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2013.07.19

忘れられないエルミタージュのマティス!

Img_0004_2     ‘ダンス’(1910年)

Img_0003_2     ‘音楽’(1910年)

Img_2     ‘家族の肖像’(1911年)

Img_0001_2     ‘会話’(1909年)

美術の鑑賞を重ねるにつれ自分の感性と波長の合う画家が現れてくる。でも、その画家に対する思いが熱いからといって簡単に最接近できるというものでもない。何事も運が味方してくれないと夢が夢のままで終わる。

マティス(1869~1954)との相性度は70%くらい。カラヴァッジョとは100%の相性度なのに、遭遇するマティスの作品の30%は退屈する。マティスに対する率直な思いはこうなのだが、色彩の力に200%OKされた作品は両手をこえるからマティスの魅力が心のなかに強く刻まれていることも事実。で、未見の絵のなかには追っかけ画リストに入っているものも多い。

ではマティスとの巡り合わせはどうかというと、これは時が大いに味方してくれている。最初の幸運は1990年ワシントンのナショナルギャラリーで開催されていた‘マティス展’、この時プーシキン美にあるモロゾフコレクションの一枚‘モロッコ三部作’や‘緑衣のモロッコ人’(エルミタージュ美)などをみることができた。

2回目のマティスイベントは1994年の‘バーンズコレクション展’(西洋美)、傑作の‘生きる喜び’など16点が展示されていた。多くの美術ファンがこのビックな展覧会を楽しまれたにちがいない。

そして、三度目のマティス体験はサンクトペテルブルクにあるエルミタージュの訪問。今から14年前のことだが、シチューキンが蒐集したマティスの傑作の数々と出会った。これは一生の思い出。シチューキンがマティスと初めて会ったのは1904年、まだ売れてなかったマティスにたちまち惚れ込みパトロンとなった。購入した作品は全部で43点、モロゾフもマティスを11点蒐集しているが数ではシチューキンのほうが圧倒的に多い。二人の目利きコレクターによってロシアにもたらされたマティス作品は現在、エルミタージュとプーシキンに分けられて展示されている。

昨年そのシチューキンコレクションの一枚‘赤い部屋’(拙ブログ12/5/11)がやって来て話題になった。マティス同様沢山あるゴーギャンの絵は覚えているものが少ないのに、色彩の魔術師マティスについては8点くらいが目に焼きついている。とにかく赤や青、緑などの色彩パワーが強烈だった。

最も長くみていたのが対になって飾られている‘ダンス’と‘音楽’、大変大きな絵で青と緑の地の色面に赤で彩られた裸婦の人物が浮かび上がっている。これをみたら誰だってマティスがすごい画家であることがわかる。‘赤い部屋’の隣にあったのが‘家族の肖像’、子供が紙で人物や暖炉を切る抜いてペタッと貼ったようなきわめて平面的な作品だが、空間に広がりがありくつろいだ気分になる。

‘会話’も大作でインパクトの強い作品。強く印象に残っているのは横向きのマティス自身と夫人を引き立てている背景の青。マティスの絵は赤などの暖色系の色が心にズシンとくることが多いが、こういう青のパワーが強調されたものは切り紙絵‘ジャズ’以外はあまりみたことがない。

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