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2013.07.31

エンジョイ 海百景! 芳翠、由一、武二、繁

Img_0001     山本芳翠の‘浦島図’(1893~95年 岐阜県美)

Img_0002     高橋由一の‘江の島図’(神奈川県近美)

Img_0004     藤島武二の‘大王岬に打ちよせる怒濤’(1932年 三重県美)

Img_0003     青木繁の‘朝日(絶筆)’(1910年 佐賀県立小城高校)

日本の洋画家への思い入れは日本画家にくらべると少し弱くなるが、ビッグネームの回顧展は見逃さないようにしている。昨年はすばらしい‘高橋由一展’(東芸大美)があり、2年前には‘青木繁展’(ブリジストン美)が開催された。また、この年はそごう美で‘藤島武二・岡田三郎助展’も楽しんだ。

今期待している回顧展は山本芳翠(1850~1906)と梅原龍三郎、そして森本草介。はたしてその可能性はあるだろうか?このなかで山本芳翠については画集が手元にないので、画業全体がつかめてない。3年前、三菱一号館の開館記念展で芳翠の‘十二支’シリーズに出会った。はじめてこのシリーズを知ったが、鑑賞欲を強く刺激された。出品された3点を所蔵しているのは三菱重工業、ほかの9点もみたくなるが、一体どこにあるのだろうか?もし、回顧展に遭遇すれば望みが叶う可能性もでてくる。

そのときはもちろん代表作の‘浦島図’にも会える。この絵は‘前田青邨展’をみるため岐阜までクルマを走らせたとき、平常展示でみた。絵自体は何年も前から目に焼きついていたが、本物にはなかなか縁がなかった。体が引きこまれるのは亀の上に乗っている浦島太郎だが、戸惑うのがこの浦島太郎の顔、女性かいな!?長い髪、ぽちゃっした丸みのある顔、そして体をちょっとひねるポーズ、どうみても女性の姿。

まわりの侍女や童子のかわいらしさや柔らかそうな肌をみていると、なんだかブーシェの絵をみているよう。そして、心安まるのが穏やかな海。遠くにみえる水平線が画面の上のほうに引かれているので海が広々としている。こういう絵は年に一回はみたくなる。

風景画は自分の知っている場所だと身近な感じがする。高橋由一(1828~1894)の‘江の島図’はとても気に入っている。海が描かれているところは少ないがこの道を通り島に渡っているから、海は十分イメージできる。フランスのモンサンミッシェルへ行ったとき、すぐ江の島を思い出した。

三重県の大王岬がどこにあるかわからない。でも、藤島武二(1867~1943)の絵で岬の名前だけはずいぶん前からインプットされている。武二の風景画で魅せられているのは画面に動きのある‘大王岬に打ちよせる怒濤’と‘室戸遠望’(泉屋博古館分館)。‘大王岬’は両サイドの岩がつくるV字の間に描かれた波の激しいしぶきに緊張感がある。

青木繁(1882~1911)の絶筆‘朝日’は回顧展のとき息を呑んでみていた。そして、しだいにターナーとモネの絵が重なってきた。波の揺れが青木繁の波乱万丈の人生を象徴しており、その終わりのときを朝日が明るく照らしているようにみえた。

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2013.07.30

BS1 ‘一投にかける ヤンキース黒田博樹’!

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Img_0001      黒田の各バッターに対する攻略ファイル

Img_0002     デービス(オリオールズ)との対戦

昨日BS1の‘アスリートの魂’で放送された‘一投にかける ヤンキース黒田博樹’を興味深くみた。日本人投手としてはじめて4年連続二桁勝利をあげた黒田、このタイミングでドキュメント番組が制作されれば黒田への関心がいっそう高まる。

黒田は今年ヤンキースと15億円で契約を交わしているから、10勝するのはノルマ通りかもしれない。だが、勝ち星だけでなく防御率がアリーグ3位の成績となれば特別ボーナスをもらっていいほどのエースの働き。投手の実力は防御率に現れる。だから、今や黒田は大リーグを代表する投手に登りつめたとこになる。本当にすばらしい!

番組でとくにおもしろかったのは黒田が対戦したバッターごとに配給や抑えどころのポイントを書き込んだ分厚いファイル。バッターの癖や長所、そしてどういう配給をすればうちとれる可能性が高いか、こういうものを投手はつくっていたのかと感心した!

今はどの球団でも登板したときの投球内容が映像として記録されているから、PCを使えば対戦した打者ひとり々のデータベースをもとに打たれた原因や良かったときの配給などをいろいろと分析できる。その一例として、今年ホームラン2本をあびているオリオールズの強打者デービスと7/7に対戦した時の配給を攻略ファイルと照らし合わせながらみせていた。

この試合はちょうどみていたから、黒田がデービスをどういうピッチングでうちとったかはよく覚えている。黒田は前の2戦で横の変化でホームランを食らったから、この登板では低めの縦の変化で抑えることに決めていた。それがうまくいきこのキーマンを完璧に抑えた。

これまで黒田のチッピングをみてときどき大きく抜ける球があり気になっていたが、これはバッターに高めを意識させるためにわざと投げていたことがわかった。黒田は‘ピッチャーとしての技術のひとつだと思う’といっていた。手元が狂ったようにみえる大きな抜け球、そういえば主力打者のときしかこの球はみられない。配給のひとつとして使っていたのだ。これからは黒田の投法の見方が変わってきそう。

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2013.07.29

エンジョイ 海百景! 大観、青樹、紫紅、一村

Img_0002     横山大観の‘海山十題 曙色’(1940年 足立美)

Img_0003     小茂田青樹の‘出雲江角港’(1921年)

Img_0001     今村紫紅の‘熱国の巻’(重文 1914年 東博)

Img                田中一村の‘アダンの木’(1969年)

島根県の安来市に近代日本画の質の高いコレクションと日本庭園で知られる足立美がある。以前広島市に9年住んでいたとき、クルマで2回でかけた。山陰の旅行ツアーではここは定番の名所観光のひとつになっているので、駐車場にはいつも観光バスがいっぱい。

日本画コレクションの目玉は横山大観(1868~1958)、とにかくびっくりするほどの数を所蔵している。名作も多く、そのひとつが‘海山十題’シリーズ、夫々4点合わせて8点ある。‘曙色’で魅せられるのは浜辺に打ち寄せる波を斜めに描く構成。そしてこの静けさ、遠くに帆船が4隻かたまっており、左からは小舟がゆっくり進んでいる。

小茂田青樹(1891~1935)というと細密に描かれたクモや昆虫などが思い起こされるが、風景画にもいい絵がある。‘出雲江角港’は出雲へ何度もでかけたので親近感を覚える。海を手前の家並みともっこりとした山々ではさみこむ構図がなかなかいい。また、この地域特有の赤い屋根を丁寧に描くところが青樹の真骨頂。どうでもいいことだが、フジテレビで今月からはじまった‘ショムニ2013’に出演している江角マキコは出雲市の出身。

東博の総合文化展は今はご無沙汰しているが、以前は熱心に足を運んでいた。本館の1階左が日本画と洋画を展示している部屋。今村紫紅(1880~1916)がインド旅行で吸収したものを作品にしたのは絵巻仕立ての‘熱国の巻’、じっとみてしまうのが海の部分、金箔の帯が横に流れ穏やかな波のゆらぎが平べったいへの字のような模様でリズミカルに表現されている。秋に三渓園で行われる‘今村紫紅展’でこの絵と久しぶりに対面できるかもしれない。開幕が楽しみ!

奄美大島へは行ったことがないが、田中一村(1908~1977)の‘アダンの木’のお蔭でどんな島かは想像がつくようになった。3年前千葉市美で遭遇した‘田中一村展’は一生忘れられない展覧会。とくにこの‘アダンの木’には200%KOされた。大きく描かれたアダンに目を奪われるが、その向こうにみえる海がじつに美しく描かれている。銀の質感を思わせるさざ波、そして遠くのぼやけた水平線。縦長の絵なのに温かい海が目の前に広がってくる。立ち尽くしてみていた。

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2013.07.28

エンジョイ 海百景! 又造、大観、魁夷

Img_0005     加山又造の‘月光波濤’(部分 1979年)

Img_0003_2     横山大観の‘海山十題 波騒ぐ’(1940年 霊友会妙一記念館)

Img_0002_2     東山魁夷の‘朝明けの潮’(部分 1968年 東近美)

Img     東山魁夷の‘濤声’(部分 1975年 唐招提寺)

明治時代以降に活躍した日本画家で好きな画家は何人もいるが、生涯最接近してその作品を鑑賞しようと思っているのは6人。横山大観、菱田春草、上村松園、鏑木清方、東山魁夷、そして加山又造。今日はそのなかの3人が描いた海の絵。

加山又造(1927~2004)の水墨画にすごい絵がある。1979年に描かれた‘月光波濤’、7年前神戸大丸で又造の回顧展があり万難を排して遠征した。そこには体を熱くさせる名画がここにもあそこにも展示されていたが、とりわけ心を奪われたのがこの波濤図。似たような絵を山種美でみたことはあるが、‘月光波濤’は大作なので絵の前立った時のインパクトが圧倒的で大変な絵をみたという思いだった。岩に砕け散る波はしぶきを宙に散乱させ岩の切り立った表面を細い水の筋となりすごい速さで落ちていく。こんなダイナミックで神秘的な波濤はみたことがない。

横山大観(1868~1958)の‘海山十題’に絞った展覧会が2004年7月東芸大美で行われた。これは幸運なめぐりあわせで、その2ヶ月前広島から横浜に戻ってきたところだった。‘海山十題’は一部しかみたことがなかったので、20点を食い入るようにみた。海好きなので山の十題よりは海の十題のほうに心が動く。一番のお気に入りは‘波騒ぐ’。俯瞰の構図で描かれた青緑の海は実際に潮騒の音を聞いているようで、松の枝のむこうにみえる変幻自在な白波の模様が深い精神世界に誘い込む。

皇居宮殿のホールに飾られている東山魁夷(1908~1999)が制作した壁画‘朝明けの潮’をみる機会は一生ないので、東近美でときどき展示される下図を楽しんでいる。この絵も波のうねりがリアルに感じられる作品。強く印象に残るのは緑青の色に金箔やプラチナ箔を重ねているところ。これにより日本美の象徴である装飾美と写実が見事に融合した海景画になっている。

