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2013.06.17

アートに乾杯! 天才カラヴァッジョの‘徴描写’

Img_0001_2     ‘果物籠’(1597年 ミラノ アンブロジアーナ美)

Img_0007_2     部分拡大図

Img_0005_2     ‘バッカス’(1595年 フィレンツェ ウフィッツィ美)

Img_0003_2     ‘トカゲに噛まれた少年’(1593年 ロンドン ナショナルギャラリー)

絵画を宗教画とか人物画といったジャンル別にみたとき、夫々にすぐ思い浮かべる傑作がある。静物画の場合、愛してやまないリファレンス作品は3点。鑑賞した順番にあげると、セザンヌの‘リンゴとオレンジ’、カラヴァッジョの‘果物籠’、そしてシャルダンの‘木いちごの籠’。

このなかで特別な体験をしたのがカラヴァッジョ(1571~1610)の‘果物籠’。この絵をミラノのアンブロジアーナ美でみたときは時間がなかったためじっくりみれなかった。その驚くばかりの‘徴描写’を体験することになったのは2度目の対面のとき。

3年前、ローマでカラヴァッジョの大回顧展(拙ブログ10/5/13)が開催され、‘果物籠’ははじめて館外で展示された。予約していたので開館するとすぐ入れこの絵の前にいるのは数人のみ。単眼鏡を使ってじっくりみた。そのときすごいサプライズがあった。それは梨や緑の葉についている水滴の表現(部分図を拡大で)。生の感覚をそのままとらえる‘徴描写’はこの水滴だけでなく、水が霧状になって飛び散っているところにも。隣の方と単眼鏡をまわしながらみたが、体が震える感激とはこのこと。本当にスゴイものをみた。

もう一点、夢中になったみた作品はウフィッツイからやってきた‘バッカス’。どこに注目したかというと画面左に描かれているワインのフラスコ。事前に得た情報によるとここにカラヴァッジョの顔が映っているという。ファン・エイク同様、カラヴァッジョも‘徴描写’をここで披露している。ところがである。単眼鏡を使って何度もみたが、その顔がつかめない。絵の前では幼稚園児に付き添いのお姉さんがお話をしている。その素振りからはカラヴァッジョの顔のことをいっているようで、手でフラスコを指している。

これは焦る。でも、最後まで像は確認できなかった。これはダリのダブルイメージみたいなもので、ひとつのイメージが固定するともうひとつがみえなくなるのと似ている。展覧会の図録にこの部分を拡大したものが載っており、ここのところかな?という気はするが確信はもてない。フィレンツェで再会することがあれば、もう一度挑戦したいと思っている。

ロンドンのナショナルギャラリーにある‘トカゲに噛まれる少年’にも大変魅せられる。視線が長くとどまっているのがガラスの花瓶を青白く輝かせる光の描写。カラヴァッジョの比類ない技術によって生まれた透き通るガラスの質感、これほど美しいガラスの花瓶はほかにみたことがない。

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コメント

『果物籠』は実見したことがありませんが、まさにカラヴァッジョの神業としか言いようがありません。

ウフィツィの『バッカス』は現地で何度か見たことがありますが、果物籠もさることながらワイングラスの描写に圧倒されます。

同じ『微描写』でもファン・エイクは人工的な細密描写に思えるのですが、カラヴァッジョは写真を再現しているのような細密描写。

光の描き方では、カラヴァッジョの方が巧みだからでしょうか。

投稿: ケンスケ | 2013.06.21 21:07

to ケンスケさん
PCを家電店に出していたので返事が遅れました。
‘果物籠’の霧のような水しぶきを単眼鏡でみて
体が震えました。西洋絵画史上こんなリアルな
静物画を描いたのはカラヴァッジョだけですね。

ファン・エイクの武具の質感描写もすごいですが、
カラヴァッジョは仰るようにこれにシャープな光
を使って明暗を強調しますから、モチーフの生の
感覚がでてきます。カラヴァッジョは本当に
すごいですね

投稿: いづつや | 2013.06.26 23:24

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