予想どおりにお宝の山 国宝‘大神社展’!
国宝‘橘蒔絵手箱’(南北朝時代 14世紀 和歌山・熊野速玉大社)
国宝‘沃懸地螺鈿金銅装神輿’(平安時代 12世紀 和歌山・鞆淵八幡神社)
国宝‘家津美御子大神坐像’(平安時代 9~10世紀 熊野速玉大社)
東博で今開かれている‘国宝 大神社展’(4/9~6/2)は予想どおりに国宝が続々登場する。国宝の追っかけをライフワークにしているから、こういう展覧会はじつに有難い。お蔭でリストに載せていた国宝のかなりの数に鑑賞済みマークがついた。
一度訪問したことのある熊野速玉大社、宝物館でお宝をみたが、それらはほんの一部。国宝の数は多く、全部みようとすると一生かかる感じ。蒔絵手箱は過去にみたことのある‘桐蒔絵’と初見の‘橘蒔絵’、蒔絵を楽しくみるにはひとつコツがある。それは蒔絵の前ではつま先立ちをしたりして視線を上下左右に動かすこと。そうすると光に反射した螺鈿のうすピンクや緑の輝きに酔いしれることができる。図録にでている‘唐花唐草蒔絵’もみたかったが、これは九博のみの展示。まだまだ追っかけは続く。
今回一番の収穫は鞆淵八幡神社にある‘沃懸地螺鈿金銅装神輿’がみれたこと。こういうお宝神輿をみる機会は滅多にないから、目をかっと開きぐるぐるまわりながらみた。装飾で気を惹くのがいくつもある円い鏡板。鏡をこれほど興味深くみたのははじめてかもしれない。
神像はこれまで2回くらい展覧会でお目にかかった。そのなかで強く印象に残っているのが今回も出品されている松尾大社蔵の‘女神坐像’。その長くのびたおかっぱ髪が目に焼きついている。再会して目が寄っていくのはやはり黒髪。これに対し男神はさらさらとながめて終わり。
女神像のほうに目がいくなかで大変惹きつけられたのが東寺からお出ましいただいた‘女神坐像’。みごたえのある大きな坐像。こういうものが東寺にあったことをすっかり忘れていたが、その魅力は松尾大社のものと勝るとも劣らない。図録にはもう1点、熊野速玉大社にある‘熊野夫須美大神坐像’(九博展示)が載っている。どうやら女神像はこの3点がベスト3のような気がする。
男神像は‘家津美御子大神坐像’が群をぬいていい。造形的にみると顔は目も鼻も大きく男っぽいのに下の足の部分がこじんまりとしておりやさしい感じ。そして、横からみると奥行きもあまりない。
展覧会の会期は前期が明日5/6までで、後期は5/8~6/2。待望の‘北野天神縁起絵巻’が後期に登場するのでもう一回楽しむつもり。
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コメント
上野は、ラファエロにダヴィンチに、グレートジャーニーと賑わってますが、特にこの大神社展は混んでいるようですね。
僕は初まってすぐ行きましたが、第一章の古神宝で、人だかりで前に進めない。
結局、神の像というのは、神仏習合で、仏様の像に倣って作られたんでしょうが、仏様の像と違って足の部分が短いというか、あまり細工してないですね。
さて、夏目漱石も近く始まりますがいづつやさんご期待は?
投稿: oki | 2013.05.06 02:39
to okiさん
大神社展は混んでますね。日曜美術館でとり
あげられたからかもしれませんし、タイトルの
‘国宝’が効果的です。
夏目漱石展はチラシにミレイの絵が載っていた
ので、これに期待してます。ほかにもサプライズ
があるような気がします。
投稿: いづつや | 2013.05.06 15:45