魁夷にはもう一点とても魅了される海の絵がある。御存じ、唐招提寺の障壁画。現地ではみてないが04年と08年にあった大回顧展(兵庫県美と東近美)で本物仕立て対面することができた。又造の波濤図同様、心に沁みる傑作である。こういう絵の前では何時間でもみていたくなる。

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2013.07.27

エンジョイ 海百景! ゴッホ、スーラ

Img_0004     ゴッホの‘スヘーフェニンゲンの海’(1882年 アムステルダム ゴッホ美)

Img     ゴッホの‘サント・マリー・ド・ラ・メールの海’(1886年 ゴッホ美)

Img_0001     スーラの‘グランカンのオック岬’(1885年 ロンドン テートモダン)

Img_0003     スーラの‘グラヴリーヌの水路、夕暮’(1890年 NY MoMA)

アムステルダムにあるゴッホ美はオランダ観光の目玉のひとつ、ゴッホ(1853~1890)は世界中で愛されている画家だから、館内はいつも大勢の人で混雑していいる。ツアーの場合館内にいるのは約2時間。2011年に訪問したとき、ある絵を一生懸命探したが、またしても展示してなかった。その絵とは‘スヘーフェニンゲンの海’。

この絵はゴッホの初期の油絵で9年前手に入れた‘ゴッホ美 名画100選’の一番最初に掲載されている。ところが、このときを含めて3回美術館を訪れる機会があったのに、この絵だけはいずれも姿を現わしてくれなかった。絵のコンディションに問題があり、今は常時展示してないのかもしれない。白い波頭がとても印象深く、見たい度の強い絵なのに、会うのにえらく時間がかかっている。この状況をなんとか打破できればいいのだが。

ゴッホはアルルに滞在していたとき、地中海沿岸の海を描こうと思いアルルから30㎞くらいのところにある小さな漁村サント・マリー・ド・ラ・メールへでかけた。ここで3点描いたが、その一枚が画像の絵。波の動きのあるラインと中央の船とそのむこうにみえる2隻の船の並べ方がなかなかいい。

スーラ(1859~1891)が点描法で描いた海景画は静謐な海の光景というイメージだが、‘グランカンのオック岬’は例外的に動きのある画面になっている。視線が集中する岬は蟹料理にでてくる肉がぎゅっとつまった爪を連想する。この圧倒的な存在感のある岬をみて、心がとんでいくのは日本の浮世絵。

スーラが浮世絵にどのくらい影響を受けたのは明確にはわからない。でも、画面まん中にどーんと描かれた蟹の爪岬をみると、広重の‘名所江戸百景’の一枚とか北斎の大胆な構図などに霊感をうけたのではないかと類推したくなる。スーラにとっては異色の海景画だけにどうしても浮世絵との関連を意識してしまう。

‘グラヴリーヌの水路、夕暮’は1月MoMAで運よくみれた作品。‘オンフルールの夕暮れ’とともにやっと対面が叶いご機嫌だった。右手前に描かれた大きな碇は北斎がオランダ人の依頼で制作した絵にもでてくる。音ひとつ聞こえてこない静かな港の光景をしばらく息をのんでみていた。

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2013.07.26

エンジョイ 海百景! クールベ、クレイン、マグリット

Img_0003     クールベの‘波’(1870年 西洋美)

Img_0005     クレインの‘ネプチューンの馬’(1892年 ミュンヘン ノイエピナコテーク)

Img_0008     マグリットの‘大家族’(1963年 宇都宮美)

Img_0006     マグリットの‘誘惑者’(1951年)

フランスの画家クールベ(1819~1877年)が気になりだしたのは西洋美で海岸に打ち寄せる波の絵をみてから。波をモチーフにした作品はその後日本の大原美にあるものや08年の大回顧展(パリ、グランパレ)に出品されたものなどを含めて10数点みたが、西洋美にある波の形に最も魅せられている。

波がこのくらい大きいとサーファーはすぐにでも海にとびだしていくのだろう。水の動きを描くのは大変難しい、波の形はできては消えるから、この形を目に焼きつけるのは至難の業。クールベが写真も活用して表現した波はじつに真に迫っている。暗い海辺に白い波頭ができそして崩れていく光景は大波警報を知らせる気象ニュースの映像を見ているよう。どの絵も足をとめさせるが、今年の1月はフィラデルフィアとメトロポリタンで2点みた。

クレイン(1845~1915)の‘ネプチューンの馬’はまだ縁がないが、思い入れの強い作品。はじめてみたときハッとしたのは波と馬の姿が重ね合わさっているところ。おもいろいアイデア、シュルレアリストのダリがこのダブルイメージをみたら裸足で逃げるにちがいない。左端ではまだ波と馬がまじりあい輪郭はぼやけているが、右にみえる海の神ネプチューンは波が変身した美しい白馬にまたがっている。この絵を所蔵しているのはミュンヘンにあるノイエピナコテーク。この絵のほかにもマネ、ゴッホなどのいい絵があるから、いつか足を運びたい。

マグリット(1898~1967)の‘大家族’はクリムト展をみるためでかけた宇都宮美で久しぶりに会った。絵の存在を知ったのは30年くらい前で、そのときは個人蔵となっていた。不思議な絵だなとは思ったが、意外にもそのシュールさはダリの作品のようにどぎまぎという感じでもなかった。

巨大な鳩にあっけにとられるものの広重の名所江戸百景にも大きな鷲がでてくるから、想像力をふくらませたマグリットが海の上の鳩を置いたことにそれほど違和感を感じなかった。下の波の描き方はクールベタイプ、違いは画面のなかに明るい空を暗い空を同居させていること。そして、マグリットの真骨頂は白い雲と鳩の頭がつくるダブルイメージ。

‘誘惑者’も絵のなかにすっと入っていける。帆船の帆も船体もみな波の模様というのは確かに変だが、遠くでみれば船は小さくなるから波が船全体におおいかかるイメージがする。で、船も海も一緒の模様にしてしまおう、となったのかもしれない。マグリットはイメージがちょっと跳ねるところを表現するのが天才的に上手い。

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2013.07.25

エンジョイ 海百景! ロラン、ターナー、モネ、シーレ

Img_2  ロランの‘海港、シバの女王の船出’(1684年 ロンドン ナショナルギャラリー)

Img_0001_2     ターナーの‘勇敢なるテメレール号’(1838年 ナショナルギャラリー)

Img_0003_3     モネの‘印象、 日の出’(1873年 パリ マルモッタン美)

Img_0005_2     シーレの‘トリエステの港’(1908年 シュタイアマルク州立博)

横浜美で今開催中の‘プーシキン美展’にプッサンの初期のいい絵がでているが、クロード・ロラン(1604~1682年)の‘アポロとマルシェアスのいる風景’も強く惹かれる一枚。プッサンとロランはルーヴルでは同じ部屋に飾れているから、二人はフランス絵画ではひとくくりにしてインプットされている。

ロランはロンドンのナショナルギャラリーにとても魅せられる絵がある。それはルーム15にターナーの‘カルタゴ帝国の興隆’と一緒に展示されている‘海港、シバの女王の船出’。早朝の光が海面に反射する光景が大変美しく、これから船に乗り込みソロモン王を訪ねていく女王シバの張りつめた心が手にとるように伝わってくる。と同時にみているこちらの旅心も呼び起こされる。

ロランの画風から強い影響を受けたターナー(1775~1851)が描いた‘勇敢なるテメレール号’はじつに堂々とした船の絵。御存じのようにテメレール号は1805年のトラファルガーの海戦で活躍した軍艦、時代が変わり現役を引退するときがやってきた。夕日が赤く輝くなか、黒い引き船に引かれてゆっくり進むテメレール号の姿には哀愁が漂っている。

港の絵で最も心を打つのはやはりモネ(1840~1918)の‘印象、日の出’。この絵は1985年に盗難に会い1990年無事発見された。お目にかかったのは美術館に戻り再公開された1991年。パリの訪問とこの絵の鑑賞がうまくシンクロしたので忘れられない一枚になった。とくに魅せられるのが光があたった海面がゆらゆら揺れる感じを表現した筆のタッチ、これをみないとモネははじまらない。

海面の揺らぎで思い出す絵がもう一枚ある。シーレ(1890~1918)が18歳のとき北東イタリアの港町、トリエステの光景を描いた絵。船のマストなどが反射している海面が静かにゆれる様が縦にまっすぐのびるギザギザの線で装飾的に描かれている。20年くらい前日本で見たときは衝撃が走った。シーレは18歳でもうこんないい絵を描いている。ミューズにその豊かな才能を愛されたことは間違いない。

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2013.07.24

エンジョイ 海百景! ブリューゲル、マネ、ターナー、ホーマー

Img_0001     ブリューゲルの‘ナポリの眺望’(1563年 ドーリア・パンフィーリ美)

Img_0006     マネの‘キアセージ号とアラバマ号の海戦’(1864年 フィラデルフィア美)

Img     ターナーの‘難破船’(1805年 ロンドン テートブリテン)

Img_0005     ホーマーの‘メキシコ湾流’(1899年 NY メトロポリタン美)

3年前ローマを旅行したとき訪問したドーリア・パンフィーリ美でブリューゲル(1525~1569)の描いた貴重な絵をみた。‘ナポリの眺望’はブリューゲルが20代後半にイタリアを旅行ときの思い出を絵にしたもの。ここで起きた海戦の様子が描かれており、右にはヴェスビオ火山がみえる。強い風によっておきる波しぶきを表現した白の細い線を息をのんでみていた。

マネの海景画を1月フィラデルフィア美で3,4点みた。そのなかでとくに印象深かったのが日本にもやってきた‘キアセージ号とアラバマ号の海戦’と‘イルカのいる海景’。撃沈されたキアセージ号に対して手前の小舟をT字の形をとるように配置した構成によって視線が黒煙のあがる艦隊にすうーっと寄っていく。

大きく揺れ動く海面をみているとこちらの体も自然に揺れてくるのがターナー(1775~1851)の初期の傑作‘難破船’、荒れる海を体験したことは一度もないが、この絵は映画の海難シーンをみているような気になる。海面のうねりをこんなに上手に描けるのだから、ターナーの腕は半端ではない。

海が荒れると船に乗っている人たちは船が転覆しないか気が気でないが、そこに海のギャングサメが現れたらもう生きた心地がしないかもしれない。ホーマー(1836~1910)はそんな恐怖の瞬間を描いている。黒人がひとり乗った小船の周りをサメの集団がとりかこんでいる。マストは折れ、助けを求めたい帆船がいるのははるか遠くの海上、まさに映画‘ジョーズ’(1975年)の世界。

ある婦人が‘黒人青年があまりにも可哀想’と抗議をすると、ホーマーは‘彼は救われるのです。ご心配なく’と答えたという。こうした作品をみると絵画は映画同様自然の脅威を人々の感情に訴えるのに大きな力をもっていることがわかる。

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2013.07.23

ダルビッシュ ヤンキース打線を封じ込み9勝目!

