以前このシリーズでお目にかかったのは‘天の橋立’など数点しかなかったので幸運な機会だった。

心を奪われた名所は沢山あったが、びっくり度でいうと薩摩の坊ノ浦にあるという双剣石が一番。広重はここへ実際足を運んだわけではないが、種本を参考にしてはっとさせる構図でこの奇岩を見事に描いた。本物の双剣石はこれほど高くはないだろうが、古代エジプトのオベリスクみたいに天にむかってそそり立っている。

葛飾北斎(1760~1849)の琉球八景の揃いものも北斎の想像力によって生み出されたもの。とはいえ、想像をふくらませるため‘琉球国志略’という種本がちゃんと存在する。そして、これをもとに中国の瀟湘八景に見立てて俯瞰の視点で仕上げた。‘臨海湖声’は家々が集まっているところの前を通る道が斜めにのびていく構図がおもしろい。

歌川国芳(1797~1861)が日蓮の雨乞いの祈りの場面を描いた‘高祖御一代略図 文永八鎌倉霊山ケ崎雨祈’は誰かの絵に似ている。そう、北斎の‘富嶽三十六景 甲州石班沢’!国芳は北斎を敬愛していたから、頭のどこかに石班沢があったのかもしれない。そこでちょっとしたカモフラージュを施した。日蓮の祈りが天に通じ大雨がふってきた。雨を表す黒の線を何本も引き見る者の目から石班沢を消している。

伊勢の二見浦へは名古屋に住んでいたとき2回行った。歌川国貞(1786~1864)の夫婦岩を見るたびに二つの岩をつないでいるあの太いしめ縄を思い出す。水平線から放射状にでてくる光の表現が印象的で忘れらない一枚になった。

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2013.08.03

エンジョイ 海百景! 北斎、広重、英泉、清長

Img_0002     葛飾北斎の‘千絵の海 総州銚子’(天保初期・1832~34年)

Img_0001     歌川広重の‘六十余州名所図会 阿波 鳴門の風波’(嘉永6年・1853年)

Img_0003     渓斎英泉の‘東都花暦 佃沖ノ白魚取’(天保後期・1837~44年 ギメ美)

Img_0005 鳥居清長の‘美南見十二候 四月 品川沖の汐干’(天保4年・1784年 シカゴ美)

葛飾北斎(1760~1849)の風景画の魅力のひとつが大胆な構図、北斎は見たものをそのまま描こうと思ってないから、自分のイメージに合うように現実を再構成する。そうして生み出された最高傑作が‘神奈川沖浪裏’、小舟に覆いかぶさるように落ちてくる巨大な波濤は波のお化けのようにみえる。

この波濤が生き物を思わせるのに対し、‘千絵の海’シリーズの一枚‘総州銚子’に描かれた波は映画にでてくる荒れる海のワンシーンそのもの、じっとみていると自然と体が左右に揺れてくる。波に翻弄されながら必死に船を操る人々の姿には緊迫感が重くのしかかっている。

歌川広重(1797~1858)が描いた鳴門の渦潮は‘神奈川沖浪裏’を彷彿とさせる。渦潮はものすごいスピードでグルグル回転し、ほかの渦と縦に横に重なり合い海全体を大きく揺り動かしている。一度、現地を旅行したのだが、クルマが到着したのは渦潮が見られる時間帯を過ぎていた。見たい気もするが、徳島はいかにも遠い。

‘佃沖白魚取’は歌川国芳の‘佃沖晴天の不二’に似たようなモチーフがでてくるので、一見するとこれも国芳が描いたのかなと思う。が、これを描いたのは渓斎英泉(1791~1848)、太田記念美で開催された‘ギメ美展’ではじめてお目にかかり大変魅せられた。英泉の風景画もいい味がでており、心を和ませてくれる。

鳥居清長(1752~1815)の‘品川沖の汐干’は好感度の高い作品。美味しい酒や料理をいい景色をながめながら飲んだり食べたりするともう極楽気分だろう。座敷のむこうに広がる海と帆船が人物の群像描写の間にすっきり描かれるところがなんともいい。

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2013.08.02

ダルビッシュ 奪三振ショーで10勝目!

