アートに乾杯! 七夕図をお楽しみあれ
酒井抱一の‘乞巧奠(きっこうてん)’(1827年 大倉集古館
今日は七夕なので、これにちなんだ絵を選んでみた。3年前にもとりあげたので(拙ブログ10/7/7)、七夕図パート2。
大倉集古館に酒井抱一が五節句を描いた五幅の掛軸があり、その一幅が‘乞巧奠’、七夕の絵。京都の冷泉家では今でも中国から伝わったこの乞巧奠という祭りが行われている。これは一年に一度会ってニコニコ顔になる彦星と織姫の二星に蹴鞠、雅楽、和歌などの技芸を手向け、技が巧みになるようにと乞う、歌会の行事。
抱一の絵では台盤に海山の幸を盛る土器が置かれ、その下には角だいらがみえる。そして、女性が3人描かれた川原慶賀の絵には琴が手向けられている。雅楽の楽器としてはもうひとつ琵琶がある。
奥村政信のぐっとくだけた感じの七夕図はみてて楽しい。江戸時代までタイムスリップしなくても、昭和の30年代40年代だって、七夕の日はこんな雰囲気が漂っていた。この絵の真ん中にある台には川原慶賀の絵に描かれたのと同じように食物が供えられている。七夕気分が高まるのはなんといって笹竹に掛けられている色紙や短冊。風にひらひらする様はじつに風情がある。
賑やかな七夕は三代目豊国の絵。描かれている女性は6人、3組のペアが斜めに組み合わされて等間隔で配置されている。右端の母親はホウズキを高くあげて子供と遊んでおり、その向こうでは牛の背に荷物を積んだ大原女が休憩中。笹竹に短冊を結びつける娘、さてどんな願いを書いたのだろうか、食欲をそそられるのが左の女がもってきたスイカ。夏というとスイカが欠かせない。大好物だから、明日はいただくことにした。
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