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2013.07.26

エンジョイ 海百景! クールベ、クレイン、マグリット

Img_0003     クールベの‘波’(1870年 西洋美)

Img_0005     クレインの‘ネプチューンの馬’(1892年 ミュンヘン ノイエピナコテーク)

Img_0008     マグリットの‘大家族’(1963年 宇都宮美)

Img_0006     マグリットの‘誘惑者’(1951年)

フランスの画家クールベ(1819~1877年)が気になりだしたのは西洋美で海岸に打ち寄せる波の絵をみてから。波をモチーフにした作品はその後日本の大原美にあるものや08年の大回顧展(パリ、グランパレ)に出品されたものなどを含めて10数点みたが、西洋美にある波の形に最も魅せられている。

波がこのくらい大きいとサーファーはすぐにでも海にとびだしていくのだろう。水の動きを描くのは大変難しい、波の形はできては消えるから、この形を目に焼きつけるのは至難の業。クールベが写真も活用して表現した波はじつに真に迫っている。暗い海辺に白い波頭ができそして崩れていく光景は大波警報を知らせる気象ニュースの映像を見ているよう。どの絵も足をとめさせるが、今年の1月はフィラデルフィアとメトロポリタンで2点みた。

クレイン(1845~1915)の‘ネプチューンの馬’はまだ縁がないが、思い入れの強い作品。はじめてみたときハッとしたのは波と馬の姿が重ね合わさっているところ。おもいろいアイデア、シュルレアリストのダリがこのダブルイメージをみたら裸足で逃げるにちがいない。左端ではまだ波と馬がまじりあい輪郭はぼやけているが、右にみえる海の神ネプチューンは波が変身した美しい白馬にまたがっている。この絵を所蔵しているのはミュンヘンにあるノイエピナコテーク。この絵のほかにもマネ、ゴッホなどのいい絵があるから、いつか足を運びたい。

マグリット(1898~1967)の‘大家族’はクリムト展をみるためでかけた宇都宮美で久しぶりに会った。絵の存在を知ったのは30年くらい前で、そのときは個人蔵となっていた。不思議な絵だなとは思ったが、意外にもそのシュールさはダリの作品のようにどぎまぎという感じでもなかった。

巨大な鳩にあっけにとられるものの広重の名所江戸百景にも大きな鷲がでてくるから、想像力をふくらませたマグリットが海の上の鳩を置いたことにそれほど違和感を感じなかった。下の波の描き方はクールベタイプ、違いは画面のなかに明るい空を暗い空を同居させていること。そして、マグリットの真骨頂は白い雲と鳩の頭がつくるダブルイメージ。

‘誘惑者’も絵のなかにすっと入っていける。帆船の帆も船体もみな波の模様というのは確かに変だが、遠くでみれば船は小さくなるから波が船全体におおいかかるイメージがする。で、船も海も一緒の模様にしてしまおう、となったのかもしれない。マグリットはイメージがちょっと跳ねるところを表現するのが天才的に上手い。

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