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体調の悪さから球宴での登板を回避したレンジャーズのダルビッシュが今日のヤンキースとの試合で6回1/3を無失点に抑え、9勝目をあげた。これで日本人先発トリオは皆9勝で並んだ。

初回いきなり先頭打者に死球をぶっつけたので嫌なムードになったが、次のイチローとヤンキースで最もいいバッターのカノーを打ちとり、無難なスタートをきった。その裏すぐ打線が機能し4番のベルトレイがセンター前にヒットを放ち1点を入れた。

今日のダルビッシュは好調、150㎞台のストレートは低めに決まり、打たれたヒットは2本のみ。6回アウトを一つとったが、ヒットと四球で1,2塁になったところで交代。降板するときの表情は硬く、もっと投げたいという気持ちが顔によくでていた。

5回にぬける球がではじめ狙ったコースへ球がいかなくなったので、ワシントン監督はすぱっと次の投手にチェンジした。前日まで地元で3戦を戦ったオリオールズにスイープを食らったから、監督としてはこの試合はなんとして勝ちたい。この交代は仕方がない。この采配がうまくいき絵にかいたようなダブルプレーで0点におさえた。で、結局3-0でレンジャーズの勝利。

対戦相手のヤンキース、昨日はレッドソックスと延長を戦い、ナポリのホームランで7-8でサヨナラ負け。低迷の原因は打線の弱さにつきる。ロングを打てるバッターがいないので投手は打線に怖さを感じない。カノー以外は簡単に打ち取られている感じ。ジータ―、グランダーソン、ロドリゲス、タシエラといった役者はプレーできないのだから、この結果はいやでも受け入れざるをえない。

イチローは怪我をしないで出場しているが、打力の低下は否めない。3割はもう遠く2割8分がいいところかもしれない。最後の打席で難しい低めをヒットにしたが、無安打のゲームをなくして勝利に貢献する打撃を期待するしかない。

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2013.07.22

エンジョイ 海百景! シニャック、ホッパー、レイセルベルヘ、モネ

Img_0002_2     シニャックの‘微風 コンカルノー’(1891年)

Img_0004_2     ホッパーの‘大波’(1939年 ワシントン コーコランギャラリー)

Img_0007_2     レイセルベルヘの‘舵を取る男’(1892年 パリ オルセー美)

Img_0003_2     モネの‘ブールヴィルの断崖ノ小道’(1882年 シカゴ美)

近くの少学校はあさってから夏休みという。小さい頃夏はよくプールや海で泳いだ。水泳好きはそのころからずっと変わらず、今も週末はクルマで5分のところにあるスイミングクラブで泳いでいる。泳ぐ場所はいろいろ変わったが、プールでのクロール泳法はもう30年も続いている。

水泳が生活の一部になっているものの、海水浴は長いことしていない。だから、湘南海岸の混み具合は想像するだけ。5年くらい前までは春や秋に熱海のMOA美へ行くため頻繁にクルマを走らせた湘南道路、すいすい走っていたが、今は海水浴シーズン真っ最中だからなかなか前へ進まないだろう。

海好きなので本当は夏の海を見に伊豆半島へ行きたのだが、一度体験した交通渋滞が思い出されどうしても尻込みしてしまう。で、夏の海をイメージさせる絵をみて楽しんでいる。シニャック(1863~1935)の点描画‘微風 コンカルノー’に大変魅了されている。シニャックの絵はモネほど多くは体験してないが、20年くらい前みたこの絵が今のところベスト1、リズミカルに進む帆船が青い海にいっぱい。軽やかな気分になる。

同じ点描法で描かれたレイセルベルヘ(1862~1926)の‘舵を取る男’もすばらしい海景画。3年前あった‘オルセー美展’に出品されたから記憶に新しいところ。この絵もシニャックの絵と同様西洋美で開かれた‘ジャポニスム展’で遭遇した。こうした画面構成をみると、西洋画の画家たちが浮世絵の大胆な構図や色使いに大きな影響を受けたことがよくわかる。

ホッパー(1882~1917)の‘大波’は08年シカゴ美であった大回顧展で200%KOされた作品。この絵は夏にみると心が爽快になる。今年1月、ワシントンのコーコランギャラリーで再会のはずだったが、残念なことにどこにも見当たらなかった。惜しいことをした。

海の絵を沢山描いているモネ(1840~1926)、そのなかで明るい色調と光りに満ちた海の光景が目に沁みる‘ブージヴァルの断崖の小道’がとても気に入っている。光を体で感じるときの感覚が絵にそのまま表現されているところがなんといってもすごい。

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2013.07.21

村内美の有名なクールベの絵がみれなくなった!

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Img_0003     クールベの‘フラジェの樫の木’(1864年 クールベ美)

Img_0004     ‘オルナン近郊の針金工場’(1861年 デンマーク国立オードロップゴー美)

Img_0005     ‘ボート遊び’(1865年 村内美)

6月のはじめころ美術館のHPをサーフィンしていたとき、八王子にある村内美が目に入った。ここはまだ訪問したことがなく、以前からいつか出かけようと思っていた美術館。ところが、何か変化があったようで、自慢のミレーなどのコレクションを常設展示するのは6/25までと案内されていた。

そのあとは休館し、7/11からは本業の家具の展示をメインとした展示空間に変わるという。今はもう新しい展示がスタートしているが、絵画作品の展示はしないのだろうか?HPにはもうひとつ大きな出来事が書かれていた。

なんと、クールベ(1819~1877)の‘フラジェの樫の木’がクールベ生誕の地、オルナンにあるクールベ美の所蔵になったという。これを5年前、パリで開催された‘クールベ展’(グランパレ)でみたときは腰が抜けるくらい感動した。しかもこの絵を所蔵しているのは日本の村内美。この話はまったく知らなかったのでちょっと興奮した。力強く地に根を張った樫の木を見事に描いたこの傑作を村内美が手放したということは財政が相当ひっ迫しているのだろう。ネットでは4億円で売却したという話が飛び交っている。

となると、まだお目にかかってない‘ボート遊び’も怪しくなってきた。ほかにもミレーの絵をはじめ、キスリングなども処分する可能性は十分にある。最悪の事態はコレクションが消滅すること。クールベ展の図録の裏表紙に使われた樫の木の絵を売ったのだから、そこまでいくかもしれない。

樫の木の絵が里帰りしたオルナンの風景をクールベは何点も描いている。その一枚‘オルナン近郊のルー川沿いの針金工場’は10何年前開かれた‘オードロップゴー美展’でみた。クールベの大回顧展を体験し、この画家の画技の高さに200%KOされたので、オルナンを訪れるのもひとつのオプション。はたして実現するだろうか?

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2013.07.20

焼却されたピカソ、モネらの名作!

Img      焼却されたピカソ、モネらの7作品

2日前TVからショッキングなニュースが流れてきた。昨年10月オランダのロッテルダムの美術館で盗まれたピカソ、モネらの絵7点が焼却されたという。130億円をこえる価値を持つ作品がこの世から永遠に消えてしまった。

このいたたまれないことをしてくれたのは美術館から絵を盗んだルーマニア人の母親、息子は1月に逮捕されたが、母親は墓地などに埋めていた作品をまた掘り出し、2月自宅のかまで焼き、証拠隠滅を図った。なんてことをしてくれるんだ!大声で怒鳴ってやりたい気分である。

7点を所蔵していたのはオランダのトリトン財団、コレクションの全貌はわからないが財団の存在は3年前行われた‘ゴッホ展’(国立新美)でインプットされた。このときゴッホのいい花の絵やモネ、シスレーの風景画3点が展示してあった。

盗難にあった7点のうち画集などで知っているのは画像の上の右からふたつ目の絵だけ。これはゴーギャンとポン=タヴェンで親しかったデ・ハーンが描いた‘日本的背景の自画像’(1889年)、この絵の下にあるゴーギャンの‘窓辺の少女’(1898年)は画集でお目にかかったことがない。

左端のモネの2点‘チャリング・クロス駅’(上)と‘ウォータールー橋’(下)はモネ展でお馴染みのロンドンの連作シリーズの一枚。この2点を回顧展でみることはなかったが、その可能性がまったく消滅した。モネの大ファンなのでこういうのは辛い。

ピカソの‘アルルカンの頭部’(下の真ん中)は興味を惹く絵。これまで縁のあったアルルカンとは異なり、キュビスム全開のぎょっとさせるアルルカン、一度みたかった。焼くことはないよね!こんなおもしろい絵を。

過去名画が盗難にあったり、展示中に傷つけられたりすることはよく耳にするが、今回のように名画が盗まれたうえ焼かれたなんてことがあっただろうか?こんなことは二度と起きて欲しくない。

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2013.07.19

忘れられないエルミタージュのマティス!

