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2013.07.28

エンジョイ 海百景! 又造、大観、魁夷

Img_0005     加山又造の‘月光波濤’(部分 1979年)

Img_0003_2     横山大観の‘海山十題 波騒ぐ’(1940年 霊友会妙一記念館)

Img_0002_2     東山魁夷の‘朝明けの潮’(部分 1968年 東近美)

Img     東山魁夷の‘濤声’(部分 1975年 唐招提寺)

明治時代以降に活躍した日本画家で好きな画家は何人もいるが、生涯最接近してその作品を鑑賞しようと思っているのは6人。横山大観、菱田春草、上村松園、鏑木清方、東山魁夷、そして加山又造。今日はそのなかの3人が描いた海の絵。

加山又造(1927~2004)の水墨画にすごい絵がある。1979年に描かれた‘月光波濤’、7年前神戸大丸で又造の回顧展があり万難を排して遠征した。そこには体を熱くさせる名画がここにもあそこにも展示されていたが、とりわけ心を奪われたのがこの波濤図。似たような絵を山種美でみたことはあるが、‘月光波濤’は大作なので絵の前立った時のインパクトが圧倒的で大変な絵をみたという思いだった。岩に砕け散る波はしぶきを宙に散乱させ岩の切り立った表面を細い水の筋となりすごい速さで落ちていく。こんなダイナミックで神秘的な波濤はみたことがない。

横山大観(1868~1958)の‘海山十題’に絞った展覧会が2004年7月東芸大美で行われた。これは幸運なめぐりあわせで、その2ヶ月前広島から横浜に戻ってきたところだった。‘海山十題’は一部しかみたことがなかったので、20点を食い入るようにみた。海好きなので山の十題よりは海の十題のほうに心が動く。一番のお気に入りは‘波騒ぐ’。俯瞰の構図で描かれた青緑の海は実際に潮騒の音を聞いているようで、松の枝のむこうにみえる変幻自在な白波の模様が深い精神世界に誘い込む。

皇居宮殿のホールに飾られている東山魁夷(1908~1999)が制作した壁画‘朝明けの潮’をみる機会は一生ないので、東近美でときどき展示される下図を楽しんでいる。この絵も波のうねりがリアルに感じられる作品。強く印象に残るのは緑青の色に金箔やプラチナ箔を重ねているところ。これにより日本美の象徴である装飾美と写実が見事に融合した海景画になっている。

魁夷にはもう一点とても魅了される海の絵がある。御存じ、唐招提寺の障壁画。現地ではみてないが04年と08年にあった大回顧展(兵庫県美と東近美)で本物仕立て対面することができた。又造の波濤図同様、心に沁みる傑作である。こういう絵の前では何時間でもみていたくなる。

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コメント

素晴らしい日本画の海景ばかりですね!

加山又造は大好きですが、『月光波濤図』は画集でも見たことがありませんでした。モノクロで見事な光が表現されています。

東山魁夷の『朝明けの潮』は、金箔が青緑に映えていますね! 次回展示される時は、東京国立近代美術館で見逃さないようにします。

今回の四作品では、すべて白がとても効果的に使われていますね。

投稿: ケンスケ | 2013.08.01 21:55

to ケンスケさん
加山又造の月光波濤は真に傑作です。3年前
国立新美であった回顧展に出品されました。

又造に関する情報をひとつ、ホテルニューオータニ
にある美術館で又造の作品を中心にした展覧会
(9/28~11/4)があります。

東山魁夷の作品は一生見続けたいですね。深い
風景画ですから、1点々心に沁みます。

投稿: いづつや | 2013.08.03 00:18

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