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大リーグはオールスター後の試合から俄然おもしろくなってくる。今日はダイヤモンドバックスとのインターリーグ戦に登板したダルビッシュが三振14個を奪う圧巻のピッチングをみせてくれた。とにかくその投球はスゴイの一言。

前回の登板では先頭バッターにいきなりホームランを打たれた。でも、そのあとはいい投球内容で7回まで0点に抑えたが打線が隅1をひっくりかえせず敗けがついてしまった。今日はこのときより球の安定感が抜群によく、ストレートも変化球も狙ったところにビシビシ決まっていた。7回をヒット5本でのりきり無四球、無失点。2年連続で二桁勝利となった。

こういうピッチングをみると、ダルビッシュは大リーグNO.1ピッチャーではないかと思ってしまう。故障あけの3試合の失点が少ないので防御率は2.66に上がった。これはアリーグ5番目の成績、昨日ドジャーズとの試合に7回無失点に抑えた黒田はこれよりよく2.38で2位、そしてマリナーズの岩隈は2.76で6位。

レンジャーズは現在西地区の2位、首位のアスレチックスに3.5ゲームの差をつけられている。今日勝ったので4連勝。地元にエンゼルスを迎えての3連戦では3試合すべてサヨナラホームランで勝利をおさめた。昨日は4番のベルトレイがレフトスタンドへまたしても歓喜の一発。こんな滅多にないドラマチックなゲームが続くと、Dバックスのあと敵地へ乗り込んでのアスレチックス戦にもいい状態で臨める。

アスレチックスは連敗の少ない強いチーム、だからレンジャーズが再び首位に返り咲くのは容易ではないが、この4連勝をきっかけに波に乗ればアスレチックスに肉薄することも十分可能。ダルビッシュの調子が上がってきており、シカゴカブスからトレードで実力のある先発ガーザを獲得できたので投手陣の駒が揃っている。

あとは打つほうがこの活気づいた打線の勢いをどれだけ維持できるか。また、つまらない走塁ミスで得点力をさげるのも避けたいところ。そして、心配の種はクルーズの禁止薬物使用問題、出場停止になると大きな戦力ダウンだが、残りの試合はアウトのような予感がする。そうならなければいいのだが。

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2013.08.01

エンジョイ 海百景! 北斎、江漢、広重

Img_0004     葛飾北斎の‘潮干狩図’(重文 1808~13年 大阪市美)

Img_0002     司馬江漢の‘七里ヶ浜図’(江戸時代後期 大和文華館)

Img     歌川広重の‘東都名所 高輪之明月’(1831年)

Img_0006     歌川広重の‘武陽金沢八景夜景’(1857年)

浮世絵風景画に海は再三描かれる。だからバリエーションは豊富、北斎の‘神奈川沖浪裏’のように波のお化けが登場し‘動き’が強調されたもの、そして俯瞰の視点で気持ちがいいほど広々とした海をどーんと描いてみせたものもある。海好きなので夫々に敏感に反応する。

葛飾北斎(1760~1849)の‘潮干狩図’に大変魅了されている。でも本物をみたのはまだ2回しかない。8年前東博で開催された‘北斎展’でお目にかかったが、そのあと対面してない。大人、子供総出の潮干狩りは手前の潮が引いた砂浜とだいぶむこうの海に近いところ二ヶ所で行われている。

この絵は視線を画面の下から上に動かすと広大な海の光景がイメージできるのでとても楽しい。潮の香りがする砂浜で今も江戸時代も同じような格好をしてあさりを採っている。魚とりとちがってあさりは誰でも砂をほればとれるから、休日のエンターテイメントにはもってこい。夕飯どきは美味しいあさり汁をすすりながらワイワイガヤガヤ話がはずむ。

雲や波の質感を油彩で表現した司馬江漢(1747~1818)の七里ヶ浜の風景画も印象深い作品。砂浜に打ちよせる白い波が浮世絵版画とは異なる情感を醸し出しているので、思わずじっとみつめてしまう。ここからの富士山の眺めはなかなかいい。

歌川広重(1797~1858)は34歳のとき江戸の名所10カ所を描いた‘東都名所’をだした。その一枚‘高輪之明月’はすばらしい風景画だと思うが、実際には売れなかった。その理由は同時期に北斎のあの‘富嶽三十六景’が発売されたから。どうみたって人々の関心は北斎の富士山の絵に集まる。しかし、今では満月の下を飛行する雁の姿は多くの人の心をとらえて離さない。

能見堂から眺めた金沢八景の夜景は三枚続の大きな絵なので、自分はこの場所にいて同じ光景をみているような気になる。この絵をみるときは単眼鏡が欠かせない。ここでは雁は‘東都名所’とはちがって小さな点のようにしかみえないから、静かに進む雁の群れの情景を単眼鏡を通して目に焼きつけたい。

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