Img_0004_2     ‘ダンス’(1910年)

Img_0003_2     ‘音楽’(1910年)

Img_2     ‘家族の肖像’(1911年)

Img_0001_2     ‘会話’(1909年)

美術の鑑賞を重ねるにつれ自分の感性と波長の合う画家が現れてくる。でも、その画家に対する思いが熱いからといって簡単に最接近できるというものでもない。何事も運が味方してくれないと夢が夢のままで終わる。

マティス(1869~1954)との相性度は70%くらい。カラヴァッジョとは100%の相性度なのに、遭遇するマティスの作品の30%は退屈する。マティスに対する率直な思いはこうなのだが、色彩の力に200%OKされた作品は両手をこえるからマティスの魅力が心のなかに強く刻まれていることも事実。で、未見の絵のなかには追っかけ画リストに入っているものも多い。

ではマティスとの巡り合わせはどうかというと、これは時が大いに味方してくれている。最初の幸運は1990年ワシントンのナショナルギャラリーで開催されていた‘マティス展’、この時プーシキン美にあるモロゾフコレクションの一枚‘モロッコ三部作’や‘緑衣のモロッコ人’(エルミタージュ美)などをみることができた。

2回目のマティスイベントは1994年の‘バーンズコレクション展’(西洋美)、傑作の‘生きる喜び’など16点が展示されていた。多くの美術ファンがこのビックな展覧会を楽しまれたにちがいない。

そして、三度目のマティス体験はサンクトペテルブルクにあるエルミタージュの訪問。今から14年前のことだが、シチューキンが蒐集したマティスの傑作の数々と出会った。これは一生の思い出。シチューキンがマティスと初めて会ったのは1904年、まだ売れてなかったマティスにたちまち惚れ込みパトロンとなった。購入した作品は全部で43点、モロゾフもマティスを11点蒐集しているが数ではシチューキンのほうが圧倒的に多い。二人の目利きコレクターによってロシアにもたらされたマティス作品は現在、エルミタージュとプーシキンに分けられて展示されている。

昨年そのシチューキンコレクションの一枚‘赤い部屋’(拙ブログ12/5/11)がやって来て話題になった。マティス同様沢山あるゴーギャンの絵は覚えているものが少ないのに、色彩の魔術師マティスについては8点くらいが目に焼きついている。とにかく赤や青、緑などの色彩パワーが強烈だった。

最も長くみていたのが対になって飾られている‘ダンス’と‘音楽’、大変大きな絵で青と緑の地の色面に赤で彩られた裸婦の人物が浮かび上がっている。これをみたら誰だってマティスがすごい画家であることがわかる。‘赤い部屋’の隣にあったのが‘家族の肖像’、子供が紙で人物や暖炉を切る抜いてペタッと貼ったようなきわめて平面的な作品だが、空間に広がりがありくつろいだ気分になる。

‘会話’も大作でインパクトの強い作品。強く印象に残っているのは横向きのマティス自身と夫人を引き立てている背景の青。マティスの絵は赤などの暖色系の色が心にズシンとくることが多いが、こういう青のパワーが強調されたものは切り紙絵‘ジャズ’以外はあまりみたことがない。

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2013.07.18

エルミタージュ美のゴーギャン!

Img_0001     ‘果実を持つ女’(1893年)

Img_0002     ‘タヒチの牧歌’(1893年)

Img_0004     ‘幼児(降誕)’(1896年)

Img_0005     ‘丸太舟’(1896年)

2005年、東京都美で開催された‘プーシキン美展’ではプッサンやアングルなどはやって来なかったが、ルノワールやモネ、ゴッホ、ゴーギャンに加え、マティスの‘金魚’、ピカソなど目を奪われる傑作がずらっと揃った。そして今、再びシチューキン、モロゾフのコレクションが横浜美で美術ファンを楽しませてくれている。

7/3に放送された‘世界の名画’(BS朝日)の最後でプーシキン美の女性館長がちょっと気になることをいっていた。‘今、エルミタージュ美に対しシチューキンコレクションをプーシキンに返還するよう求めている’。東京都美であったプーシキン美展の図録をみると、シチューキンが蒐集した印象派やポスト印象派、マティス、ピカソなどの作品は全部で262点。

シチューキンはこれらをモスクワ市に寄贈することを決めていた。だから、1917年に起きたロシア革命によって国家に没収され今はエルミタージュに収まっているシチューキンのコレクションをプーシキンに返してちょうだいというわけである。なるほど、筋の通った話。

でも、これは難問。エルミタージュにあるゴーギャンやマティスの名画がサンクトペテルブルクからモスクワに移籍するなんてことは現実にはありえない。エルミタージュには体が自然とほてってくるようなすばらしい絵画が沢山展示されているが数、質ともに世界最高クラスのラインナップを誇るのはレンブラント、ゴーギャン、そしてマティス。

シチューキンとモロゾフの2人が蒐集したゴーギャンは夫々16点と11点、この27点は1948年エルミタージュとプーシキンに恣意的に分けられた。エルミタージュにあるのは15点、そのうち手元にある美術本や現地で購入した図録に11点が載っているが、一点々がどちらのコレクションかは不明。

これだけの数のゴーギャンと1999年対面した。でも、記憶にはっきり残っているのは大好きな‘果実を持つ女’、‘タヒチの牧歌’、‘幼児’の3点だけ。これは館内のあちこちであまりに多くの名画と接したため、脳が相当興奮し印象深いゴーギャンしか記憶できなかったからだろう。

二度目のエルミタージュがあるかわからないが、レンブラント、ゴーギャン、マティスのすごいコレクションを思い出すたびに旅心が刺激される。

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2013.07.17

大リーグ球宴 注目のブレイク選手!

Img_0001     オールスターゲームが行われたNY シティーフィールド球場

Img                デービス vs ハービー

今年の大リーグのオールスターゲームは選出されたダルビッシュと岩隈の登板がないので、楽しみがだいぶ削がれていることは否めない。でも、オールスターは特別な試合だし打撃や投手成績の上位にでてくる選手たちのプレーを一度にみられる貴重な機会。注目の選手を目に焼きつけながら1回からゲームセットまでずっとみていた。

勝負は3-0でアリーグが4年ぶりに勝利した。先発で投げたのはナリーグが地元メッツの期待の星ハービー、そしてアリーグは13勝1敗と前半勝ち続けたタイガースのシャーザー。ハービーは一度そのピッチングをみたことがあるが、力強い投手。現在ナリーグの奪三振王で160㎞近くのストレートときれのいいスライダーがびしびしときめる。2イニング投げ、強打のカブレラ(タイガース)や37本のホームランを放っているデービス(オリオールズ)をうまく打ちとった。

日頃見る機会の少ないナリーグの投手でもうひとり関心を寄せていたのが防御率が1点台のカーショー(ドジャース)。この投手ははじめてみた。左腕で二段モーションみたいな特徴のある投げ方をする。ドジャーズは7月勝ちが多くなり最下位から2位にまであがってきた。後半戦カーショーが好調を維持できれば地区優勝も夢でない。

目をTVに釘づけにさせたのはレッズの長身チャップマン(キューバから亡命)、169㎞の速球を投げるが今日は163㎞だった。160㎞のスピードボールコンスタントに投げられたら、バッターはお手上げ。どんなに速いか球場で見てみたい。

アリーグの投手で注目していたのはレイズの左腕ムーア、すでに13勝あげている。レイズの試合は比較的みることが多いのにこの投手が登板する試合は縁がなかった。投手としては小柄だが、コントロールがいい。実況のアナウンサーによると5歳から10歳まで沖縄に住んでいたらしい。現在、レイズは東地区2位で首位のレッドソックスを激しく追い上げているから、ムーアの投げる試合は見逃さないようにしたい。

打者で今最も関心が高いのが前半すごいペースでホームランを打ったデービス(一塁手)、アリーグが最初に1点をとったときカブレラの2塁打のあと一塁の頭を超えるヒットで続き、得点に貢献した。後半のこの選手の活躍に目が離せない。

ワシントン・ナショナルズにハーパーというすごいバッターがいるという話は聞いたことはあるが、実際にそのバッティングはみたことがなかった。左打ちで構えはどっしりしており貫録十分。年は20歳、ええー、20歳なの!本当?という感じ。ナリーグにも才能あふれる投手や打者が次々でている。大リーグは世代交代がドンドン進んでいることがよくわかった。

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2013.07.16

いつかみてみたい‘ベアトゥス黙示録写本挿絵’!

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Img_0004_2     ‘ベアトゥス黙示録注解’(ファクンドゥス写本 マドリード 国立図書館)

Img_3         ‘ベアトゥス黙示録注解’(ファクンドゥス写本)

Img_0003_2     ‘ベアトゥス黙示録注解’(ファクンドゥス写本)

アルタミラの洞窟壁画のある場所をスペインの地図で確認していたとき、前から気になっていた絵に関連した情報が入ってきた。それは手元の美術本に載っているとても興味をひく写本挿絵が描かれた場所。今日はその話を少しばかり。

中世のスペイン、アストゥーリアス王国にリエバナという小さな村があった。8世紀後半、ここの修道院の院長ベアトゥスが‘ヨハネ黙示録’についての注釈書を書いた。内容がよかったので10世紀から13世紀にかけて多くの写本がつくられた。そして、挿絵画家の手によって写本の挿絵も一緒に描かれた。これが世にいう‘ベアトゥス本’。

この写本は主なものだけでも23ある。多くは北スペインでつくられたが、ピレネー山脈を越えたフランスのサン・スヴェールの教会でも一冊つくられた。この写本に描かれた一場面がモワサックにあるサン・ピエール教会の入り口の半円形に彫られた彫刻群のもとになっている。

目を楽しませてくれるのが写本に描かれたヨハネ黙示録の場面。この黙示録が絵画化されたものは2つ知っている。ひとつは実際にはみたことはないが、フランスのロワール川沿いに建つ古城‘アンジェ城’に飾られている巨大なタペスリー、もうひとつは3年前ブリュージュのメムリンク美でお目にかかった‘聖ヨハネ祭壇画’。

‘ベアトゥス本’にはいろいろな黙示録のヴァージョンがでてくるが、マドリードの国立図書館が所蔵する‘ファクンドゥス写本’(岩波書店から出版)は平面的な描き方だが、色が鮮やかで画面に動きがあるので思わず見入ってしまう。とくにおもしろいのが天使と竜が戦う場面。竜には7つの頭と10個の角がある。この異様な姿をした竜は一度見たら忘れられない。

また、最後の竜と黒い獣が登場する絵柄もインパクトがある。竜も獣も同じ数の頭と角があり、その前で人々は手をあげあるいは無力感を漂わせた姿で列をなしている。そして、地に使われている赤と青と黄色の色面がその光景を引き立ている。べたっとした色使いだが、色の力は相当強い。マドリードをまた訪問することがあったら、是非みてみたい。

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2013.07.15

大リーグ 前半戦のレビュー!

