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2013.07.25

エンジョイ 海百景! ロラン、ターナー、モネ、シーレ

Img_2  ロランの‘海港、シバの女王の船出’(1684年 ロンドン ナショナルギャラリー)

Img_0001_2     ターナーの‘勇敢なるテメレール号’(1838年 ナショナルギャラリー)

Img_0003_3     モネの‘印象、 日の出’(1873年 パリ マルモッタン美)

Img_0005_2     シーレの‘トリエステの港’(1908年 シュタイアマルク州立博)

横浜美で今開催中の‘プーシキン美展’にプッサンの初期のいい絵がでているが、クロード・ロラン(1604~1682年)の‘アポロとマルシェアスのいる風景’も強く惹かれる一枚。プッサンとロランはルーヴルでは同じ部屋に飾れているから、二人はフランス絵画ではひとくくりにしてインプットされている。

ロランはロンドンのナショナルギャラリーにとても魅せられる絵がある。それはルーム15にターナーの‘カルタゴ帝国の興隆’と一緒に展示されている‘海港、シバの女王の船出’。早朝の光が海面に反射する光景が大変美しく、これから船に乗り込みソロモン王を訪ねていく女王シバの張りつめた心が手にとるように伝わってくる。と同時にみているこちらの旅心も呼び起こされる。

ロランの画風から強い影響を受けたターナー(1775~1851)が描いた‘勇敢なるテメレール号’はじつに堂々とした船の絵。御存じのようにテメレール号は1805年のトラファルガーの海戦で活躍した軍艦、時代が変わり現役を引退するときがやってきた。夕日が赤く輝くなか、黒い引き船に引かれてゆっくり進むテメレール号の姿には哀愁が漂っている。

港の絵で最も心を打つのはやはりモネ(1840~1918)の‘印象、日の出’。この絵は1985年に盗難に会い1990年無事発見された。お目にかかったのは美術館に戻り再公開された1991年。パリの訪問とこの絵の鑑賞がうまくシンクロしたので忘れられない一枚になった。とくに魅せられるのが光があたった海面がゆらゆら揺れる感じを表現した筆のタッチ、これをみないとモネははじまらない。

海面の揺らぎで思い出す絵がもう一枚ある。シーレ(1890~1918)が18歳のとき北東イタリアの港町、トリエステの光景を描いた絵。船のマストなどが反射している海面が静かにゆれる様が縦にまっすぐのびるギザギザの線で装飾的に描かれている。20年くらい前日本で見たときは衝撃が走った。シーレは18歳でもうこんないい絵を描いている。ミューズにその豊かな才能を愛されたことは間違いない。

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コメント

夕陽を浴びている波の輝き。クロード・ロランの真骨頂ですね。

ターナー作品がクロード・ロランに影響を受けていることがよくわかります。『勇敢なるテメレール号』は、イギリス国民が最も愛しているターナー作品だと読んだことがあります。

今年のターナー展は、とても楽しみにしています。

モネの作品はあまりに有名ですが実見したことがなく残念です。

ご紹介のシーレ作品も初めて見ましたが、ご指摘のように海面を縦に走る線がいいですね!

投稿: ケンスケ | 2013.07.29 08:29

to ケンスケさん
ターナーの海景画は魅力ありますね。体が自然と
傾いてくるような動的描写があったり、テメレール
号のように静寂で崇高さの漂う作品もあります。
秋のテート展が待ち遠しいですね。

シーレの海面の描写には参りました。なんかざざっと
線を引いた感じですが、ゆらゆら感がしっかりでて
ます。18歳でこれが描けるのですからすごいです。

投稿: いづつや | 2013.07.29 16:44

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