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2013.06.07

アートに乾杯! おとなしいライオンと獰猛なライオン

Img      デューラーの‘聖ヒエロニムス’(1495年 ロンドン ナショナルギャラリー)

Img_0001    ルーベンスの‘ライオンの穴の中のダニエル’(1613年 ワシントン国立美)

Img_0002     ジェリコーの‘白馬を襲うライオン’(1824年以前 パリ ルーヴル美)

Img_0004  ティツィアーノの‘賢明の寓意’(1465年頃 ロンドン ナショナルギャラリー)

傑作タペスリー‘貴婦人と一角獣’で一角獣とペアを組んでいるのがライオン。7枚のタペスリーのなかには口を大きくあけて強さをアピールしているものもいるが、総じてあまり怖くなく可愛い感じのするライオン。一角獣が角を切ると即馬なのに対し、おとなしいライオンは犬を大型化したのと変わらない。

ライオンが古典絵画に登場するときはおとなしいことが多い。聖人ヒエロニムスはよく描かれる題材だが、聖人のそばにはいつもライオンがいる。デューラー(1471~1528)の描いた作品でもライオンがうしろに静かに座っている。獰猛さがみじんも感じられないのはこのライオンは聖人に恩があるから。体に刺さった棘に苦しんでいると聖人がこれを抜いてくれたのである。

ルーベンス(1577~1640)が描いた英雄ダニエルの物語ではライオンがいっぱいでてくるが、じつにおとなしい。預言者ダニエルをライオンのいる洞窟に投げ込んで抹殺しようと企てた者たちには想定外のことが起こった。ライオンたちはダニエルに襲いかかろうとしない。ダニエルの勇気と徳の高さがライオンの荒々しい気性まで変えてしまった。この絵を5年前、ワシントンでみたときはライオンの気高さが強く印象づけられた。

ライオンの獰猛さに戦慄を覚えるのがルーヴルにある‘白馬を襲うライオン’。描いたのはロマン派の画家ジェリコー(1791~1824)。これはとてもショッキングな絵。背中をガブリとやられた白馬の苦しそうな表情、この悲惨な光景は長くはみれない。ジェリコーの盟友ドラクロアにも緊張を強いられるライオンの絵がある。

ティツィアーノ(1485~1576)の絵に描かれたライオンはアメリカのMGM映画の映像を思い起こさせる。この絵は上に三世代の人間の顔、すなわち老人(過去)、壮年(現在)、若者(未来)が描かれている。これに対応しているのが狼、ライオン、犬。画像ではみえにくいが上に‘過去の経験によって、現在は賢明に振舞う、未来の行為を損なわぬために’と書かれている。百獣の王ライオンは動きが力強く活動的なので現在を表すとされた。

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