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大リーグは今日が前半戦最後のゲーム、イチローは1番ライトで先発し3本ヒットを打ちいい形で前半の戦いを終えた。打率.284はまあまあの数字か、とはいえ天才バッターイチローには3割を打って当たり前というイメージがあるのでこの数字は淋しい。イチローはやはり3割を打たないと応援にも熱が入らない。

前半のイチローのバッティングをみてつくづく思ったことがある。アウトコース低く目のとんでもないボール球に手をだし、凡ゴロになる。以前だったらこれがセンター前とかレスト前のヒットになった。でも、今は足腰の筋力の衰えでこの打ち方でヒットにできる可能性は少ない。

かつての高い打撃の技術がイチローを苦しめている。よく人は得意なことで失敗するといわれる。まわりはイチローの打ち方の変化に気がついている。しかし、ヤンキースの打撃コーチはそんなことは口にしない。たとえ、心のなかでは‘あんな難しい球に手を出さないで、四球を選び出塁してくれるほうがいいのに’と思ったとしても。

こういうイチローを監督をはじめとする首脳陣はどうみているか、ヒットを打ってるかぎりはイチローを1番か2番で使う。でも、ヒットがでなくなると、ロングが打てず四球を選ばないバッターという評価がなされ、上位打線から6番、7番に下げられる。そうなると、イチローはプライドが高いから下位打線では力が発揮できず、モチベーションがあがらないままシーズンを終えることになる。

今、ヤンキースがイチローを1,2番で使っているのはホームランや長打が打てるバッターはいなくなったから。ヤンキースの野球は基本的にはスモールベースボールは頭になく、上位のバッターが長打を絡めてガンガン点をとる野球。このスタイルが役者の不足でできないため仕方なく出塁率の低いイチローを上位で使っているのである。こういうヤンキースで試合をするのだから、イチローも頭を切り替え今日みたいに狙い球をしぼってホームランを狙えばいい。とにかく上位で先発するためには長打を増やすことと四球を選び出塁率をあげること。

今年ヤンキースはポストシーズンに進出するのは無理だろう。そして、ダルビッシュのいるレンジャーズも地区優勝をアスレチックスにもっていかれるような気がする。23日にヤンキース戦に登板するダルビッシュは最終的に15勝くらいに終わるかもしれない。昨年はレンジャーズはずっと首位を走っていたからダルビッシュは後半調子をあがることができた。ところが、今年はチームの状態がよくないから、登板するときは相当なプレッシャーのなかで投げることになる。これは厳しい戦いだから、勝ち星は4、5月のようにポンポンとはつかない。

今日の試合で8勝目をあげた岩隈の場合、15勝は難しくなってきた。11勝くらいだろう。後半は対戦試合数の多い同地区のレンジャースズ、アスレチックス、エンゼルスがポストシーズンへの進出をめざして戦力をあげてくるから、ここで勝ち星をあげるのは大変。

後半戦で大いに注目しているのは上原、田沢のいるレッドソックスと田中賢介がレギュラーで先発するジャイアンツ、2チームの試合をみることが多くなりそう。

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2013.07.14

夏の風物詩 ‘流しそうめん’!

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今日のNHK7時のニュース、エンディングは新潟県村上で行われた‘流しそうめん’だった。名水100選に認定されている冷たい湧き水と一緒に流れてくるそうめんを親子で夢中にすくっていた。半円にした青竹の長さは200m、孫悟空のように空をひゅーっと飛んでいきこの美味しそうなそうめんを食べてみたかった。

TVではよく目にする流しそうめんをまだ体験したことがない。この風情のある光景をみるたびに上のほうから流れてくる細いそうめんを一度でいいから箸ですくって食べてみたいという思いが募る。でも、こういうイベントにはずっと縁がない。今全国でこれを年中行事としてやっているところはどのくらいあるのだろうか?

この流しそうめん、いつごろ始まったのか知らない、明治以降になってから、それとも江戸の頃からあった?夏の暑い時期に、野外にわざわざ冷たい井戸水や湧き水を流す長い水路を竹でつくり、上のほうからゆであげたそうめんをどんどん流していく。人々はその長い竹の水路の両サイドに陣取り、ゆらゆらと流れてくるそうめんをじっとみつめ思い思いに箸ですくって喉にほおりこむ。

この流しそうめんを楽しむ日本人の心はじつに豊か。以前仕事で付き合いのあったアメリカ人とお酒を飲んだ時は日本人のこの流しそうめんと花見の習慣を自慢の種にしていた。

‘日本人は庶民だってやることは風流なんだ、昔京都の貴族たちは川や庭の池に舟を浮かべて酒を飲んだり美味しいもの食べて優雅なひと時を過ごした。今はそれと同じことを普通の人たちが流しそうめんで楽しんでいる。家の外でのバーベキューを楽しむアメリカ人の目からすると食べるのがそうめんだけかい、と物足りないかもしれないが、われわれ日本人はコストはたいしてかけずこのそうめんを食べて涼しさを感じ暑い夏をのりきっている。自然と一体になって食を楽しむ日本人の食文化は奥が深いでしょう’

6年前に‘好きなそうめん ベスト10’(拙ブログ07/8/15)を書いたときは島原そうめんを食べていた。今はそれにこだわらず三日に一度くらいそうめんを食べている。トッピングの具は前と同じで卵焼き、きゅーり、隠元、しそ、焼ハム。わが家では夏はそうめん一本、これで暑いときの生活のリズムをつくっている。

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2013.07.13

黒田8勝目 ジャイアンツの田中賢介2安打!

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Img_0001     ジャイアンツのレフトで先発出場の田中賢介

ヤンキースの黒田がツインズとの試合で5回を0点に抑え8勝目をあげた。この試合雨のため長い中断があったが、黒田は毎回ランナーを出すものの丁寧になげ無失点で5回を投げ切った。5回裏カノーのヒットなどであげた2点をリベラが守りきり、ようやく勝ち投手になった。前回登板した試合での好投と今日の試合の結果防御率は2.65となりアリーグのトップに立った。

この成績ならオールスターに選ばれてもよかったが、残念ながら投げる試合のめぐりあわせが悪かった。ダルビッシュ、岩隈が選ばれた今年のオールスターは楽しみだったが、今はそれが急速にしぼんでしまった。ダルビッシュはまさかの故障者リスト入りで投球ができなくなり、また、岩隈もオールスターの前に先発するため球宴での登板はなし。

ダルビッシュの場合、検査の結果はとくに問題はなかったので球宴あけの登板からはもとのリズムで投げれるような気がする。心配なのが岩隈、前回のゲームはボロボロだった。疲れのためか球にキレがなくレッドソックス主力打者に軽くホームランや長打を食らった。この試合を含めてここ4試合で打たれたホームランは9本。そのため防御率は2.97まで落ちた。今は好調時の面影はない。各チームのバッターも岩隈はいい投手というイメージがあるので、攻略法をいろいろ考える。岩隈にとって今が正念場かもしれない。

ダルビッシュと岩隈がバッドニュースなら、ジャイアンツの田中賢介が3Aから昇格したのはグッドニュース!日ハムでは2塁手だったが、ジャイアンツではセフトで起用された。きょうのパドレスとの試合で5試合連続で先発出場し毎試合ヒット、今日も2本打った。2本目は足を生かした3塁へのセイフティバントを成功させた。足が速く盗塁の技術をもっているので、これからバッティング走塁でいい働きをしてくれそう。

昨年ワールドシリーズを制したジャイアンツは故障選手が続出し、現在勝率は5割を切り西地区の4位にあまんじている。でも、首位Dバックスとはまだ6.5ゲーム差だから、後半巻き返しの可能性は十分ある。田中賢介の活躍に注目したい。

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2013.07.12

心をとらえて離さないプーシキンの傑作コレクション!

Img_0002     セザンヌの‘マルディ・グラ(謝肉祭の最終日)’(1888年)

Img     モネの‘ベル・イル島の岩’(1886年)

Img_0003     ゴッホの‘赤い葡萄畑’(1888年)

Img_0001     アンリ・ルソーの‘馬を襲うジャガー’(1910年)

西洋画でも日本画でもお気に入りの作品を味わいつくしたいという思いはいつも心のなかにある。だから、その作品がどこの美術館に所蔵されているかはだいたい記憶されている。運良く願いが叶ったものは済みマークをつけ、それの追っかけに注がれたエネルギーは次のターゲットにむかって充電される。

モスクワにあるプーシキン美を訪問する計画が具体的に決まっているわけではないが、‘世界の名画’(BS朝日)を楽しんだことで印象派やマティス、アンリ・ルソーがある別館(2006年に開館)へのあこがれが大きくふくらんできた。

必見作品リストはすでにできている。こういうものは美術館へ出かける直前につくってもいいのに、気だけは前のめりになっているから画集や美術書を網羅してリストアップに励む。その追っかけ画の筆頭にあげているのがセザンヌの(1839~1906)の‘マルディ・グラ’。

セザンヌについては今年大きなイベントがあった。といってもMyイベントのことで、回顧展の開催ではない。1月フィラデルフィア美で‘サント=ヴィクトワール山’に会い長年の夢が漸く叶ったのである。もう一枚‘大水浴’もみる予定だったが、残念なことに展示されてなかった。世の中そう思い通りにはいかない、ミューズがまたフィラデルフィアへ誘っているのだと解釈した。

そんなわけでセザンヌの追っかけ画がひとつ減った。で、次なる狙いはセザンヌが16歳の息子をアルルカンに、息子の友達をピエロにして描いたこの‘マルディ・グラ’とチューリッヒにある‘赤いチョッキの少年’、この2点と‘大水浴’はなんとしてもみたい。

今横浜美に展示されているモネ(1840~1926)の絵はぐっとこない。現地にある作品でリストアップしているのは‘世界の名画’でもとりあげられた‘ベル・イル島の岩’、同じモチーフの絵(オルセー)と昨年ブリジストンでお目にかかったが、まだプーシキンとチューリヒにあるものは縁がない。鑑賞欲をとても刺激される絵。そして、もう一点対面を心待ちにしているのが‘キャピュシーヌ大通り’。

手元にあるゴッホ(1853~1890)の油彩画全集(TASCHEN)にプーシキンにある作品が5点載っている。その一枚がゴッホの生涯で唯一売れた絵‘赤い葡萄畑’。値段は今の価値にして40万円ほど。本物を一度みてみたい。

今年はアンリ・ルソー(1844~1910)の追っかけ画リストに済マークがいくつもついた。プーシキンにあるのは4点、‘マンスーリ公園の散歩’(1910年)、‘セーヴル橋の眺め’(1908年)、‘ジャガーに襲われる馬’(1910年)、そして今回の‘プーシキン美展’にやって来た‘詩人に霊感を与えるミューズ’(1909年)。熱帯の密林シリーズの追っかけは長い旅。‘ジャガーに襲われる馬’もいつかこの目でという思いは強い。

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2013.07.11

もっとみたいプーシキンのゴーギャン!

Img     プーシキン美別館のゴーギャンが展示されている部屋

Img_0001     ‘マンゴーとタヒチの女’(1896年)

Img_0002     ‘ルぺ・ルぺ(果物の収穫’(1899年)

Img_0004     ‘ジヌー夫人’(1888年)

プーシキン美でゴーギャン(1848~1903)の絵が2点展示してあったのには大変驚いた。7/3の‘世界の名画’(BS朝日)をみると別館のゴーギャンが展示してある部屋は3つくらいあった。作品は10数点あるという。一番上の画像の右が今横浜美で鑑賞できる‘彼女の名はヴァイルマティといった’、そして‘エイアハ・オヒバ(働くなかれ’はこの絵の手前に並んで飾られている。だから、2点は現地の展示がそのまま再現されていることになる。これは大ヒット。

‘ヴァイルマティ’の次の部屋に目をやると左奥に見覚えのある絵がある。これは3年前テートモダンであった‘ゴーギャン展’(拙ブログ10/12/13)でお目にかかりうすピンクの地に強い衝撃を受けた‘嫉妬しているの?’ これまでゴーギャンショックが何回かあったが、色の輝きで体が震えたのは‘ヴァイルマティ’とこの‘嫉妬しているの?’、そしてMETにある‘昼寝’。

‘世界の名画’のおかげででプーシキンにあるゴーギャン作品の情報がぐーんとふえた。過去この美術館にあるゴーギャンで対面したのは色に魅せられた2点プラス‘逃亡’など3点の5点。コレクションの総数からいうと半分ほどである。

画集などに載っているゴーギャンの作品で追っかけ画の上位にあげていたのはゴッホと一緒にアルルで生活していたときに描いた‘ジヌー夫人’と‘エイアハ・オヒバ’だった。‘エイアハ・オヒバ’はミューズのお力添いで日本でみることができた。あまり、ミューズにおすがりするのもよくないので、ジヌー夫人とは現地で対面しようと思う。

そのときはかつてないほどの興奮が待ち受けているかもしれない。そう思わせるのは‘ジヌー夫人’のほかに新情報の‘マンゴーとタヒチの女’と‘ルぺ・ルぺ(果物の収穫)’が目に焼きついたから。2点とも絵の存在は知っていたが、図版の色が違っていたり、画像そのものが小さかったため、見たい度に火をつける絵ではなかった。

でも、今はこの2つの大きな絵に相当入れ込んでいる。とくに鮮やかな緑の草の上に横になりポーズをとるタヒチ女が気になってしょうがない。モデルをつとめるのは13歳の少女だが、とてもそうはみえず女性美全開の完璧に成熟した女性の姿。いつか絵の前に立ちたい。

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2013.07.10

想定外のサプライズ作品はドニとマティス!

Img_0001     ドニの‘緑の浜辺、ペロス=ギレック’(1909年)

Img_0002     マティスの‘カラー、アイリス、ミモザ’(1913年)

Img_0004     ドンゲンの‘黒い手袋をした婦人’(1907年)

Img_0005     ピカソの‘マジョルカ島の女’(1905年)

展覧会をみるとき満足度を左右するひとつのポイントが作品の数。その数は多ければいいというものでもない、優品が少なくてアベレージクラスの絵が大半をしめるようなものでは退屈なだけ。この‘プーシキン美展’は66点、海外の美術館が所蔵するコレクションならこれくらいがちょうどいい。

今回最後の部屋に想定外の絵が飾ってあった。それはゴーギャンとドニ(1870~1943)とマティス(1869~1950)、いずれもチラシにも載ってなく、いきなり目の前に現れたので相当興奮した。ゴーギャンは‘エイアハ・オヒバ(働くなかれ)’の隣に2005年にもあったプーシキン美展で展示された‘彼女の名はヴァイルマティといった’があった。ええー、またこの絵がやって来たの!あまり驚かさないでよ、という感じ。ゴーギャンは‘エイアハ・オヒバ’だけと思っていたから、一気にテンションがあがった。

色彩のまぶしさに目がくらくらするドニの‘緑の浜辺、ペロス=ギレック’をいい気持でみていた。前回のプーシキン美展でも‘ポリュフェモス’というとても惹かれるドニの神話画がでていた。1906年にドニと知り合いになったコレクターのモロゾフが購入したお気に入りの作品には神話画のほかにこんな明るくてユートピア的な雰囲気の漂う絵があったとは、これでドニにまた一歩近づいた。

7/3にBS朝日の‘世界の名画’をみたとき、目が釘づけになる作品があった。TVカメラが映し出す別館の展示室にマティスの部屋がでてきた。すぐ気がついたのは日本にもやってきた‘金魚’、そのほかにも画集でみたことのないいい絵が数点ある。エルミタージュでマティスを目いっぱい楽しませてもらったから、マティスの傑作はエルミタージュに結集しているものと思い込んでいた。ところが、プーシキンにもマティがこんなにある。いっぺんに現地でみたくなった。でも、それはだいぶ先のこと。

マティスへのそんな思いがあったばかりなのにその一枚‘カラー、アイリス、ミモザ’がなんと天から降ってきた!画面の多くを占める鮮やかな緑にぐっと吸いこまれた。Myカラーが緑だからこういう絵に会うと体全身で反応する。そうならそうと早く言ってよね、期待値がもっとあがっていたのに。こういうサプライズがあるから展覧会通いはやめられない。

フォーヴィスムの画家ドンゲン(1877~1968)は昨年の‘エルミタージュ美展’(国立新美)でもお目にかかったが、ここでも1点あった。‘黒い手袋をした婦人’は目を見張らされるほどの出来栄えではないが、回顧展に遭遇することをひそかに願っているドンゲンファンとしては新たな作品の出現はわけもなく嬉しい。

ピカソ(1881~1973)は3点ある。お気に入りは小品の‘マジョルカ島の女’、この女は同じ年に描かれた‘サルタンバンクの一家’(ワシントンナショナル・ギャラリー)にもほぼ同じポーズで登場する。この大作を1月現地でみたので、マジョルカ女をみながら中央に描かれたアルルカンや太った道化の姿を思い出していた。

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2013.07.09

プッサン、ブーシェ、アングルが日本でみられる幸せ!

Img     プッサンの‘アモリびとを打ち破るヨショア’(1624~25年)

Img_0002_2     ブーシェの‘ユピテルとカリスト’(1744年)

Img_0003_3     アングルの‘聖杯の前の聖母’(1841年)

Img_0005     セザンヌの‘パイプをくわえた男’(1893~96年)

フランス絵画300年と銘打った‘プーシキン美展’、今回やってきた66点は現地では本館と別館(2006年開館)にわけて展示されている。印象派とかマチス、ピカソらの作品があるのは別館でそれ以前のものは本館にある。

旅行会社が企画するロシアツアーではよくプーシキン美入館が含まれている。この場合だいたい別館のほう。こちらにはルノワール、ゴーギャン、ゴッホ、モネ、セザンヌら人気の画家の名画がずらっと揃っているのでパリのオルセーと同じくらい大きな満足が得られるにちがいない。

では本館にある作品はどうかというと、BS朝日の‘世界の名画’をみたかぎり一見の価値がありそうな作品がここにもあそこにもという感じ。その中からやって来た絵のなかで思わず足がとまるものがいくつかあった。

展示室に入ってすぐ出迎えてくれるのがプッサン(1594~1665)の‘アモリびとを打ち破るヨショア’。日本でプッサンの絵をみたのは何年か前あった‘ベルリン美展’(西洋美)一回だけ。このときの作品と比べてみると‘ヨショア’のほうに軍配があがる。ヨショアの勢いにおされて不安な表情をみせながら戦かう右の男をみていると、ルーヴルにある‘サビニの女たちの略奪’の緊迫した場面が頭をよぎる。この絵は08年METで遭遇した‘プッサン展’(拙ブログ08/5/9)に出展されなかった。こんないいプッサンが日本でみれるなんて夢みたいな話。

ブーシェ(1703~1770)の絵も魅力いっぱい。ぱっとみるとロココの甘い香りのする女性画。こういうほわっとした絵はただうっとりみていればいいのだが、右端の暗闇のなかにいる鷲がちょっと気になる。どうして場違いな鷲がいるの?これはユピテルを暗示している。そう、ユピテルお父さんの女狂いがまたはじまったのである。今回のターゲットはディアナのお付きのカリスト。得意の変身術を使って女神ディアナになりすまし、‘カリストちゃん、楽しいかい、最近きれいになったね’なんて優しい言葉をかけている。ディアナに変身するとはやはりユピテルは抜かりがない。

アングル(1780~1867)の‘聖杯の前の聖母’は画集によく載っている有名な絵だから、画面の隅から隅までじっくりみた。みればみるほどアングルの画技の高さに感心させられる。視線が集中するのが聖母のつるっとした卵形の顔とやわらかくて美しい手。そして、強く印象付けられるのが聖母の存在感の出し方。手前に金属の感じがよくでている聖杯をならべ、二人の聖人を一歩後ろにさげ暗い背景のなかに配置する構成。これにより聖母が前後で挟まれる形になり、明るい光に照らされたその姿はいっそう神々しく輝いてみえる。

セザンヌ(1839~1906)は2点、3年前ロンドンのコートールド美で遭遇した‘パイプをくわえた男’(10/12/22)が展示されているのだからたまらない。セザンヌの農夫を描いた作品はどれもぐっとくる。

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2013.07.08

心が躍る‘プーシキン美展’

Img     ルノワールの‘ジャンヌ・サマリーの肖像’(1877年)

Img_0002     ゴーギャンの‘エイアハ・オヒバ(働くなかれ)’(1896年)

Img_0003     ゴッホの‘医師レーの肖像’(1889年)

Img_0005     アンリ・ルソーの‘詩人に霊感を与えるミューズ’(1909年)

待望の‘プーシキン美展’(7/6~9/16)をみるため横浜美に足を運んだ。この美術館は前回木曜にでかけてえらい目にあった。休館日は月曜ではなくて木曜。要注意!月曜に美術館巡りをすることは滅多にないので、調子はちょっと変だったが、館に入るとすぐみるぞ!モードになった。

この展覧会をPRする美術番組がBS朝日の‘世界の名画’で2回放映されたから、プーシキン美の成り立ちや所蔵コレクションの内容がだいぶわかった。今回この展覧会がスゴイなと思うのは展示されている66点のなかにはTVで紹介された作品がかなり含まれているから。海外の美術館に焦点をあてた特別展があるとき、美術の本や画集に載っている有名な作品が3点もあれば◎となるのだが、今回これが両手くらいあるのだから、サプライズ200%のフランス絵画展といってまちがいない。

まずは期待の作品から。ルノワール(1841~1919)の‘ジャンヌ・サマリーの肖像’、もっとも好きな絵ということはないが関心は寄せていた。図版でエルミタージュにある立ち姿の女優ジャンヌと比べると筆致の丁寧さがちょっとないなと感じていたが、じっさいはそれが気にならなかった。この絵はあまり接近しないで少し後ろにさがってみたほうがいい。すると、明るくチャーミングなジャンヌの魅力がいっそう感じられるはず。画面全体が発光体のように輝いている。図版ではこれがわからない。

今回、最も対面を待ち望んでいたのがゴーギャン(1848~1903)の‘エイアハ・オヒバ(働くことなかれ)’、この絵はゴーギャンのどの画集にも載っているから、いつかこの目でと願っていたが幸運なことに日本で会えることになった。ミューズに感謝。タバコをもっているモデルはじつは男。でもどうみても女の雰囲気。だから、いっそのこと女としてながめることにしている。パリだってタヒチだって気品のある女性はいる。右手にタバコをもって座るこのポーズがゴーギャンの心をそしてわれわれの心をザワザワさせるのはこのモデルのもつ女性的な美が際立っていたということだろう。大変魅了された。

ゴッホ(1853~1890)の男性の肖像画は画集でみたときから惹かれていたが、本物はその通りだった。背景の緑には渦巻き模様のようなものが描かれているが、これがちっともビジーでなく青い服を引き立てている。そして、はっとさせるのが顎髭の下のピンク、こんな洒落た色使いがほかの絵にあっただろうか?この医師は絵が気に入らず手放したというが、後世の美術ファンはおおいに楽しませてもらっている。

今年わが家はアンリ・ルソーイヤー、1月のアメリカ美術館巡りで運よく追っかけルソー(1844~1910)がいくつも姿を現してくれた。そして、今回‘詩人に霊感を与えるミューズ’との対面が叶った。右のアポリネールに比べてミューズの体が二回りくらい大きいのがおもしろい。そして二人とも手が異様に大きい。ルソーは足を描くのが苦手だったから、その反動で手に思いをこめたのかも。熱帯のジャングルをイメージさせる背景の緑一色の木や葉を仔細にみたが、どこにも猿や鳥などはうごめいていなかった。

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2013.07.07

アートに乾杯! 七夕図をお楽しみあれ

Img_0001_2        酒井抱一の‘乞巧奠(きっこうてん)’(1827年 大倉集古館

Img_0004_2     川原慶賀の‘年中行事絵 七夕図’(江戸時代18~19世紀)

Img_0003_2     奥村政信の‘絵本 小倉錦’(江戸時代18世紀)

Img_0002   三代歌川豊国の‘文月西陣の星祭’(江戸時代19世紀)

今日は七夕なので、これにちなんだ絵を選んでみた。3年前にもとりあげたので(拙ブログ10/7/7)、七夕図パート2。

大倉集古館に酒井抱一が五節句を描いた五幅の掛軸があり、その一幅が‘乞巧奠’、七夕の絵。京都の冷泉家では今でも中国から伝わったこの乞巧奠という祭りが行われている。これは一年に一度会ってニコニコ顔になる彦星と織姫の二星に蹴鞠、雅楽、和歌などの技芸を手向け、技が巧みになるようにと乞う、歌会の行事。

抱一の絵では台盤に海山の幸を盛る土器が置かれ、その下には角だいらがみえる。そして、女性が3人描かれた川原慶賀の絵には琴が手向けられている。雅楽の楽器としてはもうひとつ琵琶がある。

奥村政信のぐっとくだけた感じの七夕図はみてて楽しい。江戸時代までタイムスリップしなくても、昭和の30年代40年代だって、七夕の日はこんな雰囲気が漂っていた。この絵の真ん中にある台には川原慶賀の絵に描かれたのと同じように食物が供えられている。七夕気分が高まるのはなんといって笹竹に掛けられている色紙や短冊。風にひらひらする様はじつに風情がある。

賑やかな七夕は三代目豊国の絵。描かれている女性は6人、3組のペアが斜めに組み合わされて等間隔で配置されている。右端の母親はホウズキを高くあげて子供と遊んでおり、その向こうでは牛の背に荷物を積んだ大原女が休憩中。笹竹に短冊を結びつける娘、さてどんな願いを書いたのだろうか、食欲をそそられるのが左の女がもってきたスイカ。夏というとスイカが欠かせない。大好物だから、明日はいただくことにした。

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2013.07.06

好投が続くレッドソックスの田沢、上原!

Img     レッドソックスのセットアッパー 田沢

Img_0001      クローザー 上原

今日の大リーグはヤンキースとオリオールズの試合とレッドソックスとアスレチックス、東西地区の首位を走るチーム同士の戦い、2つを中継していた。今関心の的はレッドソックスのクローザーに昇格した上原のピッチング、この試合は上原をみるのに理想的な展開だった。

アウエイでの一戦だが、レッドソックスが主導権を握っていた。2回に2点先制し6回まで同点で進んだが、7回ハミルトンの落球で1点をもらうと続く8回にはオルティーズが2点ホームランを放ち勝負を決めた。

レッドソックスの勝ちパターンになったので8回の裏は1アウトのあと田沢がでてきた。今シーズン、田沢はセットアッパーとしていい仕事をしている。重くて速いストレートでバッターを力で抑え込む投球スタイルが板についてきた。度胸がすわっているのがいい。今日も2人をなんなく打ちとった。

そして、9回は期待の上原の登場。レッドソックスの点数が6になり点差が4になったので、この回を抑えてもセーブはつかないが、それはクローザー上原にとってどうでもいいこと。3人を簡単に片づけた。上原は制球力がいいからストライクはいつもポンポンととる。とにかくストライクをとる能力に秀でている。これが監督に高く評価され、華のクローザーに抜擢された。

大リーグのクローザーとして脚光を浴びるのはマリナーズで活躍した佐々木以来のこと。レッドソックスは現在、2位のオリオールズに5.5ゲームの差をつけている強いチーム、こんな伝統のあるチームのクローザーを今上原がつとめている。これはみていて気持ちがいい。フォークを駆使してバッターを三振にしとめるたびに上原の体からはアドレナリンがどばっとでているにちがいない。

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2013.07.05

アートに乾杯! ワイエスのスーパーリアリティ‘徴描写’

Img_0001     ‘クリスティーナの世界’(1948年 NY MoMA)

Img_0003     ‘ガニング・ロックス’(1966年 福島県美)

Img_0004     ‘三日月’(1987年)

Img_0007     ‘ウィンター・フィールド’(部分 1942年 NY MoMA)

今年1月念願のフィラデルフィア美を訪れたとき、いの一番にめざしたのはルノワールとセザンヌだったが、もう一人期待していた画家がいた。それはアメリカの国民的画家ワイエス(1917~2009)。でも、必見リストのなかにワイエスの作品は載ってない。

事前にこの美術館が所蔵する作品をいろんな美術本でチェックしたのだが、ワイエスの絵はでてこなかった。が、心のなかでは諦めてなかった。それは誰かの美術ブログに7,8年前フィラデルフィア美で大規模なワイエス展が開催されたという話がでていたから。一般的にある画家の回顧展が開かれるときは、主催する美術館は画家の代表作の一枚といえるような作品を所蔵していることが多い。だから、フィラデルフィア美はワイエスをきっと何点かもっていると期待したくなる。

そんなことがあり、具体的な作品情報はないのにワイエスが目の前に現れてくれることをひそかに願っていた。ところが、どこにもなかった。所蔵していれば当然展示してあるはず、ということはやはりこの美術館はワイエスをコレクションしてないのか、どうも腑に落ちないのだが、、、

このようにワイエスのまとまった情報が手元になく、お目にかかった作品も少ない。回顧展を体験したのはBunkamuraで08年に開催されたものだけ。そのなかでワイエスという画家が特別の存在であることを強く思わせる作品はMoMAにある‘クリスティーナの世界’と福島県美で偶然出会った‘ガニング・ロックス’。

風景でも人物でもそれが目の前にあるように、またその人物が至近距離のところに存在しているように描かれていると、視線は画面のなかに吸いこまれていく。対象を細かいところまでとらえ、その生の存在感を静謐な世界に描き出すワイエスの‘徴描写’、これを一度でも体験するともうワイエスからは逃れられない。20年前MoMAで‘クリスティーナの世界’のなかにみられる黄土色の草花の細密描写に200%KOされた。今年その絵とまた会うことができたのは幸せというほかない。

‘カニング・ロックス’の赤ら顔の皮膚の感じがじつにリアル。以前仕事でケンタッキー州へ行ったときこんな人物とよく出会った。まさに逞しく生きるカントリーの男。この絵も‘三日月’もBunkamuraであった回顧展に展示された。‘三日月’で視線が集中するのは軒先から垂れるつららと庇の下に掛けられている蔓籠。この籠の高い写実性はダリの描いたパンの入った籠を思い起こさせる。

次回のNY旅行で出かけようと思っているのがホイットニー美、ここにとても惹かれるワイエスの‘ウィンター・フィールド’がある。運よく展示してあるかわからないが、作品のある場所がわかっているのはこれしかないので是非ともみてみたい。

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2013.07.04

夢の先史壁画! カピバラ山地の岩面画

Img_0006_2                     ブラジルのカピバラ山地

Img_0002_2             カピバラ山地の岩面画 ‘天体観測’

Img_0003_2           ‘アルマジロを狩る人’

Img_0001_2                     ‘巨人像’

2011年、BSプレミアムで‘世界遺産 1万年の叙事詩’という番組(前年9月の再放送、9回シリーズ)があり、初回に先史時代の壁画が登場した。場所はそれまで聞いたこともなかったブラジルのカピバラ山地国立公園(1991年世界遺産に登録)。

この山地は世界一の壁画の宝庫でせりだした岩に描かれた壁画の数は3万点にのぼるという。ラスコーの洞窟があるヴェゼール渓谷で壁画が発見されたのは25カ所であるのに対し、カピバラ山地は600ヶ所と圧倒的に多い。驚くのが絵柄がヴァリエーションに富んでいること。描かれたのは2万2000年前~1万年前の旧石器時代、アルタミラやラスコーでは馬や牛などの動物が壁画の主役だが、ここでは動物ととも人々の暮らしの様子が描かれている。

とても興味深いのが夜空の星を楽しんでいる場面を表現した‘天体観測’とかミツバチを採集しているもの。また、妊娠している女性が描かれているのもある。そして、タッシリ・ナジェールでもみられた狩猟。動物は種類が多く親近感を覚えるものも登場する。トカゲ、カピバラ、アルマジロ。

このころ南米にいたアルマジロは今より大きかったらしい。だから、アルマジロを狩る人間を描いたもののほかに巨大なアルマジロに人が吹き飛ばされる壁画もでてくる。古代動物の知識はまったくないのだが、この番組でいろいろな動物を知った。1万年以上前にいた象によく似たマストドン(体重6トン)、そして南米大陸で最も繁栄した巨大哺乳類、グリプトドンは体重が2トンで長さは3メートルあった。

カピバラ山地の壁画を取材した写真家石川直樹氏(1977年生まれ)が一番興奮していたのがビルみたいな四角い姿をした巨人像。まるで子どものお絵かきをみているよう。最後にでてきたのはほかの洞窟壁画では見られないという大きな木。先史時代に植物は描かれないのが普通だが、ここでは木が巨人像と同様に畏怖すべき大自然の象徴として描かれ、その周りを囲む男たちが両手をあげて仰ぎみている。

南米を旅行する計画は今のところないが、このカピバラの壁画には大いに関心がある。壁画の発見は今もつづいているというから、素朴な線描きであっても動物や人間の生きるエネルギーや心のあたたかさがしっかり伝わってくる先史のアートがまた目を楽しませてくれるかもしれない。

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2013.07.03

夢の先史壁画! アルタミラ洞窟壁画

Img_0001_2     スペイン北部にあるアルタミラ洞窟

Img_0002_2      アルタミラ洞窟壁画‘バイソン’      

Img_0003_2     ‘バイソン’

Img_0004_2       ‘バイソン’

スペインの北部にあるアルタミラ洞窟の壁画が発見されたのはフランスのラスコーより早い1879年。今のところこの壁画をレプリカでみたという人がまわりにいないので、情報はきわめて乏しい。

旅行会社からは毎月のように海外旅行の案内がくるので‘スペインの旅’で行く名所観光はだいたいイメージできるが、行程のなかにアルタミラ洞窟壁画が入っているものはみあたらない。ここもラスコー同様、現在洞窟のなかには入れず、対面できるバイソンや馬などは現地にあるアルタミラ博物館に飾られているレプリカ。このレプリカはマドリードの国立考古学博にも展示されているようだ。

ラスコーの洞窟を発見したのは17歳の少年たちだったが、アルタミラの洞窟の天井に描かれた野牛をみつけたのは村に住む9歳の少女。一緒に洞窟へ入ったのは地元で考古学を独学で研究していたお父さん。偶然天井画に気づいたのは父親ではなく娘のほうだった。

このアマチュア考古学者はこの絵が描かれたのは旧石器時代だと主張したが、先史の専門家たちからは軽く扱われてしまった。よくある話。彼は失意のうちに亡くなったが、その後ほかにも洞窟が発見されやがてこのアルタミラの壁画も旧石器時代、約1万7000年~1万2000年前に描かれたことが認められた。

バイソンの姿は馬よりも荒々しくて迫力いっぱいだから、見ごたえがありそう。マドリードはまた訪問するチャンスはある。先史壁画はラスコーよりアルタミラのほうが先に実現するかもしれない。

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2013.07.02

ダルビッシュ 1ヶ月半ぶりに勝ち投手!

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昨日行われたレンジャーズとレッズの試合でダルビッシュは1ヶ月半ぶりに勝ち投手になった。7試合も勝ちがつかなかったため、ダルビッシュレポートはずいぶん間隔があいた。

この試合は朝4時からスタートしたのでビデオをとり、午前中にみた。投球内容はだいぶよくなった。7回まで投げ失点はゼロ、打たれたヒットはわずか4本、三振は8つとった。勝つときはなにもかもがうまくいく。6回に1アウト1、3塁のピンチをむかえたが、打者の放ったファーストへの強いゴロをモアランドが軽快にさばき狙い通りのダブルプレー。

解説者の武田が指摘していたのは最近のダルビッシュは投げたあとの体の沈みこみが好調時と比べてないこと。これは疲れが原因、このためスライダーでもストレートでも球の威力が落ちている。以前だったら2ストライクと追い込んだら、簡単に三振をとっていたのに今は手こずる。多くの球数を投げてようやくしとめることが多くなった。

今回の登板ではストレートは決まっていたが、変化球のキレはまだまだという感じ。でも、勝ち星がつき8勝となったので気分が一新され、4月、5月にみせたハイレベルの投球内容はまたもどってくるにちがいない。

前回ダルビッシュと投げ合った黒田は対オリオールズ戦で再度3本のホームランで失点し、撃沈。投打が不調のヤンキースは連敗がつづき4位に後退した。黒田にとってもチームにとっても今がふんばり時。今年は首位を走っているレッドソックスが好調な上、2位のオリオールズも昨年同様の強さを維持しているので、ヤンキースはよほど頑張らないと優勝争いから脱落する可能性が高い。

レッドソックスのリリーフ陣の一員、上原がなんとクローザーをつとめることになった。昨日はブルージェイズの強打者に同点ホームランを許してしまったが、運がいいことにチームはその裏相手エラーでサヨナラ勝ちとなったので、上原の無念さは少し軽くなったことだろう。上原には今が最高の晴れ舞台、熱く応援したい。

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2013.07.01

13年後半 展覧会プレビュー!

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今年も半年があっという間に終わり、今日から後半。いつものように7月から12月にかけて開催されるお楽しみ展覧会をまとめてみた。

★西洋美術
7/6~9/16     プーシキン美展          横浜美
7/20~9/23    ルーヴル美展           東京都美
8/7~10/21    アメリカンポップアート展         国立新美
8/7~9/1      秘蔵の名品アートコレクション展   ホテルオークラ
8/10~10/14   レオナール・フジタ展       Bunkamura

9/6~11/17    ミケランジェロ展          西洋美
10/3~11/19   吉岡徳二展            東京都現美
10/4~12/23   印象派をこえて          国立新美
10/8~12/18   ターナー展             東京都美
10/10~12/29  カイユボット展           ブリジストン美

★日本美術
7/3~8/25     谷文晁展             サントリー美
9/3~10/14    竹内栖鳳展            東京近美
10/5~11/24   横山大観展            横浜美
10/8~12/8    京都 洛外洛中図        東博

10/26~12/1   光悦展               五島美
11/2~12/5    井戸茶碗展            根津美
11/2~12/8    今村紫紅展            三渓園
12/7~2/11    下村観山展            横浜美

(注目の展覧会)
西洋美術は今週の土曜からはじまる‘プーシキン美展’が最大の楽しみ。期待大なのはルノワール、ゴッホ、ゴーギャン、そしてアンリ・ルソー、久しぶりに横浜美が大ホームランを打ってくれそう。もうずいぶん前からまわりにいる美術好きにこの展覧会のことを話してきた。とても楽しみ!

8月から国立新美ではじまる‘アメリカンポップアート展’も心が踊る展覧会。海外の美術館巡りはアメリカにシフトする予定なので、今はウォーホルやリキテンスタインらの作品への関心がとても高い。

新オルセーを特集したTVの美術番組で展示室に備えつけられたガラスのベンチは日本人デザイナー吉岡徳二が制作したことを知った。名前はインプットされていたが、その作品についてはNO情報だったので、そのすばらしいベンチに目が吸い寄せられた。だから、東京都現美で10月に開催される‘吉岡徳二展’が楽しみ。

10月は期待の展覧会がもう二つある。‘ターナー展’と‘カイユボット展’。テートブリテンにあるターナーの作品がどっとやって来るようなので、テンションは相当上がりそう。そして、ブリジストンで開かれる‘カイユボット’にも注目している。画集に載っている作品が何点みられるか、大いに期待したい。

日本美術は東博の‘京都 洛中洛外図’が賑やかになりそう、こういう展覧会は一種のイベントみたいなもの。京都に生きた人々のエンターテイメント気分をたっぷり楽しみたい。洛中洛外図をはじめとする追っかけ風俗画との対面が待ち遠しい。

五島美の‘光悦展’はすごいものがいっぱいみれそうな予感。五島美のやきもの展はいつも優品が登場するので今からわくわくしている。近代日本画家の回顧展が後半に集中。お楽しみははじめて体験する‘竹内栖鳳展’と‘今村紫紅展’。

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